Sun Java System Application Server Enterprise Edition 8.1 2005Q2 高可用性 (HA) 管理ガイド

Procedureすでに IP マルチパスを使用している HADB ホストマシンを設定するには

  1. ネットワークインタフェース障害検出時間を設定します。

    HADB でマルチパスのフェイルオーバーを適切にサポートするには、/etc/default/mpathd 内の FAILURE_DETECTION_TIME パラメータで指定されているネットワークインタフェース障害検出時間が 1 秒 (1000 ミリ秒) を超えないようにする必要があります。元の値がこの値を超えている場合は、このファイルを編集して、このパラメータの値を 1000 に変更します。


    FAILURE_DETECTION_TIME=1000

    変更を有効にするには、次のコマンドを使用します。


    pkill -HUP in.mpathd
  2. HADB で使用する IP アドレスを設定します。

    IP Network Multipathing Administration Guide』で説明されているように、マルチパスを使用するには、物理ネットワークインタフェースをマルチパスインタフェースグループにグループ化する必要があります。このようなグループ内の各物理インタフェースには、次の 2 つの IP アドレスが関連付けられています。

    • データの送信に使用される物理インタフェースアドレス。

    • Solaris の内部でのみ使用されるテストアドレス。

    hadbm create --hosts を使用するときに、マルチパスグループの物理インタフェースアドレスを 1 つだけ指定します。


例 2–1 マルチパスの設定

host1 および host2 という名前の2 つのホストマシンがあるとします。それぞれに 2 つの物理ネットワークインタフェースがある場合は、その 2 つのインタフェースを 1 つのマルチパスグループとして設定します。各ホストで、ifconfig -a を実行します。

host1 の出力は次のようになります。


bge0: flags=1000843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,IPv4>
mtu 1500 index 5 inet 129.159.115.10 netmask ffffff00 broadcast 129.159.115.255 
groupname mp0

bge0:1: flags=9040843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,DEPRECATED,IPv4,NOFAILOVER>
mtu 1500 index 5 inet 129.159.115.11 netmask ffffff00 broadcast 129.159.115.255

bge1: flags=1000843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,IPv4> 
mtu 1500 index 6 inet 129.159.115.12 netmask ffffff00 broadcast 129.159.115.255 
groupname mp0

bge1:1: flags=9040843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,DEPRECATED,IPv4,NOFAILOVER> 
mtu 1500 index 6 inet 129.159.115.13 netmask ff000000 broadcast 129.159.115.255

host2 の出力は次のようになります。


bge0: flags=1000843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,IPv4> 
mtu 1500 index 3 inet 129.159.115.20 netmask ffffff00 broadcast 129.159.115.255 
groupname mp0

bge0:1: flags=9040843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,DEPRECATED,IPv4,NOFAILOVER> 
mtu 1500 index 3 inet 129.159.115.21 netmask ff000000 broadcast 129.159.115.255

bge1: flags=1000843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,IPv4> 
mtu 1500 index 4 inet 129.159.115.22 netmask ffffff00 broadcast 129.159.115.255 
groupname mp0

bge1:1: flags=9040843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,DEPRECATED,IPv4,NOFAILOVER> 
mtu 1500 index 4 inet 129.159.115.23 netmask ff000000 broadcast 129.159.115.255

この例では、両方のホスト上の物理ネットワークインタフェースが bge0 および bge1 のあとに表示されています。『IP Network Multipathing Administration Guide』で説明されているように、bge0:1 および bge1:1 のあとに表示されているのはマルチパステストインタフェースです。これは、ifconfig の出力では「非推奨」として指定されています。

この環境で HADB を設定するには、各ホストから 1 つの物理インタフェースアドレスを選択します。この例では、HADB は host1 の129.159.115.10 と、host2 の 129.159.115.20 の IP アドレスを使用しています。ホストあたり 1 つのデータベースノードを含むデータベースを作成するには、コマンド hadbm create --host を使用します。次に例を示します。


hadbm create --host 129.159.115.10,129.159.115.20

ホストあたり 2 つのデータベースノードを含むデータベースを作成するには、次のコマンドを使用します。


hadbm create --host 129.159.115.10,129.159.115.20,
129.159.115.10,129.159.115.20

どちらの場合も、マシン上のどちらのインタフェースをエージェントが使用するべきかを指定するために、host1 と host2 で別のパラメータを使用してエージェントを構成する必要があります。そのため、host1 では次のパラメータを使用します。


ma.server.mainternal.interfaces=129.159.115.10

また、host2 では次のパラメータを使用します。


ma.server.mainternal.interfaces=129.159.115.20

ma.server.mainternal.interfaces 変数については、「設定ファイル」を参照してください。