Sun Java System Calendar Server 6 2005Q4 管理ガイド

csmig のヒントとトラブルシューティング

ここでは、次のヒントとトラブルシューティングの例について説明します。

csmig のドライランカレンダに表示されるカレンダの所有者が間違っています。

問題の例

tchang:myCalendar という名前のカレンダの所有者がカレンダデータベース内の jsmith であるため、csmig のドライランのマッピングでは jsmith:tchang_myCalendar と表示されます。しかし、このカレンダの名前を tchang:myCalendar とし、tchang という所有者を割り当てるとします。

解決策の例

移行前に、cscal ユーティリティーを使用して、カレンダ tchang:myCalendar の所有者を tchang に変更します。これを実行すると、移行によってこのカレンダが tchang:myCalendar にマッピングされ、icsCalendarowned がユーザー ID tchang の LDAP エントリに追加されます。

LDAP カレンダ検索を正常に実行できません。

問題の例

移行後、LDAP カレンダ検索が有効になりますが、カレンダ検索ダイアログに何も結果が表示されないか、一部の結果だけが表示されます。

解決策の例

LDAP カレンダ検索を有効にすると、Calendar Server で検索に (&(objectclass=icscalendaruser)(icscalendarowned=*substr*)) を使用できるようになります。

次のフィルタを使用して LDAP データに対して 2 つの異なる検索を手動で実行し、出力を比較します。

サーバーで icsCalendarUser オブジェクトクラスを含むフィルタを使用するため、スキーマの確認が無効な状態で LDAP サーバーが配備され、一部のカレンダエントリが icsCalendarUser オブジェクトクラスなしでプロビジョニングされた可能性があります。

csmig のドライランでカレンダ名の重複が検出されました。

問題の例

csmig のドライランマッピングファイルおよび出力ファイルに、カレンダ名の重複が記録されます。たとえば、元のデータベースで、jsmith が次のカレンダを所有しているとします。

ドライランでは、移行中に 2 つのカレンダがマージされ、生成されるカレンダは、所有者が jsmith であり、合計 15 個の予定が含まれた jsmith:basketball となります。

出力ファイルには次の警告メッセージが記録されます。

Error modifying calendar properties, error=2

解決策の例

2 つのカレンダをマージしない場合は、移行前に basketball の所有者を jsmith 以外のユーザーに変更します。これによって、2 つの独立したカレンダのデータの完全性が維持されます。

親のないカレンダに、異なる複数の所有者を割り当てるにはどうしたらよいですか。

問題の例

デフォルトでは、csmig によって親のないすべてのカレンダに 1 人の所有者が割り当てられますが、一部の親のないカレンダに、異なる複数の所有者を割り当てるとします。

解決策の例

csmig では、コマンド行からはマッピングファイルを操作できません。ただし、移行前に、元のデータベース内の親のないカレンダに所有者を割り当てることはできます。親のないすべてのカレンダに対するドライランのマッピングファイルを確認します。移行前に、cscal ユーティリティーを使用して、親のないカレンダに所有者を割り当てます。ふたたび dryrun モードで csmig を実行し、新しい所有者を確認します。

カレンダユーザーを別のバックエンドサーバーに移動するにはどうしたらよいですか。

問題の例

カレンダユーザーを 1 台のバックエンドサーバーから別のバックエンドサーバーに移動します。

解決策の例

カレンダユーザーを移動するには、元のサーバーにある各ユーザーのカレンダをエクスポート (export) し、次にそのカレンダを 2 台目のサーバーにインポート (import) します。カレンダの移動後、元のサーバー上のカレンダを削除できます。カレンダの移動方法については、「ユーザーカレンダの管理」を参照してください。