Sun Java System Access Manager 7 2005Q4 管理ガイド

ポリシー管理機能

ポリシー管理機能には、ポリシーの作成および管理を行うポリシーサービスが備わっています。ポリシーサービスにより、管理者は Access Manager の配備の中でリソースを保護するために、アクセス権を定義、変更、付与、無効化、および削除することができます。通常、ポリシーサービスには、データストアと、ポリシーの作成、管理、評価ができるインタフェースライブラリ、およびポリシーエンフォーサ (ポリシーエージェント) が含まれています。デフォルトでは、Access Manager は Sun Java Enterprise System Directory Server をデータ保存に使い、ポリシーの評価とポリシーサービスのカスタマイズのために Java と C の API を提供します。詳細は、『Sun Java System Access Manager 7 2005Q4 Developer’s Guide』を参照してください。また、管理者は Access Manager コンソールを使用してポリシー管理を行うこともできます。Access Manager は、ダウンロード可能なポリシーエージェントを使用してポリシーを適用する、URL ポリシーエージェントサービスを提供します。

URL ポリシーエージェントサービス

Access Manager をインストールするときに、HTTP URL を保護するポリシーを定義するための URL ポリシーエージェントサービスが実装されます。このサービスにより、管理者はポリシーエンフォーサ、つまりポリシーエージェントにより、ポリシーの作成および管理を行えます。

ポリシーエージェント

ポリシーエージェントは企業のリソースが保存されているサーバーへのポリシー適用ポイント (Policy Enforcement Point、PEP) です。ポリシーエージェントは Access Manager とは別に Web サーバー上にインストールされており、ユーザーが保護された Web サーバー上のリソースを要求すると、追加の認証ステップとして働きます。この認証は、リソースが実行するあらゆるユーザー認証要求に追加されます。ポリシーエージェントは Web サーバーを保護し、一方、認証プラグインはリソースを保護します。

たとえば、リモートインストールされた Access Manager で保護されている人事部の Web サーバーにエージェントがインストールされているとします。このエージェントにより、適切なポリシーを持っていない担当者には機密の給与情報またはその他の秘密情報は表示されません。このポリシーは Access Manager の管理者が定義し、Access Manager の配備に保存され、リモート Web サーバーのコンテンツにユーザーがアクセスするのをポリシーエージェントが許可または拒否するのに使われます。

最新の Access Manager ポリシーエージェントは Sun Microsystems Download Center からダウンロードできます。

ポリシーエージェントのインストールおよび管理の詳細については、『Sun Java System Access Manager Policy Agent 2.2 User’s Guide』を参照してください。


注 –

ポリシーの評価に特定の順序はありませんが、評価の途中であるアクションの値が「許可しない」となったときには、ポリシー設定サービスにより「拒否決定で評価を続行」属性が有効になっていないかぎり、以降のポリシーの評価は中止されます。


Access Manager ポリシーエージェントが決定を適用するのは Web URL (http://... 、または https//...) だけですが、Java と C の Policy Evaluation API を使ってエージェントをプログラミングすれば、ほかのリソースにもポリシーを適用可能です。

この場合、追加作業として、ポリシー設定サービスの「リソースコンパレータ」属性をデフォルトから次のように変更する必要があります。

serviceType=Name_of_LDAPService |class=com.sun.identity.policy.plugins.SuffixResourceName|wildcard=*

|delimiter=,|caseSensitive=false

もしくは、LDAPResourceName などの実装により、com.sun.identity.policy.interfaces.ResourceName を実装して、その上で「リソースコンパレータ」を適切に設定するという方法もあります。

ポリシーエージェントプロセス

Web ブラウザがポリシーエージェントによって保護されたサーバー上の URL を要求すると、保護された Web リソースに対するプロセスが始まります。このサーバーにインストールされたポリシーエージェントはこの要求を傍受し、既存の認証資格をチェックします (セッショントークン)。

エージェントが要求を傍受し、既存のセッショントークンを検証したら、プロセスは以下のように続きます。

  1. セッショントークンが有効であれば、ユーザーのアクセスは許可または拒否されます。ユーザーのトークンが無効であれば、以下の手順にあるようにユーザーを認証サービスにリダイレクトします。

    既存のセッショントークンが存在しない要求をエージェントが傍受した場合は、そのリソースが異なる認証方法で保護されているときでも、エージェントはユーザーをログインページにリダイレクトします。

  2. ユーザーの資格が適切に認証されると、エージェントは Access Manager の内部サービスの接続に使う URL を定義するネーミングサービスに要求を出します。

  3. ポリシーを適用しないリソースリストがエージェントに設定されている場合、リソースがそのリストに一致する場合には、アクセスが許可されます。

  4. ネーミングサービスはポリシーサービス、セッションサービス、およびログサービスのロケータを返します。

  5. エージェントはユーザーに適用されるポリシー決定を取得するためにポリシーサービスに要求を送信します。

  6. アクセスされるリソースに関してのポリシー決定に基づいて、ユーザーのアクセスが許可または拒否されます。ポリシー決定へのアドバイスが異なる認証レベルまたは認証メカニズムを示している場合、エージェントはすべての基準が検証されるまで要求を認証サービスにリダイレクトします。