Sun Cluster ソフトウェアのインストール (Solaris OS 版)

Procedure定足数デバイスを構成する


注 –

次の場合は定足数デバイスを構成する必要はありません。

代わりに、「定足数構成とインストールモードを確認する」に進みます。


次の手順は、クラスタが完全に形成された後に一度だけ実行します。この手順で定足数投票を割り当て、クラスタのインストールモードを解除します。

始める前に

定足数サーバーまたは NAS デバイスを定足数デバイスとして構成するために次の準備を実行します。

  1. 定足数サーバーを定足数デバイスとして使用するには、定足数サーバーと通信するようにクラスタを準備します。

    1. パブリックネットワークが Classless Inter-Domain Routing (CIDR) とも呼ばれる可変長のサブネットを使用する場合、各ノードで次のファイルを変更します。

      RFC 791 に定義されたとおりのクラスフルサブネットを使用する場合は、次の手順を実行する必要はありません。

      1. /etc/inet/netmasks ファイルに、クラスタで使用する各パブリックサブネット用のエントリを追加します。

        パブリックネットワーク IP アドレスとネットマスクを含むエントリの例を次に示します。


        10.11.30.0	255.255.255.0
      2. netmask + broadcast + を、各/etc/hostname.adapter ファイルのホスト名エントリのあとに追加します。


        nodename netmask + broadcast +
        
    2. クラスタ内の各ノードで、定足数サーバーの IP アドレスが /etc/inet/hosts または /etc/inet/ipnodes ファイルに含まれていることを確認してください。

    3. ネームサービスを使用する場合、定足数サーバーが名前からアドレスへのマッピングに含まれていることを確認してください。

  2. 1 つのノードで、スーパーユーザーになります。

  3. 共有 SCSI ディスクを定足数デバイスとして使用するには、デバイスのクラスタノードへの接続を確認し、構成するデバイスを選択します。

    1. クラスタの 1 つのノードから、システムがチェックするすべてのデバイスの一覧を表示します。

      このコマンドを実行するために、スーパーユーザーとしてログインする必要はありません。


      phys-schost-1# cldevice list -v
      

      出力は次のようになります。


      DID Device          Full Device Path
      ----------          ----------------
      d1                  pcircinus1:/dev/rdsk/c0t0d0
      d2                  pcircinus1:/dev/rdsk/c0t6d0
      d3                  pcircinus2:/dev/rdsk/c1t1d0
      d3                  pcircinus1:/dev/rdsk/c1t1d0
      …
    2. 出力にクラスタノードとストレージデバイス間のすべての接続が表示されていることを確認します。

    3. 定足数デバイスとして構成する各共有ディスクのグローバルデバイス ID 名を決定します。


      注 –

      共有ディスクを選択した場合は、その共有ディスクが定足数デバイスとして使用する権限を持つ必要があります。定足数デバイスの選択の詳細については、「定足数デバイス」を参照してください。


      手順 ascdidadm コマンドの出力を使用して、定足数デバイスとして構成する各共有ディスクのデバイス ID 名を識別します。たとえば、手順 a の出力はグローバルデバイス d2phys-schost-1phys-schost-2 によって共有されていることを示しています。

  4. clsetup ユーティリティーを起動します。


    phys-schost# clsetup
    

    「初期クラスタ設定」画面が表示されます。


    注 –

    代わりに「メインメニュー」が表示された場合は、クラスタの初期設定はすでに正しく行われています。手順 9に進みます。


  5. 「定足数デバイスを追加しますか?」というプロンプトに答えます。

    • クラスタが 2 ノードクラスタの場合、1 つ以上の共有定足数デバイスを構成する必要があります。1 つ以上の定足数デバイスを構成するには、「Yes」 と入力します。

    • クラスタに 3 つ以上のノードがある場合、定足数デバイス構成は省略可能です。

      • 追加の定足数デバイスを構成しない場合は、「No」 と入力します。次に、手順 8に進みます。

      • 1 つ以上の定足数デバイスを構成するには、「Yes」 と入力します。次に、手順 6に進みます。

  6. 定足数デバイスとして構成するデバイスの種類を指定します。

    • 共有 SCSI ディスクを構成するには、「scsi」を選択します。

    • 定足数サーバーを定足数デバイスとして構成するには、「quorum_server」を選択します。

    • Network Appliance NAS デバイスを構成するには、「netapp_nas」を選択します。

  7. 定足数デバイスとして構成するデバイスの名前を指定します。

    • 定足数サーバーの場合、次の情報も指定します。

      • 定足数サーバーのホストコンピュータの IP アドレス

      • クラスタノードとやり取りする際に定足数サーバーが使用するポート番号

    • Network Appliance NAS デバイスの場合、次の情報も指定します。

      • NAS デバイスの名前

      • NAS デバイスの LUN ID

  8. 「「インストールモード」をリセットしますか?」というプロンプトで、「Yes」と入力します。

    clsetup ユーティリティーによって、クラスタの定足数構成と投票数が設定されたあと、「クラスタの初期化は完了しました。」というメッセージが表示されます。ユーティリティは、「メインメニュー」に戻ります。

  9. clsetup ユーティリティーを終了します。

次の手順

定足数構成とインストールモードが無効になっていることを確認します。「定足数構成とインストールモードを確認する」に進みます。

注意事項

中断された clsetup 処理 - 定足数設定プロセスが中断されるか、完了に失敗した場合は、clsetup をもう一度実行してください。

定足数票カウントへの変更 - 後で定足数デバイスに接続したノードの数を増やしたり、減らしたりした場合、定足数票カウントは自動的には再計算されません。各定足数デバイスを一度に 1 つずつ取り外してもう一度構成に追加することにより、正しい定足数投票をもう一度確立できます。2 ノードクラスタの場合、定足数デバイスを取り外して、もとの定足数デバイスに戻す前に一時的に新しい定足数デバイスを追加します。次に一時的に追加した定足数デバイスを取り外します。『Sun Cluster のシステム管理 (Solaris OS 版)』の第 6 章「定足数の管理」の「定足数デバイスのノードリストを変更する」の手順を参照してください。