SunVTS 4.4 テストリファレンスマニュアル

第 46 章 非同期シリアルインタフェース (PCI) テスト (saiptest)

saiptest は、非同期シリアルインタフェースカードの機能を検査します。 このテストでは、非同期シリアルインタフェースカードのデバイスドライバが使用されます。


注 -

saiptest を実行するシステム上に、Patch ID 109338 をインストールする必要があります。


saiptest のハードウェア条件

SunVTS 診断ソフトウェアを実行する前に、必ずテストするインタフェースカードと、そのデバイスドライバをインストールしておいてください。インストールを終えた後に、boot -r コマンドでシステムを再起動してシステムを再構成し、SunVTS カーネルがインストールされたドライバを認識できるようにします。


注 -

saiptest は対話モードで実行する必要があります。



注 -

saiptest を実行するシステム上に、Patch ID 109338 をインストールする必要があります。


内部テスト (Internal Test) を正しく実行するには、少なくとも以下のハードウェア構成が必要です。

他の SunVTS 非同期シリアルインタフェーステストを実行する場合は、以下のハードウェアも必要です。

saiptest のオプション

ダイアログボックスを表示するには、システムマップにあるテスト名を右クリックし、Test Parameter Options を選択します。システムマップにこのテスト名が表示されない場合は、グループツリーを展開すると表示される場合があります。展開しても表示されない場合は、このテストに合ったデバイスがシステムに含まれていない可能性があります。詳細は、『SunVTS 4.4 ユーザーマニュアル』を参照してください。

図 46-1 saiptest のテストパラメタオプションダイアログボックス

Graphic

Configuration: には、非同期シリアルインタフェース (SAI) カードで使用可能な非同期シリアルポートが示されます。使用可能なポートについては、表 46-1 を参照してください。

表 46-1 saiptest の非同期シリアルポート

カード番号 

カードデバイス名 

シリアルポート 

saip0 

term/a000-a007 

saip1 

term/b000-b007 

saip2 

term/c000-c007 

saip3 

term/d000-d007 

saip4 

term/e000-e007 

saip5 

term/f000-f007 

saip6 

term/g000-g007 

saip7 

term/h000-h007 

saip8 

term/i000-i007 

saip9 

term/j000-j007 

10 

saip10 

term/k000-k007 

11 

saip11 

term/l000-l007 

12 

saip12 

term/m000-m007 

13 

saip13 

term/n000-n007 

14 

saip14 

term/o000-o007 

15 

saip15 

term/p000-p007 

表 46-2 saiptest のオプション

オプション 

説明 

Internal Test 

PCI スロットに装着されている非同期シリアルインタフェースカードに対して、内部ループバックテストを行います。カードには何も接続せずにテストします。 

25-pin Loopback 

オプションメニューの Serial Port セクションで選択されているシリアルポートに対して、全二重伝送テストとフルモデムループバックテストを行います。このテストを行うには、テストする非同期シリアルインタフェースパッチパネルのシリアルポートに、25 ピンループバックプラグを接続します。Echo-TTY オプションが有効な場合は、実行することはできません。 

Echo-TTY 

TTY 端末のキーボードから入力された文字を、TTY 端末の画面に表示することによって、オプションメニューの Serial Port セクションで選択されているシリアルポートが、正しく動作しているかどうかを調べます。TTY 端末のキーボードから任意の文字を入力してください。正常であれば、入力した文字が TTY 端末の画面に表示されます。 

 

注 - 非同期シリアルインタフェースのシリアルポートに TTY 端末を接続するには、文字サイズを設定する必要があります。たとえば、TTY 端末を 8 ビットの文字サイズに設定している場合は、saiptest オプションの Char Size を 8 ビットに設定する必要があります。2 分間何も入力しなかった場合は、時間切れエラーになります。

Baud Rate 

ボーレートを指定します。110、300、600、1200、2400、4800、9600、19200、38400 のいずれかを選択してください。 

注 - 38400 のボーレートは、内部テストが無効で、ポートを 1 つずつテストする場合にのみ使用することができます。 

Char Size 

文字の長さを指定します。5、6、7、8 のいずれかを選択してください。 

Stop Bit 

ストップビット数を指定します。1 または 2 ビットのいずれかを選択してください。 

Parity 

パリティーを指定します。none (なし)、odd (奇数)、even (偶数) のいずれかを選択してください。 

Flow Control 

フロー制御方法を指定します。xonoff、rtscts、both のいずれかを選択してください。 

Data Type 

テストに使用するデータパターンを指定します。0x55555555 (0x55)、0xaaaaaaaa (0xaa)、random のいずれかを選択してください。 

Serial Port 

テストするシリアルポートを指定します。オプションメニューの Configurations: に示されているポートから選択してください。 

Timeout 

テストが時間切れになるまでの秒数を指定します。デフォルト値は 120 秒です。 

saiptest のテストモード

表 46-3 saiptest のテストモード

テストモード 

サポート 

説明 

接続テスト 

× 

サポートされていません。 

機能テスト 

(オフライン) 

○ 

すべてのテストを実行できます。

saiptest のコマンド行構文

/opt/SUNWvts/bin/saiptest 標準引数 -o dev=デバイス名, M=テストモード, B=ボーレート,Size=文字サイズ,Stop=ストップビット数, Parity=パリティ,F=フロー制御,Data=テストパターン,sp=シリアルポート, tout=タイムアウト値

表 46-4 saiptest のコマンド行構文

引数 

説明 

dev=デバイス名

テストする PCI カードスロットの非同期シリアルポートを指定します。デフォルトのデバイスはないため、デバイス名としてボード (saip0 〜 16) または個々のポート (term/x000 〜 term/x007, x は a〜p の範囲) のいずれかを指定する必要があります。 

 

ボードを指定する場合 

  • saip0 = 1 枚目のカードの 8 つの非同期シリアルポート

  • saip1 = 2 枚目のカードの 8 つの非同期シリアルポート

  • saip2 = 3 枚目のカードの 8 つの非同期シリアルポート

  • saip3 = 4 枚目のカードの 8 つの非同期シリアルポート

  • saip4 = 5 枚目のカードの 8 つの非同期シリアルポート

  • saip5 = 6 枚目のカードの 8 つの非同期シリアルポート

  • saip6 = 7 枚目のカードの 8 つの非同期シリアルポート

  • saip7 = 8 枚目のカードの 8 つの非同期シリアルポート

  • saip8 = 9 枚目のカードの 8 つの非同期シリアルポート

  • saip9 = 10 枚目のカードの 8 つの非同期シリアルポート

  • saip10 = 11 枚目のカードの 8 つの非同期シリアルポート

  • saip11 = 12 枚目のカードの 8 つの非同期シリアルポート

  • saip12 = 13 枚目のカードの 8 つの非同期シリアルポート

  • saip13 = 14 枚目のカードの 8 つの非同期シリアルポート

  • saip14 = 15 枚目のカードの 8 つの非同期シリアルポート

  • saip15 = 16 枚目のカードの 8 つの非同期シリアルポート

ポートを指定する場合 

/dev/term/x00m

x は a から p、m は PCI カードスロットの非同期シリアルポートを識別する 0 から 7 の数値です。

M=テストモード

テストモードとして Internal、25_pin_loopback、Echo_TTY のいずれかを指定します。 

B=ボーレート

ボーレートとして 110、300、600、1200、2400、4800、9600、19200、38400 のいずれかを指定します。デフォルトは 9600 です。 

Stop=ストップビット数

ストップビット数として、1 または 2 のいずれかを指定します。デフォルトは 1 です。 

Size=文字サイズ

文字サイズとして 5 から 8 の範囲の整数を指定します。 

Parity=パリティ

パリティとして none、odd、even のいずれかを指定します。デフォルトは none です。 

F=フロー制御

フロー制御方法として xonoff、rtscts、both のいずれかを指定します。 

Data=テストパターン

テストパターンとして 0x55555555、0xAAAAAAAA、random のいずれかを指定します。 

sp=シリアルポート

term/a003 の形式で、テストする端末と非同期シリアルポート番号を指定します。 

tout=タイムアウト値

テストが時間切れになるまでの秒数を指定します。デフォルト値は 120 秒です。 


注 -

64 ビットのテストは、sparcv9 サブディレクトリに格納されています (/opt/SUNWvts/bin/sparcv9/テスト名)。このディレクトリにテストが存在しない場合は、そのテストは、32 ビットのテストとしてだけ実行することができます。詳細は、「32 ビットテストと 64 ビットテスト」を参照してください。



注 -

SunVTS 非同期シリアルインタフェースがエラーを検出すると、saiptest エラーメッセージが生成されます。VTS インタフェースに表示されるエラーの説明には、カード障害またはテスト失敗の原因として考えられる理由が示され、現場交換可能ユニット(FRU)が示され、可能であれば、推奨する対応を示されます。テストが行われる FRU は、非同期シリアルインタフェースカードとケーブルで接続されているパッチパネルです。