この章では、Solaris 8 2/04 のインストールに関する注意事項とバグ情報について説明します。本章の内容を理解してからインストールを開始してください。
この章には、Solaris 8 2/04 INSTALLATION (Multilingual) CD に含まれている Solaris Web Start 3.0 の Kiosk および Solaris 8 2/04 DOCUMENTATION CD (アジア言語版) に含まれている『Solaris 8 2/04 ご使用にあたって (SPARC 版)』、および印刷マニュアルの『Solaris 8 2/04 ご使用にあたって (SPARC 版)』の作成後に見つかった、以下のバグの情報が追記されています。
Solaris 2.6 および Solaris 7 オペレーティング環境で、Solaris 8 2/04 DVD 上のデータにアクセスできない (バグ ID: 4511090)
スワップスライスがシリンダ 0 から開始されていない場合、初期インストールが失敗することがある (バグ ID: 4508297)
スワップスライスがデフォルトのブートディスクにない場合、デフォルトインストールが無効になることがある (バグ ID: 4527984)
awk および nawk のフィールド制限のため、追加ソフトウェアのインストールが失敗することがある (バグ ID: 4533901)
ヨーロッパ言語ロケールで、Solaris Web Start の Kiosk のメニューが英語で表示される (バグ ID: 4510925)
今回の Solaris の製品名称は「Solaris 8 2/04」ですが、コード、パス名、パッケージパス名などで、「Solaris 2.8」または「SunOSTM 5.8」という名称が使用されていることがあります。コード、パス、パッケージパスなどを実際に入力または使用するときには、必ずマニュアル中に記述されている名称に従ってください。
Solaris 8 2/04 オペレーティング環境が DVD で提供されるようになりました。DVD からインストールまたはアップグレードを行うには、Solaris 8 2/04 DVD を DVD-ROM ドライブに挿入して、ok プロンプトで次のコマンドを入力し、システムをブートします。
ok boot cdrom |
システムに、ファームウェアリビジョン 1007 の Toshiba SD-M1401 DVD-ROM ドライブが含まれていると、Solaris 8 2/04 DVD からのブートが失敗します。
回避方法 : パッチ 111649 を適用して Toshiba SD-M1401 DVD-ROM ドライブのファームウェアを更新します。パッチ 111649 は、Solaris 8 Supplement CD の次のディレクトリにあります。
DVD_Firmware/Patches |
パッチのインストール方法については、上記のディレクトリにある README ファイルを参照してください。パッチをインストールする前に、README ファイルに記載されている注意事項や警告内容のすべてに目を通して、その内容に従って作業してください。
Solaris 2.6 オペレーティング環境または Solaris 7 オペレーティング環境を実行しているシステムでは、Solaris 8 2/04 DVD がボリューム管理によって正しくマウントされません。そのため、インストールサーバーを設定したり、Live Upgrade を実行したり、メディア上のデータにアクセスすることができません。
システムに対応したパッチを適用する。
表 3–1 Solaris 2.6 および Solaris 7 オペレーティング環境用の DVD パッチ
リリース |
パッチ ID |
---|---|
Solaris 2.6 オペレーティング環境 |
107618-03 |
Solaris 7 オペレーティング環境 |
107259-03 |
Solaris 8 2/04 DVD を手動でマウントする。
次の手順に従って、ボリューム管理を使用せずに Solaris 8 2/04 DVD をマウントします。
スーパーユーザーになります。
ボリューム管理を停止します。
# /etc/init.d/volmgt stop |
手動で DVD をマウントします。
# mkdir /mnt1 # mount -F hsfs -o ro /dev/dsk/c0t6d0s0 /mnt1 |
DVD がマウントされていて、DVD 上のデータにアクセスできることを確認します。
# cd /mnt1 # ls |
DVD が正しくマウントされている場合は、システムから次の情報が返されます。
Copyright Solaris_8 |
Solaris 8 ソフトウェアのインストールを始める前に知っておく必要がある注意事項とバグ情報について説明します。
Solaris 2.6 および Solaris 7 のどちらかのオペレーティング環境を CD または CD イメージを使用してアップグレードすると、対応するロケールがシステム上に存在しない、不要なヨーロッパ言語がインストールされることがあります。ファイルシステムに十分な容量がない場合、アップグレードを完了することができなくなります。そのため、必要な言語がインストールされない可能性があります。
アップグレード処理中に、次の方法でインストールする言語を手動で選択する。
LANGUAGES CD のインストール画面で、「戻る」ボタンをクリックします。
不要な言語の選択を解除して、アップグレード処理を続けます。
Solaris 2.6 と Solaris 7 のどちらかのオペレーティング環境からアップグレードする場合は、ネットワーク上の LANGUAGES CD を含むインストールサーバーを使用する。CD または CD イメージは使用しない。
システムにログインします。
/usr/bin/prodreg を実行します。
不要な言語をアンインストールします。
CD-ROM ドライブに LANGUAGES CD を挿入して、CD の最上位にあるインストーラを実行します。
「カスタムインストール」を選択します。
インストールする言語を選択します。
「次へ」ボタンに続いて「インストール開始」ボタンをクリックして、LANGUAGES CD のインストールを完了します。
Solaris Management ConsoleTM 1.0、1.0.1、1.0.2 のいずれかのソフトウェアがインストールされた状態で Solaris 8 10/01 オペレーティング環境およびその互換バージョンにアップグレードする場合は、アップグレードの前に Solaris Management Console ソフトウェア をアンインストールする必要があります。Solaris Management Console 2.0 ソフトウェアは、旧バージョンの Solaris Management Console ソフトウェア と互換性がありません。システムに SEAS 2.0、SEAS 3.0、Solaris 8 Admin Pack のいずれかがインストールされていると、Solaris Management Console ソフトウェア が終了することがあります。
アップグレードする前に /usr/bin/prodreg を実行して、Solaris Management Console ソフトウェア のフルアンインストールを行います。
アップグレード前に Solaris Management Console ソフトウェア 1.0、1.0.1、1.0.2 をアンインストールしていなかった場合は、Solaris Management Console ソフトウェア 1.0、1.0.1、1.0.2 のすべてのパケージを削除する必要があります。パッケージの削除には prodreg ではなく、必ず pkgrm を使用して、手順に記載された順番どおりに削除してください。以下に手順を示します。
スーパーユーザーになります。
端末エミュレータで次のコマンドを実行します。
# pkginfo |grep "Solaris Management Console" # pkginfo |grep "Solaris Management Applications" # pkginfo |grep "Solaris Diskless Client Management Application" |
上記の出力結果で、 パッケージ名の説明文の先頭に「Solaris Management Console 2.0」という文字列がない場合、そのパッケージは Solaris Management Console 1.0 ソフトウェアのパッケージです。
pkgrm を使用して、Solaris Management Console 1.0 ソフトウェアパッケージのすべてのインスタンスを次の順序で削除します。
説明文に「Solaris Management Console 2.0」という文字列が含まれているパッケージは削除しないでください。たとえば、SUNWmc.2 は Solaris Management Console 2.0 ソフトウェアのパッケージです。
pkginfo の出力に、複数のバージョンの Solaris Management Console 1.0 ソフトウェアパッケージが含まれている場合は、pkgrm を使用して、すべてのバージョンを削除してください。このとき、パッケージ名の末尾に番号が付いていないものを先に、付いているものをその後に削除してください。たとえば、pkginfo の出力に SUNWmcman と SUNWmcman.2 が含まれている場合、最初に SUNWmcman を削除して、次に SUNWmcman.2 を削除します。prodreg は使用しないでください。
# pkgrm SUNWmcman # pkgrm SUNWmcapp # pkgrm SUNWmcsvr # pkgrm SUNWmcsvu # pkgrm SUNWmc # pkgrm SUNWmcc # pkgrm SUNWmcsws # pkgrm SUNWjsmc |
端末エミュレータで次のコマンドを実行します。
# rm -rf /var/sadm/pkg/SUNWmcapp |
これで Solaris Management Console 2.0 ソフトウェアが正しく機能するようになります。将来 Solaris Management Console 2.0 ソフトウェアの保守を行う際は、または、Solaris Management Console 2.0 ソフトウェアが正しく機能しない場合は、Solaris Management Console 2.0 ソフトウェアをいったん削除して次の手順で再インストールしてください。
端末エミュレータで次のコマンドを実行します。
# pkginfo |grep "Solaris Management Console" # pkginfo |grep "Solaris Management Applications" # pkginfo |grep "Solaris Diskless Client Management Application" |
現在システムにインストールされている Solaris Management Console ソフトウェアパッケージの名前が出力されます。
pkgrm を使用して、Solaris Management Console 2.0 ソフトウェアパッケージのすべてのインスタンスを次の順序で削除します。
SUNWmc と SUNWmc.2 のように、ある Solaris Management Console 2.0 ソフトウェアパッケージに対して複数のインスタンスがシステム上に存在する場合は、最初に SUNWmc を削除して、次に SUNWmc.2 を削除してください。prodreg は使用しないでください。
# pkgrm SUNWdclnt # pkgrm SUNWmga # pkgrm SUNWmgapp # pkgrm SUNWmcdev # pkgrm SUNWmcex # pkgrm SUNWwbmc # pkgrm SUNWmc # pkgrm SUNWmcc # pkgrm SUNWmccom # pkgrm SUNWjsmc # pkgrm SUNWjmga # pkgrm SUNWjadcl |
Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC 版)を CD-ROM ドライブに挿入し、端末エミュレータで次のコマンドを実行します。
# cd /cdrom/sol_8_204_sparc/s0/Solaris_8/Product # pkgadd -d . SUNWmgapp |
CD を取り出して、Solaris 8 SOFTWARE 2 of 2 CD (SPARC 版) を CD-ROM ドライブに挿入し、端末エミュレータで次のコマンドを実行します。
# cd /cdrom/sol_8_204_sparc_2/s0/Solaris_8/Product # pkgadd -d . SUNWmccom SUNWmcc SUNWmc SUNWwbmc SUNWmcex SUNWmcdev SUNWmga SUNWdclnt |
CD を取り出して、Solaris 8 LANGUAGES CD (SPARC 版) を CD-ROM ドライブに挿入し、端末エミュレータで次のコマンドを実行します。
# cd /cdrom/sol_8_204_lang_sparc/s0/components/Japanese/sparc/Packages # pkgadd -d . SUNWjsmc SUNWjmga SUMWjadcl |
これによって、すべての旧バージョンの Solaris Management Console ソフトウェア が削除され、Solaris Management Console 2.0 ソフトウェアが正しく機能するようになります。
Solaris 8 では、インストールするロケールを選択する機構が変更されました。Solaris 2.5.1、Solaris 2.6、Solaris 7 では、選択するソフトウェアグループ (ソフトウェアクラスタ) によって、インストールするロケールが決定されていました。Solaris 8 では、新しいインストールインタフェースが導入されたため、地域を選択することによって必要なロケールをインストールできます。このため Solaris 8 では、オペレーティングシステムのインストール時に、Solaris 2.5.1、Solaris 2.6、Solaris 7 よりも柔軟にシステム構成をカスタマイズできるようになりました。
初期インストールの場合、インストールするロケールは「地域の選択」画面で選択してください。ただし、C ロケール (POSIX ロケール) と en_US.UTF-8 ロケール (Unicode ロケール) は、自動的にインストールされます。
従来のリリースからのアップグレードインストールの場合、「地域の選択」画面でいくつかのロケール (アップグレードするシステムによって使用できるロケールは異なる) が自動的に選択されています。これは、Solaris 2.5.1、Solaris 2.6、Solaris 7 では、英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、スウェーデン語の一部のロケールがシステム上に暗黙のうちにインストールされていたためです。
Unicode ロケール (UTF-8) では、複数言語の文字を入力することができます。Unicode ロケールは、アジア言語の各ロケールで提供される入力方式を利用しているので、アジア言語の文字を入力するには、その言語に対応するロケールをインストールする必要があります。たとえば、韓国語の文字入力を可能にするには、ko.UTF-8 ロケールをインストールしてください。
Solaris Web Start 3.0 を使用する場合のインストールに関する情報と問題について説明します。この節に記載されている問題は、Solaris 対話式インストールプログラムを使用するときには発生しません。
Solaris 8 INSTALLATION CD からインストールする場合に、SolarisTM Web Start インストールプログラムが、インストールするソフトウェアを既存のスワップスライスに置くように求めることがあります。しかし、インストールプログラムは、そのスワップスライスがシリンダ0 から開始されているかどうかは通知しません。指定された既存のスワップスライスを使用して、そのスライスがシリンダ0 から開始されていなかった場合、ディスク構成によっては、インストールできないことがあります。
回避方法 : 初期インストールを行う場合は、次の手順を実行します。
この手順を実行すると、選択したスワップスライス上の情報はすべて消去されます。
設定中に表示される、既存のスワップスライスを使用することを求めるプロンプトのすべてに No と答えます。
プロンプトで要求された場合は、代替手段を示すリストから None を選択し、Solaris インストールソフトウェアを保存するスライスを再選択するよう求められたときは No と答えます。
インストーラのプロンプトに応じて、パーティション再分割を行うディスクを選択します。
プロンプトに応じて、スワップスライスのサイズを選択します。
スワップスライスをディスクの先頭から開始してよいかどうか尋ねるインストーラからのプロンプトに、Yes と答えます。
インストールを完了します。
ディスクのパーティション再分割およびスワップスライスのサイズの選択の詳細については、『Solaris 8 のインストール (上級編)』を参照してください。
Solaris 8 INSTALLATION CD からインストールするときに、デフォルトのブートディスク上にないスワップスライスを選択した場合、「デフォルトインストール」の選択肢が無効 (選択できない状態) になることがあります。この問題は、シリンダ0 から始まるスワップスライスを選択し、デフォルトのブートディスクにデフォルトインストールに必要な容量がある場合でも発生します。次のエラーメッセージが表示されます。
注: デフォルトインストールはできません。ファイルシステムを手動で配置する必要があります。 |
初期インストールを実行する場合は、スワップスライスの場所としてデフォルトのブートディスクを選択する。
スワップスライスがデフォルトのブートディスク上にない場合は、カスタムインストールを実行する。
ネットワークゲートウェイは、他のネットワークと通信するために使用されます。ゲートウェイシステムには複数のネットワークインタフェースアダプタが含まれており、各アダプタはそれぞれ異なるネットワークに接続します。
Solaris 8 INSTALLATION (Multilingual) CD または DVD を使用して Solaris 8 2/04 オペレーティング環境をゲートウェイシステムにインストールした場合、Solaris Web Start 3.0 は一次ネットワークインタフェースを使用してシステム情報を収集します。システムを認識するための情報を代替ネットワークインタフェースを使用して収集するように、Solaris Web Start 3.0 で指定することはできません。
回避方法 : 一次ネットワークインタフェース以外のインタフェースを使用してシステム情報を収集するように指定するには、次のいずれかを行なってください。
sysidcfg ファイルを作成して、システムの認識に使用するネットワークインタフェースを指定する
sysidcfg ファイルの作成および変更についての詳細は、『Solaris 8 のインストール (上級編)』の「sysidcfg ファイルによる事前設定」および sysidcfg(4) のマニュアルページを参照してください。
Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD を使用して、対話式インストールで Solaris 8 2/04 オペレーティング環境をインストールする。システムをネットワークに接続するように指定し、システム認識に使用する代替ネットワークインタフェースをリストから選択する
Solaris 8 DOCUMENTATION CD (英語版 + ヨーロッパ言語版) には、英語の AnswerBook ドキュメントがすべて含まれています。アジア版の DOCUMENTATION CD には、一部のアジア言語にだけ翻訳されている、またはまったく翻訳されていない、以下の英語ドキュメントが含まれています。
KCMS Collection |
OpenBoot Collection |
Solaris 8 2/02 Update Collection |
Solaris 8 Common Desktop Environment Developer Collection |
Solaris 8 Software Developer Collection |
Solaris 8 System Administrator Collection |
アジア版の DOCUMENTATION CD に付属のインストーラでは、これらのドキュメントはデフォルトでインストールされます。すべての英語ドキュメントをインストールする場合は、ヨーロッパ版の DOCUMENTATION CD からインストールする必要があります。
Solaris 8 2/02 INSTALLATION (Multilingual) CD から Solaris Web Start 3.0 を使用して Solaris オペレーティング環境をインストールする場合、上記の英語ドキュメントはアジア版の DOCUMENTATION CD からデフォルトでインストールされます。すべての英語ドキュメントをインストールする場合は、Solaris Web Start 3.0 の「製品の選択」画面で「Solaris 8 Documemtation European」を選択して、ヨーロッパ版 CD からドキュメントをインストールしてください。
Solaris Web Start 3.0 は、選択したソフトウェアグループ、ロケール、製品に応じて必要な CD を挿入するように要求し、インストールを行います。
Solaris 8 2/04 SOFTWARE 2 of 2 CD には、「開発者システムサポート」以上のソフトウェアグループと、(Solaris_8/EA/products ディレクトリにある) Live Upgrade 1.0、Solstice DiskSuite 4.2.1、SunScreen 3.1 Lite が含まれています。
「開発者システムサポート」以上のソフトウェアグループおよび Solaris_8/EA/products ディレクトリにあるソフトウェアを選択した場合、Solaris Web Start 3.0 は、SOFTWARE 1 of 2 CD のインストールが完了すると SOFTWARE 2 of 2 CD を挿入するように要求します。その後、LANGUAGES CD や DOCUMENTATION CD をインストールした後に再度 SOFTWARE 2 of 2 CD を挿入するように要求します。これは、Solaris_8/EA/products ディレクトリにあるソフトウェアをインストールするためで、Solaris ソフトウェアをインストールするためではありません。メッセージに従って SOFTWARE 2 of 2 CD を挿入し、Solaris_8/EA/products ディレクトリにあるソフトウェアのインストールを行なってください。
Solaris 8 6/00 から Solaris_8/EA/products ディレクトリに SunScreen 3.1 Lite が追加されましたが、Solaris Web Start 3.0 では SunScreen 3.1 Lite をインストールすることができません。SunScreen 3.1 Lite をインストールする場合は、Solaris 8 2/04 をインストールしたシステム上で、Solaris 8 2/04 SOFTWARE 2 of 2 CD に含まれている Solaris Web Start 2.1.0 (Solaris_8/EA/installer または Solaris_8/EA/products/SunScreen_3.1_Lite/installer) を使用してください。また、インストール前に、日本語、フランス語、中国語 (簡体字) ロケールで SunScreen をインストールすると、不要な文字がメッセージ中に表示される (バグ ID: 4336336)をお読みください。
Solaris Web Start 3.0 のインストールにおいて「製品の選択」画面で、Solaris 8 2/04 SOFTWARE 2 of 2 CD に含まれている Live Upgrade を選択した場合、インストール画面の一部が英語で表示されます。
Live Upgrade を、Solaris 8 2/04 SOFTWARE 2 of 2 CD に含まれている Solaris Web Start 2.1.0 (Solaris_8/EA/installer または Solaris_8/EA/products/Live_Upgrade_1.0/installer) を使用してインストールする場合も、インストール画面の一部が英語で表示されます。
Solaris 8 1 of 2 CD からインストールする場合の注意事項と問題について説明します。
カスタム JumpStartTM プログラムまたは re-preinstall コマンドを使用してインストールを行うと、Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD が完了しても、Solaris 8 SOFTWARE 2 of 2 CD インストールプログラムが自動的に起動しません。システムは正しくリブートされますが、インストールは完了しません。
回避方法 : カスタム JumpStart インストールまたは re-preinstall を使用してインストールする場合は、次のどちらかを実行してください。
Solaris 8 SOFTWARE CD を含むネットワーク上のインストールサーバーを使用して、インストールを実行する。
Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD インストールプログラムが完了した後、次の手順を実行する。
スーパーユーザーとしてログインします。
端末エミュレータで次のコマンドを実行して、/var/sadm/system/data/packages_to_be_added ファイルが存在するかどうかを確認します。
# ls /var/sadm/system/data/ |
ls コマンドの実行結果に packages_to_be_added ファイルが含まれている場合は、次の手順に進みます。
ls コマンドの実行結果に packages_to_be_added ファイルが含まれていない場合、インストールは完了しています。これ以降の手順を実行する必要はありません。
CD-ROM ドライブに Solaris 8 SOFTWARE 2 of 2 CD を挿入して、端末エミュレータで次のコマンドを実行し、インストールプログラムを開始します。
# volcheck # cd /cdrom/cdrom0/Solaris_8/Tools/Installers # ./solaris2 |
Solaris 8 SOFTWARE 2 of 2 インストールプログラムが完了したら、端末エミュレータで次のコマンドを実行して /var/sadm/system/data/packages_to_be_added ファイルが存在するかどうかを確認します。
# ls /var/sadm/system/data |
ls コマンドの実行結果に packages_to_be_added ファイルが含まれている場合は、次の手順に進みます。
ls コマンドの実行結果に packages_to_be_added ファイルが含まれていない場合、インストールは完了しています。これ以降の手順を実行する必要はありません。
CD-ROM ドライブに Solaris 8 LANGUAGES CD を挿入して、端末エミュレータで次のコマンドを実行します。
# volcheck # cd /cdrom/cdrom0 # ./installer |
Solaris 8 LANGUAGES CD インストールプログラムで、カスタムインストールのパスを指定します。
システムに必要な言語を選択して、インストールを完了します。
CD-ROM ドライブが複数存在する場合、上記のパスは /cdrom/cdrom# と読み換えてください。cdrom# は、Solaris 8 SOFTWARE 2 of 2 CD または Solaris 8 LANGUAGES CD を挿入した CD-ROM ドライブを示します。
Solaris ソフトウェアのインストール中であるにもかかわらず、「Solaris ソフトウェアのインストール - 実行中」のスケールがインストールの完了を示す可能性があります。
スケールがインストールの完了を示した後も、インストールプログラムによってパッケージが追加されている可能性があるので、インストールが完了したかどうかをスケールの表示で判断しないでください。すべてのインストール処理が完了すると、プロンプト # が表示されます。
インストール中、ファイルシステムの作成時に、次のどちらかの警告メッセージが出力される可能性があります。
Warning: inode blocks/cyl group (87) >= data blocks (63) in last cylinder group. This implies 1008 sector(s) cannot be allocated. |
Warning: 1 sector(s) in last cylinder unallocated |
回避方法 : 警告メッセージは無視してください。警告メッセージが表示されても問題は発生しません。
「コアシステムサポート」でインストールされるべき日本語パッケージは、次のとおりです。
パッケージ | ロケール | パッケージが含まれている CD |
---|---|---|
SUNWjeuc, SUNWjfpr, SUNWjfpu | ja, ja_JP.PCK, ja_JP.UTF-8 | SOFTWARE 1 of 2 CD |
SUNWjpck | ja_JP.PCK | SOFTWARE 1 of 2 CD |
SUNWju8 | ja_JP.UTF-8 | SOFTWARE 1 of 2 CD |
SUNWjeuce, SUNWjfpre, SUNWjfpue | ja, ja_JP.PCK, ja_JP.UTF-8 | LANGUAGES CD |
SUNWjpcke | ja_JP.PCK | LANGUAGES CD |
SUNWju8e | ja_JP.UTF-8 | LANGUAGES CD |
CD による対話式インストールにおいて、ソフトウェアグループとして「コアシステムサポート」を選択した場合、インストールするロケールとして日本語ロケールを選択しても、LANGUAGES CD に含まれている日本語パッケージはインストールされません。これは、SOFTWARE 1 of 2 CD のインストールが完了し、システムがリブートした後、コアシステムの環境で LANGUAGES CD のインストールを起動できないためです。
回避方法 : CD を使用して対話式インストールを行なった場合は、インストール終了後、システムにログインし、次のように pkgadd(1M) コマンドを使用して LANGUAGES CD に含まれている日本語パッケージをインストールしてください。
# cd /cdrom/sol_8_u7_lang_sparc/components/Japanese/sparc/Packages # pkgadd -d . SUNWjeuce SUNWjfpre SUNWjfpue SUNWjpcke SUNWju8e |
対話式インストールで LANGUAGES CD に含まれているパッケージをインストールするには、LANGUAGES CD のイメージを含むインストールサーバーを使用してください。Solaris Web Start 3.0 では、CD を使用して LANGUAGES CD のインストールを行うことができます。
カスタム JumpStart インストールを使用する場合のインストールに関する情報と問題について説明します。
カスタム JumpStart インストールは、Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD をインストールした後、Solaris 8 SOFTWARE 2 of 2 CD および Solaris 8 LANGUAGES CD をインストールしません。
回避方法 : 「コアシステムサポート」ソフトウェアグループまたは「エンドユーザーシステムサポート」ソフトウェアグループを Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD に含まれている基本ロケール (部分ロケールともいい、ユーザーインタフェースの翻訳を含まない) 環境のみで利用する場合は、SOFTWARE 2 of 2 CD および LANGUAGES CD をインストールする必要はありません。
「開発者システムサポート」、「全体ディストリビューション」、「全体ディストリビューションと OEM サポート」のいずれかのソフトウェアグループをインストールする場合は、Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD、SOFTWARE 2 of 2 CD、LANGUAGES CD を含むインストールサーバーを使用して、ネットワーク上でカスタム JumpStart インストールを行なってください。詳細は、『Solaris 8 のインストール (上級編)』の 「JumpStart ディレクトリをサーバー上に作成する方法」を参照してください。
なお、プロファイルフロッピーディスクを使用したカスタム JumpStart インストールを行う場合は、次の手順に従って Solaris 8 SOFTWARE 2 of 2 CD、LANGUAGES CD をインストールしてください。
カスタム JumpStart による Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD のインストールが終了したら、システムをリブートします。
システムにログインします。
Solaris 8 SOFTWARE 2 of 2 CD を CD-ROM ドライブに挿入します。
installer スクリプトを実行します。インストール画面に従ってソフトウェアをインストールします。
Solaris 8 LANGUAGES CD を CD-ROM ドライブに挿入します。
installer スクリプトを実行します。インストール画面に従ってソフトウェアをインストールします。
旧リリースの Solaris がインストールされているシステムを、Solaris 8 2/04 にアップグレードする場合の注意事項とバグについて説明します。
Solstice DiskSuiteTM、SolarisTM Volume Manager のミラーされたルート、Veritas のカプセル化されたルートのいずれかからブートした場合、lucreate コマンドがブートデバイスを判別できないことがあります。その場合、以下のエラーメッセージが表示されます。
WARNING: Unable to determine root device by accessing boot device settings directly. ERROR: Unable to determine root device for current BE. ERROR: Unable to determine the physical boot device for the current BE <...>. Use the <-C> command line option to specify the physical boot device for the current BE <...> |
lucreate -C を使用して物理的なブートデバイスを指定した場合、コマンドは失敗します。
回避方法 : /usr/sbin/lucreate ファイルを手動で編集して、Solstice DiskSuite、 Solaris Volume Manager のミラーされたルート、Veritas のカプセル化されたルートのいずれかから、Live Upgrade がブートデバイスを判別できるようにします。次の手順を実行してください。
/usr/sbin/lucreate のバックアップ用コピーを作成します。
テキストエディタで /usr/sbin/lucreate を開きます。
/usr/sbin/lucreate ファイル内で次の行を検索します。
elif [ "${dpbe_pbeBootDev}" -eq "-" ] ; then |
上記の行を、以下のように変更します。
elif [ "${dpbe_pbeBootDev}" = '-' ] ; then |
/usr/sbin/lucreate ファイル内で次の行を検索します。
if [ "${OPTARG}" -ne "-" ] ; then |
上記の行を、以下のように変更します。
if [ "${OPTARG}" != '-' ] ; then |
/usr/sbin/lucreate に行なった変更を保存します。
これで lucreate コマンドがブートデバイスを判別可能になり、-C オプションが正しく機能するようになります。
アップグレード完了後は、/usr/sbin/lucreate のバックアップ用コピーを削除してもかまいません。
アップグレードオプションによって Solaris 8 2/04 をインストールする場合、Solaris 2.5.1 以降のシステムからのアップグレードをサポートします。それより前のリリースからのアップグレードは保証されません。
ロケール選択機構の変更で説明したように、Solaris 8 から、インストールするロケールを選択する機構が変更されました。このため、対話式インストールを使用して Solaris 8 より前のシステムを Solaris 8 2/04 へアップグレードすると、既存システムのインストール時に明示的にインストールしなかったロケールが「地域の選択」画面で自動的に選択されます。これは、既存システムのインストール時に明示的に指定していないロケールのソフトウェアが、暗黙のうちにインストールされていたためです。
既存システムのインストール時にインストールするロケールとして明示的に指定しなかったロケールが含まれている地域を、「地域の選択」画面で選択解除することができます。余分なロケールをそのまま選択解除せずにアップグレードを行なっても問題はありません。アップグレードしたシステムには、アップグレード前と同じレベルのロケール環境がサポートされます。ただし、既存のシステムに明示的にインストールしたロケールは、「地域の選択」画面で削除することはできません。
Solaris 2.5.1 に同梱されていた「日本語 Solaris 2.5.1 PC 漢字コード開発キット」がインストールされているシステムをアップグレードする場合、それをサポートするパッケージ (SUNWjpr、SUNWjpu、SUNWjpxw、SUNWjpdt) は自動的に削除されます。ja_JP.PCK ロケール環境をインストールするには、「言語の選択」画面で「Japanese PC Kanji (ja_JP.PCK)」を追加選択してください。
Solaris 2.5.1 (SMCC 版) で提供されていた Wnn6 (OMRONWnn6) を使用していたシステムでアップグレードインストールを行なった場合、 /opt/Wnn6/lib/ja_JP/dic/usr に配置されていたユーザー辞書や学習ファイルは自動的に /var/locale/ja/wnn/ja/dic/usr にコピーされ、新しい環境に引き継がれます。ユーザー辞書などが不要な場合は、 /var/locale/ja/wnn/ja/dic/usr ディレクトリに作成されたユーザーのディレクトリを削除してください。
OMRONWnn6 で変更した設定ファイル (/opt/Wnn6/lib ディレクトリに配置されます) は、自動的には引き継がれません。必要に応じて /etc/lib/locale/ja/wnn ディレクトリにあるファイルを編集してください。標準のファイルは /usr/lib/locale/ja/wnn に置かれます。
OMRONWnn6 は、アップグレードインストールでは削除されません。必要に応じて、アップグレード後に削除してください。ただし、OMRONWnn6 を削除すると、/opt/Wnn6 に置かれたすべてのファイル (変更された設定ファイル、ユーザー辞書、学習ファイルを含みます) が削除されてしまうので、充分に注意してください。
Solaris 2.6 から、cs00 は「コアシステムサポート」ソフトウェアグループには含まれなくなりました。「コアシステムサポート」でインストールされた Solaris 2.5.1 システムをアップグレードすると、システム上から cs00 をサポートするシステムファイルが削除されます。
「コアシステムサポート」で cs00 を利用する場合は、「エンドユーザーシステムサポート」以上のソフトウェアグループを選択するか、インストール後に pkgadd コマンドにより次のパッケージをインストールしてください。
SUNWjc0r : Japanese Kana-Kanji Conversion Server cs00 Root Files
SUNWjc0u : Japanese Kana-Kanji Conversion Server cs00 User Files
なお、かな漢字入力機能を持たない漢字表示可能な端末や端末エミュレータ上で日本語を入力するためのフロントエンドプロセッサ mle を利用する際にも、cs00 が必要になります。
/export ディレクトリの空き容量がゼロに近い状態で、システムを Solaris 8 2/04 オペレーティング環境にアップグレードしようとすると、/export ディレクトリ容量の必要条件の計算に誤りが発生するため、アップグレードに失敗します。この問題は、ディスクレスクライアントがインストールされているか、/export ディレクトリに他社製のソフトウェアがインストールされている場合によく発生します。次のエラーメッセージが表示されます。
WARNING: Insufficient space for the upgrade. |
回避方法 : アップグレードの前に、次のいずれかを実行してください。
アップグレードが完了するまで、一時的に /export ディレクトリの名前を変更する
アップグレードが完了するまで、/etc/vfstab ファイル内の /export の行を一時的にコメントアウトする
/export が別のファイルシステムである場合は、アップグレードを実行する前に /export のマウントを解除する
Solaris 2.5.1 4/97、8/97、 11/97 のいずれかのオペレーティング環境から Solaris 8 オペレーティング環境にアップグレードした後に、/a/var/sadm/system/logs/upgrade_log 内に次のエラーメッセージが出力されることがあります。
rm: Unable to remove directory /a/var/sadm/pkg/.save.SUNWcsr: File exists |
回避方法 : このエラーを回避するには、Solaris 8 オペレーティング環境にアップグレードする前に、ルートファイルシステム上で fsck を実行してください。
アップグレード後に発生したエラーを解決するには、ルートファイルシステム上で fsck を実行してください。
現在のシステムが、AdminSuiteTM 2.3 のホストマネージャを使用してインストールしたディスクレスクライアントをサポートしている場合は、Solaris 8 2/04 オペレーティングシステムをインストールする前に、すべてのディスクレスクライアントを削除する必要があります。具体的な手順については、『Solaris 8 のシステム管理 (追補)』 の「ディスクレスクライアント環境をセットアップするには」の節を参照してください。
ディスクレスクライアントを削除せずに Solaris 8 2/04 をインストールしようとすると、次のようなエラーメッセージが出力されます。
The Solaris Version (Solaris 7) on slice <xxxxxxxx> cannot be upgraded. There is an unknown problem with the software configuration installed on this disk. スライス <xxxxxxxx> 上の Solaris のバージョン (Solaris 7) が アップグレードできません。ディスク上にインストールされたソフトウェア構成に 未知の問題があります。 |
Solaris 8 (Solaris WBEM Services 2.0)、Solaris 8 6/00 (WBEM Services 2.1)、 Solaris 8 10/00 (WBEM Services 2.2)、Solaris 8 1/01 オペレーティング環境 (Solaris WBEM Services 2.3) のいずれかのオペレーティング環境から Solaris 8 2/04 オペレーティング環境 (Solaris WBEM Services 2.4) にアップグレードする場合は、Managed Object Format (MOF) 形式の重要なデータは、Solaris WBEM Services 2.4 で使用されている新しい Reliable Log レポジトリ形式に変換してください。この変換を行わないと、データが失われてしまいます。
回避方法 : アップグレードの前に JavaSpacesTM ソフトウェアを保存して、アップグレードの後に wbemconfig convert コマンドを実行して WBEM データを変換してください。
Solaris 8 2/04 オペレーティング環境にアップグレードする前に、次の手順に従って JavaSpaces ソフトウェアを保存してください。
スーパーユーザーになります。
JavaSpaces を保存します。
# cp /usr/sadm/lib/wbem/outrigger.jar /usr/sadm/lib/wbem/outrigger.jar.tmp |
マシンにインストールされている JDKTM ソフトウェアのバージョンを確認して記録します。例:
# /usr/bin/java -version java version "1.2.1" Solaris VM (build Solaris_JDK_1.2.1_04c, native threads, sunwjit) |
WBEM データの変換時に使用する JDK ソフトウェアのバージョンは、元の JavaSpaces データストアが生成されたときに実行されていたバージョンと同じでなければなりません。
Solaris 8 2/04 へのアップグレード後は、WBEM データを変換する必要があります。具体的な手順については、『Solaris WBEM Services の管理』の「CIM Object Manager Repository のアップグレード」を参照してください。
この問題は、Solaris 2.5.1 と Solaris 2.5.1 アンバンドル CDE オペレーティング環境を実行しているシステムのうち、アンバンドル CDE の場所を /usr/dt 以外のディレクトリにインストールしたシステムに影響します。これらのシステムでは、インストール先の CDE を指すシンボリックリンクが /usr/dt に作成されています。
Solaris 8 オペレーティング環境にアップグレードすると、CDE が /usr/dt に再インストールされ、アップグレード前にインストールしていた CDE へのシンボリックリンクは削除されます。アップグレード前にインストールしていた CDE 自体は、削除されないで残ります。
アップグレードで、ファイルシステムの再配置に関連する処理が行われる場合、アップグレードに失敗します。ファイルシステム再配置で、新しい CDE に必要な /usr/dt の容量が考慮されないためです。このアップグレードの失敗は、アップグレードの完了時までわかりません。アップグレードに失敗すると、容量が足りないことを示すメッセージがアップグレードログ中に出力されます。
回避方法 : インストールしたアンバンドル CDE をアンインストールしてから、Solaris 8 オペレーティング環境へのアップグレードを開始してください。 アンインストールは、Solaris 2.5.1 CDE の CD から install-cde スクリプトを使用して行うことができます。CDE を削除するためには、必ず -uninstall フラグを付けてこのスクリプトを実行する必要があります。
Solaris 7 オペレーティング環境を実行しているシステムに、Solaris Easy Access Server (SEAS) 3.0 CD-ROM から WBEM 1.0 をインストールしている場合は、Solaris 8 オペレーティング環境にアップグレードする前に WBEM 1.0 のパッケージを削除してください。WBEM 1.0 がインストールされたままアップグレードすると、Solaris WBEM Services 2.0 が起動しません。また、CIM Object Manager の起動にも失敗します。この場合、次のエラーメッセージが表示されます。
File not found: /opt/sadm/lib/wbem/cimom.jar |
回避方法 : Solaris 8 オペレーティング環境にアップグレードする前に、WBEM 1.0 パッケージを手作業で削除してください。削除には、pkgrm コマンドを使用してください。
pkginfo コマンドを次のように実行して、WBEM 1.0 パッケージがインストールされているかどうかを確認します。
% pkginfo | grep WBEM |
スーパーユーザーになります。
コマンドを次のように実行して、WBEM 1.0 のパッケージをすべて削除します。
# pkgrm SUNWwbapi # pkgrm SUNWwbcor # pkgrm SUNWwbdev # pkgrm SUNWwbdoc # pkgrm SUNWwbm |
各ロケールのメッセージおよびヘルプに関するパッケージが入っているときは、それらのパッケージも削除します。以下は日本語版の例です。
# pkgrm SUNWjewbi # pkgrm SUNWjewbs # pkgrm SUNWjwbd |
SUNWeeudt パッケージのインストールが部分的に失敗したことを示す次のようなメッセージが、アップグレードログに出力されます。
Doing pkgadd of SUNWeeudt to /. ERROR: attribute verification of </a/usr/dt/appconfig/types/ru_RU.KOI8-R/datatypes.dt> failed pathname does not exist ... Installation of <SUNWeeudt> partially failed. pkgadd return code = 2 |
回避方法 : アップグレード完了後に、次の手順を実行してください。
次のように入力して、SUNWeeudt パッケージを削除します。
# pkgrm SUNWeeudt |
Solaris 8 2/04 SOFTWARE 1 of 2 CD またはインストールサーバーを使用して、 SUNWeeudt パッケージをインストールします。
例:Solairs 8 2/04 SOFTWARE 1 of 2 CD を使用した場合
# cd /cdrom/sol_8_u7_sparc/s0/Solaris_8/Product # pkgadd -d . SUNWeeudt |
Solaris 2.6 または Solaris 7 のシステムを Solaris 8 2/04 にアップグレードする時に 64 ビットサポートを選択しなかった場合にも、次に示す 64 ビットパッケージがインストールされます。
SUNWceuox
SUNWeeoux
SUNWneoux
SUNWseoux
SUNWweoux
回避方法 : アップグレード完了後に、次のように pkgrm(1M) コマンドを使用して、不要な 64 ビットパッケージを削除してください。
# pkgrm SUNWceuox SUNWeeuox SUNWneuox SUNWseuox SUNWweuox |
Solaris 8 へのアップグレードを行うと、アップグレード時に設定したデフォルトロケールがシステムのデフォルトロケールに正しく設定されない場合があります。
CD を使用した対話式アップグレードの場合、Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD の インストールの終了後、自動ブートしたシステムが英語環境で起動し、SOFTWARE 2 of 2 CD および LANGUAGES CD のインストール画面が英語で表示されることがあります。
回避方法 : アップグレード終了後、システムのデフォルトロケールを /etc/default/init ファイルの LANG 環境変数に設定してください。
Solaris 8 (または 6/00、10/00、1/01、4/01) DOCUMENTATION CD (英語 + ヨーロッパ言語版) または Solaris 8 (または 6/00、10/00、1/01、4/01) DOCUMENTATION CD (アジア言語版) がインストールされている Solaris 8 (または 6/00、10/00、1/01、4/01) のシステムを Solaris Web Start 3.0 を使用して Solaris 8 2/04 にアップグレードする際に、DOCUMENTATION CD を Solaris 8 2/04 DOCUMENTATION CD にアップグレードすると、AnswerBook2 Collection に同じコレクションが複数表示されます。
回避方法 1: 以下のように ab2admin コマンドを使用して、複数表示されているコレクションを削除してから、もう一度コレクションを追加してください。
例:
# /usr/lib/ab2/bin/ab2admin -o add_admin -u admin # /usr/lib/ab2/bin/ab2admin -o del_coll -t "Solaris 8 Release Documents Collection" # /usr/lib/ab2/bin/ab2admin -o del_coll -t "Solaris 8 Release Documents Collection - \ Japanese" # /usr/lib/ab2/bin/ab2admin -o del_coll -t "Solaris 8 6/00 Release Documents Collection" # /usr/lib/ab2/bin/ab2admin -o del_coll -t "Solaris 8 6/00 Release Documents Collection - \ Japanese" # /usr/lib/ab2/bin/ab2admin -o del_coll -t "Solaris 8 Installation Collection - Japanese" # /usr/lib/ab2/bin/ab2admin -o del_coll -t "Solaris 8 Installation Collection - Japanese" # /usr/lib/ab2/bin/ab2admin -o del_coll -t "Solaris 8 Software Developer Collection - \ Japanese" # /usr/lib/ab2/bin/ab2admin -o del_coll -t "Solaris 8 Software Developer Collection - \ Japanese" # /usr/lib/ab2/bin/ab2admin -o del_coll -t "Solaris 8 System Administrator Collection - \ Japanese" # /usr/lib/ab2/bin/ab2admin -o del_coll -t "Solaris 8 System Administrator Collection - \ Japanese" # /usr/lib/ab2/bin/ab2admin -o restart # /usr/lib/ab2/bin/ab2admin -o scan |
回避方法 2: AnswerBook2 の「オプション」メニューから「個人用ライブラリの変更」を選択し、複数表示されているコレクションのうちアップグレード前にインストールされていたコレクションを選択解除して、そのコレクションを非表示にしてください。
Solaris 8 へのアップグレードにおいて、Solaris 8 LANGUAGES CD の日本語ロケールのパッケージをインストールすると、ログファイル Solaris_8_Japanese_Localization_install.B* 中に次のような警告メッセージが出力される場合があります。
WARNING: /usr/dt/appconfig/appmanager/ja/Desktop_Controls <no longer a symbolic link>
回避方法 : 警告が出力されているファイルは正しくインストールされており問題はありませんので、警告メッセージは無視してください。
Solaris 8 のインストール全般に関する注意事項とバグ情報を説明します。
SunScreen 3.1 Lite のインストールにおいて、「SunScreen 3.1 Lite is Early Access Software」という画面が表示され、以下のメッセージが含まれています。
This software is offered for evaluation purposes only and is not recommended or intended for commercial, production, or any non-trial deployment or use. Sun's product warranties do not extend to this software. |
また、SunScreen 3.1 Lite は Solaris_8/EA/products ディレクトリに含まれていますが、SunScreen は正式サポート製品ですので、上記インストール画面のメッセージは無視してください。
SunScreen 3.1 Lite のインストールにおいて、日本語、フランス語、中国語 (簡体字) のいずれかのロケールで、Solaris 8 SOFTWARE 2 of 2 CD に含まれている Solaris Web Start 2.1.0 (Solaris_8/EA/installer または Solaris_8/EA/products/SunScreen_3.1_Lite/installer) を起動すると、英語で表示されるメッセージがありますが、そのメッセージの先頭に「XX_」、末尾に「_XX」という不要な文字が表示されます。
例:ja ロケールで installer を起動した場合
ja_SunScreen 3.1 Lite is Early Access Software_ja ja_Please select one or both of the following_ja |
回避方法 : 不要な文字を無視するか、C ロケールで installer を起動してください。
システムにインストールした SunScreen 3.1 Lite を Solaris Product Registry を使用してアンインストールすると、パッケージの削除に失敗してアンインストールできません。エラーメッセージがログファイルに出力されます。
回避方法 : pkgrm(1M) コマンドを使用して、SunScreen 3.1 Lite のパッケージをアンインストールしてください。
同梱されている CD を、その CD に含まれている Solaris Web Start 2.x (installer) を使用して日本語ロケール (日本語表示) でインストールしているときに、スワップ容量の不足のためインストールが失敗することがあります。この場合、コンソールにエラーメッセージが表示されますが、エラーメッセージは次のように文字化けしています。
RunCmd Error:java.io.IOException: ???????????????????? |
回避方法 : 同梱されている CD に含まれている Solaris Web Start 2.x は、実行時におよそ 50M バイトのメモリーを消費します。Solaris Web Start 2.x を使用してインストールする場合は、swap -s コマンドなどで空きスワップ容量を確認し、不足している場合は、メモリーの消費量が多いアプリケーションを終了するか、スワップファイルを作成してスワップ領域を追加してください。詳細は、swap(1M) のマニュアルページを参照してください。
選択したデフォルトロケールに関係なく、install_log、upgrade_log などの Solaris のインストールログファイルは、EUC (ja ロケール) テキストとして生成されます。
回避方法 : コードコンバータで変換して参照するか、テキストエディタなどの GUI ツールを ja ロケールで起動して参照してください。
Solaris 8 では、日本語入力システムとして、ATOK12、Wnn6、ATOK8、cs00 を利用できます。これらは LANGUAGES CD (cs00 の一部は SOFTWARE CD) に含まれており、「エンドユーザーシステムサポート」以上のソフトウェアグループでデフォルトでインストールされます。
ただし、複数言語入力環境で利用できる日本語入力システムは、ATOK12 または cs00 です。Wnn6 および ATOK8 は、複数言語入力環境では利用できません。
日本語タイプ 5 キーボードは OpenBoot PROM のバージョンによっては、モニターレベルでタイプ 4 キーボードとして動作します。そのため、モニターレベルでは、キーボード上の印字と実際の入力が一部異なります。次の表を参照してください。その他の注意事項は、U.S. タイプ 5 キーボードと同じです。『Sun タイプ 5 キーボードプロダクトノート』を参照してください。
表 3–2 日本語キーボード上の印字と実際の入力文字日本語タイプ 5 キーボード上の印字 | 実際の入力文字 |
---|---|
“ | @ |
& | ^ |
' | & |
( | * |
) | ( |
Shift-0 | ) |
= | _ |
~ | + |
^ | = |
¥ | \ |
@ | [ |
` | { |
[ | ] |
{ | } |
+ | : |
: | ' |
* | “ |
] | ` |
} | ~ |
_ | LF |
\ | LF |
64 ビット Solaris をインストールする場合の、注意事項とバグ情報について説明します。
システムがすでに 64 ビット対応のファームウェアを実行している場合、Flash PROM のアップデートは不要です。
UltraSPARCTM システム上で 64 ビット Solaris オペレーティング環境を実行する場合、Flash PROM ファームウェアのアップデートが必要な場合があります。 Solaris 8 インストールプログラムには、64 ビットサポートを追加する選択肢があります。UltraSPARC システムにインストールする場合は、この 64 ビットサポートがデフォルトで選択されます。64 ビットシステムは、200MHz 以上の CPU 速度を持つ場合のみ、デフォルトで 64 ビットでブートします。
Sun システムまたは UltraSPARC システムで 32 ビット Solaris オペレーティング環境を実行する場合は、Flash PROM のアップデートは不要です。
次の表に、UltraSPARC (sun4u) システムと必要な最小限のファームウェアバージョンを示します。システムタイプは、uname -i コマンドを実行して確認できます。実行中のファームウェアバージョンは、prtconf -V コマンドを実行して確認できます。
表 3–3 UltraSPARC システム上で 64 ビット Solaris を実行するために必要なファームウェアバージョン
システムタイプ (uname -i で出力される) |
必要最小限のファームウェアバージョン (prtconf -V で出力される) |
---|---|
SUNW,Ultra-1-Engine |
3.10.0 |
SUNW,Ultra-1 |
3.11.1 |
SUNW,Ultra-2 |
3.11.2 |
SUNW,Ultra-4 |
3.7.107 |
SUNW,Ultra-Enterprise |
3.2.16 |
この表に記載されていないシステムでは、Flash PROM をアップデートする必要はありません。
Solaris CD を使用して Flash PROM をアップデートする方法については、「Solaris 8 on Sun Hardware Collection」のマニュアルをご覧ください。 このコレクション中のマニュアルは、 http://docs.sun.com で参照することができます。
awk および nawk ユーティリティのフィールド制限 (最大 200 フィールド) のために、追加ソフトウェアのインストールが失敗することがあります。この問題は、次のような場合に発生します。
Solaris 8 2/02 オペレーティング環境および Sun EnterpriseTM 代替パスを実行しているシステムに、Veritas Volume Manager (VxVm) をインストールする場合
Solaris 8 2/02 オペレーティング環境を実行しているシステムに、Sun StorEdgeTM Component Manager ソフトウェアをインストールする場合
次のようなメッセージが表示されます。
Installing VxVM for Solaris 8 awk: record `Patch: 108528-13 Obs...' has too many fields record number 12 Alternate Pathing (AP) version 2.3.1 has been detected. This version of VxVM requires the following patch(es) to co-existwith AP 2.3.1: 110722 Install the above patch(es) before you continue the VxVM installation. This installation will now be aborted. pkgadd: ERROR: request script did not complete successfully Installation of <VRTSvxvm> failed. No changes were made to the system. |
回避方法 : ご購入元に問い合わせて、awk および nawk のフィールド上限数を増やすためのパッチを入手してください。
英語および日本語以外のロケールをインストールする場合に発生するバグについて説明します。
ヨーロッパ言語ロケールで、Solaris 8 2/02 INSTALLATION CD を使用してインストールした場合、インストール処理の最後に表示される Kiosk のメニューが英語 (C ロケール) で表示される。
Solaris 7 3/99、Solaris 7 5/99、Solaris 7 8/99、Solaris 7 11/99 オペレーティング環境から Solaris 8 2/04 オペレーティング環境へのアップグレードを行うと、次のようなエラーメッセージがアップグレードログに出力される可能性があります。
Doing pkgadd of SUNWplow to /. pkgadd: ERROR: unable to create package object </a/usr/openwin/share/locale/de.ISO8859-15>. file type <s> expected <d> actual unable to remove existing directory at </a/usr/openwin/share/locale/de.ISO8859-15> .... Installation of <SUNWplow> partially failed. pkgadd return code = 2 Doing pkgadd of SUNWpldte to /. WARNING: /a/usr/dt/appconfig/types/de.ISO8859-15 may not overwrite a populated directory. ...... pkgadd: ERROR: /a/usr/dt/appconfig/types/de.ISO8859-15 could not be installed. ....... Installation of <SUNWpldte> partially failed. pkgadd return code = 2 |
この警告は、Solaris 8 2/04 で、アップグレードログに示されたディレクトリがシンボリックリンクからディレクトリに変わったパッケージがインストールされ、さらにディレクトリがシンボリックリンクのままのパッケージもインストールしようとするために発生します。ただし、このエラーによってシステムのオペレーティング環境に問題は発生しません。
回避方法 : 問題は発生しないので、上記のエラーメッセージは無視してください。