SunVTS 4.5 テストリファレンスマニュアル

第 50 章 Soc+ ホストアダプタカードテスト (socaltest)

socaltest は、SOC+ ホストアダプタカードの検査と障害の切り分けに有用です。カードに障害がある場合は、カード自体、GBICモジュール、ホストアダプタとホストメモリー間の DMA のどこに障害があるのかを切り分けます。


注 -

socaltest enatest を同時に実行しないでください。テストが失敗する場合があります。

socaltest disktest を同時に実行しないでください。テストが失敗する場合があります。

システムに負荷がかかっているときは、socaltest を実行しないでください。多数のインスタンスがある場合や、他のテストが実行されているときにsocaltest を実行すると、資源が制限されて、テストが失敗する場合があります。


socaltest のオプション

ダイアログボックスを表示するには、システムマップにあるテスト名を右クリックし、Test Parameter Options を選択します。システムマップにこのテスト名が表示されない場合は、グループツリーを展開すると表示される場合があります。展開しても表示されない場合は、このテストに合ったデバイスがシステムに含まれていない可能性があります。詳細は、『SunVTS 4.5 ユーザーマニュアル』を参照してください。

図 50-1 socaltest のテストパラメタオプションダイアログボックス

Graphic

表 50-1 socaltest のオプション

オプション 

説明 

内部ループバックテスト (Internal Loopback Test) 

ホストアダプタカードとホストシステムとの DMA を検査します。検査内容は以下のとおりです。 

 

  1. ホストアダプタのローカルメモリーでフレームを作成してから、そのフレームを SOC+ トランスミッタから送信し、内部的に SOC+ レシーバにループバックさせます。受信したデータは、元のデータと比較されます。

  2. ホストアダプタのローカルメモリーでフレームを作成してから、そのフレームを SOC+ トランスミッタから送信し、ホストアダプタカード上の SERDES (シリアライザ - デシリアライザ) を介してループバックさせます。受信したデータは、元のデータと比較されます。

  3. ホストのメインメモリーでフレームを作成してから、DMA を介してそのフレームをホストアダプタのトランスミッタに転送します。次に、SOC+ チップ内でループバックさせ、DMA を介してレシーバからホストのメインメモリーに転送します。受信したフレームは、元の送信フレームと比較されます。これによって、ホストメモリーとホストアダプタ間の DMA パスがテストされます。

外部ループバックテスト (External Loopback Test) 

GBIC モジュールが正しく機能しているかどうかを調べるのに有用です。ホストアダプタのローカルメモリーでフレームを作成してから、ポートに接続されている外部ループバックコネクタ経由で送信し、ループバックさせます。外部ループバックテストと、内部ループバックテストを共に実行した場合は、DMA パスもテストされます。すなわち、socaltest はホストのメインメモリーでフレームを作成してから、DMA を介してそのフレームをホストアダプタに転送し、外部ループバックコネクタでループバックさせて、再び DMA 経由でホストのメインメモリーに受信フレームを戻します。

Loopback Frame Test 

選択されたパターンを使用して初期化したバッファーの内容を送信し、戻されたフレームと比較します。両者が一致した場合、テストは成功したことになります。 一致しなかった場合は失敗です。 

Loopback Frame Pattern 

Loopback Frame Test に使用するパターンを選択します。 


注 -

表 50-1 のテスト以外に、socaltest は、ファームウェアに組み込まれているテストを起動することによって、SOC+ チップ、オンボード XRAM、ホスト制御バッファーの基本機能もテストします。


socaltest のテストモード

表 50-2 socaltest のテストモード

テストモード 

サポート 

説明 

接続テスト 

× 

サポートされていません。 

機能テスト 

(オフライン) 

○ 

すべてのテストを実行できます。


注 -

ポートがディスクアレイに接続されている場合、内部および外部ループバックテストを行うことはできません。


socaltest のコマンド行構文

/opt/SUNWvts/bin/socaltest 標準引数 -o dev=デバイス名, elb=enabled|disabled,ilb=enabled|disabled,lbf=enable|disable, ptn=pattern

表 50-3 socaltest のコマンド行構文

引数 

説明 

dev=デバイス名

テストする socal ポート名を指定します。 

elb=enabled|disabled

外部ループバックテストを有効または無効にします。 

ilb=enabled|disabled

内部ループバックテストを有効または無効にします。 

lbf=enable|disable

ループバックフレームテストをを有効または無効にします。 

ptn=pattern

16 進数でパターンを指定します。例: ptn=0x7e7e7e7e


注 -

64 ビットのテストは、sparcv9 サブディレクトリに格納されています (/opt/SUNWvts/bin/sparcv9/テスト名)。このディレクトリにテストが存在しない場合は、そのテストは、32 ビットのテストとしてだけ実行することができます。詳細は、「32 ビットテストと 64 ビットテスト」を参照してください。