Solaris 用パッチをインストールする前に、「インストール前の注意点」に示したファイルをバックアップしておく必要があります。
Solaris システムでパッチの追加や削除を行うには、OS で提供されている patchadd コマンドと patchrm コマンドを使用します。
patchadd コマンド
patchadd コマンドは、スタンドアロンシステムにパッチをインストールするために使用します。次に例を示します。
# patchadd /var/spool/patch/120954-07
Solaris 10 の大域ゾーンに Solaris パッチをインストールする場合は、-G 引数を付けた patchadd コマンドを実行します。次に例を示します。
patchadd -G /var/spool/patch/120954-07
postpatch スクリプトでは、Access Manager アプリケーションの再配備に関するメッセージが表示されます。ただし、Access Manager SDK コンポーネントだけがインストールされているシステムの場合は表示されません。
postpatch スクリプトは、次のディレクトリに amsilent ファイルを作成します。
Solaris システム: AccessManager-base/SUNWam
Linux システム: AccessManager-base/identity
AccessManager-base は、ベースインストールディレクトリです。デフォルトのベースインストールディレクトリは、Solaris システムの場合は /opt、Linux システムの場合は /opt/sun です。
amsilent は amsamplesilent ファイルを基にしていますが、システムの Access Manager 設定ファイルに従っていくつかの必須パラメータが設定されます。ただし、パスワードパラメータにはデフォルト値が設定されます。配備での必要に応じて、各パスワードパラメータのコメントを解除して値を変更し、このファイル内のほかのパラメータの値も注意深く確認します。
COMMON_DEPLOY_URI パラメータ (共通ドメイン Web アプリケーションの URI プレフィックス) にもデフォルト値が設定されます。この URI をデフォルト以外の値にした場合は、必ずこの値を更新してください。更新しないと、amconfig とパッチが生成した amsilent ファイルによる Web アプリケーションの再配備が失敗します。
次のコマンドを実行します (Access Manager がデフォルトディレクトリにインストールされている場合の例)。
# cd /opt/SUNWam/bin # ./amconfig -s /opt/SUNWam/amsilent
amsilent ファイルには、プレーンテキスト形式の管理者パスワードなどの機密データが含まれているため、配備に合わせてこのファイルを保護する必要があります。
amconfig スクリプトを実行したあと、updateschema.sh スクリプトを実行して XML ファイルと LDIF ファイルを読み込みます。updateschema.sh スクリプトは、パッチ 7 のインストール後に、次のディレクトリから使用できます。
Solaris SPARC システム: patch-home-directory /120954-07
Solaris x86 システム: patch-home-directory/120955-07
updateschema スクリプトを実行したあと、Access Manager のプロセスを再起動します。次に例を示します。
# cd /opt/SUNWam/bin # ./amserver stop # ./amserver start
Access Manager Web コンテナを再起動します。
patchrm コマンド
patchrm コマンドは、スタンドアロンシステムからパッチを削除するために使用します。次に例を示します。
# patchrm 120954-03
backout スクリプトでは、patchadd コマンドと同様のメッセージが表示されます。ただし、Access Manager SDK コンポーネントだけがインストールされているシステムの場合は表示されません。
パッチを削除したあと、AccessManager-base /SUNWam ディレクトリの amsilent ファイ ルを使用して Access Manager アプリケーションを再配備します。AccessManager-base はベースインストールディレクトリです。Solaris システムのデフォルトのベースインストールディレクトリは /opt です。
配備での必要に応じて、amsilent ファイル内のパラメータを設定します。
その後、次のコマンドを実行します (Access Manager が Solaris システムのデフォルトディレクトリにインストールされている場合の例)。
# cd /opt/SUNWam/bin # ./amconfig -s /opt/SUNWam/amsilent
patchadd コマンドと patchrm コマンドの詳細および使用例については、該当する Solaris マニュアルページを参照してください。
詳細については、「インストール後の注意点」も参照してください。
Solaris 10 オペレーティングシステムでは、「ゾーン」という新しい概念が導入されました。したがって、パッチを大域ゾーンにのみ追加する新しい -G オプションが patchadd コマンドに追加されています。デフォルトでは、patchadd コマンドは、パッチを適用するパッケージの pkginfo 内で SUNW_PKG_ALLZONES 変数を探します。ただし、すべての Access Manager パッケージに SUNW_PKG_ALLZONES 変数が設定されているとは限らないため、Access Manager 7 2005Q4 が大域ゾーンにインストールされている場合は -G オプションが必要になります。Access Manager が非大域ゾーンにインストールされている場合は、patchadd -G オプションは無効です。
Access Manager 7 2005Q4 のパッチを Solaris システムにインストールする場合は、-G オプションを使用することをお勧めします。次に例を示します。
# patchadd -G AM7_patch_dir
同様に、Access Manager が大域ゾーンにインストールされている場合は、-G オプションを使用して patchrm コマンドを実行する必要があります。次に例を示します。
# patchrm -G 120954-07
Linux 用パッチをインストールする前に、「インストール前の注意点」に示したファイルをバックアップしておく必要があります。
installpatch は、スタンドアロンの Linux システムにパッチをインストールします。次に例を示します。
# ./installpatch
postpatch スクリプトでは、Solaris システムのメッセージと同様のメッセージが出力されます。ただし、Linux システムでパッチを取り消す手順は、Solaris システムでの手順とは異なります。Linux のパッチを取り消す汎用のスクリプトはありません。下位バージョンのパッチが以前にインストールされていた場合は、そのバージョンを再インストールしてから、postpatch の手順に従って、amconfig スクリプトを実行して Access Manager アプリケーションを再配備できます。
amconfig スクリプトを実行したあと、updateschema.sh スクリプト (パッチ 5 以降のパッチ) を実行して XML ファイルと LDIF ファイルを読み込みます。updateschema.sh スクリプトは、パッチ 7 のインストール後に patch-home-directory/120956-07/scripts ディレクトリから使用できます。
amconfig スクリプトと updateschema.sh スクリプトを実行したあと、Access Manager Web コンテナを再起動します。
パッチが Access Manager 7 2005Q4 RTM リリースにインストールされている場合、そのパッチを削除してシステムを RTM 状態に復元するには、reinstallRTM スクリプトを使用して Access Manager の RTM ビットを再インストールする必要があります。このスクリプトは、Access Manager の RTM RPM が格納されているパスを受け取り、その RTM RPM をパッチの適用された RPM の上にインストールします。次に例を示します。
# ./scripts/reinstallRTM path_of_AM7_RTM_RPM_directory
reinstallRTM スクリプトを実行したあと、amconfig スクリプトを実行して Access Manager アプリケーションを再配備し、Web コンテナを再起動します。
詳細については、「インストール後の注意点」も参照してください。
Windows 用パッチをインストールするには、次の要件があります。
Access Manager 7 2005Q4 が Windows システムにインストールされている必要があります。インストールの詳細については、『Sun Java Enterprise System 2005Q4 Installation Guide for Microsoft Windows』を参照してください。
パッチスクリプトを実行するには、Windows システム上に ActivePerl 5.8 以降が必要です。
Windows 用パッチをインストールする前に、「インストール前の注意点」に示したファイルをバックアップしておく必要があります。
パッチスクリプトに入力するベースディレクトリパスには、スラッシュ (/) を使用します。例: c:/sun
Windows 用パッチをインストールするには、次の手順に従います。
Administrators グループのメンバーとして Windows システムにログオンします。
Windows 用パッチファイルをダウンロードして解凍するためのディレクトリを作成します。例: AM7p7
前の手順で作成したディレクトリに 124296-07.zip ファイルをダウンロードし、ファイルを解凍します。
Java ES 2005Q4 のすべてのサービスを停止します。
AM7p7\scripts\prepatch.pl スクリプトを実行します。
AM7p7\124296-07.exe を実行してパッチをインストールします。
AM7p7\scripts\postpatch.pl スクリプトを実行します。
Java ES 2005Q4 のサービスを再起動します。
Access Manager アプリケーションを再配備します。詳細については、「インストール後の注意点」を参照してください。
AM7p7\scripts\updateschema.pl スクリプトを実行して Directory Server のサービススキーマを更新します。スクリプトが入力内容を検証し、ファイルを読み込みます。このスクリプトは次のログファイルも書き込みます。
javaes-install-directory\AccessManager\AM70Patch-upgrade-schema- timestamp
Java ES 2005Q4 のサービスを再起動します。
Windows 用パッチをバックアウトするには、次の手順に従います。
Administrators グループのメンバーとして Windows システムにログオンします。
Uninstall_124296-07.bat ファイルを実行します。
AM7p7\scripts\postbackout.pl スクリプトを実行します。
Access Manager アプリケーションを再配備します。
Java ES 2005Q4 のサービスを再起動します。
注: パッチをバックアウトしても、AM7p7\scripts\updateschema.pl スクリプトによって追加されたスキーマの変更は Directory Server から削除されません。ただし、パッチをバックアウトしたあとで、これらの変更が Access Manager の機能や使い勝手に影響を与えることはないため、これらの変更を手動で削除する必要はありません。
HP-UX 用パッチをインストールまたは削除するには、swinstall コマンドまたは swremove コマンドを使用します。たとえば、スタンドアロンシステムにパッチをインストールするには、次のコマンドを使用します。
# swinstall /var/spool/patch/126371-07
また、スタンドアロンシステムからパッチを削除するには、次のコマンドを使用します。
# swremove 126371-07
swinstall コマンドと swremove コマンドの詳細は、swinstall と swremove のマニュアルページを参照してください。
パッチのインストールまたは削除を行なったあとは、「インストール後の注意点」の説明に従って Access Manager アプリケーションを再配備する必要があります。
Access Manager アプリケーションを再配備したあと、updateschema.sh スクリプト (パッチ 5 以降のパッチ) を実行して XML ファイルと LDIF ファイルを読み込みます。updateschema.sh script スクリプトは、パッチ 7 のインストール後に patch-home-directory/120956-07/scripts ディレクトリから使用できます。amconfig スクリプトと updateschema.sh スクリプトを実行したあと、Access Manager Web コンテナを再起動します。
注: パッチを削除しても、updateschema.sh スクリプトによって追加されたスキーマの変更はDirectory Server から削除されません。ただし、パッチを削除したあとで、これらのスキーマの変更が Access Manager の機能や使い勝手に影響を与えることはないため、これらのスキーマの変更を手動で削除する必要はありません。
HP-UX システムへの Access Manager の配備の詳細については、『Sun Java System Access Manager 7 2005Q4 Release Notes for HP-UX』を参照してください。