Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : FNS、NIS+ 編)

サーバーの構成

NIS+ のクライアント サーバー構成は、各ドメインが複数のサーバーによってサポートされているという点で、NIS と DNS の構成に似ています。メインサーバーは「マスターサーバー」と呼ばれ、バックアップサーバーは「複製サーバー」と呼ばれます。マスターサーバーと複製サーバーの両方で NIS+ サーバーソフトウェアが動作しており、NIS+ テーブルのコピーをともに維持しています。

ただし、NIS+ では、NIS の場合とはまったく異なる方法でデータベースが更新されます。NIS が開発された時点では、NIS が格納する情報のほとんどが静的なものと想定されていました。したがって、NIS の変更は手作業で処理し、そのマップ内の情報が変更されるたびにマップを作成しなおし、すべてを伝達させる必要があります。

これに対して NIS+ では、複製サーバーに対して変更分だけの更新ができます。マスタサーバー上のマスタデータベースを変更する必要はありますが、変更内容は複製サーバーにも自動的に伝達されます。「make」マップを再度作成したり、情報が伝達されるまで何時間も待つ必要はありません。伝達は、3 〜 4 分で終了します。