Solaris 8 7/01 ご使用にあたって (Intel 版)

GUI 全般

Solaris のグラフィカルユーザーインタフェース (GUI) 全般に関するバグ情報と注意事項について説明します。

[日本語環境のみ] ja および ja_JP.PCK ロケールにおけるフォントサイズに関する注意事項

Solaris 8 10/00 から ja および ja_JP.PCK ロケールでも xxs と xs に対応する日本語のフォントサイズを利用できるようになりました。

そのため、今まで CDE にて xxs および xs を利用していた環境では、アプリケーションが表示するフォントのサイズが今までとは異なります。必要に応じて、フォント・スタイル・マネージャを使用してデフォルトフォントのサイズを適切な大きさへ変更してください。

[日本語環境のみ] ja_JP.UTF-8 ロケールとフォントに関する注意事項

UTF-8 ロケールでは、複数のフォントを組み合わせて各コードポイントのグリフを表示させています。このため、1 つのコードポイントに対して複数のフォントのグリフが対応する場合があります。ja_JP.UTF-8 では、以下の表に示す優先順位でフォントを使用するように実装されています。

キャラクタセット 

フォント 

ISO8859-1:GL(ASCII) 

JISX0201.1976-0 

ISO8859-1:GR 

ISO8859-1 

ISO8859-5:GR  

ISO8859-5 

ISO8859-7:GR 

ISO8859-7 

ISO8859-2:GR 

ISO8859-2 

ISO8859-4:GR 

ISO8859-4 

ISO8859-9:GR 

ISO8859-9 

ISO8859-15:GR 

ISO8859-15 

JISX0208.1983-0 

JISX0208.1983-0 

JISX0201.1976-0:GR 

JISX0201.1976-0 

JISX0212.1990-0:GR 

JISX0212.1990-0 

KSC5601.1992-3:GLGR 

KSC5601.1992-3 

GB2312.1980-0:GR 

GB2312.1980-0 

BIG5-1:GLGR 

BIG5-1 

TIS620.2533-0:GR 

TIS620.2533-0 

ISO8859-6:GR 

ISO8859-6 

ISO8859-8:GR 

ISO8859-8 

たとえば、U+0410 (Cyrillic Capital Letter A) は、ISO8859-5 と JISX0208.1983 など複数のフォントにグリフが存在しますが、上記のルールによって ISO8859-5 のフォントが実際に使用されます。また、CKJ Unified Ideographs エリアにある漢字で使用されるフォントは、JISX0208.1983 -> JISX0212.1990 -> KSC5601.1992-3 -> GB2312.1980 -> BIG5-1 の優先順位で使用されます。

なお現時点では、UTF-8 のコードポイントと使用するフォントの情報はシステム側でハードコードされており、ユーザーがカスタマイズすることはできません。


注意 - 注意 -

ASCII (Basic Latin) 領域 (U+21 - U+7E) では、ISO8859-1 フォントではなく、JISX0201.1976 フォントが使用されます。これは、ja_JP.UTF-8 ロケールでもっとも使用頻度が高いと思われる ASCII と漢字の組み合わせを表示した場合、フォントのバランスが悪くなるのを避けるためです。ただしこのために、逆斜線 (U+5C) に円記号のグリフが使われるという問題があります。この問題を避けるには、次の設定を行なってください。

/usr/openwin/lib/locale/ja_JP.UTF-8/XLC_LOCALE の以下の次の行

        #       fs0 class (7 bit ASCII)
        fs0     {
                charset       ISO8859-1:GL
                # font        ISO8859-1:GL; JISX0201.1976-0:GL
                font          JISX0201.1976-0:GL; ISO8859-1:GL
        }

を以下のように変えてください (5 行目をコメントアウトし、4 行目のコメントを外します)。

        #       fs0 class (7 bit ASCII)
        fs0     {
                charset       ISO8859-1:GL
                font          ISO8859-1:GL; JISX0201.1976-0:GL
                # font        JISX0201.1976-0:GL; ISO8859-1:GL
        }

設定が終わったら、Solaris CDE セッションから一度ログアウトし、再度ログインしてください。

[日本語環境のみ] Solaris CDE アプリケーションと ja_JP.UTF-8 ロケールのフォントに関する注意事項

Solaris CDE セッションでは、起動時にアプリケーションが使用するデフォルトフォントのリソースを、通常以下のように設定します。

*DtEditor*textFontList: -dt-interface user-medium-r-normal-m*-*-*-*-*-*-*-*-*:
*Font:                  -dt-interface user-medium-r-normal-m*-*-*-*-*-*-*-*-*
*FontList:              -dt-interface system-medium-r-normal-m*-*-*-*-*-*-*-*-*:
*FontSet:               -dt-interface user-medium-r-normal-m*-*-*-*-*-*-*-*-*
*XmText*FontList:       -dt-interface user-medium-r-normal-m*-*-*-*-*-*-*-*-*:
*XmTextField*FontList:  -dt-interface user-medium-r-normal-m*-*-*-*-*-*-*-*-*:
*buttonFontList:        -dt-interface system-medium-r-normal-m*-*-*-*-*-*-*-*-*:
*labelFontList:         -dt-interface system-medium-r-normal-m*-*-*-*-*-*-*-*-*:
*systemFont:            -dt-interface system-medium-r-normal-m*-*-*-*-*-*-*-*-*:
*textFontList:          -dt-interface user-medium-r-normal-m*-*-*-*-*-*-*-*-*:
*userFont:              -dt-interface user-medium-r-normal-m*-*-*-*-*-*-*-*-*:

ただし、ja_JP.UTF-8 ロケールを含む UTF-8 ロケールでは、端末エミュレータなど、特定の比率をもった固定幅フォントを要求するアプリケーションで表示が崩れるという問題を回避するために、CDE で使用するデフォルトフォントを次のように設定しています。

*DtEditor*textFontList: -dt-interface user-medium-r-normal-m*utf-*-*-*-*-*-*-*-*:
*Font:                  -dt-interface user-medium-r-normal-m*utf-*-*-*-*-*-*-*-*
*FontList:              -dt-interface system-medium-r-normal-m*utf-*-*-*-*-*-*-*-*:
*FontSet:               -dt-interface user-medium-r-normal-m*utf-*-*-*-*-*-*-*-*
*XmText*FontList:       -dt-interface user-medium-r-normal-m*utf-*-*-*-*-*-*-*-*:
*XmTextField*FontList:  -dt-interface user-medium-r-normal-m*utf-*-*-*-*-*-*-*-*:
*buttonFontList:        -dt-interface system-medium-r-normal-m*utf-*-*-*-*-*-*-*-*:
*labelFontList:         -dt-interface system-medium-r-normal-m*utf-*-*-*-*-*-*-*-*:
*systemFont:            -dt-interface system-medium-r-normal-m*utf-*-*-*-*-*-*-*-*:
*textFontList:          -dt-interface user-medium-r-normal-m*utf-*-*-*-*-*-*-*-*:
*userFont:              -dt-interface user-medium-r-normal-m*utf-*-*-*-*-*-*-*-*:

デフォルトの設定で Solaris CDE を使用している場合は問題ありませんが、スタイル・マネージャを使用してフォントのサイズを変更した後にロケールを変更した場合、意図しないフォントが使用され、端末エミュレータなどのアプリケーションで表示がおかしくなる場合があります。

このような場合には、スタイル・マネージャのフォントの設定ダイアログでサイズを選択し、「了解」ボタンを押した後に CDE セッションから一度ログアウトし、再度ログインしてください。このような問題は、ja ロケールまたは ja_JP.PCK ロケールから ja_JP.UTF-8 ロケールへ移行した場合、ja_JP.UTF-8 ロケールから ja ロケールまたは ja_JP.PCK ロケールへ移行した場合の双方で起こる可能性があります。

[日本語環境のみ] DPS 上でのユーザー定義文字のアウトラインフォント指定に関する注意事項

DPS 上でのユーザー定義文字のアウトラインフォントを指定するための /usr/openwin/lib/locale/<locale>/OWfontpath へのフォントパスの追加では、存在するディレクトリを指定してください。正しく指定されていない場合は、 dtlogin で文字が表示できなくなります。