すでに Solaris 8 オペレーティング環境を実行していて、システムに個別のパッチがインストールされている場合、Solaris 8 Update リリースへのアップグレードを行うと、パッチは次のようになります。
Solaris 8 Update リリースの一部として組み込まれているパッチは自動的に再適用されます。これらのパッチをバックアウトすることはできません。
システムにすでにインストールされているパッチのうち、Solaris 8 Update リリースに組み込まれていないパッチは削除されます。
パッチアナライザを使用すれば、Solaris 8 Update リリースにアップグレードしたときに、これらのパッチのうちどれが削除されるかを確認することができます。パッチアナライザの使い方は、インストール方法によって異なります。
Solaris Web Start を使用してアップグレードする場合は、「パッチの解析 (Patch Analyzer)」画面が表示されるので「はい (Yes)」を選択して解析を実行します。
Solaris 8 対話式インストールプログラムを使用してアップグレードする場合は、「パッチの解析 (Patch Analysis)」画面で「解析 (Analyze)」を選択して解析を実行します。
カスタム JumpStart インストールを使用してアップグレードする場合は、analyze_patches スクリプトを実行して解析を実行します。詳細は、analyze_patches スクリプトを実行する方法を参照してください。
パッチ解析結果の見方については、パッチアナライザの出力の見方を参照してください。
analyze_patches スクリプトを実行するには、NFS またはローカルにマウントされた媒体上のスクリプトによって、インストールされた既存のシステム、および Solaris 8 DVD、Solaris 8 SOFTWARE CD、またはネットワーク上のイメージにアクセスできる必要があります。
Misc ディレクトリに移動します。
SPARC: イメージが、ローカルにマウントされた媒体上にある場合は、次のように入力します。
# cd /cdrom/sol_8_Update_sparc/s0/Solaris_8/Misc |
ここで、Update は実際の Update 識別子です (600、1000、u4 など)。
IA: イメージが、ローカルにマウントされた媒体上にある場合は、次のように入力します。
# cd /cdrom/sol_8_Update_ia/s2/Solaris_8/Misc |
ここで、Update は実際の Update 識別子です (600、1000、u4 など)。
イメージが NFS ファイルシステムにある場合は、次のように入力します。
# cd /NFS_mount_directory/Solaris_8/Misc |
analyze_patches スクリプトを実行します。
# ./analyze_patches [[-R rootdir]] [[-N netdir]] [[-D databasedir]] |
-R rootdir |
rootdir は、インストールされたシステムのルートです。デフォルトで / に設定されます。 |
-N netdir |
netdir は、インストールされる OS イメージのルートへのパスです。デフォルトは /cdrom/cdrom0 です。つまり、netdir は、Solaris_8 ディレクトリを含むディレクトリへのパスです。patch_analyzer を NFS マウントポイントから実行する場合は、このオプションが必要です。 |
-D databasedir |
スクリプトを OS イメージの Misc ディレクトリ以外のディレクトリから起動すると、パッチ解析に使用するデータベースを検索できません。したがって、-D オプションでこのデータベースへのパスを指定します。このデータベースがないと、スクリプトは正しく動作しません。このデータベースは、OS イメージの Solaris_8/Misc/database にあります。 |
解析を実行したら、次の手順で出力を検討します。
パッチアナライザの出力を確認します。
パッチアナライザからは、ほかのパッチによって削除、ダウングレード、置き換えられ削除されるパッチのリストが出力されます。パッチの置き換えは、パッチアップグレードと同等のものです。置き換えられるパッチは削除され、新しいパッチによってその修正が適用されます。パッチ解析の結果、次のようなメッセージが表示されます。
Patch 105644-03 will be removed. Patch 105925 will be downgraded from -02 to -01. Patch 105776-01 will be accumulated/obsoleted by patch 105181-05. |
パッチアナライザからリストが出力されない場合は、システムにすでにインストールされているパッチに対する処理は何も行われません。
パッチの置き換えや削除が適切かどうかを判断します。
適切な場合は、システムをアップグレードします。
適切でない場合は、システムのアップグレードを中止します。
Solaris 8 Maintenance Update を使用すれば、パッチだけをシステムに適用することができます。
Solaris 8 Maintenance Update については、ご購入先にお問い合わせください。パッチの適用手順については、『Solaris 8 Maintenance Update ご使用にあたって』を参照してください。