Sun Cluster ソフトウェアのインストール (Solaris OS 版)

ボリューム管理の計画

「デバイスグループ構成のワークシート」「ボリューム管理ソフトウェア構成のワークシート」に次の計画情報を追加してください。Solaris ボリュームマネージャー の場合は 「ボリュームのワークシート (Solaris ボリュームマネージャー)」にもこの情報を追加してください。

この節では、クラスタ構成のボリューム管理を計画する上でのガイドラインについて説明します。

Sun Cluster は、ボリューム管理ソフトウェアを使用して、ディスクをデバイスグループにまとめ、1 つの単位で管理できるようにします。Sun Cluster ソフトウェアは、次の方法でインストールまたは使用する Solaris ボリュームマネージャー ソフトウェアと VERITAS Volume Manager (VxVM) ソフトウェアをサポートします。

表 1–4 サポートされているボリューム管理ソフトウェアと Sun Cluster ソフトウェアの使用

ボリューム管理ソフトウェア 

要件 

Solaris ボリュームマネージャー 

一部のノードで VxVM を使用してディスクを管理する場合でも、クラスタのすべてのノードに Solaris ボリュームマネージャー ソフトウェアをインストールする必要があります。 

SPARC: VxVM とクラスタ機能

クラスタのすべてのノード上に、クラスタ機能を持つ VxVM をインストールして、それらにライセンスを付与する必要があります。 

クラスタ機能を持たない VxVM 

VxVM は、VxVM が管理する記憶装置に接続されているノードにのみインストールして、それらにライセンスを付与します。 

Solaris ボリュームマネージャー と VxVM

これらのボリューム管理ソフトウェアを同じノードにインストールする場合は、Solaris ボリュームマネージャー ソフトウェアを使用して、各ノードにローカルに接続されているディスクを管理します。ルートディスクもローカルディスクに含まれます。VxVM を使用して、すべての共有ディスクを管理します。 

ボリュームマネージャーソフトウェアのインストールと構成の方法については、ボリュームマネージャーのマニュアルおよび 「Solaris ボリュームマネージャー ソフトウェアの構成」または 「VxVM ソフトウェアのインストールと構成」を参照してください。クラスタ構成でのボリューム管理の使用の詳細は、『Sun Cluster の概念 (Solaris OS 版)』「多重ホストデバイス」『Sun Cluster の概念 (Solaris OS 版)』「デバイスグループ」を参照してください。

ボリューム管理ソフトウェアのガイドライン

ボリューム管理ソフトウェアでディスクを構成する際は、次の一般的なガイドラインを考慮してください。

ディスクの配置の推奨事項とその他の制限については、ボリューム管理ソフトウェアのマニュアルを参照してください。

Solaris ボリュームマネージャー ソフトウェアのガイドライン

Solaris ボリュームマネージャー の構成を計画する際は、次の点を考慮してください。

VERITAS Volume Manager ソフトウェアのガイドライン

VERITAS Volume Manager (VxVM) の構成を計画する際は、次の点を考慮してください。

詳細については、 VxVM のインストールマニュアルを参照してください。

ファイルシステムのロギング

UFS および VxFS クラスタファイルシステムには、ロギングが必要です。この要件は、QFS 共有ファイルシステムには適用されません。Sun Cluster ソフトウェアでは、ファイルシステムのロギングの方法として、次がサポートされています。

次の表に、各ボリューム管理ソフトウェアでサポートされているロギングファイルシステムを示します。

表 1–5 サポートされているファイルシステムのロギング

ボリュームマネージャー 

サポートされているファイルシステムのロギング 

Solaris ボリュームマネージャー 

  • Solaris UFS ロギング

  • SPARC: Solaris ボリュームマネージャー トランザクションボリュームロギング (Solaris 9 のみ)

  • VxFS のロギング

VERITAS Volume Manager 

  • Solaris UFS ロギング

  • VxFS のロギング

SPARC: Solaris 9 OS では、UFS クラスタファイルシステム用の Solaris UFS ロギング と Solaris ボリュームマネージャー トランザクションボリュームロギング のいずれかを選択する際に、次の点を考慮してください。

ミラー化に関するガイドライン

この節では、クラスタ構成のミラー化を計画する際のガイドラインについて説明します。

多重ホストディスクのミラー化

Sun Cluster 構成内のすべての多重ホストディスクをミラー化することにより、この構成で単一デバイスの障害を許容できるようになります。Sun Cluster ソフトウェアでは、すべての多重ホストディスクは、複数の拡張装置にまたがるようにミラー化する必要があります。ストレージデバイスがハードウェア RAID とデバイスへの冗長パスを提供する場合は、ソフトウェアミラー化を使用する必要はありません。

多重ホストディスクをミラー化する際は、次の点を考慮してください。

多重ホストディスクの詳細につていは、『Sun Cluster の概要 (Solaris OS 版)』「多重ホストディスク記憶装置」『Sun Cluster の概念 (Solaris OS 版)』を参照してください。

ルートディスクのミラー化

「ローカルファイルシステム配置のワークシート」に、次の計画情報を追加してください。

最高の可用性を得るには、ローカルディスク上のルート (/)、/usr/var/optswap をミラー化してください。VxVM では、ルートディスクをカプセル化し、生成されたサブディスクをミラー化します。ただし、Sun Cluster ソフトウェアでは、ルートディスクのミラー化を要求しません。

ルートディスクをミラー化するかどうかを決定する前に、危険性、複雑さ、コスト、保守時間の面から、ルートディスクに関するさまざまな方法を検討してください。どの構成でも有効に機能するというような汎用的なミラー化はありません。ルートをミラー化するかどうかを決定する際は、ご購入先に相談してください。

ルートディスクのミラー化の手順については、ボリュームマネージャーのマニュアルおよび 「Solaris ボリュームマネージャー ソフトウェアの構成」または 「VxVM ソフトウェアのインストールと構成」を参照してください。

ルートディスクをミラー化するかどうかを決定する際は、次のことを考慮してください。