Solaris カーネルのチューンアップ・リファレンスマニュアル

lotsfree

説明

システムページングを開始する最初のトリガーです。ページ数がこのしきい値に達すると、ページスキャナが立ち上がり、再利用するメモリーページを探します。

データ型

符号なし long

デフォルト

物理メモリーの 1/64 か 512K バイト (大きい方)

範囲

最小値は、512K バイトか物理メモリーの 1/64 の大きい方です。この値は、getpagesize(3C) から返されるページサイズに基づくページ数で表わされます。

最大値は物理メモリーのページ数です。この最大値は、物理メモリーの 30% 以内であるべきです。システムは、「検査」の項目で記述されていなければ、この範囲を強制しません。

単位

ページ

動的か

はい。ただし、メモリーに関して DR 操作が行われると、動的な変更は失われます。

検査

lotsfree が物理メモリーの総量より大きい場合、値はデフォルトにリセットされます。

暗黙的制約

cachefreelotsfree に等しいかそれより大きく、lotsfreedesfree より大きく、desfreeminfree より大きいという関係が常に維持されなければなりません。

どのような場合に変更するか

ページ要求が急激に増えるような場合には、メモリーアルゴリズムが要求に対応できないことがあります。この問題を回避する 1 つの方法は、メモリーの再利用を早くに開始することです。これは、ページングシステムにいくらか余裕を与えることになります。

経験則によると、このパラメータは、システムが 2 〜 3 秒で割り当てる必要がある量の 2 倍にします。このパラメータの適正値は負荷によって異なります。DBMS サーバーはおそらくデフォルトの設定値で問題なく機能しますが、ファイルシステム入出力を頻繁に行うシステムでは、このパラメータを調整する必要があります。

負荷が比較的安定し、メモリー総量が多いシステムでは、この値を下方に調整します。指定可能な最小値は 512K バイトで、この値は getpagesize(3C) から返されるページサイズに基づくページ数で表わされます。

コミットレベル

変更の可能性あり