要件分析では、企業の文化および政策のさまざまな側面を考慮する必要があります。企業文化に対する考慮が欠けていると、受け入れられないソリューションや実装しにくいソリューションとなる恐れがあります。
提案したソリューションの成功によって恩恵を受ける個人および組織を特定します。ビジネス上の目的と要件の定義には、すべての利害関係者が活発に参加する必要があります。利害関係者が参加しない場合、または変更計画を知らされない場合、計画が重大な欠点を持つ可能性があります。そのような利害関係者は、配備の実装を妨げる可能性さえもあります。
ソリューションを必要としている組織の標準と方針を明確に理解する必要があります。これらの標準と方針が、設計の技術面、製品の選択、配備方法に影響する場合があります。
一例として、人事組織や部門責任者によって所有および管理される個人データの機密性が挙げられます。別の例としては、企業による変更管理の手順が挙げられます。変更管理方針は、ソリューションの受け入れに大きく影響するとともに、実装方法やスケジュールに大きく影響する可能性があります。
規制による要件は、ビジネスの性質によって大きく異なります。配備に影響する可能性のある規制による要件をすべて調査し、理解します。多くの企業および政府機関は、アクセシビリティー標準への準拠を必要とします。グローバルなソリューションを配備する際は、外国の法規制を考慮します。たとえば、多くのヨーロッパ諸国は、個人情報の保管について厳しく規制しています。
特定した目標の中には、重視する必要のある、潜在的なセキュリティー上の問題がある場合があります。ソリューションに不可欠な、具体的なセキュリティー上の目標を明確にします。例:
占有情報へのアクセスは、認証されたユーザーに限定する
機密情報へのアクセスは、ロールベースのアクセスに限定する
遠隔地との通信をセキュリティー保護する
ローカルシステム上でリモートアプリケーションを利用できるようにする
サードパーティーの企業および組織とのトランザクションをセキュリティー保護する
セキュリティーポリシーを実施する
サイトの地理的分散およびサイト間の帯域幅は、設計上の意思決定に影響する可能性があります。また、ローカル管理が必要なサイトがある場合もあります。
このような地理的な考慮事項により、プロジェクトの研修費や複雑さなどが増大する可能性があります。サイトの地理的分散による要件を明確にします。設計の成功に不可欠なサイトを特定します。