Sun N1 Service Provisioning System ユーザーズガイド (OS Provisioning Plug-In 3.0)

Solaris イメージおよびプロファイルの作成

基本的な JumpStart の機能を提供するには、適切な Solaris OS メディアのイメージを JET サーバーにインストールする必要があります。続いてそのイメージを、イメージがどのようにインストールされるかを説明するプロファイルに添付する必要があります。

ProcedureSolaris イメージをインポートする

基本的な JumpStart の機能を提供するには、適切な Solaris OS メディアのイメージを JET サーバーにインストールする必要があります。JET サーバーにインポートされる Solaris のバージョン (複数可) は、ターゲットサーバーにより必要とされるバージョンによって決まります。同時に、同じ JET サーバーに、複数のバージョンの Solaris メディアをインストールできます。


注 –

メディアを JET サーバー上のディスクにコピーすることをお勧めしますが、必須ではありません。物理メディアを適切に共有して、その物理メディアからターゲットサーバーをブートすることができます。ただし、物理メディアを使用することによりターゲットサーバーのビルドのパフォーマンスが厳しく制限され、複数のバージョンの Solaris をサポートする能力が最低限に制限されます。


ISO イメージだけでなく、setup_install_server コマンドによって作成されたイメージをインポートできます。プランの変数設定をエディタで開いて、インポートするイメージを指定します。

始める前に

Solaris 9 OS の配備を完全自動化する場合は、追加の構成ファイルを作成して、Solaris 9 インストールイメージに添える必要があります。詳細は、「x86 ベースシステムへの Solaris 9 インストールの自動化」を参照してください。

  1. ローカルドライブから、またはネットワーク上の共有ドライブを使用することで、JET サーバーで Solaris DVD をマウントします。

  2. N1 SPS ブラウザインタフェースの「Common Tasks」セクションで、「OS Provisioning」を選択します。

  3. 「OS Provisioning Common Tasks」ページの「Solaris Images」セクションで「Import」をクリックします。

  4. 「Plans Details」ページの「Run」をクリックします。

  5. このプランに使用する変数を選択します。

    • 既存の変数セットを使用するには、「Plan Parameters」テーブルの「SolarisImage」コンポーネント行にあるドロップダウンメニューから名前を選択します。

    • 新しい変数セットを作成するには、「Plan Parameters」テーブルの「SolarisImaget」コンポーネント行で「Select from List」をクリックします。

      1. 「Create Set」をクリックします。

      2. 変数セットの名前を入力します。

      3. version 変数に Solaris のメインバージョン番号を入力します。

      4. release 変数に Solaris のマイナーバージョン番号を入力します。

      5. 残りの変数を確認し、必要に応じてそれらを変更します。

        次の表で、追加の変数とそのデフォルト値を説明します。

        変数名 

        説明 

        デフォルト値 

        architecture

        SPARC や x86 など、物理システムのアーキテクチャー 

        sparc

        installPath

        インポートされる Solaris イメージの一意の名前。 

        Solaris:[version]_:[release]_:[architecture]

        次に例を示します。Solaris9_u7_sparc

        image_path

        インポートされるイメージが格納される場所へのパス。 

        /export/osp_image/:[installPath]

        image_subnet_addr

        イメージサーバーのサブネットアドレス。 

        :[target(/):sys.ipAddress]

        image_subnet_mask

        イメージサーバーのサブネットマスク 

        255.255.255.0

        media_src

        イメージファイルへのパス。デフォルトでは、ソフトウェアはファイルが DVD ディスク上に存在すると想定しています。 

        /cdrom/cdrom0/s0

        ISO_files

        media_src ディレクトリにある ISO ファイル名のスペース文字区切りのリスト。ファイルは展開 (unzip) されている必要があります。リストの最初の ISO として起動可能な CD を指定します。


        注 –

        Solaris OS のクロスプラットフォーム CD ISO イメージをインポートすることはできません。たとえば、SPARC 版 Solaris OS が動作するブートおよびインストールサーバーに Solaris x86 CD ISO ファイルをインポートすることはできません。Solaris SPARC CD ISO ファイルを Solaris x86 ブートおよびインストールサーバーにインポートすることはできません。


        sol-10-GA-sparc-v1-iso sol-10-GA-sparc-v2-iso sol-10-GA-sparc-v3-iso sol-10-GA-sparc-v4-iso

      6. 変数セットを保存します。

      7. 「Plan Parameters」テーブルの「SolarisImage」コンポーネント行にあるドロップダウンメニューから、直前に保存した変数セットを選択します。

  6. 「Plan Details Run」ページで、イメージのインポート先の JET イメージサーバーを選択します。


    ヒント –

    JET イメージサーバーのホスト名の末尾は -jet です。


  7. 「Run Plan (includes preflight)」をクリックします。

JET による Solaris プロビジョニングプロファイルの作成

JumpStart Enterprise Toolkit (JET) は、Solaris OS のプロビジョニングに必要なプロファイルの作成作業を簡単にする一群のユーティリティーです。N1 SPS ブラウザインタフェースを使用し、ターゲットホストへの JET による自動インストールを行うのに必要なプロファイルキーワードおよびプロファイル値を生成できます。

JET は使用せずに、手動でプロファイル値を作成する場合は、JET モジュールを使用しない Solaris プロビジョニングプロファイルを作成できます。「非 JET Solaris プロビジョニングプロファイルの作成」を参照してください。

ProcedureJET を使用して Solaris プロビジョニングプロファイルを作成する (ブラウザインタフェース)

始める前に
  1. N1 SPS ブラウザインタフェースの「Common Tasks」セクションで、「OS Provisioning」を選択します。

  2. 「OS Provisioning Common Tasks」ページの「Solaris Images」セクションで「Create Profile」をクリックします。

  3. 「Plans Details」ページの「Run」をクリックします。

  4. このプランに使用する変数を選択します。

    • 既存の変数セットを使用するには、「Plan Parameters」テーブルの「SolarisImage」コンポーネント行にあるドロップダウンメニューから名前を選択します。

    • 新しい変数セットを作成するには、「Plan Parameters」テーブルの「SolarisImaget」コンポーネント行で「Select from List」をクリックします。

      1. 「Create Set」をクリックします。

      2. 変数セットの名前を入力します。

      3. version 変数に Solaris のメインバージョン番号を入力します。

      4. release 変数に Solaris のマイナーバージョン番号を入力します。

      5. 残りの変数を確認し、必要に応じてそれらを変更します。

        次の表で、追加の変数とそのデフォルト値を説明します。

        変数名 

        説明 

        デフォルト値/例 

        architecture

        SPARC や x86 など、物理システムのアーキテクチャー 

        sparc (デフォルト)

        installPath

        添付する Solaris イメージ名 

        Solaris:[version]_:[release]_: [architecture]

        次に例を示します。Solaris9_u7_sparc

        image_path

        イメージファイルが存在する場所へのパス 

        /export/osp_image/:[installPath] (デフォルト)

        image_subnet_addr

        イメージサーバーのサブネットアドレス 

        :[target(/):sys.ipAddress] (デフォルト)

        image_subnet_mask

        イメージサーバーのサブネットマスク 

        255.255.255.0 (デフォルト)

        media_src

        イメージファイルへのパス。 

        /cdrom/cdrom0/s0 (例)

        ISO_files

        media_src 変数に指定したディレクトリにある ISO ファイルのリスト

        sol-10-GA-sparc-v1-iso sol-10-GA-sparc-v2-iso sol-10-GA-sparc-v3-iso sol-10-GA-sparc-v4-iso (例)

      6. 変数セットを保存します。

      7. 「Plan Parameters」テーブルの「SolarisImage」コンポーネント行にあるドロップダウンメニューから、直前に保存した変数セットを選択します。

  5. 「Plan Details Run」ページで、プロファイルの作成先の JET イメージサーバーを選択します。


    ヒント –

    JET イメージサーバーのホスト名の末尾は -jet です。


  6. 必要に応じてプロファイル名を変更します。

  7. 必要に応じてプロファイルの説明を変更します。

  8. 使用する JET モジュールのリストを更新します。

    JET 製品のモジュールは、JET サーバーのディレクトリ /opt/SUNWjet/Products にあります。

    デフォルトでは、プラン変数 JET Modules Name(s) に、Solaris プロファイルコンポーネントに含める 2 つの JET モジュールがあります。

    base_config は、基本 Solaris インストールを行うための必須 JET モジュールです。そのほかの /opt/SUNWjet/Products モジュールはすべて省略可能です。モジュール名をこのリストに追加することにより、モジュールのインストール関数と構成変数が、新しく作成された Solaris プロビジョニングプロファイルに追加されます。

    省略可能な /opt/SUNWjet/Products モジュールの 1 つに、custom モジュールがあります。custom モジュールは、Solaris のパッケージ、パッチ、およびファイルの任意のリストをインストールし、またスクリプトの任意のコレクションを実行できます。詳細については、custom モジュールの使用法」を参照してください。また、そのほかの JET モジュールを作成することもできます。JET モジュールの作成の詳細については、付録 F 「追加 JET モジュールの作成」を参照してください。

  9. 「Run Plan (includes preflight)」をクリックします。

  10. (省略可能) デフォルトのプロファイル値を変更します。

    1. 新しい Provision コンポーネントが含まれる Solaris フォルダに移動します。

      たとえば、 /com/sun/n1osp/autogen-biss1-jet/provision/ などのフォルダです。

    2. Solaris プロビジョニングコンポーネント名をクリックします。

      たとえば Solaris10_0205_sparc.standard などです。

    3. デフォルト値を編集します。

      Solaris プロファイルの変数の詳細については、付録 B 「Solaris Profile コンポーネントの変数」を参照してください。


      注 –

      x86 ターゲットホストに Solaris OS をプロビジョニングする場合は、そのターゲットホスト上の既存のすべてのパーティションを削除するカスタム JumpStart プロファイルを作成する必要があります。profile_base_config 変数に、そのプロファイルの場所を指定します。


      1. 「Details」ページの最下部の「Edit」ボタンをクリックします。

      2. 値を変更します。

      3. 「Details」ページの最下部の「Check-in」ボタンをクリックします。

ProcedureJET を使用して Solaris プロビジョニングプロファイルを作成する (コマンド行インタフェース)

  1. SolarisImage コンポーネントの変数セットを作成するには、次の例のようなコマンドを入力します。


    # cr_cli -cmd cdb.vs.add -comp NM:/com/sun/n1osp/untyped/SolarisImage \
    -name "solaris10sparc" -u admin -p admin -vars "version=10;release=ga;architecture=sparc; \
    image_path=/export/install/s10ga-sparc;image_subnet_addr=10.42.42.2; \
    image_subnet_mask=255.255.255.0;media_src="
    
  2. プランを実行するには、次の例のようなコマンドを入力します。


    # cr_cli -cmd pe.p.run -u admin -p admin
    -PID NM:/com/sun/n1osp/untyped/SolarisImage-create-profile
    -tar H:NM:biss1-jet -comp - -vs solaris10sparc -pto 30 -nto 10
    -f /tmp/solaris-profile
    

    -u オプションで指定したデフォルトの N1 SPS ユーザー値を書き留めます。N1 SPS Remote Agent ソフトウェアがターゲットホストで起動するには、OS インストール後に、このユーザーが存在する必要があります。

非 JET Solaris プロビジョニングプロファイルの作成

Solaris プロビジョニングプロファイルを手動で作成する場合は、JET モジュールを使用せずに、Solaris プロビジョニングプロファイルを作成できます。この節では、非 JET Solaris プロファイルを作成する方法を説明します。

JET を使用してプロファイルを生成する場合は、「JET による Solaris プロビジョニングプロファイルの作成」を参照してください。

Procedure非 JET Solaris プロビジョニングプロファイルを作成する (ブラウザインタフェース)

環境によっては、JET を使用して Solaris プロビジョニングプロファイルを生成するのではなく、手動でプロファイルを作成する方が望ましいことがあります。たとえば、N1 SPS 環境にインポートするカスタム JumpStart 環境が存在する場合、その既存の環境の JumpStart ファイルを取り込むには、OS プロビジョニングプロファイルを手動で作成する必要があります。

始める前に

Solaris イメージサーバーが存在し、そのサーバーで Solaris オペレーティングシステムソフトウェアが使用できることを確認します。Solaris イメージサーバーの作成の詳細については、「Solaris JET サーバーの設定」を参照してください。

  1. プロビジョニングソフトウェアのページの「Common Tasks」セクションで、「OS Provisioning」を選択します。

  2. 「OS Provisioning Common Tasks」ページの「Solaris Images」セクションで「Create Profile」をクリックします。

  3. 「Plans Details」ページの「Run」をクリックします。

  4. このプランに使用する変数を選択します。

    • 既存の変数セットを使用するには、「Plan Parameters」テーブルの「SolarisImage」コンポーネント行にあるドロップダウンメニューから名前を選択します。

    • 新しい変数セットを作成するには、「Plan Parameters」テーブルの「SolarisImaget」コンポーネント行で「Select from List」をクリックします。

      1. 「Create Set」をクリックします。

      2. 変数セットの名前を入力します。

      3. version 変数に Solaris のメインバージョン番号を入力します。

      4. release 変数に Solaris のマイナーバージョン番号を入力します。

      5. 変数を確認し、必要に応じて変数を変更します。

        次の表で、追加の変数とそのデフォルト値を説明します。

        変数名 

        説明 

        デフォルト値/例 

        architecture

        SPARC や x86 など、物理システムのアーキテクチャー 

        sparc (デフォルト)

        installPath

        添付する Solaris イメージ名 

        Solaris:[version]_:[release]_: [architecture]

        次に例を示します。Solaris9_u7_sparc

        image_path

        イメージファイルが存在する場所へのパス 

        /export/osp_image/:[installPath] (デフォルト)

        image_subnet_addr

        イメージサーバーのサブネットアドレス 

        :[target(/):sys.ipAddress] (デフォルト)

        image_subnet_mask

        イメージサーバーのサブネットマスク 

        255.255.255.0 (デフォルト)

        media_src

        イメージファイルへのパス。 

         

        ISO_files

        media_src 変数に指定したディレクトリにある ISO ファイルのリスト

         

      6. 変数セットを保存します。

      7. 「Plan Parameters」テーブルの「SolarisImage」コンポーネント行にあるドロップダウンメニューから、直前に保存した変数セットを選択します。

  5. 「Plan Details Run」ページで、プロファイルの作成先の Solaris イメージサーバーを選択します。


    ヒント –

    Solaris イメージサーバーのホスト名は末尾が -solaris になります。


  6. 必要に応じてプロファイル名を変更します。

  7. 必要に応じてプロファイルの説明を変更します。

  8. 「Use the Jet Modules Specified Above」のチェックボックスを選択解除します。

  9. 「Run Plan (includes preflight)」をクリックします。

  10. Solaris イメージサーバーに対して Solaris プロファイルが作成されたことを確認するには、N1 SPS ブラウザインタフェースの左側にある「Components」をクリックします。

    /com/sun/n1osp/autogen-server-name-solaris/provision/ フォルダに、provision コンポーネントが作成されます。server-name は、変数セットに指定した Solaris サーバー名です。次に例を示します。 /com/sun/n1osp/autogen-Solaris9_u7_sparc-solaris/provision/

  11. (省略可能) デフォルトのプロファイル値を変更します。

    1. 新しい Provision コンポーネントが含まれる Solaris フォルダにナビゲートします。

      たとえば、 /com/sun/n1osp/autogen-biss1-jet/provision/ などのフォルダです。

    2. Solaris プロビジョニングコンポーネント名をクリックします。

      たとえば Solaris10_0205_sparc.standard などです。

    3. デフォルト値を編集します。

      Solaris プロファイルの変数の詳細については、付録 B 「Solaris Profile コンポーネントの変数」を参照してください。


      注 –

      x86 ターゲットホストに Solaris OS をプロビジョニングする場合は、そのターゲットホスト上の既存のすべてのパーティションを削除するカスタム JumpStart プロファイルを作成する必要があります。profile_base_config 変数には、このプロファイルの場所を指定します。


      1. 「Details」ページの最下部の「Edit」ボタンをクリックします。

      2. 値を変更します。


        注 –

        プロビジョニングプランに既存の JumpStart 環境を使用する場合は、JumpStart ファイルのディレクトリと IP アドレスをポイントするように、osp_profile_jumpstart_ip_address 変数と osp_profile_jumpstart_directory 変数の値を設定します。


      3. 「Details」ページの最下部の「Check-in」ボタンをクリックします。

Procedure非 JET Solaris プロビジョニングプロファイルを作成する (コマンド行インタフェース)

  1. SolarisImage コンポーネントの変数セットを作成するには、次の例のようなコマンドを入力します。


    # cr_cli -cmd cdb.vs.add -comp NM:/com/sun/n1osp/untyped/SolarisImage \
    -name "solaris9" -u admin -p admin -vars "version=9;release=u7;architecture=sparc; \
    image_path=/export/install/Solaris_9;image_subnet_addr=10.42.42.2; \
    image_subnet_mask=255.255.255.0;media_src="
    
  2. JET モジュール情報を指定するには、次のエントリを含む /tmp/solaris-profile ファイルを作成します。

    standard-nojet
    Standard Solaris
    base_config spsra
    false

    各行の意味は次のとおりです。

    • ファイルの最初の行は、ブラウザインタフェースのプラン変数セクションの「Profile Name」フィールドに対応します。

    • ファイルの 2 行目は、ブラウザインタフェースのプラン変数セクションの「Profile Description」フィールドに対応します。

    • ファイルの 3 行目は、ブラウザインタフェースのプラン変数セクションの「JET Module Name」フィールドに対応します。

    • ファイルの 4 行目は、ブラウザインタフェースのプラン変数セクションの「Use the Jet Modules Specified Above」チェックボックスに対応します。

  3. プランを実行するには、次の例のようなコマンドを入力します。


    # cr_cli -cmd pe.p.run -u admin -p admin
    -PID NM:/com/sun/n1osp/untyped/SolarisImage-create-profile
    -tar H:NM:biss1-jet -comp - -vs solaris9 -pto 30 -nto 10
    -f /tmp/solaris-profile
    

    -u オプションで指定したデフォルトの N1 SPS ユーザー値を書き留めます。N1 SPS Remote Agent ソフトウェアがターゲットホストで起動するには、OS インストール後に、このユーザーが存在する必要があります。