Sun N1 Service Provisioning System ユーザーズガイド (Solaris Plug-In 4.0)

Solaris ゾーンの作成と管理

ソフトウェアの「Common Tasks」ページでは、Solaris 10 ゾーンの作成と管理を行えます。

Procedure大域ゾーンとしてホストを定義する

大域ゾーンとは、個々のゾーンが定義されるホストを指します。ローカルゾーンを作成する前に、ホストセット com.sun.solaris#global_zones に少なくとも 1 つのホストを定義する必要があります。このタスクは、ホストを大域ゾーンとして定義する方法を説明します。

  1. コントロールパネルの左側、「Hosts Setup」セクションの下にある「Hosts」をクリックします。

  2. 次のいずれかのオプションを選択し、ホストシステムを指定します。

    • ユーザーが入力した Solaris 10 ホスト。

      1. 「Host」フィールドに Solaris 10 ホスト名を入力します。

      2. 「Create」をクリックします。

    • ホストテーブルの Solaris 10 ホスト。

      1. ホストテーブルから Solaris 10 ホストを選択します。

      2. 「Edit」をクリックします。

  3. ホストタイプのメニューから com.sun.solaris#global_zone を選択します。

  4. 必要に応じて属性の値を変更します。

    たとえば、接続タイプを RAW (デフォルト) から SSH や SSL に変更できます。


    注 –

    ローカルゾーン接続に SSH を使用するには、ポートを 70000 に設定する必要があります。


  5. 物理ホストにリモートエージェントまたはローカルディストリビューターを組み込むには、適切なチェックボックスをクリックします。

  6. 「Save」をクリックします。

ProcedureSolaris ローカルゾーンを作成する

始める前に

ネームサーバーがない場合は、マスターサーバーの /etc/hosts ファイルを、リモートエージェント上のローカルゾーンの hostname:ip_address で更新する必要があります。

  1. 左側のコントロールパネルの「Common Tasks」から、「Solaris」リンクをクリックします。

  2. 「Solaris Container: Create and Manage」リンクをクリックします。

  3. 「Install: Create」の横の「Run action」をクリックします。

  4. ローカルゾーンを作成するターゲットホストを選択します。


    注 –

    ターゲットホストは、com.sun.solaris#global_zones ホストセットのメンバーでなければなりません。


  5. 「Plan Variables」設定から、ローカルゾーンのホスト名を選択します。

    目的のローカルゾーン名がない場合は、新しいゾーン名を作成します。新しいゾーン名を作成するには、次の手順を実行します。

    1. プランパラメータテーブルから「Select From List」をクリックします。

    2. 「Variable Setting」ウィンドウから「Create Set」をクリックします。

    3. 「New Set Name」フィールドで、新しいゾーンセット名を入力します。

    4. 「Zone Name」プロンプトの横にあるボックスをクリックし、新しい変数セット名を入力します。


      注 –

      ローカルゾーンの作成時は、ゾーン名はネットワークのゾーンホスト名になります。ローカルゾーンのホスト名は、ローカルネットワークの IP アドレスに解決できる必要があります。


    5. ローカルゾーンファイルシステムを「疎」または「完全」のどちらにするかを決定します。

      疎ローカルゾーンファイルシステムは、/lib /sbin/platform、および /usr ディレクトリを大域ゾーンと共有します。これらのディレクトリの 1 つにファイルをインストールする必要があるアプリケーションをローカルゾーンが実行する場合は、フルファイルシステムを使用してローカルゾーンをインストールしてください。完全ローカルゾーンファイルシステムは、ディレクトリを大域ゾーンと共有しません。


      注 –

      デフォルトの設定では、プロビジョニングシステムはローカルゾーンファイルシステムを「疎」としてインストールします。完全ローカルゾーンファイルシステムをインストールする場合は、デフォルトを無効にしてください。


    6. (省略可能) ローカルゾーンに論理ネットワークインタフェースを追加する必要がある場合は、zoneIfaceDetails コンポーネント変数に値を入力します。

      各エントリは、次の形式の 3 つのフィールドから構成されます。network interface,IPAddress/netmask。各エントリはセミコロンで区切られます。例を示します。hme0,123.123.123.123/24;eri0,124.124.124.124/8

    7. (省略可能) ローカルゾーンに大域ゾーンファイルシステムをマウントする必要がある場合は、zoneFsLayout コンポーネント変数に値を入力します。

      各ファイルシステムは、セミコロンで区切る必要があります。例を示します。dir=/usr/local special=/opt/local raw=/dev/rdsk/c0t0d0s7 type=lofs [ro,nodevices];dir=/opt/mystuff special=/empty type=lofs ro

      詳細については、zonecfg(1M) のマニュアルページを参照してください。

  6. 「Save and Select」をクリックします。

  7. ターゲットホストの「Select From List」をクリックします。

  8. 「Current Found Hosts」のいずれかを選択します。

  9. 「Add Hosts To Main Window」をクリックします。

  10. 「Run Plan (includes preflight)」をクリックします。

Solaris ゾーンの操作における CLI の使用法

デフォルトでは、Sun N1 Service Provisioning System のコマンド行インタフェースは次のディレクトリに格納されています。/opt/SUNWn1sps/N1_Service_Provisioning_System_5.2/cli/bin/cr_cli

Container プロシージャーを実行する Solaris ゾーンのプラグインプランは、/com/sun/solaris/zones フォルダに格納されています。


例 6–1 CLI の使用による Solaris ゾーンの作成

この例では、Sun N1 Service Provisioning System のコマンド行インタフェースを使用して Solaris ゾーンを作成する方法を示します。この例には、3 つのコマンドセグメントが含まれます。すべてのコマンドでは、例としてユーザー名 spsadmin、パスワード x1y2z3 を使用します。

1 つめのコマンドは、server10 の大域ゾーンにホストを作成し、local_zone_default_namelocal_zone_connection_type、および local_zone_port 変数にデフォルト値を定義します


% cr_cli -cmd hdb.h.mod                     host modify
    -ID "NM:server10"                       target global host
    -tID "NM:com.sun.solaris#global_zone"   host type
    -attr "local_zone_default_name=server10_z1; 
     local_zone_default_filesystem=FULL; 
     local_zone_connection_type=RAW; 
     local_zone_port=1131"                  local zone attributes
    -u spsadmin                             user name
    -p x1y2z3                               password

2 つめのコマンドは、デフォルト変数を使用してローカルゾーンを作成します。


% cr_cli -cmd pe.p.run                      plan execution
    -PID "NM:/com/sun/solaris/Container-create" 	create zone plan ID
    -tar "H:NM:server10"                    target global host
    -vs "+"                                 default var set "default set"
    -comp "+"                               default component "latest build"
    -pto 6000                               plan time 1 hr max [6000 secs]
    -nto 6000                               call time 1 hr max [6000 secs]
    -u spsadmin                             user name
    -p x1y2z3                               user password

3 つめのコマンドは、ローカルゾーンを有効にします。


% echo "server10_z1" | cr_cli -cmd pe.p.run plan execution, std input is zone name
    -PID "NM:/com/sun/solaris/Container-activate" attach zone plan ID
    -tar "H:NM:server10"                    target global host
    -f "-"                                  standard input args
    -pto 6000                               plan time 1 hr max [6000 secs]
    -nto 6000                               call time 1 hr max [6000 secs]
    -u spsadmin                             user name
    -p x1y2z3                               user password