Solaris カーネルのチューンアップ・リファレンスマニュアル

nfs:nrnode

説明

NFS クライアントの rnode キャッシュのサイズを制御します。

NFS バージョン 2 クライアントでも、バージョン 3 クライアントでも使用される rnode キャッシュは、NFS クライアント上のファイルを記述する中心的なデータ構造体です。このデータ構造体には、サーバーのファイルを識別するファイルハンドルや、NFS クライアントがサーバーへのネットワーク呼び出しを避けるために使用するさまざまなキャッシュへのポインタが含まれています。個々の rnodevnode と 1 対 1 で対応しています。vnode には、ファイルデータがキャッシュされます。

NFS クライアントは、キャッシュされたデータやメタデータが破棄されないように、最小限の rnode を保持しようとします。rnode の再利用や解放が行われると、キャッシュされたデータやメタデータは破棄されなければなりません。

データ型

整数 (32 ビット)

デフォルト

このパラメータのデフォルト値は 0 です。これは、nrnode の値に ncsize パラメータの値が設定されるべきであることを示しています。実際、nrnode の値が正でないと、nrnode には ncsize が設定されます。

範囲

1 から 231 - 1

単位

rnode

動的か

いいえ。この値を変更するには、パラメータを /etc/system ファイルに追加するか、そのパラメータを変更し、システムを再起動する必要があります。

検査

rnode キャッシュが使用可能なメモリーの 25% を超えないような最大値をシステムは強制します。

どのような場合に変更するか

rnode の作成や破棄は動的に行われるため、システムは、システムのメモリーの要求や同時にアクセスされるファイルの数が増えるに従って、キャッシュのサイズを自動的に調整して、nrnode サイズキャッシュを決定する傾向があります。しかし、アクセスするファイルの組み合わせが前もって予測できる場合など、状況によっては、nrnode の値を設定する方がよいこともあります。たとえば、NFS クライアントが少数の非常に大きなファイルにアクセスしている場合は、nrnode の値に小さな数を設定すれば、システムメモリーには、rnode の代わりにファイルデータをキャッシュできます。あるいは、クライアントが多数の小さなファイルにアクセスしている場合は、nrnode に十分大きな値を設定すれば、ファイルメタデータの格納を最適化して、メタデータを求めるネットワーク呼び出しの回数を減らすことができます。

nrnode の値に 1 を設定すると、rnode キャッシュは事実上無効になります (ただし、この方法はお勧めできません)。この場合、クライアントは rnode を 1 つしかキャッシュしないため、それが頻繁に再使用されます。

安定性レベル

発展中