ネットワーク上でインストールするシステムを設定するには、add_install_client(1M) コマンドを使用します。ブートサーバーが必要な場合、このコマンドはインストールサーバーとインストールサーバー上で実行する必要があります。
add_install_client コマンドは /etc ファイルだけを更新します。
この手順では、 host1 はインストールサーバー、host2 はブートサーバーを表します。
インストールサーバー (host1) で、スーパーユーザーになります。
NIS または NIS+ ネームサービスを使用する場合は、インストールされるシステムに関して次の情報が /etc ファイル内のネームサービスに追加されていることを確認します。
ホスト名
IP アドレス
Ethernet アドレス
インストールサーバーの Solaris 8 DVD イメージ上の Tools ディレクトリに移動します。
host1# cd Solaris_8/Tools |
add_install_client コマンドを使用して、ネットワーク上でインストールされるシステムを設定します。
host1# ./add_install_client [[-d]] [[-c server:jumpstart_dir_path]] \ [[-p server:path]] client_name platform_group |
-d |
クライアントが DHCP を使用してネットワークインストールパラメータを取得することを指定します。 IA クライアントの場合、このオプションを指定し、PXE ネットワークブートを使用してネットワークからシステムをブートしてください。 |
-c server:jumpstart_dir_path |
カスタム JumpStart インストールの JumpStart ディレクトリを指定します。server には JumpStart ディレクトリがあるサーバーのホスト名を、jumpstart_dir_path には JumpStart ディレクトリへの絶対パスをそれぞれ指定します。 |
-p server:path |
システムの構成情報を事前設定するための sysidcfg ファイルを指定します。server は、このファイルを含んでいるサーバーの有効なホスト名または IP アドレスです。path は、sysidcfg ファイルの絶対パスです。 |
client_name |
ネットワーク上でインストールされるシステムのホスト名 (インストールサーバーのホスト名ではない)。このコマンドが機能するためには、ホストがネームサービスに登録されている必要があります。 |
platform_group |
インストールするシステムのプラットフォームグループ。詳細は、第 37 章「プラットフォーム名とグループ」を参照してください。 |
ブートサーバー上でこのコマンドを実行する必要があるかどうかを決定します。
ブートサーバーが必要でない場合は、操作は以上で完了です。
ブートサーバーが必要な場合、このまま継続します。
ブートサーバー (host2) でスーパーユーザーになります。
ブートサーバーのブートディレクトリで、Solaris 8 DVD イメージ上の Tools ディレクトリに移動します。
host2# cd Solaris_8/Tools |
add_install_client コマンドを使用し、システムがブートサーバーからブートし、ネットワークからインストールされるように設定します。
host2# ./add_install_client [[-d]] [[-c server:jumpstart_dir_path]] \ -s install_server:install_dir_path [[-p server:path]] client_name platform_group |
-d |
クライアントが DHCP を使用してネットワークインストールパラメータを取得することを指定します。 IA クライアントの場合、このオプションを指定し、PXE ネットワークブートを使用してネットワークからシステムをブートしてください。 |
-c server:jumpstart_dir_path |
カスタム JumpStart インストールの JumpStart ディレクトリを指定します。server には JumpStart ディレクトリがあるサーバーのホスト名を、jumpstart_dir_path には JumpStart ディレクトリの絶対パスをそれぞれ指定します。 |
-s install_server:install_dir_path |
インストールサーバーを指定します。このオプションは、add_install_client をブートサーバーで使用するときだけ必要となります。 install_server は、インストールサーバーのホスト名です。install_dir_path は、Solaris 8 DVD イメージの絶対パス名です。 |
-p server:path |
システムの構成情報を事前設定するための sysidcfg ファイルを指定します。server は、このファイルを含んでいるサーバーの有効なホスト名または IP アドレスです。path は、sysidcfg ファイルの絶対パスです。 |
client_name |
ネットワーク上でインストールされるシステムのホスト名 (インストールサーバーのホスト名ではない)。このコマンドが機能するためには、クライアントがネームサービスに登録されている必要があります。 |
platform_group |
インストールするシステムのプラットフォームグループ。詳細は、第 37 章「プラットフォーム名とグループ」を参照してください。 |
次に、ネットワーク上でインストールされるように、basil という名前の UltraTM 5 システムを追加する方法を示します。このシステムはブートサーバーが必要なため、コマンドはインストールサーバー上で実行され、ブートサーバー上で再度実行されます。-s オプションを使用して、install_server1 という名前のインストールサーバー (export/home/s8dvdsparc に Solaris 8 SPARC 版 DVD イメージを持っている) を指定しています。
host1# cd /export/install/boot/Solaris_8/Tools host1# ./add_install_client basil sun4u host2# cd /export/install/boot/Solaris_8/Tools host2# ./add_install_client -s install_server1:/export/home/s8dvdsparc basil sun4u |
次に、IA システムのブートとインストールが DHCP プロトコルを使用してネットワークから行われるように設定する方法を示します。-d オプションは、クライアントが構成に DHCP プロトコルを使用することを指定するために使用されます。PXE ネットワークブートを使用する場合は、DHCP プロトコルを使用する必要があります。DHCP クラス名 SUNW.i86pc は、このコマンドが単一のクライアントだけでなくすべての Solaris IA ネットワークに適用されることを意味します。-s オプションは、install_server1 という名前のインストールサーバーからクライアントがインストールされることを指定するために使用します (このサーバーの /export/home/s8dvdia には Solaris 8 Intel 版 DVD イメージが入っている)。
# cd /export/boot/Solaris_8/Tools # ./add_install_client -d -s install_server1:/export/home/s8dvdia SUNW.i86pc i86pc |