Sun Enterprise 10000 DR 構成マニュアル

DR モデル 2.0 の構成に関する詳細

この節では、DR モデル 2.0 にのみ適用される構成について説明します。

DR モデル 2.0 操作後の再構成

システムボードの接続または切り離しを行ったら、DR モデル 2.0 ドメインを再構成する必要があります。DR モデル 2.0 では、DR 操作後でもドメインを再構成することができます。


注 -

DR モデル 2.0 ドメインで Solaris 8 オペレーティング環境を実行している場合は、この節で説明している手動再構成手順を行う必要はありません。新たに導入された DDI サブシステム (devfsadm) により、再構成作業がすべて自動的に完了します。詳細については、devfsadm(1M) のマニュアルページを参照してください。


ドメインの再構成が必要な場合

以下のことが発生した場合は、ドメインの再構成が必要です。

再構成シーケンスは、起動再構成シーケンス (boot -r) と同じです。


drvconfig; devlinks; disks; ports; tapes;

ボードを接続した後で、再構成シーケンスを実行すると、ドメインが認識していなかったデバイスのパス名が /etc/path_to_inst ファイルに書き込まれます。同じパス名が、/devices 階層にも追加され、それらへのリンクが /dev ディレクトリに作成されます。

ディスクデバイス

ディスクコントローラは、 disks(1M) プログラムが認識する順に連続番号が割り当てられます。ディスクのパーティションには、disks(1M) が割り当てたディスクコントローラ番号に従って、/dev 名が付けられます。たとえば、ディスクコントローラ 1 を使用してアクセス可能なディスクパーティションには、すべて/dev/dsk/cXtYdZsWという名前が付けられます。

この形式では、

X は、コントローラ番号です。

Y は、ターゲットディスク番号です(例外あり)。

Z は、論理ユニット番号です。

W は、パーティション番号です。

ボードを切り離した後で再構成シーケンスを実行すると、ボード上のすべてのディスクパーティションに対する /dev リンクが削除されます。残りのボードの番号は、そのままです。新たに装着したボードのディスクコントローラには、disks(1M) によって、次に使用可能な最小の番号が割り当てられます。.


注 -

ディスクコントローラ番号は、ディスクにアクセスするときに使用される /dev リンク名の一部です。再構成シーケンスでこの番号が変更されると、/dev リンク名も変更されます。この変更は、/dev リンク名を使用するファイルシステムテーブルやソフトウェア、たとえば Solstice DiskSuite に影響することがあります。/etc/vfstab ファイルを更新し、/dev リンク名を変更するためのその他の管理手順を行ってください。


DR モデル 2.0 と AP との相互処理

切り離すボードが、重要なシステム資源に接続されている入出力コントローラをホストしている場合、DR 切り離し操作は、代替パス (AP) 機能、または Solstice DiskSuite 機能と連携して動作します。たとえば、ボード上のコントローラがディスク上の root (/) または /usr パーティションに接続されている場合、そのディスクへのハードウェア代替パスが存在し、かつこれを利用するように AP が構成されているか、またはそのディスクがミラー化されていない限り、このボードを切り離すことはできません。代替パスまたはミラーは、ドメイン内の別のボードによりホストされている必要があります。同じことがネットワークコントローラにも当てはまります。SSP と Sun Enterprise 10000 プラットフォーム間を接続する Ethernet コントローラをホストしているボードは、このネットワーク接続を維持するため、別のボード上の Ethernet コントローラへの代替パスが存在しない限り、切り離すことはできません。

システムボードが接続または切り離されるか、あるいはドレイン状態になると、DR はそのことを AP サブシステムに通知します。加えて、DR は AP に対し、どのコントローラが AP のデータベースにあり、その状態がどうなっているか (有効か無効) を問い合わせます。このやり取りは、dr_daemon(1M) と ap_daemon(1M) 間で行われます。ap_daemon(1M) がない場合は、ドメインの syslog メッセージバッファーにエラーメッセージが書き込まれて、DR 操作がエラーなしで続行されます。

DR と ap_daemon との相互処理を無効にするには、dr_daemon(1M) の起動時に、-a オプションを使用します。『Sun Enterprise 10000 Dynamic Reconfiguration リファレンスマニュアル』のdr_daemon(1M) コマンドの説明を参照してください。

AP バージョン 2.1 を使用している場合は、DR の complete-detach 段階でオペレーティング環境が、切り離すボード上の有効なディスクコントローラを自動的にオフに切り換えます。しかし、AP バージョン 2.0 を使用している場合は、complete-detach を開始する前に、有効なディスクコントローラを手動で無効に切り換える必要があります。Solaris 8 オペレーティング環境をドメイン上で実行している場合は、AP バージョン 2.3.1 を使用してください。

DR と AP の相互処理についての詳細は、『Sun Enterprise サーバー Alternate Pathing 2.3.1 ユーザーマニュアル』を参照してください。AP および Solstice DiskSuite については、『RAS Companion』を参照してください。