sar コマンドを使用すると、システム動作データそのものを収集するか、sadc コマンドで作成された日ごとの動作ファイルに収集された情報をレポートできます。
sar コマンドの書式は次のとおりです。
sar [-aAbcdgkmpqruvwy] [-o file] t [n] |
sar [-aAbcdgkmpqruvwy] [-s time] [-e time] [-i sec] [-f file] |
次の sar コマンドは、オペレーティングシステム内の累積動作カウンタから t 秒間 隔で n 回データを収集します。t は、5 秒以上の値にします。それ以外の値にすると、コマンドそのものがサンプルに影響を与えることがあります。また、サンプルの収集間隔を指定する必要があります。 指定しないと、このコマンドは第 2 の書式に従って動作します。n のデフォルト値は 1 です。次の例では、10 秒間隔で 2 つのサンプルが収集されます。-o オプションを指定すると、サンプルは 2 進形式でファイルに保存されます。
$ sar -u 10 2 |
その他に、sar では次の点に注意する必要があります。
サンプル間隔またはサンプル数を指定しなければ、sar コマンドはデータを以前に記録されたファイルから抽出します。その場合は、-f オプションで指定したファイル、またはデフォルトでは最新日付分の標準の日ごとの動作ファイル /var/adm/sa/sadd から抽出されます。
-s オプションと -e オプションでは、レポートの開始時刻と終了時刻を定義します。開始時刻と終了時刻の書式は hh[:mm[:ss]] です (この場合、h、m、s は、それぞれ時間、分、秒を表します)。
次の表に sar コマンドのオプションとその動作を示します。
表 24-21 sar コマンドのオプション
オプション |
動作 |
---|---|
-a |
ファイルアクセスをチェックする |
-b |
バッファー動作をチェックする |
-c |
システムコールをチェックする |
-d |
各ブロックデバイスの動作をチェックする |
-g |
ページアウトとメモリーの解放をチェックする |
-k |
カーネルメモリーの割り当てをチェックする |
-m |
プロセス間通信をチェックする |
-p |
スワップとディスパッチ動作をチェックする |
-p |
待ち行列動作をチェックする |
-r |
未使用メモリーをチェックする |
-u |
CPU の使用率をチェックする |
-nv |
システムテーブルの状態をチェックする |
-w |
ボリュームのスワッピングと切り替えをチェックする |
-y |
端末動作をチェックする |
-A |
システム全体のパフォーマンスをリポートする (すべてのオプションを入力した場合と同じです) |