ロギングには、2 つの Solaris スキーマクラス、Solaris_LogRecord と Solaris_LogService の使用が含まれます。
Solaris_LogRecord クラスは、Solaris_Core1.0.mof でログファイル内のエントリをモデル化するように定義されています。イベントに応答してアプリケーションまたはプロバイダが Solaris_LogRecord クラスを呼び出す場合、Solaris_LogRecord クラスはそのイベントによって生成されるデータをすべてログファイルに書き込みます。Solaris_LogRecord クラスの定義を Solaris プロバイダの一部として見るには、テキストエディタを使用して Solaris_Core1.0.mof ファイルを表示します。Solaris_Core1.0.mof ファイルは、/usr/sadm/mof に入っています。
Solaris_LogRecord クラスは、プロパティのベクトルとキー修飾子を使用して、データを生成したイベント、システム、ユーザー、およびアプリケーションまたはプロバイダの属性を指定します。アプリケーションと CIM Repository 間で使用されるように、読み取り専用修飾子の値が透過的に生成されます。たとえば、値 RecordID はログエントリを個別に識別しますが、生成されたデータが表示される場合にログ書式の一部としては示されません。
書き込み可能修飾子の値は設定できます。たとえば、イベントが発生したシステムを識別する ClientMachineName と ServerMachineName のようなプロパティの修飾子の値を設定できます。
SysLogFlag プロパティが真に設定されていると、ログレコードの詳しいメッセージが Solaris システムの syslog デーモンに自動的に送信されます。
Solaris_LogService クラスは、ロギングサービスのオペレーションの制御と、ログデータの処理方法の定義を行います。このクラスには、アプリケーションが特定のイベントについてのデータを発行元アプリケーションから CIM Object Manager へ送信するために使用できる一連のメソッドが含まれます。データは、CIM Object Manager からの応答 (CIM Repository からのデータ検出など) を生成するトリガーとなります。
Solaris_LogService クラスには、次のメソッドがあります。
clearLog - 現在のログファイルの保存と名前変更、または保存されたログファイルの削除を行う
getNumRecords - 特定のログファイルに記録されているログの数を返す
listLogFiles - /usr/sadm/wbem/log に格納されているすべてのログファイルの一覧を返す
getCurrentLogFileName - 最新のログファイルの名前を返す
getNumLogFiles - /usr/sadm/wbem/log に格納されているログファイルの数を返す
getLogFileSize - 特定のログファイルのサイズをメガバイト単位で返す
getSyslogSwitch - ログデータを syslog (Solaris オペレーティング環境のロギングサービス) に送る
getLogStorageName - ログファイルが格納されるホストコンピュータまたはデバイスの名前を返す
getLogFileDir - ログファイルが格納されるディレクトリのパスと名前を返す
Solaris_LogServiceProperties クラスでは、ロギングプロパティを設定することができます。「ロギングプロパティの設定」を参照してください。
Solaris_LogService クラスの定義は、/usr/sadm/mof/ にある Solaris_Core1.0.mof ファイル内で参照することができます。