Solaris 8 のインストール (上級編)

begin スクリプトの作成

「begin スクリプト」とは、ユーザーが定義する Bourne シェルスクリプトで、rules ファイル内で指定し、Solaris ソフトウェアがシステムにインストールされる前に作業を実行します。begin スクリプトは、カスタム JumpStart インストールで Solaris をインストールするときのみ使用できます。

begin スクリプトは、次のような場合に使用してください。

begin スクリプトに関する注意事項

begin スクリプトによる動的プロファイルの作成

「動的プロファイル」とは、カスタム JumpStart インストール時に begin スクリプトが動的に作成するプロファイルです。動的プロファイルは、特定のシステムを 1 つのプロファイルに対応させる rules ファイルを設定できない場合に必要となります。たとえば、異なるハードウェア構成要素を持つ同一システムモデル (異なるフレームバッファを持つシステムなど) に対しては動的プロファイルを使用しなければならない場合があります。

動的プロファイルを使用するルールの設定手順は次のとおりです。

システムが、プロファイルフィールドに等号 (=) があるルールと一致すると、begin スクリプトは、システムに Solaris ソフトウェアをインストールするのに使用する動的プロファイルを作成します。

次に、毎回同じ動的プロファイルを作成する begin スクリプトの例を示します。もちろん、ルールの評価に応じて異なる動的プロファイルを生成する begin スクリプトも作成できます。


例 24–1 動的プロファイルを作成する begin スクリプト

#!/bin/sh
echo "install_type        initial_install"> ${SI_PROFILE}
echo "system_type         standalone">> ${SI_PROFILE}
echo "partitioning        default">> ${SI_PROFILE}
echo "cluster             SUNWCprog">> ${SI_PROFILE}
echo "package       SUNWman     delete">> ${SI_PROFILE}
echo "package       SUNWolman   delete">> ${SI_PROFILE}
echo "package       SUNWxwman   delete">> ${SI_PROFILE}

上記のように begin スクリプトは、デフォルトで /tmp/install.input に設定されている動的プロファイル名に SI_PROFILE 環境変数を使用する必要があります。この動的プロファイルは、デフォルトでは /tmp/install.input に設定されます。



注 –

begin スクリプトを動的プロファイルの作成に使用する場合は、スクリプトにエラーがないことを確認してください。動的プロファイルは、begin スクリプトが実行されてから作成されます。このため、check スクリプトで動的プロファイルの妥当性は検査されません。