Solaris 8 1/01 ご使用にあたって (Intel 版)

Solaris 8 のインストールを開始する前に知っておく必要がある注意事項とバグ情報

Solaris 8 ソフトウェアのインストールを始める前に知っておく必要がある注意事項とバグ情報について説明します。

ロケール選択機構の変更

Solaris 8 では、インストールするロケールを選択する機構が変更されました。Solaris 2.5.1、Solaris 2.6、Solaris 7 では、一部のロケールは、選択するソフトウェアグループ (ソフトウェアクラスタ) によって、インストールするロケールを決定していました。Solaris 8 では、新しいインストールインタフェースが導入され、地域を選択することによって必要なロケールを決定します。このため Solaris 8 では、Solaris 2.5.1、Solaris 2.6、Solaris 7 よりも柔軟にオペレーティングシステムのインストール時にシステム構成をカスタマイズすることができます。

特に、次の点に注意してください。

Athlon プロセッサ搭載機種で Device Configuration Assistant フロッピーディスクからのブートに失敗する (バグ ID: 4344312)

AMD Athlon プロセッサ搭載機種を Device Configuration Assistant (デバイス構成用補助) フロッピーディスクからブートすると、次のようなエラーメッセージが出力され、ブートに失敗します。


prom_panic: Could not mount filesystem.
Entering boot debugger:
[12ff05]:

回避方法: Solaris 8 1/01 INSTALLATION (Multilingual) CD (Intel 版)、または Solaris 8 1/01 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel 版) からブートしてください。

symhislmegacpqncr などのディスクコントローラドライバがインストールされているシステムに、8G バイトを超えるパーティションを作成できない

以下に示すコントローラのいずれかを使用するディスク上に 8G バイトを超えるパーティションを作成すると、インストールされたシステムが正常に動作しません。

Solaris オペレーティング環境のインストールプログラムは、ドライバが 8G バイトを超えるパーティションをサポートしないことを検知できません。したがって、エラーを表示せずにインストールを続けますが、システムをリブートしようとするとリブートは失敗します。

システムをリブートできたとしても、ブートデバイスや追加されたパッケージに関連する他の変更が原因となって、後で異常終了します。これらのドライバに関連するディスクコントローラは、次のとおりです。

回避方法 : symhislmegacpqncr などのドライバによって稼動するディスクコントローラを持つシステムに、ディスクの最初の 8G バイトを超える大きなパーティションをインストールしないでください。

Solaris 8 オペレーティング環境へアップグレードする前に、DPT PM2144UW コントローラの BIOS を最新のものに更新する必要がある

Solaris 8 オペレーティング環境には、サイズの大きいパーティションをインストールするための新しい機能が追加されています。DPT PM2144UW コントローラの BIOS は、LBA (論理ブロックアドレス指定, Logical Block Addressing) をサポートしていなければなりません。最新の BIOS は、LBA アクセスを完全にサポートしています。問題が発生した場合は、ほかの DPT コントローラモデルにも影響します。

回避方法 : Solaris 8 オペレーティング環境にアップグレードする前に、 DPT PM2144UW コントローラの BIOS が最新のバージョンであることを確認してください。

システムに DPT コントローラがインストールされているかどうかは、次の手順で確認できます。

  1. 次のコマンドを実行します。

    prtconf -D

  2. 名前 dpt が表示されたら、カードの構成ユーティリティを起動して、機種や BIOS のバージョンに関する情報を取得します。

  3. BIOS をフラッシュするか、最新の BIOS EPROM をインストールして、DPT PM2144UW コントローラをアップグレードします。すべての DPT コントローラの最新の BIOS イメージについては、http://www.dpt.com を参照してください。

これで、システムを Solaris 8 オペレーティング環境にアップグレードできます。

BIOS バージョン GG.06.13 を使って Hewlett-Packard (HP) Vectra XU シリー ズのシステムをアップグレードできない

Solaris 8 オペレーティング環境には、サイズが大きいパーティションをインストールできる新しい機能が含まれています。システム BIOS は Logical Block Addressing (LBA) をサポートしている必要がありますが、BIOS バージョン GG.06.13 は LBA アクセスをサポートしていません。このような衝突を Solaris ブートプログラムは処理できません。この問題は他の HP Vectra システムにも影響します。

このシステムをアップグレードすると、HP システムはブートしなくなります。暗い画面上に点滅する下線が表示されるだけです。

回避方法 : HP Vectra XU シリーズシステムを最新の BIOS バージョン GG.06.13 で、Solaris 8 オペレーティング環境にアップグレードしないでください。Solaris 8 オペレーティング環境では、これらのシステムはサポートされていません。

ブートパスはハードディスクコードを使用しないため、ブートフロッピーディスクまたはブート CD でシステムをブートすることができます。、ブート可能デバイスとしてネットワークまたは CD-ROM ドライブの代わりに、ハードディスクを選択してください。

PCI-IDE システム上で DMA が無効になる

デフォルトでは、Solaris ata デバイスドライバは、ATA/ATAPI デバイスに対して DMA (Direct Memory Access) 機能を無効にします。Solaris 8 オペレーティング環境は、DMA 機能が無効になっている状態で正しく動作します。

パフォーマンスを向上させるために DMA 機能を有効にする方法については、「PCI-IDE システム上で DMA が無効になる」を参照してください。

kdmconfig で USB Mouse が PS/2 Mouse として認識される (バグ ID: 4312993)

Pointing Device として USB Mouse を使用しているシステムで kdmconfig を実行すると、USB Mouse が PS/2 Mouse として認識されてしまいます。

Pointing Device を変更せずに PS/2 Mouse のまま次の画面に進むと、システムが停止します。

回避方法:Pointing Device を USB Mouse に変更してください。

64M バイトメモリーのシステムが、ネットワーク接続時に停止する (バグ ID: 4394591)

64M バイトメモリーの IA システムに、Solaris 8 Installation CD を使用してテキストモードでインストールすると、インストール終了後、システムのブート時に次のエラーメッセージが出力され、ブートが停止することがあります。


WARNING: Timed out waiting for NIS

この場合、インストールは成功していますが、次の 2 つのシステムファイル、/etc/inet/hosts/etc/inet/netmasks が正しく初期化されていません。これは、システム構成中にシステム上のスワップ容量が不足したためです。

メモリー容量が 64M バイトよりも大きな IA システムにインストールした場合や、Solaris 8 Installation CD を使用してグラフィックモードでインストールした場合には、この問題は発生しません。

回避方法 : インストール前の場合は、次のいずれかを行なってください。

インストール後にこの問題が発生した場合は、次の手順でシステムを修正してください。

  1. 次のようにシングルユーザーモードでシステムをブートします。


    Select (b)oot or (i)nterpreter : b -s
    

  2. /etc/inet/hosts ファイルに、次の行を追加します (system's_ip_address にはシステムの IP アドレスを、host_name にはホスト名を入力します)。

    • system's_ip_address host_name

  3. /etc/inet/netmasks ファイルに次の行を追加します (system's_network_number にはシステムのネットワーク番号を、netmask にはネットマスクを入力します)。

    • system's_network_number netmask