Korn シェル (ksh) で許可される配列要素数の制限により、patchadd コマンドで、現在インストールされているパッチのリストが不完全に作成されてしまうことがあります。patchadd(1M) および patchrm(1M) コマンドがインストールされているパッチのこの不完全なリストをチェックすると、パッチのインストールやバックアウトに失敗することがあります。
対処方法 : Solaris 8 Maintenance Update 7 リリースをインストールする前に、以下のパッチの現在のバージョンを下記に示した順序で適用してください。
表 4-1 配列要素制限のパッチ
プラットフォーム |
パッチ ID |
---|---|
SPARC |
|
IA |
|
sh(1) と ksh(1) とのやりとりに問題があるため、コマンド行から次のコマンドを実行したり、管理用スクリプトから install_mu を起動したりすると、install_mu は特定のパッチを正常にインストールしません
# /bin/sh ./install_mu options |
対処方法 : コマンド行または管理用スクリプトから次のように install_mu を実行します。
# ./install_mu options |
次のメッセージが install_mu によって表示されることがあります。
Installation of XXXXXX-YY failed: Attempting to patch a package that is not installed. |
ログファイルには、以下のメッセージが残されます。
One or more patch packages included in XXXXXX-YY are not installed on this system. Patchadd is terminating. |
patchadd は、そのパッチの対象となるパッケージが Solaris 8 システムにインストールされていない場合、パッチを適用しません。このメッセージは、そのために適用しなかったことを示しています。
たとえば、あるアーキテクチャのパッチを別のアーキテクチャのシステムにインストールしようとした場合 (sun4m システムに sun4u パッチをインストールするなど)、patchadd はそれを検知し、このメッセージを表示します。
このメッセージは、1 つまたは複数のパッケージが見つからない場合にも表示されます。管理者がパッケージを削除した可能性や、もともとインストールされていなかった可能性 (全体ディストリビューションより小さいクラスタをインストールした場合など) があります。
対処方法 : このメッセージは無視してください。
シングルユーザーモードでインストールする場合は、終了時に exit コマンドを使用しないでください。代わりに reboot コマンドを使用してください。reboot ではなくexit を使用すると、次のようになります。
システムが init 3 の状態になってしまい、システムがリブートされるまでログインできません。
システムがリブートされるまで、他のユーザーがログインできません。
ユーザーやプロセスがログインしようとすると、pam_projects.so.1 がコアダンプします。次のメッセージが表示されます。
NOTICE: core_log: in.rshd[1479] core dumped: /var/crash/core.in.rshd.1479 |
プロセスが pam_projects.so.1 モジュールにアクセスしようとすると、システムコンソールに「load module」メッセージが表示されます。次のようなメッセージが表示されます。
cron[1433]: load_modules: can not open module /usr/lib/security/pam_projects.so.1 |
これらのメッセージは、マルチユーザーモードで MU7 をインストールした場合にも表示されます。どちらのモードでも、一度システムをリブートするとメッセージは消えます。
対処方法 : シングルユーザーモードで MU をインストールした後、exit コマンドを使用した場合は、システムをリブートします。
マルチユーザーモードで MU をインストールした後 exit コマンドを実行し、root ユーザーが一人もログインしていない場合は、システムをリブートします。
MU7 のインストール時に、パッチ番号 109879-02 および 109889-01 により、次のエラーメッセージがパッチのログファイルに表示されることがあります。
pkgproto: ERROR: unable to stat </platform/SUNW,Grover/kernel/drv/sparcv9/isadma> pkgproto: ERROR: unable to stat </usr/platform/SUNW,Grover/include>. |
対処方法 : このメッセージは無視してください。このメッセージは、patchrm(1M) が、すでに削除されているファイルを削除しようとしていることを示しています。
MU7 のインストール時に、パッチ番号 109613-03、109887-08、110068-02、109614-03、109749-03、および 110069-02 により、次のエラーメッセージがパッチのログファイルに表示されることがあります。
var/sadm/pkg/pkgabbrev/save/patchid/undo: -- file unchanged compress(1) returned error code 2 |
対処方法 : このメッセージは無視してください。このメッセージは、compress(1) が、元のファイルよりサイズの小さいアーカイブを作成できなかったことを示しています。patchrm は、バックアウトのパッケージの圧縮に、compress(1) を使用します。
Maintenance_Update_log ファイルに下記のメッセージが出力されることがあります。
ERROR: This patch requires the following patches which have not been applied to the system: xxxxxx-yy XXXXXX-YY Patchadd is terminating. |
システムにインストールされていないパッチのパッケージに対しても、新規の patchadd は必要なパッチがインストールされているかどうかをチェックします。
対処方法 : システムにこのパッチのパッケージがインストールされていない場合には、このメッセージは無視してください。