Solaris 8 のソフトウェア開発 (追補)

国際化

J2SE 1.3.0リリースおける国際化の向上によって、開発者は自国ユーザー向けにアプリケーションを今まで以上に柔軟にローカライズできるようになりました。ここでは、2 つの新しい機能について説明します。

入力方式とは、アプリケーションに対してテキスト入力を生成するため、キー入力や話しかけるなどのユーザーの操作を解釈するソフトウェアコンポーネントです。国際的なロケールでは、入力方式はテキストの入力に重要な役割を果たします。キーボードから直接入力できる英文テキストと異なり、日本語や中国語などの言語でのテキスト入力には、さらに高度な入力方式のフレームワークが必要となります。J2SE 1.3.0 では、開発者がそうした作業に対応するために必要となる強力なツール群が提供されています。

最新のテキスト編集コンポーネントでは、テキストが最終的に表示される文書の文脈内に、入力されたテキストが表示されます。これを「入力位置内 (on-the-spot)」入力といい、Java 2 Platform では常にサポートされてきました。

J2SE 1.3.0 では、中国などの国で好評な「入力位置下 (below-the-spot)」という、第二の入力スタイルに対するサポートが追加されています。「入力位置下」テキスト編集では、入力済みのテキストは別の編集ウィンドウに表示され、そのウィンドウはテキストの挿入位置の近くに自動的に配置されます。

開発者としては、入力方式のフレームワークの一部として表示されるウィンドウを変更したり、カスタマイズしたいと考える可能性があります。その場合、J2SE 1.3.0 では、入力方式のエンジンである Service Provider Interface (SPI) に対応する新しい API が提供されているため、開発者は自在に変更やカスタマイズができます。SPI を使用して、開発者は、ソフトウェアの必要性に応じて独自の入力方式のエンジンを作成できます。

国際ロケールに対する新たなサポートの例は他にもあります。J2SE 1.3.0 では、アラビア語やヘブライ語などのロケール用に、ツールバーやメニューバーを右から左という方向になるように、アプリケーションのフレームやダイアログボックスをレンダリングすることができます。