Solaris 8 Maintenance Update 6 ご使用にあたって

第 4 章 既知の問題

この章では、Solaris 8 MU6 のインストールと使用に関連する既知の問題について説明します。

インストールに関するバグ

install_mush で起動すると正常に動作しない (bug ID 4062334)

sh(1)ksh(1) とのやりとりに問題があるため、コマンド行から次のコマンドを実行したり、管理用スクリプトから install_mu を起動したりすると、install_mu は特定のパッチを正常にインストールしません


# /bin/sh ./install_mu options

対処方法 : コマンド行または管理用スクリプトから次のように install_mu を実行します。


# ./install_mu options

Patchadd が終了メッセージを表示する

次のメッセージが install_mu によって表示されることがあります。


Installation of XXXXXX-YY failed:
  Attempting to patch a package that is not installed.

ログファイルには、以下のメッセージが残されます。


One or more patch packages included in
XXXXXX-YY are not installed on this system.

Patchadd is terminating.

patchadd は、そのパッチの対象となるパッケージが Solaris 8 システムにインストールされていない場合、パッチを適用しません。このメッセージは、そのために適用しなかったことを示しています。

たとえば、あるアーキテクチャのパッチを別のアーキテクチャのシステムにインストールしようとした場合 (sun4m システムに sun4u パッチをインストールするなど)、patchadd はそれを検知し、このメッセージを表示します。

このメッセージは、1 つまたは複数のパッケージが見つからない場合にも表示されます。管理者がパッケージを削除した可能性や、もともとインストールされていなかった可能性 (全体ディストリビューションより小さいクラスタをインストールした場合など) があります。

対処方法 : このメッセージは無視してください。

システムをリブートしないと login できない (bug ID 4423853)

シングルユーザーモードでインストールする場合は、終了時に exit コマンドを使用しないでください。代わりに reboot コマンドを使用してください。reboot ではなくexit を使用すると、次のようになります。

対処方法 : シングルユーザーモードで MU をインストールした後、exit コマンドを使用した場合は、システムをリブートします。

マルチユーザーモードで MU をインストールした後 exit コマンドを実行し、root ユーザーが一人もログインしていない場合は、システムをリブートします。

インストール後に patchrm がエラーメッセージを表示する (bug ID 4395701)

MU6 のインストール時に、パッチ番号 109879-02 および 109889-01 により、次のエラーメッセージがパッチのログファイルに表示されることがあります。


pkgproto: ERROR: unable to stat
</platform/SUNW,Grover/kernel/drv/sparcv9/isadma>
pkgproto: ERROR: unable to stat
</usr/platform/SUNW,Grover/include>.

対処方法 : このメッセージは無視してください。このメッセージは、patchrm(1M) が、すでに削除されているファイルを削除しようとしていることを示しています。

圧縮後に patchadd がエラーメッセージを表示する (bug ID 4401100)

MU6 のインストール時に、パッチ番号 109613-03、109887-08、110068-02、109614-03、109749-03、および 110069-02 により、次のエラーメッセージがパッチのログファイルに表示されることがあります。


var/sadm/pkg/pkgabbrev/save/patchid/undo: -- file unchanged
compress(1) returned error code 2

対処方法 : このメッセージは無視してください。このメッセージは、compress(1) が、元のファイルよりサイズの小さいアーカイブを作成できなかったことを示しています。patchrm は、バックアウトのパッケージの圧縮に、compress(1) を使用します。

必要なパッチが適用されていないという ERROR が install_mu により出力される

Maintenance_Update_log ファイルに下記のメッセージが出力されることがあります。


ERROR: This patch requires the following patches
which have not been applied to the system:
xxxxxx-yy XXXXXX-YY

Patchadd is terminating.

システムにインストールされていないパッチのパッケージに対しても、新規の patchadd は必要なパッチがインストールされているかどうかをチェックします。

対処方法 : システムにこのパッチのパッケージがインストールされていない場合には、このメッセージは無視してください。

バックアウトに関するバグ

MU をバックアウトしシステムをリブートすると /etc/rc2.d/S90wbem がエラーを表示する (bug ID 4361147)

Solaris 8 システムに MU4 が入った環境で MU6 をインストールし、さらに MU6 をバックアウトすると次のメッセージがリブート時に表示されます。


/etc/rc2.d/S90wbem: /var/sadm/wbem/logr/cimbootserver.pid: cannot create

このメッセージが表示されてもシステムに異常が起こるなどの問題はありませんが、以下手順でこのメッセージを消すことができます。

  1. スーパーユーザーになります。


    % su
    

    スーパーユーザーのパスワードを入力します。

  2. /var/sadm/wbem/logr ディレクトリを作成します。


    # mkdir /var/sadm/wbem/logr
    
  3. /etc/rc2.d/S90wbem を再起動します。


    # /etc/rc2.d/S90wbem stop
    # /etc/rc2.d/S90wbem start