認証サービスには、n 回失敗すると、ユーザーが認証からロックアウトされる機能があります。この機能はデフォルトではオフになっていますが、Access Manager コンソールを使用して有効にできます。
無効なパスワード例外をスローするモジュールのみが、アカウントロック機能を利用できます。
コア認証サービスには、この機能を有効化およびカスタマイズするための次の属性 (ただし、これらに限定されない) が含まれています。
「ログイン失敗時のロックアウトモード」は、アカウントロックを有効にします。
「ログイン失敗時のロックアウト回数」は、ユーザーがロックアウトされるまでに認証を試みることができる回数を定義します。この回数は、ユーザー ID ごとにのみ有効であり、同一ユーザー ID が指定された回数だけ認証に失敗するとロックアウトされます。
「ログイン失敗時のロックアウト間隔」は、分単位で定義された時間内にユーザーのログイン失敗の回数が「ログイン失敗時のロックアウト回数」で定義された値に達した場合に、そのユーザーをロックアウトすることを意味します。
「ロックアウト通知の送信先電子メールアドレス」は、ユーザーロックアウト通知が送信される電子メールアドレスを指定します。
「ユーザーに警告を出すまでの失敗回数」は、認証の失敗回数がここで定義した値に達したら、警告メッセージをユーザーに表示することを意味します。これにより、ロックアウトの発生が迫っていることを知らせる警告をユーザーが受けたあとに、さらに実行できるログインの試行回数を、管理者が設定できます。
「ログイン失敗時のロックアウト持続時間」は、ロックアウト後、次に認証を再試行できるようになるまで、ユーザーが待たなければならない時間を分単位で定義します。
「ロックアウト属性名」は、物理ロックのためにユーザーのプロファイルのどの LDAP 属性を「非アクティブ」に設定するかを定義します。
「ロックアウト属性値」は、「ロックアウト属性名」に指定された LDAP 属性を「非アクティブ」または「アクティブ」のどちらに設定するかを定義します。
アカウントのロックアウトに関する電子メールの通知が、管理者に送信されます。アカウントロックのアクティビティーはログにも記録されます。
Microsoft® Windows 2000 オペレーティングシステムでこの機能を使用する場合の特別な指示については、付録 A、「AMConfig.properties ファイル」の「Simple Mail Transfer Protocol (SMTP)」を参照してください。
Access Manager では、物理ロックとメモリーロックの 2 つのタイプのアカウントロックがサポートされます。次の節では、この 2 つについて説明します。
物理ロックは、Access Manager のデフォルトのロック動作です。このロックは、ユーザーのプロファイルの LDAP 属性の状態を非アクティブに変更することによって開始されます。「ロックアウト属性名」属性は、ロックの目的で使用する LDAP 属性を定義します。
エイリアス化されたユーザーとは、LDAP プロファイルで「ユーザーエイリアスリスト」属性 (amUser.xml の iplanet-am-user-alias-list) を設定して既存の LDAP ユーザープロファイルにマッピングされるユーザーのことです。エイリアス化されたユーザーは、コア認証サービスの「エイリアス検索属性名」フィールドに iplanet-am-user-alias-list を追加することによって確認できます。つまり、エイリアス化されたユーザーがロックアウトされると、ユーザーがエイリアス化された実際の LDAP プロファイルがロックされます。これは、LDAP およびメンバーシップ以外の認証モジュールの物理ロックアウトにのみ関係します。
メモリーロックは、「ログイン失敗時のロックアウト持続時間」属性の値を 0 よりも大きな値に変更すると有効になります。有効にすると、ユーザーのアカウントは指定された時間メモリー上でロックされます。指定された期間が過ぎると、このアカウントはロック解除されます。メモリーロック機能を使用する場合の考慮事項を次に示します。
Access Manager が再起動されると、メモリー上でロックされたすべてのアカウントはロック解除されます。
ユーザーのアカウントがメモリー上でロックされ、管理者がロックアウト持続時間を 0 に設定してアカウントロックメカニズムを物理ロックに変更すると、ユーザーのアカウントはメモリーでロック解除され、ロックカウントがリセットされます。
メモリーのロックアウト後、LDAP およびメンバーシップ以外の認証モジュールを使用するときに、ユーザーが正しいパスワードでログインを試みると、「このレルムにユーザーのプロファイルがありません。」というエラーが返され、「ユーザーがアクティブではありません。」というエラーは返されません。
ユーザーのプロファイルに「失敗 URL」属性を設定すると、ロックアウト警告メッセージもアカウントがロックされたことを示すメッセージも表示されず、ユーザーは定義された URL にリダイレクトされます。