この節では、クラスタ内のディスクパスを監視するための 2 つの方法について説明します。1 つめの方法は cldeviceコマンドを使用する方法です。scdpm コマンドを使用すると、クラスタ内のディスクパスの状態を監視、監視解除、または表示できます。このコマンドを使用して故障したディスクのリストを印刷し、ファイルからディスクパスを監視することもできます。詳細は、cldevice(1CL) のマニュアルページを参照してください。
2 つめの方法は、Sun Cluster Manager (従来の SunPlex Manager) の GUI (Graphical User Interface) を使用してクラスタ内のディスクパスを監視する方法です。Sun Cluster Manager は、クラスタ内の監視しているディスクをトポロジビューで表示します。このトポロジビューは 10 分ごとに更新され、失敗した ping の数が表示されます。Sun Cluster Manager の GUI が報告する情報と cldevice コマンドを組み合わせて使用すると、ディスクパスを管理できます。Sun Cluster Manager については、『Sun Cluster のシステム管理 (Solaris OS 版)』の第 12 章「グラフィカルユーザーインタフェースによる Sun Cluster の管理」 を参照してください。
cldevice コマンドを使用して、次の作業を実行できます。
新しいディスクパスの監視
ディスクパスの監視解除
CCR データベースからの構成データの再読み込み
指定したファイルからの監視または監視解除すべきディスクの読み取り
クラスタ内の 1 つまたはすべてのディスクパスの状態の報告
あるノードからアクセスできるすべてのディスクパスの印刷
任意のアクティブなノードから、ディスクパス引数を付けて cldevice コマンドを発行することによって、そのクラスタ上で DPM 管理作業を実行できます。ディスクパス引数はノード名とディスク名からなります。ノード名は不要です。ノード名を指定しない場合、デフォルトですべてのノードが影響を受けます。次の表に、ディスクパスの命名規約を示します。
必ず、UNIX のディスクパス名ではなく、広域ディスクパス名を指定してください。これは、広域ディスクのパス名がクラスタ全体で一貫しているためです。UNIX のディスクパス名にはこの性質はありません。たとえば、あるノードでディスクパス名を c1t0d0 にして、別のノードで c2t0d0 にすることができます。ノードに接続されたデバイスの広域ディスクパス名を調べるには、DPM コマンドを発行する前に cldevice list コマンドを使用します。詳細は、cldevice(1CL) のマニュアルページを参照してください。
名前型 |
ディスクパス名の例 |
説明 |
---|---|---|
広域ディスクパス |
schost-1:/dev/did/dsk/d1 |
schost-1 ノード上のディスクパス d1 |
all:d1 |
クラスタのすべてのノードでのディスクパス d1 |
|
UNIX ディスクパス |
schost-1:/dev/rdsk/c0t0d0s0 |
schost-1 ノード上のディスクパス c0t0d0s0 |
schost-1:all |
schost-1 ノードでのすべてのディスクパス |
|
すべてのディスクパス |
all:all |
クラスタのすべてのノードでのすべてのディスクパス |
Sun Cluster Manager を使用すると、次のような DPM の基本的な管理作業を実行できます。
ディスクパスの監視
ディスクパスの監視解除
クラスタ内のすべての監視対象ディスクパスの状態の表示
監視されているすべてのディスクパスが失敗したときのノードの自動再起動の有効化または無効化
Sun Cluster Manager のオンラインヘルプでは、ディスクパスの管理方法の手順について説明しています。
すべての監視対象ディスクパスでエラーが発生した際のノードの自動再起動を有効化または無効化するには、clnode set コマンドを使用します。Sun Cluster Manager を使用してこれらの作業を実行することもできます。