Sun Java System Communications Services 2005Q4 リリースノート

高可用性に対応した Instant Messaging の設定 (Solaris のみ)

高可用性 (HA) に対応した Instant Messaging を設定すると、ソフトウェアおよびハードウェア障害の監視および復旧機能が提供されます。高可用性機能は、スケーラブルサービスではなく、フェイルオーバーデータサービスとして実装され、Solaris のみでサポートされます。ここでは、Sun Cluster ソフトウェアを使用した Instant MessagingHA 設定について説明します。Sun Cluster の提供するデータサービスの詳細については、「HA 関連のマニュアル」を参照してください。

ここでは、Instant Messaging HA サービスの設定方法について説明します。次の節が含まれます。

Instant Messaging HA の概要

Instant Messaging で Sun Cluster を使用して、高可用性配備を作成できます。ここでは、HA の要件、この章の例で使用する用語、および HA の設定に必要なアクセス権について説明します。

操作を開始する前に、HA の一般的な概念、および特に Sun Cluster ソフトウェアに精通するようにしてください。詳細は、「HA 関連のマニュアル」を参照してください。

HA 設定のソフトウェア要件

Instant Messaging HA の設定を行うには、表 3–7 に示すソフトウェアが必要です。

表 3–7 Instant Messaging HA 設定のソフトウェア要件

ソフトウェアおよびバージョン 

注記およびパッチ 

Solaris 9 OS 

SPARC プラットフォームのみ 

Solaris 9 OS の全バージョンがサポートされています。 

Solaris 9 OS には Sun Cluster 3.0 U3 以降が必要です。 

Solaris 9 OS には、Solaris Logical Volume Manager (LVM) が含まれています。

Solaris 8 OS 

SPARC プラットフォームのみ 

Solaris 8 Maintenance Update 7 (MU7) OS 以降および必須パッチ

Sun Cluster 3.1 

Sun Cluster ソフトウェアは、クラスタ内のすべてのノードにインストールおよび設定する必要があります。 

Sun Cluster 3.1 をインストールするには、Java Enterprise System インストーラを使用します。インストール手順については、『Sun Java Enterprise System 2005Q4 インストールガイド』を参照してください。

Sun Cluster ソフトウェアのインストール後に、クラスタを設定する必要があります。詳細は、『 Sun Cluster System Administration Guide for Solaris OS』を参照してください。関連するマニュアルについては、「HA 関連のマニュアル」を参照してください。

Sun Cluster パッチ

Solaris 8 および 9 の場合は、SunSolve Online からパッチをダウンロードできます。

Solstice DiskSuite 4.x 

Solstice DiskSuite は、Solaris 8 OS のみで使用できます。 

Solstice DiskSuite は、Solaris 9 OS では不要です。Solaris 9 OS には Logical Volume Manager (LVM) が含まれています。

Veritas Volume Manager (VxVM) 3.x 

Solaris 8 OS では、Version 3.2 以降および必須パッチが必要です。 

Solaris 9 OS では、Version 3.5 以降および必須パッチが必要です。 

Veritas File System (VxFS) 3.x 

Solaris 8 OS では、Version 3.4 以降および必須パッチが必要です。 

Solaris 9 OS では、Version 3.5 以降および必須パッチが必要です。 

HAStoragePlus では、パッチ 110435-08 以降が必要です。 

HA 設定のアクセス権要件

Instant Messaging HA 設定をインストールおよび設定するには、ユーパーユーザー (root) としてログインするか、スーパーユーザーになり、/dev/console に送信されたメッセージを表示するコンソールまたはウィンドウを指定します。

HA 設定の用語とチェックリスト

表 3–8 で、この章の設定例で使用する変数の用語について説明します。また、Instant Messaging に合わせて HA を設定する前に、情報を収集する必要があります。設定時に、この情報を指定するように求められます。次のチェックリストを、『Sun Java System Instant Messaging 7 2005Q1 管理ガイド』の第 1 章に記載されているチェックリストと共に使用してください。

表 3–8 HA 設定のチェックリスト

例で使用される名前 

説明 

実際に指定する値 

/global/im

クラスタファイルシステムまたは HAStoragePlus で使用されるグローバルファイルシステムのマウントポイント。 

 

/local/im

HAStoragePlus を使用している場合に、共有ディスクのマウントポイントとして使用するローカルディレクトリ。 

 

im_logical_host

論理ホスト名 

 

im_logical_host_ip

論理ホストの IP アドレス (数値) 

 

im_node_1

ノード 1 FQDN

 

im_node_2

ノード 2 FQDN

 

im_resource_group

Instant Messaging リソースグループ。 

 

im_resource_group_store

Instant Messaging ストレージリソース。 

 

im_resource

Instant Messaging リソース。 

 

im_runtime_base

(im_runtime_base/db および im_runtime_base/logs を含む)

実行時ディレクトリ (データベースおよびログサブディレクトリを含む) の場所としては、グローバルな共有パーティションを選択します。次に例を示します。 

  • Instant Messaging 実行時ディレクトリ (im_runtime_base) /global/im/var/opt/SUNWiim/default (Solaris の場合)

  • デーベースサブディレクトリ (im_db_base):

    /global/im/var/opt/SUNWiim/default/db

  • ログサブディレクトリ:

    /global/ im/var/opt/SUNWiim/default/logs

実行時ディレクトリおよびデータベースとログサブディレクトリの詳細については、『Sun Java System Instant Messaging 7 2005Q1 Administration Guide』を参照してください。

 

Instant Messaging 用 HA の設定

次のリストに、2 つのノードを持つ Instant Messaging HA 設定のインストールおよび設定に必要な大まかな手順を示します。

設定ファイルおよびバイナリ用のローカルまたは共有ディスクの選択

操作を開始する前に、求められる要件を最も良く満たすのは、次の配備のどちらであるかを決定する必要があります。どちらの環境でも、共有コンポーネントはクラスタ内のすべてのノード上にローカルインストールされます。また、どちらの環境でも、実行時ファイルが共有ディスクにインストールされます。

クラスタ内の各ノードの準備

クラスタ内の各ノードで、コンポーネントを実行する Instant Messaging ランタイムユーザーおよびグループを作成する必要があります。UID および GID 番号は、クラスタ内のすべてのノードで同じでなければなりません。

指示の詳細については、『Sun Java System Instant Messaging 7 2005Q1 管理ガイド』を参照してください。ユーザーおよびグループの詳細は、オペレーティングシステムのマニュアルを参照してください。

インストールディレクトリの選択 (im_svr_base )

Instant Messaging では、Java Enterprise System インストーラは、Solaris の /opt/SUNWiim をデフォルトのインストールディレクトリ (im_svr_base ) として使用します。ただし、設定ファイルおよびバイナリ用の共有ディスクを使用している場合は、グローバル (共有) インストールディレクトリを指定する必要があります。次に例を示します。/global/im/opt/SUNWiim

ローカルディスクを使用している場合は、Instant Messaging をデフォルトのディレクトリにインストールできます。ただし、Instant Messaging をノード内の各マシン上の同じディレクトリにインストールする必要があります。

Instant Messaging 製品およびパッケージのインストール

製品およびパッケージのインストールには、Sun Java Enterprise System インストーラプログラムを使用します。インストーラの詳細は、『Sun Java Enterprise System 2005Q4 インストールガイド』を参照してください。

表 3–9 に、複数ノードのクラスタプログラムに必須の製品およびパッケージを示します。

表 3–9 複数ノードの Instant Messaging HA 設定に必須の製品およびパッケージ

製品またはパッケージ 

ノード 1 

ノード n

Sun Cluster ソフトウェア 

はい 

はい 

Instant Messaging 7 2005Q4 サーバー 

はい 

はい (設定ファイルおよびバイナリ用にローカルディスクを使用している場合)いいえ (設定ファイルおよびバイナリ用に共有ディスクを使用している場合) 

Sun Cluster Agent for Instant Messaging 

(SUNWiimsc)

はい 

はい (設定ファイルおよびバイナリ用にローカルディスクを使用している場合)いいえ (設定ファイルおよびバイナリ用に共有ディスクを使用している場合) 

共有コンポーネント 

HAStoragePlus を使用している場合は、SUNWscu もインストールする必要があります

はい 

はい 

HA 環境の設定

必要な実行手順は、設定ファイルおよびバイナリ用にローカルディスクを使用しているか、共有ディスクを使用しているかにより異なります。

設定ファイルおよびバイナリ用にローカルディスクを使用している場合は、次の 2 つの手続きに示された手順を実行します。

設定ファイルおよびバイナリ用に共有ディスクを使用している場合は、次の 2 つの手続きに示された手順を実行します。

Procedure設定ファイルおよびバイナリ用のローカルディスクを使用して、ノード 1 上に HA を設定するには

始める前に

Sun Java System Instant Messaging 7 2005Q1 管理ガイド』の第 1 章および表 3–8 のチェックリストに記入して、必要な情報をすぐに指定できるようにしておいてください。

手順
  1. Java Enterprise System インストーラを使用して製品およびパッケージをインストールします。

    インストールディレクトリの選択に関する詳しい指示については、「インストールディレクトリの選択 (im_svr_base )」を参照してください。

    HA 用の必須製品およびパッケージのリストについては、表 3–9 を参照してください。指示の詳細は、『Sun Java Enterprise System 2005Q4 インストールガイド』を参照してください。

  2. 実行時ファイル用に HAStoragePlus を使用している場合は、共有ディスクをローカルディレクトリにマウントするか、手順 3 に進みます。

    次に例を示します。

    1. マウントポイント (/local/ im/im_runtime_base/) が存在しない場合は、マウントポイントを作成します。

      手順 4 で設定中に指定するよう求められた場合は、このディレクトリ (/local /im/im_runtime_base/ ) をInstant Messaging サーバーの実行時ファイルのディレクトリに指定します。

    2. mount コマンドを使用して、ディスクを /local/im/im_runtime_base にマウントします。

  3. configure ユーティリティーを実行します。

    指示の詳細については、『Sun Java System Instant Messaging 7 2005Q1 管理ガイド』を参照してください。

  4. Instant Messaging サーバーの実行時ファイルのディレクトリを指定するよう求められたら、次のいずれかを入力してください。

    • 実行時ファイルで HAStoragePlus を使用している場合は、 /local/im/im_runtime_base / を入力します。

    • 実行時ファイルでクラスタファイルシステムを使用している場合は、/global/im/ im_runtime_base / を入力します。ここで、/global/ im には、クラスタファイルシステム内のグローバルディレクトリを指定します。

  5. Instant Messaging のホスト名の指定が求められたら、論理ホストを入力します。

    configure ユーティリティーが指定されたホストに接続できない場合でも、論理ホストの受け入れを選択します。論理ホストのリソースは、configure ユーティリティーの実行時にオフラインの可能性があります。

  6. 設定後やシステムの起動時に、Instant Messaging の起動を選択しないようにしてください。

    さらに、HA 設定を行う場合、Instant Messaging が正しく動作するために、Instant Messaging サービスで論理ホストがオンラインになっている必要があります。

  7. 実行時ファイルで HAStoragePlus を使用している場合は、共有ディスクをマウント解除します。

Procedure設定ファイルおよびバイナリ用にローカルディスクを使用して、ノード n 上で HA を設定するには

始める前に

前の手順 (「設定ファイルおよびバイナリ用のローカルディスクを使用して、ノード 1 上に HA を設定するには」) の説明に従って、ノード 1 上の HA 構成が完了していることを確認します。

Sun Java System Instant Messaging 7 2005Q1 管理ガイド』の第 1 章および表 3–8 のチェックリストで、必要な情報をすぐに指定できるようにしておきます。

手順
  1. Java Enterprise System インストーラを使用して製品およびパッケージをインストールします。

    クラスタ内の後続ノードごとに、ノード 1 への Instant Messaging のインストール時に使用したのと同じパスを選択します。指示の詳細は、「インストールディレクトリの選択 (im_svr_base )」を参照してください。

    HA 用の必須製品およびパッケージのリストについては、表 3–9 を参照してください。指示の詳細は、『Sun Java Enterprise System 2005Q4 インストールガイド』を参照してください。

  2. configure ユーティリティーを実行します。

    指示の詳細については、『Sun Java System Instant Messaging 7 2005Q1 管理ガイド』の第 1 章を参照してください。

  3. Instant Messaging サーバーの実行時ファイルディレクトリを指定するよう求められたら、ノード 1 で指定したのと同じ値を入力します。

  4. Instant Messaging ホスト名を指定するよう求められたら、ノード 1 で指定したのと同じ論理ホストを入力します。

    configure ユーティリティーが指定されたホストに接続できない場合でも、論理ホストの受け入れを選択します。論理ホストのリソースは、configure ユーティリティーの実行時にオフラインの可能性があります。

  5. ユーザーおよびグループの入力が求められたら、ノード 1 で指定したのと同じ値を入力します。

  6. 設定後やシステムの起動時に、Instant Messaging の起動を選択しないようにしてください。

    さらに、HA 設定を行う場合、Instant Messaging が正しく動作するために、Instant Messaging サービスで論理ホストがオンラインになっている必要があります。

Procedure設定ファイルおよびバイナリ用の共有ディスクを使用して、ノード 1 上に HA を設定するには

始める前に

Sun Java System Instant Messaging 7 2005Q1 管理ガイド』の第 1 章および表 3–8 のチェックリストに記入して、必要な情報をすぐに指定できるようにしておいてください。

HAStoragePlus ではなく、設定ファイルおよびバイナリ用の共有ディスクを使用している場合は、クラスタファイルシステムを使用する必要があります。

手順
  1. Java Enterprise System インストーラを使用して、クラスタファイルシステム内のディレクトリに製品およびパッケージをインストールします。

    Instant Messaging をインストールする場合は、デフォルトディレクトリ以外のディレクトリを指定する必要があります。指示の詳細は、「インストールディレクトリの選択 (im_svr_base )」を参照してください。

    HA 用の必須製品およびパッケージのリストについては、表 3–9 を参照してください。指示の詳細は、『Sun Java Enterprise System 2005Q4 インストールガイド』を参照してください。

  2. /etc/opt/SUNWiim から /global/im/etc/opt/SUNWiim をリンク先とするソフトリンクを作成します。

  3. Instant Messaging をインストールしたグローバルディレクトリ (/global/ im/im_svr_base/configure ) から configure を実行します。

    指示の詳細は、『Sun Java System Instant Messaging 7 2005Q1 管理ガイド』の第 1 章を参照してください。

  4. Instant Messaging サーバーの実行時ファイルディレクトリを指定するよう求められたら、/global/im/ im_runtime_base の値を入力します。

  5. Instant Messaging のホスト名の指定が求められたら、論理ホストを入力します。

    configure ユーティリティーが指定されたホストに接続できない場合でも、論理ホストの受け入れを選択します。論理ホストのリソースは、configure ユーティリティーの実行時にオフラインの可能性があります。

  6. 設定後やシステムの起動時に、Instant Messaging の起動を選択しないようにしてください。

    さらに、HA 設定を行う場合、Instant Messaging が正しく動作するために、Instant Messaging サービスで論理ホストがオンラインになっている必要があります。

Procedure設定ファイルおよびバイナリ用に共有ディスクを使用して、ノード n 上で HA を設定するには

始める前に

前の手順 (「設定ファイルおよびバイナリ用の共有ディスクを使用して、ノード 1 上に HA を設定するには」) の説明に従って、ノード 1 上の HA 設定が完了していることを確認します。

Sun Java System Instant Messaging 7 2005Q1 管理ガイド』の第 1 章および表 3–8 のチェックリストで、必要な情報をすぐに指定できるようにしておきます。

手順
  1. /etc/opt/SUNWiim から /global/im/etc/opt/SUNWiim をリンク先とするソフトリンクを作成します。

  2. リソースタイプ登録 (RTR) ファイルのソフトリンクを作成します。


    ln -s /global/im/
    im_svr_base/cluster/SUNW.iim  \
    /usr/cluster/lib/rgm/rtreg/SUNW.iim
    

論理ホストの設定

Instant Messaging を起動する前に、リソースグループの作成、論理ホストの追加、およびリソースグループのオンライン化を実行する必要があります。

Procedure論理ホストを使ってリソースグループを設定するには

手順
  1. Instant Messaging のフェイルオーバーリソースグループを im_resource_group という名前で作成します。


    # scrgadm -a -g im_resource_group -h 
    im-node-2,im-node-1
    
  2. リソースグループに論理ホスト名 im_logical_host を追加します。

    Instant Messaging は、このホスト名上で待機します。


    # scrgadm -a -L -g im_resource_group -l 
    im_logical_host
    
  3. リソースグループをオンラインにします。


    # scswitch -Z -g im_resource_group
    

ストレージリソースの登録と有効化

Instant Messaging データサービスをオンラインにする前に、ここで説明する手順に従って、ストレージリソースを 登録および有効化する必要があります。

Procedureストレージリソースを登録および有効化するには

手順
  1. ストレージリソースを登録します。

    グローバルファイルシステム (GFS) を使って HAStoragePlus を使用する場合、マウントポイントを FileSystemMountPoints プロパティーの値として設定します。次に例を示します。


    # scrgadm -a -j im_resource_group_store
     -g im_resource_group -t SUNW.HAStorage   \
    -x FileSystemMountPoints=/global/
    im -x AffinityOn=True
    

    または、マウントポイントを ServicePaths プロパティーとして指定します。次に例を示します。


    # scrgadm -a -j im-resource-group-store
     -g im-resource-group -t SUNW.HAStorage   \
    -x ServicePaths=/global/im -x AffinityOn=True
    
  2. ストレージリソースを有効にします。


    # scswitch -e -j im_resource_group_store
    

リソースタイプの登録とリソースの作成

HA Instant Messaging サーバーまたはマルチプレクサを起動する前に、Sun Cluster でリソースタイプ SUNWiimsc を登録して、リソースを作成する必要があります。

Procedureリソースタイプを登録して、リソースを作成するには

手順
  1. リソースタイプを登録します。


    # scrgadm -a -t SUNW.iim
    
  2. リソースを作成します。

    次のコマンドを 1 行で入力します。


    # scrgadm -a -j im_resource -g 
    im_resource_group -t SUNW.iim
    -x Confdir_list=/global/im/
    im_resource_group
    -y Resource_dependencies=im_resource_group_store -y Port_list=80/tcp
    
  3. リソースを有効にします。


    # scswitch -e -j im_resource
    
  4. Instant Messaging コンポーネントを起動します。


    注意 – 注意 –

    Sun Cluster を使用する HA 環境では、imadmin startimadmin stop、および imadmin refresh コマンドを使用しないでください。その代わりに、Sun Cluster 管理ユーティリティーを使用してください。


Instant Messaging HA 設定の検証

Instant Messaging の起動後に、ここで説明する手順に従って HA 設定を検証する必要があります。

ProcedureInstant Messaging の HA 設定を検証するには

手順
  1. すべての必須プロセスが実行中であることを確認します。

  2. 高可用性を保証するため、サービスをバックアップノードに切り替えます。

    たとえば、サービスが im_node_1 上で稼働している場合、次のコマンドを実行してサービスを im_node_2 に切り替えます。


    # scswitch -z -g im_resource_group -h 
    im_node_2
    
  3. すべての必須プロセスが im_node_2 上で起動していることを確認します。

Instant Messaging HA 設定のトラブルシューティング

トラブルシューティングを容易にするため、エラーログにエラーメッセージが書き込まれます。このログは、syslog 機能で制御されます。ログ機能の使用方法の詳細は、「HA 関連のマニュアル」および syslog.conf のマニュアルページを参照してください。

Instant Messaging HA サービスの停止、起動、および再起動

Instant Messaging HA サービスを起動および停止するには、Sun Cluster の scswitch コマンドを使用します。


注意 – 注意 –

Sun Cluster を使用する HA 環境では、imadmin startimadmin stop、および imadmin refresh コマンドを使用しないでください。その代わりに、Sun Cluster 管理ユーティリティーを使用してください。


Sun Cluster scswitch コマンドの詳細は、『 Sun Cluster Reference Manual for Solaris OS』を参照してください。

ProcedureInstant Messaging HA サービスを起動するには

手順

    次のコマンドをコマンド行に入力します。


    # scswitch -e -j im_resource
    

ProcedureInstant Messaging HA サービスを停止するには

手順

    次のコマンドをコマンド行に入力します。


    # scswitch -n -j im_resource
    

ProcedureInstant Messaging HA サービスを再起動するには

手順

    次のコマンドをコマンド行に入力します。


    # scswitch -R -j im_resource
    

Instant Messaging 用 HA RTR ファイルの管理

リソースタイプ登録 (RTR) ファイルは、Resource Group Manager (RGM) の制御下で動作する高可用性リソースタイプについて記述された ASCII テキストファイルです。 RTR ファイルは、クラスタ設定にリソースタイプを登録するための入力ファイルとして scrgadm コマンドにより使用されます。Instant Messaging RTR ファイル SUNW.iim は、HA の設定時に、SUNWiimsc パッケージをインストールすると作成されます。

ここでは、このファイルの管理方法について説明します。次の節が含まれます。

Instant Messaging RTR ファイルのパラメータ

次の表には、Instant Messaging に固有の Instant Messaging RTR ファイル (SUNW.iim) の拡張プロパティーのリストを示します。

表 3–10 SUNW.iim の拡張プロパティー

拡張プロパティー 

デフォルト 

説明 

Server_Root

設定ファイルおよびバイナリの格納にローカルディスクを使用している場合: im_svr_base

設定ファイルおよびバイナリの格納に共有ディスクを使用している場合: /global/im/im_svr_base

Instant Messaging サーバーのインストールディレクトリの絶対パスを定義します。デフォルトでは、Solaris の im_svr_base/opt/SUNWiim です。

Confdir_list

なし 

Instant Messaging 設定の絶対パスを定義します。この値は、SUNWiimsc のインストール時に設定されます。

Monitor_retry_count

4

プロセスモニター機能 (PMF) が、障害モニターが稼働していないことを検出した場合に、障害モニターの再起動を試みる回数を定義します。

Monitor_retry_interval

2 (分)

PMF により障害モニターの再起動が試みられる時間間隔 (単位は分) 

Probe_timeout

30 (秒)

Sun Cluster による探索で、Instant Messaging への接続が成功するまでの待機時間 (単位は秒) 

Failover_enabled

True

設定した再試行間隔 (retry_interval) の間に設定した再試行回数 (retry_count) を超えた場合、別のノードにフェイルオーバーするかどうかを決定します。再試行およびその他のパラメータの詳細は、『Sun Cluster Reference Manual for Solaris OS』を参照してください。

Instant Messaging 用の RTR ファイルのカスタマイズ

Instant Messaging RTR ファイル (SUNW.iim) の拡張プロパティー値をいくつか変更して、HA 環境を設定できます。拡張プロパティーは、リソースタイプに固有のプロパティーです。これらのプロパティーは、同タイプのすべてのリソースに継承されます。Instant Messaging 拡張プロパティーについては、「Instant Messaging RTR ファイルのパラメータ」を参照してください。

リソースタイプ登録ファイルの内容および拡張プロパティー値のカスタマイズ方法の詳細は、『Sun Cluster Reference Manual for Solaris OS』の rt_reg および property_attributes に関する解説を参照してください。

Instant Messaging 用 HA の削除

HA 環境から Instant Messaging を削除するには、この節で説明したように、Instant Messaging クラスタエージェント SUNWiimsc を削除する必要があります。

ProcedureInstant Messaging 用 HA を削除するには

始める前に

ここで説明した手順に従って SUNWiimsc パッケージを削除すると、RTR ファイル SUNW.iim に対するカスタマイズがすべて失われます。後でカスタマイズを復元するには、SUNWiimsc パッケージを削除する前に、SUNW.iim のバックアップコピーを作成する必要があります。

手順
  1. Instant Messaging データサービスを停止します。


    scswitch -F -g im_resource_group
    
  2. Instant Messaging リソースグループ ( im_resource_group) 内のすべてのリソースを無効にします。


    # scswitch -n -j im_resource
    # scswitch -n -j im_logical_host
    # scswitch -n -j im_resource_group_store
    
  3. Instant Messaging リソースグループからリソースを削除します。


    # scrgadm -r -j im_resource
    # scrgadm -r -j im_logical_host
    # scrgadm -r -j im_resource_group_store
    
  4. Instant Messaging リソースグループを削除します。


    # scrgadm -r -g im_resource_group
    
  5. Instant Messaging リソースタイプを削除します。


    # scrgadm -r -t SUNW.iim
    
  6. Java Enterprise System インストーラを使用するか、次の方法で手動で SUNWiimsc パッケージを削除します。


    pkgrm SUNWiimsc
    

    パッケージを削除すると、RTR ファイル対するカスタマイズがすべて失われます。

  7. 設定ファイルおよびバイナリ用の共有ディレクトリを使用している場合、HA の設定時に作成したすべてのソフトリンクを削除します。

    ノード 1 で次のコマンドを実行します。


    rm /etc/opt/SUNWiim
    

    その他のすべてのノードで次のコマンドを実行します。


    rm /usr/cluster/lib/rgm/rtreg/SUNW.iim
    

HA 関連のマニュアル