Sun N1 Service Provisioning System ユーザーズガイド (OS Provisioning Plug-In 3.0)

既存の環境の構成

OS プロビジョニングプラグインを使用すると、既存のサーバーおよびネットワーク環境に OS をプロビジョニングできます。以降の節では、既存の環境でプラグインをどのように使用するかを詳細に説明します。

ハードウェアおよびソフトウェアの構成

N1 SPS マスターサーバー、OS プロビジョニングサーバー、Solaris ブートおよびインストールサーバー、Linux ブートおよびインストールサーバー、および Windows ブートおよびインストールサーバーをサポートするハードウェアが用意されていることを確認します。適切なシステムの詳細については、「サポートされるシステム」を参照してください。

ネットワーク環境

マスターサーバー、OS プロビジョニングサーバー、およびブートおよびインストールサーバーが IP ネットワークを介して相互に接続できることを確認します。ブートおよびインストールサーバーのネットワークインタフェースを構成します。

サーバーを同時にプロビジョニングする十分な帯域幅があることを確認します。帯域幅の要件は、実行する同時プロビジョニング処理の数に応じて異なります。


注 –

同時 OS インストールは大量の帯域幅を必要とし、帯域幅が使用できない場合には障害やタイムアウトが発生する場合があります。問題を回避するには、物理的にトラフィックを分離するか、より多くのブートおよびインストールサーバーを配備します。


DHCP サービス

OS プロビジョニングサーバーは独自の DHCP サービスを使用します。DHCP サービスは、ターゲットにインストール時パラメータとインストール時 IP アドレスを提供するために、プロビジョニング処理中に使用されます。DHCP サービスは、プロビジョニングの対象ではないクライアントには応答しません。そのため、このサブネットでサービスを提供するほかの DHCP サービスが存在する場合、これらのサービスがプロビジョニング処理中にターゲットに応答していないことを確認してください。OS がプロビジョニングされると、ターゲットに応答するよう DHCP を再度アクティブにすることができます。OS プロビジョニングサーバーを同じサブネットに配置するか、ルーティングによって、ターゲットの DHCP パケットが OS プロビジョニングサーバーに到達できることを確認してください。

ネットワークの DHCP サービスを使用してターゲットホストをインストールする場合は、OS プロビジョニングサーバーの提供する DHCP サービスを使用不可にできます。ターゲットホストからの DHCP 要求に応答するよう、DHCP サービスを正しく構成する必要があります。OS プロビジョニングの DHCP サービスを使用不可にする方法については、「プラグイン提供の DHCP の無効化」を参照してください。

ターゲットホスト

OS プロビジョニングプラグインは、プロビジョニング中の電源オン/オフのサイクルを自動化できます。ターゲットの遠隔管理インタフェース (存在する場合) を有効にします。ターゲットが遠隔管理をサポートしていない場合は、汎用ターゲットを使用します。ターゲットホストの詳細については、第 9 章「OS プロビジョニング用ターゲットホスト」を参照してください。

N1 Service Provisioning System ソフトウェア

N1 SPS ソフトウェアがバージョン 5.1 またはそれ以降であることを確認します。

既存の Solaris JET 環境

JumpStart Enterprise Toolkit (JET) テクノロジを実行している場合、OS プロビジョニングプラグインを使用する前には、JET 製品をアンインストールする必要があります。詳細については、「Solaris JET サーバーの設定」を参照してください。

OS プロビジョニングプラグインに付属する SUNWjet パッケージのデフォルトのベースディレクトリは /opt/SUNWjet です。旧バージョンの SUNWjet では、デフォルトのベースディレクトリとして /opt/jet を使用していました。

既存の JET パッケージを使用している場合は、「Solaris JET サーバーの設定」で説明されている手順で、既存のパッケージをアンインストールしてから JET サーバーを作成します。このプロセスでは次の作業を実行します。

  1. /opt/SUNWjet で OS プロビジョニングプラグインに付属するバージョンの SUNWjet をインストールする。

  2. /opt/jet/Products 内のすべての既存の JET 製品モジュールに、/opt/SUNWjet/Products へのシンボリックリンクを作成する。

処理が完了すると、OS プロビジョニングプラグインを使用して新しい Solaris プロファイルを作成する場合、サーバーに以前インストールされていた任意の JET 製品モジュールを名前によって含めることができます。

以前の /opt/jet/Templates および /opt/jet/Clients 領域は変更されません。必要に応じてこれらの領域を参照できます。また値によっては、OS プロビジョニングプラグインを使用して新しい Solaris プロファイルを作成するのに役立つ場合があります。