Sun Java System Communications Services 6 2005Q4 配備計画ガイド

高可用性ソリューションの概要

Communications Services の高可用性ソリューションは、製品ごとに異なります。

たとえば、Messaging Server は、2 つの異なる高可用性ソリューションである Sun Cluster と Veritas Cluster Server (VCS) をサポートします。Messaging Server は、これら各ソリューションに対するエージェントを提供します。

Messaging Server と Calendar Server は、異なるクラスタトポロジをサポートしています。詳細については、対応するクラスタ製品のマニュアルを参照してください。

Application Server を Web コンテナとして使用する場合は、その高可用性、負荷分散、およびクラスタ管理機能を利用できます。

Instant Messaging は Sun Cluster エージェントも提供しますが、VCS はサポートしません。冗長性のある Instant Messaging マルチプレクサの配備によって、さらに可用性の高い配備を実現できます。そのような配備では、あるマルチプレクサで障害が発生しても、それとは別の利用可能なマルチプレクサ経由で、Instant Messaging クライアントはバックエンドサーバーと通信できます。

また、Directory Server などのインフラストラクチャーコンポーネントの可用性を高くすることで、Communications Services 配備の可用性をさらに高めることができます。

この章の次の節では、各コンポーネントで使用できるオプションについて説明します。

システムの自動再設定 (ASR)

単に高可用性 (HA) ソリューションを評価するだけでなく、ASR を可能にするハードウェアの配備についても検討する必要があります。

ASR は停止時間に関連するハードウェア障害を最小限にするためのプロセスです。サーバーに ASR 機能がある場合は、ハードウェアの個別のコンポーネントに障害が発生しても、停止時間を最小限にとどめることが可能になります。ASR により、サーバーの自動再起動と、障害の発生したコンポーネントが交換されるまでそれを停止しておくことが可能になります。欠点は、障害の発生したコンポーネントがサービスから排除される結果、システムのパフォーマンスが低下することです。たとえば、CPU に障害が発生すると、マシンは残りの CPU を使用して再起動されます。システムの I/O ボードまたはチップに障害が発生した場合は、システムの I/O ボードが減少するか、代わりの I/O パスが使用されます。

さまざまな Sun SPARC システムが、さまざまなレベルの ASR をサポートしています。ASR をまったくサポートしていないシステムもあれば、非常に高レベルの ASR をサポートしているシステムもあります。当然ながら、高い ASR 機能を持つサーバーはその分コストも高くつきます。ソフトウェアに高可用性がない場合、コストには制約がないものとすれば、データ格納用にはハードウェアに高い冗長性と ASR 機能を持たせたマシンを選択します。