Solaris 8 のシステム管理 (追補)

第 12 章 UFS ソフトウェアでのファイルシステムの管理

Solaris 8 1/01 リリースで UFS ソフトウェアが拡張されました。次に記載する情報は、『Solaris のシステム管理 (第 1 巻)』の「ファイルシステムの管理 (概要)」の章の直接入出力に関する情報を補足するものです。


注 –

最新のマニュアルページを参照するには、man コマンドを使用してください。Solaris 8 Update リリースのマニュアルページには、「Solaris 8 Reference Manual Collection」には記載されていない新しい情報も提供されています。


UFS 直接入出力の並行処理の向上

Solaris 8 ソフトウェアリリースに、新しい UFS 機能が含まれるようになりました。バッファー処理されていないファイルシステムのデータにアクセスするためにデータベースアプリケーションが使用する直接入出力のパフォーマンスが改良され、通常の UFS ファイルへの読み取りおよび書き込みのアクセスの並行処理が可能になりました。これまでは、ファイルデータを更新する操作は、その更新操作が完了するまで、その他すべての読み取りアクセスまたは書き込みアクセスをロックアウトするようになっていました。

書き込みの並行処理は、ファイルのリライトという特別なケースのみに限られます。ファイルを拡張する場合は、書き込みは従来のようにシングルスレッドで行われます。一般に、データベースはファイルを事前に割り当て、その後はあまり拡張することはありません。そのため、この拡張による効果は通常のデータベース操作時に見られます。

直接入出力の改良により、UFS ファイルシステムにおける入出力を長時間使用するデータベースのパフォーマンスは、raw パーティションのアクセススピードの約 90 % に短縮されます。データベースが CPU やバス大域幅を長時間使用する場合は、このパフォーマンスの向上は見られないことになります。

データベーステーブルの保存にすでに UFS を使用している場合、入出力データベースのアプリケーションを直接入出力が可能な状態で実行することを想定してみてください。可能であれば、直接入出力の有効化にデータベースの管理手順を使用します。直接入出力をデータベース製品から可能にすることができない場合は、mount -o forcedirectio オプションを使用して各ファイルシステムについて直接入出力を有効にするか、または directio(3C) ライブラリ呼び出しを使用して直接入出力を有効にします。

詳細は、mount_ufs(1M) または directio(3C) のマニュアルページを参照してください。