Solaris のシステム管理 (基本編)

SPARC: 復元を目的としてシステムをブートする方法

次の手順は、/etc/passwd などの重要なファイルに、無効なエントリがあり正常にブートできない場合に使用します。

次の手順で使用されている変数 devicename は、修復するファイルシステムのデバイス名に置き換えてください。システムのデバイス名を調べる場合は、第 30 章「デバイスへのアクセス (概要)」を参照してください。

  1. システムのアボートキーシーケンスを使用して、システムを停止します。

    システムのアボートキーシーケンスは、ルートのパスワードがわからない場合やシステムにログインできない場合に使用します。詳細については、SPARC: 復元を目的としてシステムを停止する方法を参照してください。

  2. Solaris 9 Installation CD または DVD からブートしているか、あるいはネットワークからブートしているかによって、次の表のそれぞれの手順を使い分けてください。

    ブート方法 

    手順 

    Solaris 9 installation CD または DVD 

    1. Solaris 9 Installation CD または DVD をドライブに挿入する 

    2. Solaris 9 Installation CD または DVD から、シングルユーザーモードでブートする 

    ok boot cdrom -s

    ネットワーク (インストールサーバーまたはリモート CD/DVD ドライブが使用できる場合) 

    次のコマンドを使う 

    ok boot net -s

  3. ファイル内に無効なエントリがあるファイルシステムをマウントします。


    # mount /dev/dsk/device-name /a
    
  4. 新しくマウントしたファイルシステムに移動します。


    # cd /a/file-system
    
  5. 端末タイプを設定します。


    # TERM=sun
    # export TERM
    
  6. エディタを使って、ファイルから無効なエントリを削除します。


    # vi filename
    
  7. ルート (/) ディレクトリに変更します。


    # cd /
    
  8. /a ディレクトリのマウントを解除します。


    # umount /a
    
  9. システムをリブートします。


    # init 6
    
  10. システムが実行レベル 3 になっていることを確認します。

    ブートプロセスが正常に終了すると、ログイン画面かログインプロンプトが表示されます。


    hostname console login:

SPARC: 例 — 復元を目的としてシステムをブートする (パスワードファイルが損傷した場合)

次の例は、ローカルの CD-ROM からブートした後、重要なシステムファイル (この場合は /etc/passwd) を修復する方法を示しています。


ok boot cdrom -s
# mount /dev/dsk/c0t3d0s0 /a
# cd /a/etc
# TERM=vt100
# export TERM
# vi passwd
(無効なエントリを削除する)
# cd /
# umount /a
# init 6

SPARC: 例 — ルートのパスワードを忘れた場合にシステムをブートする

次の例は、ルートのパスワードを忘れた場合に、ネットワークからブートしてシステムを復元する方法を示しています。この例では、ネットワークのブートサーバーが利用可能になっていることを前提とします。システムをリブートした後で必ず新しいルートパスワードを適用してください。


ok boot net -s
# mount /dev/dsk/c0t3d0s0 /a
# cd /a/etc
# TERM=vt100
# export TERM
# vi shadow
(ルートの暗号化パスワードを削除する)
# cd /
# umount /a
# init 6