Sun Java System Communications Services 6 2005Q4 配備計画ガイド

第 28 章 Communications Services 配備の例

この章では、Communications Services の配備例を紹介します。配備に実装する機能に応じて、異なるホストのセットおよびその他のネットワークインフラストラクチャーをインストールする必要があります。

この章には、次の節があります。


注 –

単一ホスト配備から多層配備に至るまで、さまざまなアーキテクチャーの中から選択する場合には、常に多層にわたるサービス定義を念頭において計画することをお勧めします。したがって、単一ホスト配備であっても、論理サービス名を使ってインストールしてください。論理サービス名を使用すると、配備を拡張しやすくなります。詳細については、「論理サービス名の使用」を参照してください。


Communications Services の単一ホスト用の単一層論理配備の例

名前からもおわかりのように、この例では、コンポーネントを単一サーバー上にインストールおよび設定します。ご購入先のクライアントサービス担当者に相談しながら、最適なサーバータイプやシステム構成を決定してください。

一般に、単一層単一ホストアーキテクチャーは、次のような企業に最適です。

単一ホスト構成に関するトレードオフを次に示します。

図 28–1 に、単一ホスト配備の例を示します。次の Communications Services コンポーネントが同一ホスト上にインストールされます。

この例では、ディレクトリサービスは、Communications Services とは異なるホスト上に存在しています。Directory Server と Access Manager は、それ自体が複雑な配備です。この図では、これらのコンポーネントが「雲形模様」で示されています。

図 28–1 Communications Services の単一ホスト用の単一層配備の例

この図は、単一ホスト上での Communications Services 単一層配備の例を示しています。

下表は、この配備で使用するプロトコルとポート番号について説明します。

表 28–1 単一層配備の例で使用するプロトコルとポート

プロトコル 

ポート 

用途 

SMTP 

25 

他のシステムと通信する Messaging Server MTA コンポーネント、および電子メール通知を送信する Calendar Server (csenpd) コンポーネント

HTTP 

80 

Messaging Server Web メール (httpd) コンポーネントと通信するクライアント

HTTP 

81 

Calendar Server (cshttpd) と通信するクライアント

IMAP 

143 

Messaging Server imapd コンポーネントと通信するクライアント

LDAP 

389 

LDAP ディレクトリと通信する Messaging Server と Calendar Server 

この配備の将来的な拡張性を高めるには、論理サービス名を使ってインストールします。論理サービス名を使用すると、配備を拡張しやすくなります。詳細については、「論理サービス名の使用」を参照してください。容量、パフォーマンス、サイトの地理的な分散、および可用性に関する問題が発生した場合は、2 層アーキテクチャーへの拡張を検討します。

Communications Services の複数ホスト用の 2 層論理配備の例

図 28–2 は、Messaging Server と Calendar Server の 2 層論理配備の例を示します。第 0 層はロードバランサで構成されます。第 1 層は Calendar Server と Messaging Server のフロントエンドで構成されます。Calendar Server と Messaging Server のバックエンドストアが第 2 層を形成します。

Directory Server と Access Manager は、それ自体が複雑な配備です。この図では、これらのコンポーネントが「雲形模様」で示されています。

図 28–2 Communications Services 2 層配備の例

この図は、単一ホスト上での Communications Services 単一層配備の例を示しています。

上図の例では、ロードバランサが第 0 層を形成し、フロントエンドサービスへのアクセスをユーザーに指示します。

フロントエンドサービスは 4 台のマシンで構成されます。2 台のマシンに Calendar Server フロントエンドコンポーネントがインストールされます。これらの Calendar Server フロントエンドマシンは、1 台または 2 台の CPU サーバーと固有の内部ディスクストレージで構成されます。ほかの 2 台のマシンは Messaging Server プロキシと MTA として設定され、外部ディスクアレイを共有します。これらの Messaging Server マシンは 4 台の CPU サーバーで構成されます。

バックエンドも 4 台のマシンで構成されます。2 台のマシンは、メールストアとして機能し、Messaging Server プロセスを実行します。ほかの 2 台のマシンは、カレンダーストアとして機能し、Calendar Server プロセスを実行します。ストアマシンは SAN (Storage Area Network) に接続されます。これらのバックエンドマシンは、CPU のニーズに基づいてさまざまな方法で配備できます。CPU の合計数がいったん決定すると、垂直および水平方向の構成を選択できます。たとえば、アーキテクチャーが合計 12 個の CPU を必要とする場合、3 台の 4 方向サーバー、2 台の 6 方向サーバー、または 1 台の 12 方向サーバーを使用することができます。

もう一つのマシンは、Calendar Server 通知と Messaging Server 電子メールの両方の SMTPリレーとして機能します。

下表は、この配備で使用するプロトコルとポート番号について説明します。

表 28–2 2 層配備の例で使用するプロトコルとポート

プロトコル 

ポート 

用途 

HTTP 

80 

Messaging Server MEM と Web メール (httpd) コンポーネントと通信するクライアント

SMTP 

25 

Messaging Server MTA コンポーネント、フロンエンドおよびバックエンドの MTA コンポーネント、および電子メール通知用 Calendar Server (csenpd) コンポーネントと通信するクライアント

IMAP 

143 

Messaging Server MMP と imapd コンポーネントと通信するクライアント

LMTP

225 

バックエンド MTA を迂回して、フロントエンドからバックエンドの Message Store に電子メールをルーティングする MTA 

LDAP 

389 

LDAP ディレクトリと通信するフロントエンドとバックエンド 

HTTP 

8081 

カレンダフロントエンド (cshttpd) と通信するクライアント

DWP

9779 

カレンダバックエンド (csdwpd) と通信するカレンダフロントエンド (cshttpd)