SunVTS 4.5 テストリファレンスマニュアル

第 44 章 Qlogic 2202 ボードテスト (qlctest)

qlctest は、Qlogic 2202 FC/AL Crystal の機能をテストするいくつかのサブテストから構成されています。従来のシングルポート Q2100 ボードとは異なり、Q2202 ボードには 2 ポートが実装されており、より優れた診断機能をサポートします。

qlctest はスケーラブルテストではありません。


注 -

qlctest の実行中に、カスタマデータを実行しないでください。このテストはカスタマデータ要求に優先してしまうため、qlctest の実行中はカスタマデータにアクセスすることができません。



注 -

qlctest の実行中に、その他のテストを実行しないでください。qlctest によってその他のテストが正常に終了しない可能性があります。



注 -

qlctest は Intervention モードテストです。Intervention モードが選択されない限り、サブテストの選択はできません。


qlctest のサブテスト

Intervention モードと機能モードで実行可能なサブテストには、以下の 9 つがあります。

外部ループバックテストは、Intervention テストになります。ファイバループをテストするには、QLC ポートを記憶装置に接続した状態にします。Test Parameters Options ダイアログボックスで、Test if Connected to Storage オプションを Yes に設定します。Qlogic 2202 ボードを単独でテストするには、ループバックケーブルを QLC ポートに接続します。このケーブルは、通常のケーブルを分割することで作ることができます。さらに、ポートの送信側を受信側にループさせます。

サブテストについての詳細は、表 44-1 を参照してください。

qlctest のオプション

ダイアログボックスを表示するには、システムマップにあるテスト名を右クリックし、Test Parameter Options を選択します。システムマップにこのテスト名が表示されない場合は、用意されたグループを展開する必要があります。展開しても表示されない場合は、このテストに合ったデバイスがシステムに含まれていない可能性があります。詳細は、『SunVTS 4.5 ユーザーマニュアル』を参照してください。

図 44-1 qlctest のテストパラメタオプションダイアログボックス

Graphic

表 44-1 qlctest のオプション

オプション 

説明 

Fcode revision check 

fcode のバージョンを示す文字列を検索します。コアサブテストは常時動作していますが、オプションダイアログボックスには表示されません。 

Firmware revision check 

ファームウェアのバージョンを示す文字列を検索します。このサブテストは常時動作するコアサブテストですが、qlctest のオプションダイアログボックスには表示されません。

Board revision check 

ボードの版数を検索します。このサブテストは常時動作するコアサブテストですが、qlctest のオプションダイアログボックスには表示されません。

Test if Connected to Storage 

記憶装置に接続している間、qlctest を実行します。デフォルト値は No です。

Selftest 

以下のテストを実行して、ISP ハードウェアの機能を評価します。 

  • 送信 FIFO テスト

  • 受信 FIFO テスト

  • SRAM テスト

  • その他のレジスタテスト

デフォルトで動作しますが、選択を解除することもできます。 

Mailbox Loopback subtest 

一連のレジスタの情報をカード上の入力メールボックスに読み込み、次に出力メールボックスから読み取り、これを照合します。これによって、カードのシステム側が正常に動作していること、および内部データパスが正しいことを確認します。デフォルトで動作しますが、選択を解除することもできます。 

Firmware Checksum subtest 

実装されているファームウェア上で内部検査合計テストを実行します。このテストでは、カード上の RISC RAM が完全に機能していること、および実装されたファームウェアがもとの状態のままであることを確認します。RISC RAM の簡易 RAM 検査も行います。デフォルトで動作しますが、選択を解除することもできます。 

Internal 10-bit Loopback subtest 

ホストアダプタ ISP ハードウェアの内部ループバックテストを 10 ビットインタフェースで実行します。このテストでは、システムメモリーからシステムメモリーにデータが送信されます。テストパラメタメニューを使用して、データパターン、転送データ長、繰返しの回数が選択できます。デフォルトで動作しますが、選択を解除することもできます。 

Internal 1-bit Loopback subtest 

ホストアダプタ ISP ハードウェアの内部ループバックテストを 1 ビットインタフェースで実行します。このテストでは、システムメモリーからシステムメモリーにデータが送信されます。テストパラメタメニューを使用して、データパターン、転送データ長、繰返しの回数が選択できます。デフォルトで動作しますが、選択を解除することもできます。 

External Loopback subtest 

外部ループバックテストを実行します。このテストでは、システムメモリーからシステムメモリーにデータが送信されます。テストパラメタメニューを使用して、データパターン、転送データ長、繰返しの回数が選択できます。デフォルトで動作しますが、選択を解除することもできます。このポートを自己診断する際に、トランシーバから QLC ポートの受信側にループバックケーブルが必要なため、このテストは Intervention テストになります。また、このサブテストでは、テストされる記憶装置側にループを接続すると、ファイバチャネルループ全体がテストできます。デフォルトでは動作しませんが、選択できます。 

Loopback Transfer Count 

内部 10 ビット、内部 1 ビット、および外部ループバックテストで使用されるパケットサイズを制御します。デフォルト値は 0x10000 です。

Loopback Iteration Count 

内部 10 ビット、内部 1 ビット、および外部ループバックテストでループする回数を設定します。デフォルト値は 10 です。

Loopback Data Pattern 

内部 10 ビット、内部 1 ビット、および外部ループバックテストでループさせるデータパターンを選択します。デフォルト値は 0x7e7e7e7e です。

qlctest のテストモード

表 44-2 qlctest のテストモード

テストモード 

サポート 

説明 

接続テスト 

○ 

QLC ポートを開閉します。 

機能テスト 

(オフライン) 

○ 

すべてのテストを実行できます。

qlctest のコマンド行構文

/opt/SUNWvts/bin/qlctest 標準引数 -v -o dev=デバイス名,run_connect=Yes|No,selftest=Enable|Disable, mbox=Enable|Disable,checksum=Enable|Disable,ilb_10=Enable|Disable, ilb=Enable|Disable,elb=Enable|Disable,xcnt=0xtransfer_count, icnt=繰返し回数, lbfpattern=0xpattern

表 44-3 qlctest のコマンド行構文

引数 

説明 

dev

テストするデバイス名を指定します。 

run_connect=Yes|No

run_connect が YES に設定されている場合、qlctest はテスト対象のポートが記憶装置に接続されると実行されます。ポートが記憶装置に接続されていないと、このオプションは無効です。デフォルト値は No です。

selftest= Enable|Disable

自己診断コマンドを有効または無効にします。ISP ハードウェアの機能が評価されます。 

mbox=Enable|Disable

メールボックスのループバックコマンドを有効または無効にします。データパターンをメールボックスに書き込んだ後、それらをもう一度出力メールボックスから読み取り、データが正しいことを検証します。デフォルトは有効です。 

checksum= Enable|Disable

検査合計コマンドを有効または無効にします。実装されているファームウェア上で内部検査合計テストを実行します。このテストでは、カード上の RISC RAM が完全に機能していることと、実装されたファームウェアがもとの状態のままであることを確認します。RISC RAM の簡易 RAM 検証も行います。デフォルトは有効です。 

ilb_10=Enable|Disable

内部 10 ビットテストを有効または無効にします。ホストアダプタ ISP ハードウェアの内部ループバックテストを 10 ビットインタフェースで実行します。デフォルトは有効です。 

ilb=Enable|Disable

内部 1 ビットテストを有効または無効にします。ホストアダプタ ISP ハードウェアの内部ループバックテストを 1 ビットインタフェースで実行します。デフォルトは有効です。 

elb=Enable|Disable

外部ループバックテストを有効または無効にします。テストパラメタメニューを使用して、データパターン、転送データ長、繰返しの回数が選択できます。この Intervention テストにはケーブルが必要です。デフォルトは無効です。 

xcnt=0xtransfer_count

転送するパケットサイズを制御します (例 0x10000)。デフォルト値は0x10000 です。 

icnt=繰返しの回数

ループバックテストを実行する回数を制御します (例 100)。 

lbfpattern=0xpattern

ループさせるデータパターンを指定します (例 0x7E7E7E7E)。デフォルト値は 0x7E7E7E7E です。 


注 -

64 ビットのテストは、sparcv9 サブディレクトリに格納されています (/opt/SUNWvts/bin/sparcv9/ テスト名)。このディレクトリにテストが存在しない場合は、32 ビットのテストとしてだけ実行することができます。詳細は、「32 ビットテストと 64 ビットテスト」 を参照してください。