Sun Java System Calendar Server 6 2005Q4 管理ガイド

ダンプとロードによるカレンダデータベースの復元

ここで説明する内容は次のとおりです。

ダンプとロードの概要

ダンプとロードの手順を使用して破損したデータベースの復元を試みます。ダンプとロードの手順では、Berkeley データベースの db_dump ユーティリティーと db_load ユーティリティーを使用します。Calendar Server では、これらのユーティリティーは次のディレクトリに格納されています。


cal_svr_base/SUNWics5/cal/tools/unsupported/bin

db_dump ユーティリティーはデータベースファイルを読み取り、エントリを db_load ユーティリティーと互換性のある形式で出力ファイルに書き込みます。

db_dump ユーティリティーと db_load ユーティリティーのマニュアルについては、次の Sleepycat Software の Web サイトを参照してください。

http://www.sleepycat.com/docs/utility/index.html

db_dumpdb_load によるデータベースの復元が成功するかどうかは、データベースの破損具合によって決まります。データベースを復元するまでに、db_dump オプションを何度か実行しなければならないこともあります。ただし、破損が著しいデータベースは復元できません。この場合は、データベースの最終ホットバックアップまたはアーカイブを使用する必要があります。


注 –

ダンプとロードの手順を実行するときは、カレンダデータベースが Berkeley DB バージョン 3.2.9 以上である必要があります。それ以前のバージョンを使用している場合は、最初に cs5migrate ユーティリティーを使用してカレンダデータベースをアップグレードしてください。

最新バージョンの cs5migrate については、ご購入先のテクニカルサポートに問い合わせてください。


Procedureダンプとロードの手順を実行するには

手順
  1. Calendar Server を実行するユーザーやグループ (icsusericsgroup など)、またはスーパーユーザー (root) としてログインします。

  2. Calendar Server が停止していなければ、停止します。

  3. csbackup ユーティリティーや Sun StorEdge Enterprise BackupTM ソフトウェア、Legato Networker® などを使用して、破損しているデータベースのバックアップを作成します。

    詳細は、第 17 章「Calendar Server データのバックアップと復元」を参照してください。

  4. db_dump ユーティリティーを使用して、破損しているデータベースの各ファイルをダンプします。

    データベースファイルは、ics50calprops.dbics50journals.dbics50alarms.dbics50events.dbics50todos.db、および ics50gse.db です。

    データベースが復元されるまで (または復元不可能であると判断されるまで)、次のオプションを順に指定して db_dump を実行します。

    • オプションなし: 軽度のデータベース破損。

    • -r オプション: 中度のデータベース破損。

    • -R オプション: 重度のデータベース破損。-R オプションを指定した場合、破損しているデータベースから、部分的なレコードや削除されたレコードなども含め、-r オプションを指定した場合より多くのデータがダンプされます。

      たとえば、-r オプションを指定して db_dump を実行するときは、次のように入力します。


      db_dump -r ics50events.db \> ics50events.db.txt
  5. db_load ユーティリティーを使用して、出力ファイルを新しいデータベースファイルにロードします。

    次に例を示します。


    db_load new.ics50events.db < ics50events.db.txt

    db_load が奇数のキーまたはデータエントリをレポートする場合は、db_dump 出力ファイルを編集して、異常のあるキーまたはデータエントリを削除します。次に、db_load を再実行します。

  6. 破損しているその他のデータベースファイルに対して、前の 2 つの手順を繰り返します。

    つまり、破損しているその他のデータベースファイルに対して db_dump を実行します。

  7. 「破損したカレンダデータベースの再構築」で説明している csdb rebuild コマンドを使用して、復元したデータベースファイルを再構築します。

    rebuild の実行が完了したら、出力ファイルを確認します。再構築が正常に完了した場合、rebuild.out ファイルの最後の行は次のようになります。


    Calendar database has been rebuilt

    csdb rebuild コマンドが正常に終了しなかった場合は、次レベルの db_dump オプション (-r または -R) を使用してデータベースのダンプを行います。

    db_dump -R オプションを実行しても破損しているデータベースを復元できない場合は、ご購入先のテクニカルサポートまたは販売代理店までご連絡ください。それまでの間は、データベースの最終バックアップを使用する必要があります。