Sun Java System Application Server Enterprise Edition 8.2 パフォーマンスチューニングガイド

Windows での DLL ベースアドレスの再割り当て

JVM は、初期化時に、 -Xms 設定を使用してヒープを割り当てようとします。Application Server DLL のベースアドレスによって、利用可能な連続アドレス空間の量が制限され、JVM の初期化に失敗することがあります。Java メモリーで利用可能な連続アドレス空間の量は、DLL に割り当てられたベースアドレスによって異なります。Application Server DLL のベースアドレスの再割り当てを行うことにより、利用可能な連続アドレス空間の量を増やせます。

読み込みアドレスの衝突を避けるには、Visual Studio および Platform SDK に付属する rebase ユーティリティーを使用して、優先ベースアドレスを設定します。rebase ユーティリティーを使用して Application Server DLL のベースアドレスを割り当て直すことで、読み込み時の再配置を避け、Java ヒープで利用可能なプロセスメモリーを増やします。

衝突の原因となる可能性があるデフォルト以外のベースアドレスを持つ Application Server DLL がいくつかあります。次に例を示します。

利用可能な最大連続アドレス空間を実質的に増やすには、これらのライブラリをシステム DLL (msvcrt.dll0x78000000) の近くに移動します。すべての DLL でベースアドレスの再割り当てを行えるので、Application Server をインストールしたら、DLL のベースアドレスの再割り当てを実行してください。

ProcedureApplication Server DLL のベースアドレスの再割り当てを行う

始める前に

ベースアドレスの再割り当てを実行するには、次のものが必要です。

  1. 次のコマンドを使用して、install_dir\bin をデフォルトディレクトリにします。


    cd install_dir\bin
  2. 次のコマンドを入力します。


    rebase -b 0x6000000 *.dll
  3. dependencywalker ユーティリティーを使用して、DLL のベースアドレスの再割り当てが正しく行われたことを確認します。

    詳細については、Dependency Walker の Web サイトを参照してください。

  4. Java ヒープのサイズを大きくし、管理コンソールの「JVM 設定」ページで、それに応じた JVM オプションを設定します。

  5. Application Server を再起動します。


例 4–2 Windows でのヒープ設定

次に、Windows 上の Sun ONE Application Server で負荷の大きいサーバー中心型のアプリケーションに対して使用されるヒープ設定の例を示します。これは、server.xml ファイルに設定されます。

<jvm-options> -Xms1400m </jvm-options>
<jvm-options> -Xmx1400m </jvm-options>

参照

ベースアドレスの再割り当ての詳細については、MSDN の rebase ユーティリティーに関するページを参照してください。