Solaris Web Start を使ってアップグレードを行うためには、ディスク上に未使用のスライスが必要です。望ましいスライスは swap スライスですが、/etc/vfstab にリストされているアップグレード対象のルートスライスのどれにも属していないスライスであれば、どのスライスでもかまいません。このスライスの推奨サイズは 512 M バイトです。
Solaris Web Start を使って Solaris 2.5.1、Solaris 2.6、Solaris 7 を Solaris 8 にアップグレードすることはできません。この場合には、Solaris 8 対話式インストールプログラムを使用する必要があります。Solaris Web Start では、以前の Solaris リリースでは作成されなかった 10 M バイトの IA ブートパーティションが別に必要です。
Solaris Web Start を使用して、Solaris 8 リリースを Solaris 8 Update リリースにアップグレードできます。
Solaris Web Start を使ってインストールやアップグレードを行うためには、システムディスクに 2 つの fdisk パーティションが必要です。
Solaris fdisk パーティション
通常の Solaris fdisk パーティションです。システム上に Solaris fdisk パーティションがない場合は、その作成を求めるプロンプトが Solaris Web Start から出されます。
既存の fdisk パーティションのサイズを変更すると、そのパーティションにあるすべてのデータが自動的に削除されます。Solaris fdisk パーティションを作成する場合は、データのバックアップを取ってください。
x86BOOT fdisk パーティション
IA システムを観にルートから起動するための、10M バイトの fdisk パーティションです。ミニルートは、Solaris fdisk パーティションに新たに作成されるスワップスライスに置かれます。
x86BOOT fdisk パーティションを手動で作成しないでください。
Solaris Web Start は、Solaris fdisk パーティションを分割し、10M バイトの x86BOOT fdisk パーティションを作成します。このように x86BOOT fdisk パーティションの作成をインストールプログラムに任せることによって、既存の fdisk パーティションを変更してしまう危険が防止されます。
デフォルトブートディスクの BIOS および SCSI ドライバが、LBA (Logical Block Addressing) をサポートしている必要があります。LBA により、1024 シリンダの制限を超えるマシンのブートや、複数の Solaris スライスにまたがるマシンのブートが可能になります。
LBA がサポートされているかどうかを調べるには、次のコマンドを使用します。
# prtconf -pv | grep -i lba |
デフォルトブートディスクの BIOS および SCSI ドライバが LBA をサポートしている場合は、次のメッセージが出力されます。
lba-access-ok: |
デフォルトブートディスクの SCSI ドライバが LBA をサポートしていない場合は、次のメッセージが出力されます。
no-bef-lba-access |
デフォルトブートディスクの BIOS および SCSI ドライバが LBA をサポートしていない場合は、Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD の対話式インストールプログラムを使って Solaris 8 オペレーティング環境のインストールやアップグレードを行う必要があります。