Sun N1 Service Provisioning System ユーザーズガイド (OS Provisioning Plug-In 3.0)

第 5 章 Solaris オペレーティングシステムのプロビジョニング

この章では、OS プロビジョニングプラグインを使用して、Solaris オペレーティングシステムをターゲットホストにインストールする方法について説明します。

この章では、次の内容について説明します。

JumpStart Enterprise Toolkit (JET) テクノロジ

OS プロビジョニングプラグインは、JumpStartTM Enterprise Toolkit (JET) テクノロジを通じて提供される機能を使用して、Solaris オペレーティングシステム (OS) をプロビジョニングします。JET は、Sun が開発した JumpStart テクノロジを拡張したもので、ネットワーク経由での Solaris OS のインストールを自動化します。JET を介した OS プロビジョニングプラグインはこの機能をさらに拡張しつつ、複雑さを解消しています。

JET モジュール

JET テクノロジは JumpStart サーバーに製品固有のモジュールを提供し、そのモジュールは Solaris OS およびそのほかの製品を構造化された状態でインストールします。この構造により、JumpStart 終了スクリプトの「アドホック」スクリプティングを通じて実装可能な機能が拡張されます。

OS プロビジョニングプラグインは、次の 3 つの JET モジュールを提供しています。

ゾーンのサポート

OS プロビジョニングプラグインに用意されている JET 機能は Solaris ゾーンを認識し、非大域ゾーンに影響することなく、大域ゾーンにインストールできます。現在、非大域ゾーンは NFS 共有エクスポートをサポートしていないため、非大域ゾーンでは、JET はサポートされません。

JET を介した Solaris のインストールプロセス

JumpStart Enterprise Toolkit の構築シーケンスは次のようになります。

  1. 標準 Solaris インストールフェーズ

  2. 標準 JumpStart 終了スクリプトの呼び出し

  3. 個別のモジュール「インストール」スクリプトの呼び出し

  4. ターゲットサーバーの再起動

  5. (省略可能) プラットフォーム関連のインストール作業 (各レベルのあとに再起動)

  6. (省略可能) アプリケーション関連のインストール作業 (各レベルのあとに再起動)

  7. (省略可能) 最終インストール作業 (再起動なし)

  8. コンソールにログインプロンプトが表示される

最初に再起動したあとの省略可能な手順は、ターゲットサーバーテンプレート内で構成される個別のモジュールに依存します。最初に再起動したあとツールキットが追加の作業を実行することをモジュールが要求するように、モジュールを記述することができます。この要求では、モジュールは作業がプラットフォーム関連領域とアプリケーション関連領域のどちらで行われるか、または追加の再起動が予定されていない場合最後に作業を行う必要があるかどうかを特定できます。

Solaris プロビジョニングプロセスの概要

Solaris オペレーティングシステムをプロビジョニングするには、次のような高度な作業を実行する必要があります。

  1. JET サーバーを設定します。

  2. Solaris イメージを作成するか、JET サーバーに既存のイメージを添付します。

  3. プロビジョニングプロファイルを作成します。

  4. ターゲットホストを作成します。

  5. ターゲットホストにイメージをインストールします。

Solaris JET サーバーの設定

Solaris ブートおよびインストールサーバーは JET サーバーです。

ProcedureJET Solaris イメージサーバーを作成する

N1 SPS のブラウザインタフェースまたはコマンド行インターフェースから JET イメージサーバーを作成できます。コマンド行からサーバーを作成するには、次の例のようなコマンドを入力します。


# cr_cli -cmd pe.p.run -u admin -p admin -PID NM:/com/sun/n1osp/untyped/Jet-create \
-tar H:NM:biss1 -comp - -vs solaris8 + -pto 30 -nto 10

solaris8 引数の部分は、適切なリリース値に置き換えてください。

ブラウザインタフェースからサーバーを作成するには、次の手順に従います。

  1. Solaris ブートおよびインストールサーバーにするシステムにログインします。

  2. 現在 JumpStart Enterprise Toolkit を使用している場合は、これらのファイルを削除します。

    次のコマンドを使用します。# pkgrm SUNWjet

  3. N1 SPS ブラウザインタフェースの「Common Tasks」セクションで、「OS Provisioning」を選択します。

  4. 「OS Provisioning Common Tasks」ページの「JET Solaris Image Servers」セクションで「Create」をクリックします。

  5. 「Plans Details」ページの「Run」をクリックします。

  6. このプランに使用する変数を選択します。

    • 既存の変数セットを使用するには、「Plan Parameters」テーブルの「JET」コンポーネント行にあるドロップダウンメニューから名前を選択します。

    • 新しい変数セットを作成するには、「Plan Parameters」テーブルの「JET」コンポーネント行で「Select from List」をクリックします。

      1. 「Create Set」をクリックします。

      2. 変数セットの名前を入力します。

      3. 変数を確認し、必要に応じて変数を変更します。

        イメージサーバーコンポーネントの変数はごく少数で、それらのほとんどは変更しません。これらの変数とそのデフォルト値のリストは、「Solaris イメージサーバーのコンポーネント変数」を参照してください。

      4. 変数セットを保存します。

      5. 「Plan Parameters」テーブルの「JET」コンポーネント行にあるドロップダウンメニューから、直前に保存した変数セットを選択します。

    • 別のコンポーネントの変数設定を使用する場合は、「Import Set From Component」をクリックします。

      「Import Variable Settings」ウィンドウが表示されます。

      1. 必要に応じて、変数設定のインポート元となるコンポーネントが入ったフォルダへ移動します。

      2. コンポーネントのバージョンを選択します。


        注 –

        コンポーネントのバージョンが異なると、変数設定も異なる可能性があります。現在のコンポーネントと、変数設定のインポート元のコンポーネントの間で共通に使用されている変数が存在することを確認します。現在のコンポーネントと、変数設定のインポート元のコンポーネントの間で共通に使用されている変数が存在しない場合、変数設定はインポートされません。


      3. 「Import Variable Settings」をクリックします。

        変数設定がインポートされ、表形式で表示されます。

      4. 「Plan Details Run」ページの「Variable Settings」ドロップダウンリストから、インポートした変数設定を選択し、「Select」をクリックします。

    • ファイルに保存されているコンポーネント変数設定を使用する場合は、次の手順に従います。

      1. 「Import Sets from File」テキストフィールドに、使用する変数設定ファイルへのパスを入力します。

        ファイルシステムをブラウズして適切なファイルを探すには、「ブラウズ」ボタンをクリックします。

      2. 「Import」をクリックします。

        変数設定がインポートされ、表形式で表示されます。


        注 –

        変数設定のインポート元のファイルと、プランで使用するコンポーネントの間で共通に使用している変数が存在しない場合、変数設定はインポートされません。


      3. 「Plan Details Run」ページの「Variable Settings」ドロップダウンリストから、インポートした変数設定を選択し、「Select」をクリックします。

  7. JET イメージサーバーを作成するホストを選択します。

  8. 「Run Plan (includes preflight)」をクリックします。

  9. JET イメージサーバーが正常に作成されたことを確認するには、プロビジョニングサーバーのウィンドウの左側にある「Hosts」リンクをクリックします。

    -jet が付加された仮想ホストの名前が表示されます。たとえば、ホスト masterserver にインストールした場合、仮想ホストは masterserver-jet となります。

注意事項

OS プロビジョニングサーバーがブートおよびインストールサーバーと同じ物理ホスト上に存在する場合は、ターゲットホストへのプロビジョニングの前にそのシステム上でインタフェースを構成する必要があります。OS プロビジョニングサーバーは、ブートおよびインストールサーバーのインタフェースを自動的には構成しません。

Solaris イメージサーバーのコンポーネント変数

イメージサーバーコンポーネントには次の変数が適用されます。

表 5–1 Solaris イメージサーバーのコンポーネント変数

変数名 

説明 

デフォルト値 

installPath

JET パッケージをインストールする位置。 

/opt/SUNWjet

sps_cli

N1 SPS コマンド行インタフェースの位置。 

/opt/SUNWn1sps/N1_Service_Provisioning_System_5.2/cli/bin/cr_cli

jetHost

仮想ホスト名に使用する名前。デフォルトでは、仮想 JET ホスト名は、-jet が追加されたターゲットホストのホスト名に設定されています。

:[target]-jet

jetFolder

JET 固有の情報を格納するフォルダ。デフォルトでは、JET フォルダは /com/sun/n1osp/autogen- :[jetHost] にあります。:[jetHost] は、上記手順で定義した仮想 JET ホスト名です。

/com/sun/n1osp/autogen-:[jetHost]

templatePrefix

OS プロビジョニング JET テンプレートの特定に使用する値。 

OSP_TEMPLATE_

JET Solaris イメージサーバーへの Solaris パッチのインポート

Solaris パッチを入手していて、NFS を介して JET Solaris イメージサーバーがそれらのパッチにアクセスできる場合は、JET Solaris イメージサーバーにそれらのパッチをインポートできます。そして、それらのパッチをプロビジョニングプランに追加できます。

ProcedureJET Solaris イメージサーバーに Solaris パッチをインポートする

  1. N1 SPS ブラウザインタフェースの「Common Tasks」セクションで、「OS Provisioning」を選択します。

  2. 「OS Provisioning Common Tasks」ページの「JET Solaris Image Servers」セクションで「Manage」をクリックします。

  3. 「Component Details」ページの「Component Procedures 」テーブルで、「import_product_patches」のチェックボックスを選択します。

  4. 「Actions」列の 「import_product_patches」行で、「Run」をクリックします。

  5. 「Plan Details Run」ページの「Current Installations」リストから、パッチのインポート先のブートおよびインストールサーバーを選択します。

  6. 「Run Selected Installations」をクリックします。

  7. 「Plan Details Run」ページで、このプランに使用する変数を指定します。

    1. 「JET Module Name」フィールドで spsra モジュールを指定します。

    2. 製品のバージョンを指定します。

      たとえば、5.2 というように指定します。

  8. パッチのアーキテクチャーを指定します。

  9. 「Media Path」フィールドでパッチへのパスを指定します。

  10. 「Run (includes preflight)」をクリックします。

Solaris イメージおよびプロファイルの作成

基本的な JumpStart の機能を提供するには、適切な Solaris OS メディアのイメージを JET サーバーにインストールする必要があります。続いてそのイメージを、イメージがどのようにインストールされるかを説明するプロファイルに添付する必要があります。

ProcedureSolaris イメージをインポートする

基本的な JumpStart の機能を提供するには、適切な Solaris OS メディアのイメージを JET サーバーにインストールする必要があります。JET サーバーにインポートされる Solaris のバージョン (複数可) は、ターゲットサーバーにより必要とされるバージョンによって決まります。同時に、同じ JET サーバーに、複数のバージョンの Solaris メディアをインストールできます。


注 –

メディアを JET サーバー上のディスクにコピーすることをお勧めしますが、必須ではありません。物理メディアを適切に共有して、その物理メディアからターゲットサーバーをブートすることができます。ただし、物理メディアを使用することによりターゲットサーバーのビルドのパフォーマンスが厳しく制限され、複数のバージョンの Solaris をサポートする能力が最低限に制限されます。


ISO イメージだけでなく、setup_install_server コマンドによって作成されたイメージをインポートできます。プランの変数設定をエディタで開いて、インポートするイメージを指定します。

始める前に

Solaris 9 OS の配備を完全自動化する場合は、追加の構成ファイルを作成して、Solaris 9 インストールイメージに添える必要があります。詳細は、「x86 ベースシステムへの Solaris 9 インストールの自動化」を参照してください。

  1. ローカルドライブから、またはネットワーク上の共有ドライブを使用することで、JET サーバーで Solaris DVD をマウントします。

  2. N1 SPS ブラウザインタフェースの「Common Tasks」セクションで、「OS Provisioning」を選択します。

  3. 「OS Provisioning Common Tasks」ページの「Solaris Images」セクションで「Import」をクリックします。

  4. 「Plans Details」ページの「Run」をクリックします。

  5. このプランに使用する変数を選択します。

    • 既存の変数セットを使用するには、「Plan Parameters」テーブルの「SolarisImage」コンポーネント行にあるドロップダウンメニューから名前を選択します。

    • 新しい変数セットを作成するには、「Plan Parameters」テーブルの「SolarisImaget」コンポーネント行で「Select from List」をクリックします。

      1. 「Create Set」をクリックします。

      2. 変数セットの名前を入力します。

      3. version 変数に Solaris のメインバージョン番号を入力します。

      4. release 変数に Solaris のマイナーバージョン番号を入力します。

      5. 残りの変数を確認し、必要に応じてそれらを変更します。

        次の表で、追加の変数とそのデフォルト値を説明します。

        変数名 

        説明 

        デフォルト値 

        architecture

        SPARC や x86 など、物理システムのアーキテクチャー 

        sparc

        installPath

        インポートされる Solaris イメージの一意の名前。 

        Solaris:[version]_:[release]_:[architecture]

        次に例を示します。Solaris9_u7_sparc

        image_path

        インポートされるイメージが格納される場所へのパス。 

        /export/osp_image/:[installPath]

        image_subnet_addr

        イメージサーバーのサブネットアドレス。 

        :[target(/):sys.ipAddress]

        image_subnet_mask

        イメージサーバーのサブネットマスク 

        255.255.255.0

        media_src

        イメージファイルへのパス。デフォルトでは、ソフトウェアはファイルが DVD ディスク上に存在すると想定しています。 

        /cdrom/cdrom0/s0

        ISO_files

        media_src ディレクトリにある ISO ファイル名のスペース文字区切りのリスト。ファイルは展開 (unzip) されている必要があります。リストの最初の ISO として起動可能な CD を指定します。


        注 –

        Solaris OS のクロスプラットフォーム CD ISO イメージをインポートすることはできません。たとえば、SPARC 版 Solaris OS が動作するブートおよびインストールサーバーに Solaris x86 CD ISO ファイルをインポートすることはできません。Solaris SPARC CD ISO ファイルを Solaris x86 ブートおよびインストールサーバーにインポートすることはできません。


        sol-10-GA-sparc-v1-iso sol-10-GA-sparc-v2-iso sol-10-GA-sparc-v3-iso sol-10-GA-sparc-v4-iso

      6. 変数セットを保存します。

      7. 「Plan Parameters」テーブルの「SolarisImage」コンポーネント行にあるドロップダウンメニューから、直前に保存した変数セットを選択します。

  6. 「Plan Details Run」ページで、イメージのインポート先の JET イメージサーバーを選択します。


    ヒント –

    JET イメージサーバーのホスト名の末尾は -jet です。


  7. 「Run Plan (includes preflight)」をクリックします。

JET による Solaris プロビジョニングプロファイルの作成

JumpStart Enterprise Toolkit (JET) は、Solaris OS のプロビジョニングに必要なプロファイルの作成作業を簡単にする一群のユーティリティーです。N1 SPS ブラウザインタフェースを使用し、ターゲットホストへの JET による自動インストールを行うのに必要なプロファイルキーワードおよびプロファイル値を生成できます。

JET は使用せずに、手動でプロファイル値を作成する場合は、JET モジュールを使用しない Solaris プロビジョニングプロファイルを作成できます。「非 JET Solaris プロビジョニングプロファイルの作成」を参照してください。

ProcedureJET を使用して Solaris プロビジョニングプロファイルを作成する (ブラウザインタフェース)

始める前に
  1. N1 SPS ブラウザインタフェースの「Common Tasks」セクションで、「OS Provisioning」を選択します。

  2. 「OS Provisioning Common Tasks」ページの「Solaris Images」セクションで「Create Profile」をクリックします。

  3. 「Plans Details」ページの「Run」をクリックします。

  4. このプランに使用する変数を選択します。

    • 既存の変数セットを使用するには、「Plan Parameters」テーブルの「SolarisImage」コンポーネント行にあるドロップダウンメニューから名前を選択します。

    • 新しい変数セットを作成するには、「Plan Parameters」テーブルの「SolarisImaget」コンポーネント行で「Select from List」をクリックします。

      1. 「Create Set」をクリックします。

      2. 変数セットの名前を入力します。

      3. version 変数に Solaris のメインバージョン番号を入力します。

      4. release 変数に Solaris のマイナーバージョン番号を入力します。

      5. 残りの変数を確認し、必要に応じてそれらを変更します。

        次の表で、追加の変数とそのデフォルト値を説明します。

        変数名 

        説明 

        デフォルト値/例 

        architecture

        SPARC や x86 など、物理システムのアーキテクチャー 

        sparc (デフォルト)

        installPath

        添付する Solaris イメージ名 

        Solaris:[version]_:[release]_: [architecture]

        次に例を示します。Solaris9_u7_sparc

        image_path

        イメージファイルが存在する場所へのパス 

        /export/osp_image/:[installPath] (デフォルト)

        image_subnet_addr

        イメージサーバーのサブネットアドレス 

        :[target(/):sys.ipAddress] (デフォルト)

        image_subnet_mask

        イメージサーバーのサブネットマスク 

        255.255.255.0 (デフォルト)

        media_src

        イメージファイルへのパス。 

        /cdrom/cdrom0/s0 (例)

        ISO_files

        media_src 変数に指定したディレクトリにある ISO ファイルのリスト

        sol-10-GA-sparc-v1-iso sol-10-GA-sparc-v2-iso sol-10-GA-sparc-v3-iso sol-10-GA-sparc-v4-iso (例)

      6. 変数セットを保存します。

      7. 「Plan Parameters」テーブルの「SolarisImage」コンポーネント行にあるドロップダウンメニューから、直前に保存した変数セットを選択します。

  5. 「Plan Details Run」ページで、プロファイルの作成先の JET イメージサーバーを選択します。


    ヒント –

    JET イメージサーバーのホスト名の末尾は -jet です。


  6. 必要に応じてプロファイル名を変更します。

  7. 必要に応じてプロファイルの説明を変更します。

  8. 使用する JET モジュールのリストを更新します。

    JET 製品のモジュールは、JET サーバーのディレクトリ /opt/SUNWjet/Products にあります。

    デフォルトでは、プラン変数 JET Modules Name(s) に、Solaris プロファイルコンポーネントに含める 2 つの JET モジュールがあります。

    base_config は、基本 Solaris インストールを行うための必須 JET モジュールです。そのほかの /opt/SUNWjet/Products モジュールはすべて省略可能です。モジュール名をこのリストに追加することにより、モジュールのインストール関数と構成変数が、新しく作成された Solaris プロビジョニングプロファイルに追加されます。

    省略可能な /opt/SUNWjet/Products モジュールの 1 つに、custom モジュールがあります。custom モジュールは、Solaris のパッケージ、パッチ、およびファイルの任意のリストをインストールし、またスクリプトの任意のコレクションを実行できます。詳細については、custom モジュールの使用法」を参照してください。また、そのほかの JET モジュールを作成することもできます。JET モジュールの作成の詳細については、付録 F 「追加 JET モジュールの作成」を参照してください。

  9. 「Run Plan (includes preflight)」をクリックします。

  10. (省略可能) デフォルトのプロファイル値を変更します。

    1. 新しい Provision コンポーネントが含まれる Solaris フォルダに移動します。

      たとえば、 /com/sun/n1osp/autogen-biss1-jet/provision/ などのフォルダです。

    2. Solaris プロビジョニングコンポーネント名をクリックします。

      たとえば Solaris10_0205_sparc.standard などです。

    3. デフォルト値を編集します。

      Solaris プロファイルの変数の詳細については、付録 B 「Solaris Profile コンポーネントの変数」を参照してください。


      注 –

      x86 ターゲットホストに Solaris OS をプロビジョニングする場合は、そのターゲットホスト上の既存のすべてのパーティションを削除するカスタム JumpStart プロファイルを作成する必要があります。profile_base_config 変数に、そのプロファイルの場所を指定します。


      1. 「Details」ページの最下部の「Edit」ボタンをクリックします。

      2. 値を変更します。

      3. 「Details」ページの最下部の「Check-in」ボタンをクリックします。

ProcedureJET を使用して Solaris プロビジョニングプロファイルを作成する (コマンド行インタフェース)

  1. SolarisImage コンポーネントの変数セットを作成するには、次の例のようなコマンドを入力します。


    # cr_cli -cmd cdb.vs.add -comp NM:/com/sun/n1osp/untyped/SolarisImage \
    -name "solaris10sparc" -u admin -p admin -vars "version=10;release=ga;architecture=sparc; \
    image_path=/export/install/s10ga-sparc;image_subnet_addr=10.42.42.2; \
    image_subnet_mask=255.255.255.0;media_src="
    
  2. プランを実行するには、次の例のようなコマンドを入力します。


    # cr_cli -cmd pe.p.run -u admin -p admin
    -PID NM:/com/sun/n1osp/untyped/SolarisImage-create-profile
    -tar H:NM:biss1-jet -comp - -vs solaris10sparc -pto 30 -nto 10
    -f /tmp/solaris-profile
    

    -u オプションで指定したデフォルトの N1 SPS ユーザー値を書き留めます。N1 SPS Remote Agent ソフトウェアがターゲットホストで起動するには、OS インストール後に、このユーザーが存在する必要があります。

非 JET Solaris プロビジョニングプロファイルの作成

Solaris プロビジョニングプロファイルを手動で作成する場合は、JET モジュールを使用せずに、Solaris プロビジョニングプロファイルを作成できます。この節では、非 JET Solaris プロファイルを作成する方法を説明します。

JET を使用してプロファイルを生成する場合は、「JET による Solaris プロビジョニングプロファイルの作成」を参照してください。

Procedure非 JET Solaris プロビジョニングプロファイルを作成する (ブラウザインタフェース)

環境によっては、JET を使用して Solaris プロビジョニングプロファイルを生成するのではなく、手動でプロファイルを作成する方が望ましいことがあります。たとえば、N1 SPS 環境にインポートするカスタム JumpStart 環境が存在する場合、その既存の環境の JumpStart ファイルを取り込むには、OS プロビジョニングプロファイルを手動で作成する必要があります。

始める前に

Solaris イメージサーバーが存在し、そのサーバーで Solaris オペレーティングシステムソフトウェアが使用できることを確認します。Solaris イメージサーバーの作成の詳細については、「Solaris JET サーバーの設定」を参照してください。

  1. プロビジョニングソフトウェアのページの「Common Tasks」セクションで、「OS Provisioning」を選択します。

  2. 「OS Provisioning Common Tasks」ページの「Solaris Images」セクションで「Create Profile」をクリックします。

  3. 「Plans Details」ページの「Run」をクリックします。

  4. このプランに使用する変数を選択します。

    • 既存の変数セットを使用するには、「Plan Parameters」テーブルの「SolarisImage」コンポーネント行にあるドロップダウンメニューから名前を選択します。

    • 新しい変数セットを作成するには、「Plan Parameters」テーブルの「SolarisImaget」コンポーネント行で「Select from List」をクリックします。

      1. 「Create Set」をクリックします。

      2. 変数セットの名前を入力します。

      3. version 変数に Solaris のメインバージョン番号を入力します。

      4. release 変数に Solaris のマイナーバージョン番号を入力します。

      5. 変数を確認し、必要に応じて変数を変更します。

        次の表で、追加の変数とそのデフォルト値を説明します。

        変数名 

        説明 

        デフォルト値/例 

        architecture

        SPARC や x86 など、物理システムのアーキテクチャー 

        sparc (デフォルト)

        installPath

        添付する Solaris イメージ名 

        Solaris:[version]_:[release]_: [architecture]

        次に例を示します。Solaris9_u7_sparc

        image_path

        イメージファイルが存在する場所へのパス 

        /export/osp_image/:[installPath] (デフォルト)

        image_subnet_addr

        イメージサーバーのサブネットアドレス 

        :[target(/):sys.ipAddress] (デフォルト)

        image_subnet_mask

        イメージサーバーのサブネットマスク 

        255.255.255.0 (デフォルト)

        media_src

        イメージファイルへのパス。 

         

        ISO_files

        media_src 変数に指定したディレクトリにある ISO ファイルのリスト

         

      6. 変数セットを保存します。

      7. 「Plan Parameters」テーブルの「SolarisImage」コンポーネント行にあるドロップダウンメニューから、直前に保存した変数セットを選択します。

  5. 「Plan Details Run」ページで、プロファイルの作成先の Solaris イメージサーバーを選択します。


    ヒント –

    Solaris イメージサーバーのホスト名は末尾が -solaris になります。


  6. 必要に応じてプロファイル名を変更します。

  7. 必要に応じてプロファイルの説明を変更します。

  8. 「Use the Jet Modules Specified Above」のチェックボックスを選択解除します。

  9. 「Run Plan (includes preflight)」をクリックします。

  10. Solaris イメージサーバーに対して Solaris プロファイルが作成されたことを確認するには、N1 SPS ブラウザインタフェースの左側にある「Components」をクリックします。

    /com/sun/n1osp/autogen-server-name-solaris/provision/ フォルダに、provision コンポーネントが作成されます。server-name は、変数セットに指定した Solaris サーバー名です。次に例を示します。 /com/sun/n1osp/autogen-Solaris9_u7_sparc-solaris/provision/

  11. (省略可能) デフォルトのプロファイル値を変更します。

    1. 新しい Provision コンポーネントが含まれる Solaris フォルダにナビゲートします。

      たとえば、 /com/sun/n1osp/autogen-biss1-jet/provision/ などのフォルダです。

    2. Solaris プロビジョニングコンポーネント名をクリックします。

      たとえば Solaris10_0205_sparc.standard などです。

    3. デフォルト値を編集します。

      Solaris プロファイルの変数の詳細については、付録 B 「Solaris Profile コンポーネントの変数」を参照してください。


      注 –

      x86 ターゲットホストに Solaris OS をプロビジョニングする場合は、そのターゲットホスト上の既存のすべてのパーティションを削除するカスタム JumpStart プロファイルを作成する必要があります。profile_base_config 変数には、このプロファイルの場所を指定します。


      1. 「Details」ページの最下部の「Edit」ボタンをクリックします。

      2. 値を変更します。


        注 –

        プロビジョニングプランに既存の JumpStart 環境を使用する場合は、JumpStart ファイルのディレクトリと IP アドレスをポイントするように、osp_profile_jumpstart_ip_address 変数と osp_profile_jumpstart_directory 変数の値を設定します。


      3. 「Details」ページの最下部の「Check-in」ボタンをクリックします。

Procedure非 JET Solaris プロビジョニングプロファイルを作成する (コマンド行インタフェース)

  1. SolarisImage コンポーネントの変数セットを作成するには、次の例のようなコマンドを入力します。


    # cr_cli -cmd cdb.vs.add -comp NM:/com/sun/n1osp/untyped/SolarisImage \
    -name "solaris9" -u admin -p admin -vars "version=9;release=u7;architecture=sparc; \
    image_path=/export/install/Solaris_9;image_subnet_addr=10.42.42.2; \
    image_subnet_mask=255.255.255.0;media_src="
    
  2. JET モジュール情報を指定するには、次のエントリを含む /tmp/solaris-profile ファイルを作成します。

    standard-nojet
    Standard Solaris
    base_config spsra
    false

    各行の意味は次のとおりです。

    • ファイルの最初の行は、ブラウザインタフェースのプラン変数セクションの「Profile Name」フィールドに対応します。

    • ファイルの 2 行目は、ブラウザインタフェースのプラン変数セクションの「Profile Description」フィールドに対応します。

    • ファイルの 3 行目は、ブラウザインタフェースのプラン変数セクションの「JET Module Name」フィールドに対応します。

    • ファイルの 4 行目は、ブラウザインタフェースのプラン変数セクションの「Use the Jet Modules Specified Above」チェックボックスに対応します。

  3. プランを実行するには、次の例のようなコマンドを入力します。


    # cr_cli -cmd pe.p.run -u admin -p admin
    -PID NM:/com/sun/n1osp/untyped/SolarisImage-create-profile
    -tar H:NM:biss1-jet -comp - -vs solaris9 -pto 30 -nto 10
    -f /tmp/solaris-profile
    

    -u オプションで指定したデフォルトの N1 SPS ユーザー値を書き留めます。N1 SPS Remote Agent ソフトウェアがターゲットホストで起動するには、OS インストール後に、このユーザーが存在する必要があります。

ターゲットホストへの Solaris OS のインストール

実際のプロビジョニングコンポーネントには、ユーザーが変更する場合がある変数の長いリストが含まれています。使用可能なすべての変数の完全なリストは、 付録 B 「Solaris Profile コンポーネントの変数」にあります。

Procedureターゲットホストに OS をインストールする (ブラウザインタフェース)

次の作業には、ターゲットホストに OS をインストールする際にユーザーが変更する可能性がある変数のサブセットが含まれています。

  1. N1 SPS ブラウザインタフェースの「Common Tasks」セクションで、「OS Provisioning」を選択します。

  2. 「OS Provisioning Common Tasks」ページの「Solaris Images」セクションで「Provision OS」をクリックします。

  3. provision コンポーネントが含まれる Solaris フォルダに移動します。

    たとえば、/com/sun/n1osp/autogen-biss1-jet/provision/ などのフォルダです。

  4. Solaris プロビジョニングコンポーネント名を選択します。

    たとえば、 Solaris_9.standard などです。

  5. 「Component Details」ページで Provision_start:Install プロシージャの横にある「Run action」をクリックします。

  6. このプランに使用する変数を選択します。

    • 既存の変数セットを使用するには、「Plan Parameters」テーブルのコンポーネント名の行にあるドロップダウンメニューから名前を選択します。

    • 既存の変数セットの値を変更するには、「Plan Parameters」テーブルのコンポーネント名の行で「Select from List」をクリックします。

      1. 変更する変数セットの列の「Edit」ボタンをクリックします。

      2. 変数を確認し、必要に応じて変数を変更します。

        変数とその説明、およびデフォルト値のリストは付録 B 「Solaris Profile コンポーネントの変数」にあります。

      3. すべての値が正しければ「Save」ボタンをクリックします。

      4. 「Plan Parameters」テーブルのコンポーネント名の行にあるドロップダウンメニューから、直前に保存した変数セットを選択します。

    • 新しい変数セットを作成するには、「Plan Parameters」テーブルのコンポーネント名の行で「Select from List」をクリックします。

      1. 「Create Set」をクリックします。

      2. 変数セットの名前を入力します。

      3. 変数の値を確認または変更します。

        多くの変数を変更しなければならない場合もありますが、通常は少数の変数を変更します。「Component Variables」リストの変数名とプロンプトを使用すると、変数の適切な入力形式を指定できます。変数とその説明、およびデフォルト値のリストは付録 B 「Solaris Profile コンポーネントの変数」にあります。

      4. すべての値が正しければ「Save」ボタンをクリックします。

      5. 「Plan Parameters」テーブルのコンポーネント名の行にあるドロップダウンメニューから、直前に保存した変数セットを選択します。

  7. OS のプロビジョニング先であるターゲットホストを選択します。


    ヒント –

    ターゲットホストのホスト名の末尾は -target です。


  8. 「Run Plan (includes preflight)」をクリックします。

    プランが完了し、Solaris イメージがターゲットホストにインストールされた時点で、ターゲットホストにログインする必要があります。root ユーザーのパスワードは newroot です。

注意事項

x86 版の Solaris 10 1/06 OS をプロビジョニングする場合は、ブートおよびインストールサーバー上に /tftpboot/I86PC.Solaris_10–1 フォルダが存在することを確認します。このフォルダが存在しない場合は、フォルダを作成して、ターゲットホストへのプロビジョニングをやり直します。

Procedureターゲットホストに Solaris OS をインストールする (コマンド行インタフェース)

    次の例のようなコマンドを入力します。ただしコンポーネントの名前とターゲットは、使用するコンポーネント名とターゲットに置き換えます。


    # cr_cli -cmd pe.p.run -u admin -p admin -PID \
    NM:/com/sun/n1osp/autogen-biss1-jet/provision/SolarisProfile-provision-start-Solaris_9.standard \
    -tar H:NM:testv240-target -comp + -vs + -pto 60 -nto 60
    

ProcedureSolaris OS のプロビジョニング状態を確認する

  1. N1 SPS ブラウザインタフェースの「Common Tasks」セクションで、「OS Provisioning」を選択します。

  2. 「OS Provisioning Common Tasks」ページの「OS Provisioning Administration Tasks」セクションで「Status」をクリックします。

  3. 「Plans Details」ページの「Run」をクリックします。

  4. 「Plan Details Run」ページで、OS のプロビジョニング先であるターゲットホストを選択します。

  5. 「Run Plan (includes preflight)」をクリックします。

  6. 「Details」リンクをたどり、状態を表示します。

ProcedureSolaris OS のプロビジョニング処理を停止する

  1. N1 SPS ブラウザインタフェースの「Common Tasks」セクションで、「OS Provisioning」を選択します。

  2. 「OS Provisioning Common Tasks」ページの「OS Provisioning Administration Tasks」セクションで「Abort」をクリックします。

  3. 「Plans Details」ページの「Run」をクリックします。

  4. 「Plan Details Run」ページで、OS のプロビジョニング先であるターゲットホストを選択します。

  5. 「Run Plan (includes preflight)」をクリックします。

Solaris イメージとプロファイルの削除

不要になった OS イメージやプロファイルは、N1 SPS 環境から定期的に削除することを推奨します。

ProcedureSolaris OS イメージを削除する

  1. プロビジョニングソフトウェアのページの「Common Tasks」セクションで、「OS Provisioning」を選択します。

  2. 「OS Provisioning Common Tasks」ページの「Solaris Images」セクションで「Manage」をクリックします。

  3. 「Components Details」ページで「Uninstall: Delete」のチェックボックスを選択します。

  4. 「Run」をクリックします。

    N1 SPS 環境から Soalris OS イメージが削除されます。「View link for Solaris Images」セクションのイメージリストに、削除したイメージが表示されなくなっています。


    注 –

    ブートおよびインストールサーバーから、Solaris OS イメージが削除されるわけではありません。


ProcedureSolaris OS プロファイルを削除する

  1. プロビジョニングソフトウェアのページの「Common Tasks」セクションで、「OS Provisioning」を選択します。

  2. 「OS Provisioning Common Tasks」ページの「Solaris Images」セクションで「Provision OS」をクリックします。

  3. 「Components」ページで、削除するプロファイルのチェックボックスを選択します。

  4. 「Delete」をクリックします。

JET Solaris サーバーの管理作業

ProcedureN1 SPS RA インストーラをインポートする

クロスプラットフォームインストール (SPARC システムからの x86 プラットフォームへのインストールなど) を有効にするには、アーキテクチャー固有のインストーラを JET Solaris Image サーバーにインポートする必要があります。

  1. プロビジョニングソフトウェアのページの「Common Tasks」セクションで、「OS Provisioning」を選択します。

  2. 「OS Provisioning Common Tasks」ページの「JET Solaris Image Servers」セクションで「Manage」をクリックします。

  3. 「Component Details」ページで import_product_media プロシージャーの横にある「Run action」をクリックします。

  4. インストーラをインポートする JET Solaris Image サーバーホストを選択し、「Run Selected Installations」をクリックします。

  5. 「Plans Run」ページで、プラン変数を次のように設定します。

    変数 

    説明 

    サンプル値 

    JET Module Name 

    JET モジュールの名前 

    spsra

    Product Version 

    N1 SPS インストーラのバージョン 

    5.2

    Architecture 

    RA インストーラに適用されるアーキテクチャー 

    sparc

    Media Path 

    RA インストーラが含まれるディレクトリへのパス 

    /net/myothersys/export/ra

  6. 「Run Plan (includes preflight)」をクリックします。


    注 –

    インポートされた RA インストーラからインストールするには、RA をインストールする際に使用される Solaris プロファイルで、「Install RA from snapshot (y,n)」の値が n に設定されている必要があります。「Solaris リモートエージェントのコンポーネント変数」を参照してください。


Procedureブート params に JET サーバーを使用する

デフォルトでは、OS プロビジョニングサーバーにはブート構成用の DHCP ターゲットホスト情報が付属しています。Solaris ターゲットホストを手動で再起動する場合には、代わりに JET サーバーを RARP ブート params サーバーとして使用できます。

  1. Generic Target ホストを作成する際に、osp_control_service 変数を FALSE に設定します。

    Generic Target ホストの作成方法の詳細については、「汎用ターゲットホストの定義」を参照してください。この変数を FALSE に設定することにより、ターゲットホストは、OS プロビジョニングのサービスを受けるターゲットホストアドレスから、JET のサービスを受けるターゲットホストアドレスに変更されます。

  2. RARP ブート params サービス用に JET サーバーを構成するには、/opt/SUNWjet/etc/jumpstart.conf ファイルの JS_CLIENT_MANAGEMENT の値を変更します。

    たとえば、SPARC システムでは次のように変更します。

    JS_CLIENT_MANAGEMENT="bootp"

    注 –

    ターゲットホストをブートする際、ネットワーク経由でターゲットホストをブートおよびインストールするコンソールブートコマンドの例は boot net - install です。


custom モジュールの使用法

Solaris Profile の作成時に、Solaris プロファイルコンポーネントに custom モジュールを含めることができます。Solaris プロファイルコンポーネントを作成する場合、プラン変数には JET Module Name(s) が含まれます。

デフォルトでは、Solaris プロファイルコンポーネントには次の 2 つの JET モジュールが含まれています。

3 番目に使用可能なモジュールは custom で、Solaris のパッケージ、パッチ、およびファイルの任意のリストをインストールし、またスクリプトの任意のコレクションを実行できます。Solaris プロファイルコンポーネントに custom モジュールを含めるには、Solaris プロファイルを作成する前に、custom JET Module Name(s) プラン変数に追加します。

custom モジュール内の項目がターゲットサーバーにインストールされる際、インストールの順序は常に、パッケージ、パッチ、ファイル、スクリプトの順になります。この順序が適切ではない場合、独自の JET モジュールを作成することもできます。JET モジュールの作成の詳細については、付録 F 「追加 JET モジュールの作成」を参照してください。

custom モジュールは、ビルドのさまざまな段階でのパッケージやパッチのインストールに使用できます。「JET を介した Solaris のインストールプロセス」を参照してください。

ターゲットサーバーテンプレートの編集では、ブートシーケンスのどの時点でパッケージをインストールする必要があるかに応じて、構成変数 custom_packages_[1-n] に追加パッケージの名前のリストを指定することができます。同様に、変数 custom_patches_[1-n] でパッチを特定することもできます。

パッケージとパッチは指定された順序でインストールされるため、それらの間の依存関係を満たすようそれらを適切に順序付ける必要があります。数多くのパッケージやパッチがある場合や、複数の異なるターゲットサーバーで共通のセットが頻繁に使用される場合は、独自のモジュールの作成を検討してください。パッケージのインストールにパッチを組み込む必要がある場合も、このアプローチを検討しなければならない場合があります。

製品インストールにインストールされるパッケージが含まれる場合、package.matrix ファイルが含まれます。このファイルには、インストールする必要があるパッケージのリストとともに、サポートされるオペレーティングシステムと製品のバージョン番号のリストが含まれています。また、同様に必要なパッチを定義する patch.matrix ファイルも存在します。

カスタムパッチとパッケージメディアの生成

custom モジュールを使用すると、ターゲットサーバーごとにカスタムパッケージとパッチセットを定義できます。このモジュールは、ツールキットが検索する適切な場所にパッケージとパッチメディアを配置できるようにする、2 つのスクリプトも提供します。

パッチとパッケージメディアをコピーする際、ツールキット構成ファイル (/opt/SUNWjet/etc/jumpstart.conf) にある JS_PKG_MEDIAJS_PATCH_MEDIA の定義に従って、スクリプトはメディアを配置します。別の場所を使用してすべてのメディアを保持するには、スクリプトを実行する前に構成ファイルを変更します。

カスタムパッチは、/opt/SUNWjet/bin/copy_custom_patches スクリプトを使用して配置できます。


# copy_custom_patches src-dir patch [patch....] 

このスクリプトは少なくとも 2 つの引数を取り、最初の引数はパッチが含まれるソースディレクトリです。そのほかの引数はパッチ番号と見なされ、これらはそのディレクトリ内に位置し、それ以降コピーされます。

カスタムパッケージは、/opt/SUNWjet/bin/copy_custom_packages スクリプトを使用して転送できます。


# copy_custom_packages src-dir arch package [package....] 

引数はカスタムスクリプトコマンドに使用される引数によく似ていますが、追加の arch 引数が含まれています。この引数はパッケージのターゲットアーキテクチャーの定義に使用されます。ターゲットアーキテクチャーは、ターゲットサーバー上の uname -p の出力により定義されます。現在、値は sparc または i386 のいずれかで、それぞれ SPARC アーキテクチャーと IA86 アーキテクチャーを表します。

カスタムパッチにはアーキテクチャーの定義は必要ありません。これは、パッケージが使用可能な各アーキテクチャーに対して、独立した番号が付けられたパッチがリリースされるためです。

custom モジュールは、同じアーキテクチャーの同じパッケージの複数の異なるバージョンを含むことはできません。この機能が必要である場合は、これらの要件に対応する特定のモジュールを検討してください。付録 F 「追加 JET モジュールの作成」を参照してください。

カスタムファイル

custom モジュールを使用すると、ターゲットサーバーでファイルを作成、上書きしたり、ファイルを追加先にすることができます。ファイルは、次の 3 つの項目を定義する値により参照されます。

たとえば、banana と呼ばれるターゲットサーバーの場合、banana の構築時に、テンプレートのカスタム領域にある次の行は、JumpStart サーバー上のファイル /opt/SUNWjet/Clients/banana/hosts の内容を、マシン banana 上のファイル /etc/hosts に追加します。

custom_files="hosts:a:/etc/hosts"

ソースファイルは、ターゲットサーバーの構築前に適切に配置する必要があります。ファイルは /opt/SUNWjet ディレクトリツリー内に配置する必要があります。


注 –

ソースファイルには絶対パスを使用しないでください。

また、/etc/hosts or /etc/passwd など、ツリーの外部にあるファイルを参照しないでください。


3 つのフィールドの中央は、ターゲットサーバー上の宛先ファイルを追加または上書きするかどうかを指定します。多数のターゲットサーバーに対してファイルのセットが共通である場合は、/opt/SUNWjet/Clients ディレクトリ内での保持領域の作成を検討してください。共通ファイルはそのディレクトリ内に配置します。ターゲットサーバーのテンプレートは、ファイルを次のように参照できます。

custom_files="../common/hosts:a:/etc/hosts ../common/ftpusers:o:/etc/ftpusers" 

ここでファイルは、各ターゲットサーバー固有のディレクトリに複数コピーされるのではなく、/opt/SUNWjet/Clients/common に配置されます。テンプレートファイルは Bourne シェルスクリプトであるため、通常の手法を使用して行を継続することができます。\ 文字を使用するか、変数 custom_files="${custom_files} ......" に情報を追加します。

カスタムスクリプト

カスタムスクリプトは、スクリプトのソース位置により定義されます。ツールキットは、ビルド中にターゲットサーバーのスクラッチ領域にスクリプトをコピーし、適切な時点でスクリプトを実行します。

前節で説明したカスタムファイルと同じように、スクリプトのソースは /opt/SUNWjet ディレクトリ内に存在する必要があります。ソースは、共通の保持領域に対する相対参照になることも可能です。

システムが JumpStart サーバーの NFS イメージ上で動作し、実際のターゲットサーバーファイルシステムが $ROOTDIR ( /a) 上にマウントされている場合、カスタムモジュールは最初の再起動の前に、スクリプトを実行するためのプロビジョニングを行いません。

最初の再起動の前にスクリプトを実行する場合は、付録 F 「追加 JET モジュールの作成」で説明しているようにモジュールの作成を検討してください。