Solaris Live Upgrade 2.0

ブート環境を作成しファイルシステムを分割する (コマンド行インタフェース)


注 –

ブート環境用のファイルシステムを作成する場合の規則は、Solaris オペレーティング環境用のファイルシステムを作成する場合と同じです。Solaris Live Upgrade では、クリティカルファイルシステムに無効な構成を作成できてしまいます。たとえば、lucreate コマンドを入力して、ルート (/) と /kernel を別々のファイルシステム上に作成することができます。これは、ルート (/) にとって無効な分割です。


1 つのディレクトリを複数のマウントポイントに分割すると、ファイルシステム間でハードリンクが維持されなくなります。たとえば、/usr/stuff1/file/usr/stuff2/file にハードリンクされている場合に /usr/stuff1/usr/stuff2 を別々のファイルシステムに分割すると、ファイル間のリンクは解除されます。lucreate からこの影響についての警告メッセージが表示され、解除されたハードリンクの代わりとなるシンボリックリンクが作成されます。

  1. スーパーユーザーとしてログインします。

  2. 次のように入力します。


    # lucreate -m mountpoint:device:fs_type -m mountpoint:device:fs_type \
    -m mountpoint:device:fs_type -m mountpoint:device:fs_type \
     -m mountpoint:device:fs_type  -n new_BE
    

    -m mountpoint:device:fs_type

    新しいブート環境の vfstab 情報を指定します。-m に引数として指定されるファイルシステムは、同じディスク上のファイルシステムでも、複数のディスク上のファイルシステムでも構いません。

    • mountpoint には、任意の有効なマウントポイント、またはスワップパーティションを示す - (ハイフン) を指定できます。

    • device フィールドには、次のどちらかを指定できます。

      • ディスクデバイスの名前 (/dev/dsk/c numtnumdnums num という書式を使用)

      • キーワード merged (指定されたマウントポイントのファイルシステムがその親とマージされることを示す)

    • fs_type フィールドには、次のいずれかを指定できます。

      • ufs: UFS ファイルシステムを示す

      • vxfs: Veritas ファイルシステムを示す

      • swap: スワップファイルシステムを示す

    -n BE_name

    作成するブート環境の名前。BE_name は、システム上で一意となるように指定する必要があります。


    例 3–3 ブート環境を作成しファイルシステムを分割する (コマンド行インタフェース)

    この例では、前述のコマンドによって ルート (/) ファイルシステムを新しいブート環境内の複数のディスクスライスに分割しています。ここでは、/usr/var、および /opt をすべてルート (/) に置いている次のソースブート環境を想定してください。/dev/dsk/c0t0d0s0 /

    新しいブート環境で、次に示すように別々のスライスにマウントすることによって、ファイルシステム /usr/var/opt を分割します。

    /dev/dsk/c0t1d0s0 /

    /dev/dsk/c0t1d0s1 /var

    /dev/dsk/c0t1d0s7 /usr

    /dev/dsk/c0t1d0s5 /opt


    # lucreate -m /:/dev/dsk/c0t1d0s0:ufs -m /usr:/dev/dsk/c0t1d0s7:ufs \
     -m /var:/dev/dsk/c0t1d0s1:ufs -m /opt:/dev/dsk/c0t1d0s5:ufs -n second_disk
    

    新しいブート環境の作成が完了すると、この環境をアップグレードしてアクティブにする (ブート可能な状態にする) ことができます。