Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : FNS、NIS+ 編)

nistbladm コマンド

nistbladm は、passwd テーブルをはじめとする NIS+ テーブルに関する情報を作成、変更、表示するのに使用するコマンドです。


注意 – 注意 –

nistbladm コマンドを使用してパスワード操作をするには、nistbladmpasswd テーブルのシャドウ列に適用する必要があります。nistbladm をシャドウ列に適用するのは複雑で微妙な作業になります。passwd コマンド、admintool、または Solstice AdminSuite ツールで容易に行える操作には、nistbladm コマンドを使用しない方が良いでしょう。


つまり以下のような操作には、nistbladm ではなく passwd コマンドや Solstice AdminSuite ツールを使用してください。

nistbladm コマンドには以下の機能があります。

nistbladm と シャドウ列のフィールド

nistbladm コマンドでは、シャドウ列の様々なフィールドの値を指定することによってパスワードパラメータの設定を行います。シャドウ列のフィールドの値は、以下のような形式で設定します。

この図は、シャドウ列のフィールドの形式を示します。

引数の意味は、それぞれ以下のとおりです。


注意 – 注意 –

nistbladm を使用して passwd テーブルのシャドウ列を設定する場合、すべてのフィールドに適切な値を指定する必要があります。空白のまま残したり、0 を入力したりしても「変更なし」という意味にはなりません。


ユーザー amy が、パスワードの最終変更日が 1995 年 5 月 1 日 (1970 年 1 月 1 日から数えて 9246 日目)、パスワード作成後の変更禁止期間が 7 日、パスワードの有効期間が 30 日、「パスワードが間もなく無効になる」という警告が表示されるのがパスワード作成から 26 日目以降、ログインとログインの間隔の最大値が 15 日、アカウントの有効期限が (1970 年 1 月 1 日から) 9255 日目という設定にするには、以下のように入力します。

nistbladm と日数

パスワードの使用期間に関するパラメータは、日数で表されるものがほとんどです。日数を指定する際には以下の規則を守る必要があります。

最終変更日、期限のどちらのフィールドも、入力するのは 1970 年 1 月 1 日から数えた日数です。たとえば、下記のようになります。

表 16–2 1970 年 1 月 1 日からの日数

日付 

日数 

1970 年 1 月 1 日 

1970 年 1 月 2 日 

1971 年 1 月 2 日 

365 

1997 年 1 月 1 日 

9863