Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : FNS、NIS+ 編)

nisprefadm コマンドの使用方法

ここからの節では、nisprefadm コマンドを使用して、サーバーの優先順位を設定、変更、削除する方法について説明します。

nisprefadm コマンドは、クライアントが優先的に選択するサーバーを指定するために使用します。

nisprefadm コマンドの構文は次のとおりです。


nisprefadm -a|-m|-r|-u|-x|-l -L|-G [-o type] \
 [-d domain] \
 [-C  machine] \
 servers 
nisprefadm -F
表 20–1 nisprefadm コマンドのオプション

オプション 

説明 

-G

ドメインの org_dir ディレクトリ内に格納されるグローバル client_info テーブルを作成する。つまり、グローバルな優先されるサーバーリストを作成する。このオプションは、指定したサブネット上のすべてのマシンに対して優先順位を指定する場合は -C subnet、個別のマシンに優先順位を指定する場合は -C machine のどちらかと同時に使用しなければならない

-L

ローカルマシンの /var/nis ディレクトリに格納されるローカル client_info ファイルを作成する。つまり、コマンドを実行中のマシンにだけ適用される優先サーバーのリストを作成する

-o type

オプションを指定する。有効なオプションには、クライアントが接続できる優先サーバーがない場合、優先サーバー以外のサーバーを使用できるように指定する pref_type=all と、指定した優先サーバーだけをクライアントが使用するように指定する pref_type=pref_only がある

-d domain

指定したドメインまたはサブドメインに、グローバルな優先サーバーの client_info テーブルを作成する

-C subnet

優先順位を適用するサブネットの番号 

-C machine

クライアントマシン名 

servers

1 つまたは複数の NIS+ サーバー。ここで指定されたサーバーは優先的に選択される 

-a

サーバーリストに指定サーバーを追加する 

-m

サーバーリストを変更する。たとえば、-m オプションを使用すると、1 つまたは複数のサーバーに指定された優先順位番号を変更できる

-r

サーバーリストから指定したサーバーを削除する 

-u

サーバーリストを消去してから、指定したサーバーを追加する (つまり、現行のサーバーリストを優先サーバーの新規リストに置換する) 

-x

サーバーリストを完全に削除する 

-l

現行の優先サーバー情報を一覧表示 (表示) する 

-F

優先サーバーのリストを強制的にただちに変更する 


注 –

-C machine オプションは、-L (ローカル) フラグとともに使用しても無効となるので、使用しないでください。たとえば、nisprefadmaltair マシン上で実行しているとします。ここで、-L フラグを使用して、指定した優先順位が altair のローカル client_info ファイルに書き込まれるように指定し、さらに、-C vega オプションを使用して、作成した優先順位が vega マシンに適用されるように指定します。すると、nisprefadm コマンドは、vega 用の優先順位を altair のファイルに書き込みますが、vega は、サーバーの優先順位を必ず自分のローカル client_info ファイルまたはドメインのグローバル client_info テーブルから入手するため、これらの情報を参照することはありません。 そのため、-C オプションは、nisprefadm-G (グローバル) フラグを指定して実行する場合にだけ意味をもちます。