Sun Cluster データサービス開発ガイド (Solaris OS 版)

付録 A 標準プロパティー

この付録では、標準のリソースタイプ、リソース、リソースグループ、リソースグループの各プロパティーについて説明します。また、システム定義プロパティーの変更および拡張プロパティーの作成に使用するリソースプロパティー属性についても説明します。


注 –

リソースタイプ、リソース、およびリソースグループのプロパティー名は、大文字と小文字の区別はありません。プロパティー名を指定する際には、大文字と小文字を任意に組み合わせることができます。


この付録の内容は、次のとおりです。

リソースタイププロパティー

以下に、Sun Cluster ソフトウェアによって定義されるリソースタイププロパティーを示します。

プロパティー値は以下のように分類されます。

Installed_nodesRT_system 以外のリソース型プロパティーは、管理ユーティリティーで更新を行うことはできません。また、Installed_nodes は RTR ファイル内に宣言できないため、クラスタ管理者しか設定できません。RT_system には RTR ファイル内で初期値を割り当てることができます。これもクラスタ管理者しか設定できません。

以下にプロパティー名とその説明を示します。


注 –

リソースタイププロパティー名 (API_version Boot など) は、大文字と小文字の区別がありません。プロパティー名を指定する際には、大文字と小文字を任意に組み合わせることができます。


API_version (integer)

このリソースタイプ実装をサポートする上で、どのバージョン以降のリソース管理 API が必要かを指定します。

Sun Cluster の各リリースでサポートされる最新の API_version は次のとおりです。

3.1 以前

2

3.1 10/03

3

3.1 4/04

4

3.1 9/04

5

3.1 8/05

6

3.2

7

RTR ファイルで API_version2 より大きい値を宣言すると、そのリソースタイプは、その値より古いバージョンをサポートする Sun Cluster にはインストールされません。たとえば、あるリソースタイプに API_version=7 を宣言した場合、そのリソースタイプは、3.2 より前にリリースされた Sun Cluster のどのバージョンにもインストールできません。


注 –

このプロパティーを宣言しないか、あるいはこのプロパティーをデフォルト値 (2) に設定した場合は、データサービスをバージョン 3.0 以降の任意の Sun Cluster にインストールできます。


カテゴリ:

任意

デフォルト:

2

調整:

NONE

Boot (string)

任意のコールバックメソッド。RGM がノードまたはゾーン上で実行するプログラムのパスを指定します。このプログラムは、このリソース型が管理対象になっているとき、クラスタの結合または再結合を行います。このメソッドは、Init メソッドと同様に、このタイプのリソースを初期化します。

カテゴリ:

条件付きまたは明示

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

Failover (boolean)

TRUE の場合、複数のノードまたはゾーン上で同時にオンラインにできるグループ内にこの型のリソースを構成することはできません。

次の表は、このリソースタイププロパティーを Scalable リソースプロパティーと併用する方法を示しています。

Failover リソースタイプの値

Scalable リソースの値

説明 

TRUE

TRUE

この非論理的な組み合わせは指定しないでください。 

TRUE

FALSE

この組み合わせは、フェイルオーバーサービスに対して指定します。 

FALSE

TRUE

この組み合わせは、ネットワーク負荷分散に SharedAddress リソースを使用するスケーラブルサービスに指定します。

SharedAddress の詳細は、『Sun Cluster の概念 (Solaris OS 版)』を参照してください。

FALSE

FALSE

この組み合わせは一般的ではありませんが、ネットワーク負荷均衡を使用しないマルチマスターサービスを選択するときに使用できます。 

詳細は、r_properties(5) のマニュアルページの Scalable『Sun Cluster の概念 (Solaris OS 版)』の第 3 章「重要な概念 - システム管理者とアプリケーション開発者」を参照してください。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

FALSE

調整:

NONE

Fini (string)

任意のコールバックメソッド。この型のリソースを RGM 管理の対象にしなくなったとき RGM によって実行されるプログラムのパスです。

通常、Fini メソッドは Init メソッドによって実行された初期化をすべて取り消します。

RGM は、次の条件が成り立つときに、リソースが管理されなくなった各ノードまたはゾーン上で Fini を実行します。

  • リソースのあるリソースグループが管理されない状態に切り替わる。この場合、RGM はノードリスト内のすべてのノードおよびゾーン上で Fini メソッドを実行します。

  • 管理されているリソースグループからリソースが削除される。この場合、RGM はノードリスト内のすべてのノードおよびゾーン上で Fini メソッドを実行します。

  • ノードまたはゾーンが、リソースのあるリソースグループのノードリストから削除される。この場合、RGM は削除されたノードおよびゾーン上だけで Fini メソッドを実行します。

「ノードリスト」とは、リソースグループの Nodelist またはリソースタイプの Installed_nodes リストのことです。「ノードリスト」がリソースグループの Nodelist を指すのかリソースタイプの Installed_nodes リストを指すのかは、リソースタイプの Init_nodes プロパティーの設定によって決まります。Init_nodes プロパティーは RG_nodelist または RT_installed_nodes に設定できます。ほとんどのリソースタイプでは、Init_nodes がデフォルトの RG_nodelist に設定されています。この場合は、Init メソッドも Fini メソッドも、リソースグループの Nodelist で指定されたノードまたはゾーン上で実行されます。

Init メソッドが実行する初期化のタイプによって、実装する Fini メソッドが実行する必要のあるクリーンアップのタイプが次のように定義されます。

  • ノード固有の構成のクリーンアップ。

  • クラスタ全体にわたる構成のクリーンアップ。

カテゴリ:

条件付きまたは明示

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

Global_zone (boolean)

RTR ファイル内で宣言されている場合に、このリソースタイプのメソッドが大域ゾーン内で実行されるかどうかを示すブール値です。このプロパティーに TRUE が設定されている場合、リソースを含むリソースグループが非大域ゾーンで動作しているときでも、メソッドは大域ゾーンで実行されます。このプロパティーに TRUE を設定するのは、ネットワークアドレスやファイルシステムなど、大域ゾーンから管理できるサービスに対してだけです。


注意 – 注意 –

信頼できる既知のソースであるリソースタイプを除いて、Global_zone プロパティーに TRUE が設定されているリソースタイプは登録しないでください。このプロパティーに TRUE を設定したリソースタイプは、ゾーン分離をすり抜け、危険があります。


カテゴリ:

任意

デフォルト:

FALSE

調整:

ANYTIME

Init (string)

任意のコールバックメソッド。この型のリソースを RGM 管理の対象にするとき RGM によって実行されるプログラムのパスです。

カテゴリ:

条件付きまたは明示

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

Init_nodes (enum)

RGM が InitFiniBootValidate メソッドをコールするノードまたはゾーンを示します。指定できる値は、リソースをマスターできるノードまたはゾーンのみを指定する RG_PRIMARIES、またはこのリソース型がインストールされるすべてのノードまたはゾーンを指定する RT_INSTALLED_NODES のいずれかです。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

RG_PRIMARIES

調整:

NONE

Installed_nodes (string_array)

リソースタイプの実行が許可されるクラスタノード名またはゾーン名のリスト。このプロパティーは RGM によって自動的に作成されます。クラスタ管理者は値を設定できます。RTR ファイル内には宣言できません。

カテゴリ:

このプロパティはクラスタ管理者が構成できます。

デフォルト:

すべてのクラスタノードまたはゾーン

調整:

ANYTIME

Is_logical_hostname (boolean

TRUEは、このリソース型が、フェイルオーバーインターネットプロトコル (IP) アドレスを管理するLogicalHostname リソース型のいずれかのバージョンであることを示します。

カテゴリ:

照会のみ

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

Is_shared_address (boolean)

TRUE は、このリソース型が、 共有のインターネットプロトコル (IP) アドレスを管理する共有アドレスリソース型のいずれかのバージョンであることを示します。

カテゴリ:

照会のみ

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

Monitor_check (string)

任意のコールバックメソッド。障害モニターの要求によってこのリソース型のフェイルオーバーを行う前に、RGM によって実行されるプログラムのパスです。ノードまたはゾーン上でモニター検査プログラムが 0 以外で終了した場合は、GIVEOVER タグを指定して scha_control を呼び出した結果として生じる、そのノードまたはゾーンへのフェイルオーバーの試みが阻止されます。

カテゴリ:

条件付きまたは明示

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

Monitor_start (string)

任意のコールバックメソッド。この型のリソースの障害モニターを起動するために RGM によって実行されるプログラムのパスです。

カテゴリ:

条件付きまたは明示

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

Monitor_stop (string)

Monitor_start が設定されている場合、必須のコールバックメソッドになります。この型のリソースの障害モニターを停止するために RGM によって実行されるプログラムのパスです。

カテゴリ:

条件付きまたは明示

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

Pkglist (string_array)

リソース型のインストールに含まれている任意のパッケージリストです。

カテゴリ:

条件付きまたは明示

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

Postnet_stop (string)

任意のコールバックメソッド。この型のリソースがネットワークアドレスリソースに依存している場合、このネットワークアドレスリソースの Stop メソッドの呼び出し後に RGM によって実行されるプログラムのパスです。ネットワークインタフェースが構成され、停止状態にされた場合、このメソッドは Stop アクションを行う必要があります。

カテゴリ:

条件付きまたは明示

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

Prenet_start (string)

任意のコールバックメソッド。この型のリソースがネットワークアドレスリソースに依存している場合、このネットワークアドレスリソースの Start メソッドの呼び出し前に RGM によって実行されるプログラムのパスです。このメソッドは、ネットワークインタフェースが構成される前に必要な Start アクションを行います。

カテゴリ:

条件付きまたは明示

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

Proxy (boolean)

このタイプのリソースがプロキシリソースかどうかを示すブール値です。

「プロキシリソース」は、リソースの状態を Oracle Cluster Ready Services (CRS) などの別のクラスタフレームワークからインポートする Sun Cluster リソースです。Oracle クラスタウェア CRS として現在知られている Oracle CRS は、クラスタ環境向けのプラットフォームに依存しないシステムサービスセットです。

TRUE に設定されている場合、リソースはプロキシリソースです。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

FALSE

調整:

ANYTIME

Resource_list (string_array)

リソース型の全リソースのリストです。クラスタ管理者はこのプロパティーを直接設定しません。このプロパティーは、クラスタ管理者がこの型のリソースをリソースグループに追加するか、あるいはリソースグループから削除する場合に、RGM によって更新されます。

カテゴリ:

照会のみ

デフォルト:

空のリスト

調整:

NONE

Resource_type (string)

リソース型の名前です。現在登録されているリソース型名を表示するには、次のコマンドを使用します。

resourcetype show +

Sun Cluster 3.1 および Sun Cluster 3.2 では、次に示すように、リソースタイプ名にバージョンが含まれています。これは必須です。

vendor-id.resource-type:rt-version

リソースタイプ名は、RTR ファイル内に指定された 3 つのプロパティー vendor_idresource_typert_version で構成されます。resourcetype コマンドは、ピリオド (.) とコロン (:) をプロパティーの間に挿入します。リソース型の名前の最後の部分、rt_version には、RT_version プロパティーと同じ値が入ります。vendor_id が一意であることを保証するためには、リソース型を作成した会社の株式の略号を使用します。Sun Cluster 3.1 以前に登録されたリソースタイプ名では、引き続き次の構文を使用します。

vendor-id.resource-type

カテゴリ:

必須

デフォルト:

空の文字列

調整:

NONE

RT_basedir (string)

コールバックメソッドの相対パスのを補完するディレクトリパスです。このパスは、リソースタイプパッケージがインストールされているディレクトリに設定します。スラッシュ (/) で開始する完全なパスを指定する必要があります。

カテゴリ:

必須 (絶対パスでないメソッドパスがある場合)

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

RT_description (string)

リソース型の簡単な説明です。

カテゴリ:

条件付き

デフォルト:

空の文字列

調整:

NONE

RT_system (boolean)

リソース型の RT_system プロパティーが TRUE の場合、そのリソース型は削除できません (resourcetype unregister resource-type-name)。このプロパティーは、LogicalHostname など、クラスタのインフラをサポートするリソース型を間違って削除してしまうことを防ぎます。しかし、RT_system プロパティーはどのリソース型にも適用できます。

RT_system プロパティーが TRUE に設定されたリソース型を削除するには、まず、このプロパティーを FALSE に設定する必要があります。クラスタサービスをサポートするリソースを持つリソース型を削除するときには注意してください。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

FALSE

調整:

ANYTIME

RT_version (string)

Sun Cluster 3.1 以降のリリースでは、このリソースタイプの実装の必須バージョン文字列。このプロパティーは Sun Cluster 3.0 ではオプションでした。RT_version は完全なリソースタイプ名の接尾辞コンポーネントです。

カテゴリ:

条件付き/明示または必須

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

Single_instance (boolean)

TRUE は、この型のリソースがクラスタ内に 1 つだけ存在できることを示します。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

FALSE

調整:

NONE

Start (string)

コールバックメソッド。この型のリソースを起動するために RGM によって実行されるプログラムのパスです。

カテゴリ:

RTR ファイルで Prenet_start メソッドが宣言されていないかぎり必須

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

Stop (string)

コールバックメソッド。この型のリソースを停止するために RGM によって実行されるプログラムのパスです。

カテゴリ:

RTR ファイルで Postnet_stop メソッドが宣言されていないかぎり必須

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

Update (string)

任意のコールバックメソッド。この型の実行中のリソースのプロパティーが変更されたとき RGM によって実行されるプログラムのパスです。

カテゴリ:

条件付きまたは明示

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

Validate (string)

任意のコールバックメソッド。この型のリソースのプロパティー値を検査するために RGM が実行するプログラムのパスです。

カテゴリ:

条件付きまたは明示

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

Vendor_ID (string)

Resource_type を参照してください。

カテゴリ:

条件付き

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

リソースのプロパティー

この節では、Sun Cluster ソフトウェアによって定義されているリソースプロパティーについて説明します。

プロパティー値は以下のように分類されます。

Tunable 属性 (詳細は 「リソースプロパティーの属性」 を参照) では、リソースプロパティーを更新できるかどうかや、いつ更新できるかを指定します。属性値は次のとおりです。

FALSE または NONE

不可

TRUE または ANYTIME

任意の時点 (Anytime)

AT_CREATION

リソースをクラスタに追加するとき

WHEN_DISABLED

リソースが無効なとき

以下にプロパティー名とその説明を示します。

Affinity_timeout (integer)

リソース内のサービスのクライアント IP アドレスからの接続は、この時間 (秒数) 内に同じサーバーノードまたはゾーンに送信されます。

このプロパティーは、Load_balancing_policyLb_sticky または Lb_sticky_wild の場合にかぎり有効です。さらに、Weak_affinityFALSE に設定されている必要があります。

このプロパティーは、スケーラブルサービス専用です。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

ANYTIME

Boot_timeout (Type 内の各コールバックメソッドに対して) (integer)

RGM が当該メソッドの呼び出しに失敗したと判断するまでの時間 (秒)。各リソースタイプのタイムアウトプロパティーは、RTR ファイルで宣言されているメソッドについてのみ定義されます。

カテゴリ:

条件付きまたは任意

デフォルト:

RTR ファイルにメソッド自体が宣言されている場合は 3600 (1 時間)

調整:

ANYTIME

Cheap_probe_interval (integer)

リソースの即時障害検証の呼び出しの間隔 (秒数)。このプロパティーは RGM によって作成されます。RTR ファイルに宣言されている場合にかぎり、クラスタ管理者は使用を許可されます。RTR ファイル内でデフォルト値が指定されている場合、このプロパティーは任意です。

RTR ファイル内に Tunable 属性が指定されていない場合、このプロパティーの Tunable 値は WHEN_DISABLED になります。

カテゴリ:

条件付き

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

WHEN_DISABLED

拡張プロパティー

そのリソースのタイプの RTR ファイルで宣言される拡張プロパティー。リソースタイプの実装によって、これらのプロパティーを定義します。拡張プロパティーに設定可能な各属性については、「リソースプロパティーの属性」を参照してください。

カテゴリ:

条件付き

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

特定のプロパティーに依存

Failover_mode (enum)

リソースが正常に開始または停止できなかった場合、またはリソースモニターが正常ではないリソースを検出し、その結果再起動またはフェイルオーバーを要求する場合に RGM が取る回復アクションを変更します。

NONESOFT、または HARD (メソッドの失敗)

これらの設定は、起動メソッドまたは停止メソッド ( Prenet_start, StartMonitor_stopStopPostnet_stop) が失敗する場合にフェイルオーバー動作にだけ影響を与えます。また、RESTART_ONLY および LOG_ONLY 設定は、リソースモニターが scha_control コマンドまたは scha_control() 関数の 実行を開始できるかどうかに影響を与える可能性があります。詳細は、scha_control(1HA) および scha_control(3HA) のマニュアルページを参照してください。NONE は、前述の起動メソッドまたは停止メソッドが失敗する場合に RGM が何の復旧処理も行わないことを示します。SOFT または HARD は、Start または Prenet_start メソッドが失敗する場合に RGM がリソースのグループをほかのノードまたはゾーンに再配置することを示します。StartPrenet_start メソッドにとっては、その処理が失敗する場合、SOFTHARD は同じ意味を持ちます。

停止メソッド (Monitor_stopStop、または Postnet_stop) にとっては、その処理が失敗する場合、SOFTNONE は同じ意味を持ちます。Failover_modeHARD に設定すると、これらのメソッドの 1 つが失敗した場合には RGM はノードまたはゾーンを再起動してリソースグループを強制的にオフラインにします。これにより RGM は別のノードまたはゾーンでグループの起動を試みることが可能になります。

RESTART_ONLY または LOG_ONLY

起動メソッドまたは停止メソッドが失敗する場合にフェイルオーバー動作に影響を与える NONESOFTHARD とは異なり、RESTART_ONLY LOG_ONLY はすべてのフェイルオーバー動作に影響を与えます。フェイルオーバー動作には、モニター起動 (scha_control) によるリソースやリソースグループの再起動や、リソースモニター (scha_control) によって開始されるギブオーバーなどがあります。RESTART_ONLY は、モニターが scha_control を実行してリソースまたはリソースグループを再起動できることを意味します。RGM では、Retry_interval の間に Retry_count 回数だけ再起動を試行できます。試行回数が Retry_count を超えると、それ以上の再起動は許可されません。


注 –

Retry_count の負の値は、リソースタイプによっては適用できませんが、リソースを無制限に再起動できることを指定します。より確実に無制限の再起動を指定するには、次の手順を実行します。

  • Retry_interval に 1 や 0 などの小さい値を指定します。

  • Retry_count に 1000 などの大きい値を指定します。

リソースタイプが Retry_count および Retry_interval プロパティーを宣言しない場合は、リソースは回数の制限なく再起動できます。


Failover_modeLOG_ONLY に設定すると、リソースの再起動もギブオーバーも許可されません。Failover_modeLOG_ONLY に設定するのは、Failover_modeRESTART_ONLY に設定し、Retry_count をゼロに設定するのと同じことです。

RESTART_ONLY または LOG_ONLY (メソッドの失敗)

Prenet_startStartMonitor_stopStop、または Postnet_stop メソッドが失敗した場合、RESTART_ONLYLOG_ONLYNONE と同じことです。つまり、ノードまたはゾーンのフェイルオーバーやリブートはどちらも行われません。

データサービスに対する Failover_mode 設定の影響

Failover_mode の各設定がデータサービスに及ぼす影響は、データサービスが監視されているかどうか、およびデータサービスが Data Services Development Library (DSDL) に基づいているかどうかによって決まります。

  • データサービスが監視の対象となるのは、そのサービスが Monitor_start メソッドを実装しており、かつリソースの監視が有効になっている場合です。RGM は、リソースそれ自体を起動した後で Monitor_start メソッドを実行することにより、リソースモニターを起動します。リソースモニターはリソースが正常であるかどうかを検証します。検証が失敗に終わる場合、リソースモニターは scha_control() 関数を呼び出して再起動またはフェイルオーバーを要求することがあります。DSDL ベースのリソースの場合、検証によりデータサービスの部分的な障害 (機能低下) または完全な障害が明らかになる場合があります。部分的な障害が繰り返し蓄積されると、完全な障害になります。

  • Monitor_start メソッドを実装していないか、リソースの監視が無効にされている場合には、データサービスは監視の対象となりません。

  • DSDL ベースのデータサービスには、Agent Builder や GDS により開発されたデータサービス、または DSDL を直接使用して開発されたデータサービスが含まれます。HA Oracle など一部のデータサービスは、DSDL を使用せずに開発されています。

NONESOFT、または HARD (検証の失敗)

Failover_modeNONESOFT、または HARD に設定した場合で、データサービスが DSDL ベースサービスとして監視されており、かつ検証が完全に失敗に終わったとき、モニターは scha_control() 関数を呼び出してリソースの再起動を要求します。検証が失敗し続ける場合、Retry_interval の間、Retry_count に指定されている最大の回数を限度にリソースの再起動が行われます。Retry_count の再起動数に到達した後も検証が再び失敗した場合、モニターは別のノードまたはゾーンに対してリソースのグループのフェイルオーバーを要求します。

Failover_modeNONESOFT、または HARD に設定した場合で、監視の対象とならない DSDL ベースのデータサービスが使用されている状態で失敗が一度検出されるとリソースのプロセスツリーが停止します。リソースのプロセスツリーが故障すると、リソースが再起動されます。

データサービスが DSDL ベースのサービスではない場合、再起動またはフェイルオーバー動作は、リソースモニターがどのようにコード化されているかによって決まります。たとえば Oracle リソースモニターは、リソースまたはリソースグループを再起動するか、リソースグループのフェイルオーバーを行うことで回復します。

RESTART_ONLY (検証の失敗)

Failover_modeRESTART_ONLY に設定した場合で、監視の対象となる DSDL ベースデータサービスが使用されている状態で検証が完全に失敗すると、Retry_interval の範囲内で Retry_count に指定されている回数だけリソースの再起動が行われます。しかし、Retry_count を超えた時点で、リソースモニターは終了してリソース状態を FAULTED に設定し、状態メッセージ「Application faulted, but not restarted. Probe quitting.」を生成します。この時点で監視はまだ有効ですが、リソースがクラスタ管理者により修復および再起動されるまで、リソースは事実上監視対象外になります。

Failover_modeRESTART_ONLY に設定した場合で、監視対象でない DSDL ベースのデータサービスが使用されている状態でプロセスツリーが停止すると、リソースは再起動されません。

監視対象データサービスが DSDL ベースのデータサービスではない場合、回復動作はリソースモニターがどのようにコード化されているかに依存します。Failover_modeRESTART_ONLY に設定した場合には、Retry_interval 内で Retry_count に指定されている回数だけ scha_control() 関数を呼び出してリソースまたはリソースグループを再起動できます。リソースモニターが Retry_count を超えると、再起動は失敗します。また、モニターが scha_control() 関数を呼び出してフェイルオーバーを要求しても、その要求は失敗します。

LOG_ONLY (検証の失敗)

Failover_mode がデータサービスに対して LOG_ONLY に設定されている場合、すべての scha_control() はリソースまたはリソースグループの再起動を要求するか、除外されているグループのフェイルオーバーを要求します。データサービスが DSDL ベースである場合、検証が完全に失敗した場合メッセージが記録されますが、リソースは再起動されません。Retry_interval 内で Retry_count に指定された回数を超えて検証が完全に失敗した場合、リソースモニターは終了してリソース状態を FAULTED に設定し、状態メッセージ「Application faulted, but not restarted. Probe quitting.」を生成します。この時点で監視はまだ有効ですが、リソースがクラスタ管理者により修復および再起動されるまで、リソースは事実上監視対象外になります。

Failover_modeLOG_ONLY に設定されていて、データサービスが監視対象外の DSDL ベースのサービスであり、プロセスツリーが故障した場合、メッセージが記録されますが、リソースは再起動されません。

監視対象データサービスが DSDL ベースのデータサービスではない場合、回復動作はリソースモニターがどのようにコード化されているかに依存します。Failover_modeLOG_ONLY に設定した場合は、リソースまたはリソースグループの再起動あるいはグループのフェイルオーバーを行う scha_control() 要求はすべて失敗します。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

NONE

調整:

ANYTIME

Fini_timeout (Type 内の各コールバックメソッドに対して) (integer)

RGM が当該メソッドの呼び出しに失敗したと判断するまでの時間 (秒)。各リソースタイプのタイムアウトプロパティーは、RTR ファイルで宣言されているメソッドについてのみ定義されます。

カテゴリ:

条件付きまたは任意

デフォルト:

RTR ファイルにメソッド自体が宣言されている場合は 3600 (1 時間)

調整:

ANYTIME

Init_timeout (Type 内の各コールバックメソッドに対して) (integer)

RGM が当該メソッドの呼び出しに失敗したと判断するまでの時間 (秒)。各リソースタイプのタイムアウトプロパティーは、RTR ファイルで宣言されているメソッドについてのみ定義されます。

カテゴリ:

条件付きまたは任意

デフォルト:

RTR ファイルにメソッド自体が宣言されている場合は 3600 (1 時間)

調整:

ANYTIME

Load_balancing_policy (string)

使用する負荷均衡ポリシーを定義する文字列。このプロパティーは、スケーラブルサービス専用です。RTR ファイルに Scalable プロパティーが宣言されている場合、RGM は自動的にこのプロパティーを作成します。Load_balancing_policy には次の値を設定できます。

Lb_weighted (デフォルト)。Load_balancing_weights プロパティーに設定されている重みにより、さまざまなノードに負荷が分散されます。

Lb_sticky。スケーラブルサービスの指定のクライアント (クライアントの IP アドレスで識別される) は、常に同じクラスタノードに送信されます。

Lb_sticky_wild。ワイルドスティッキーサービスの IP アドレスに接続する Lb_sticky_wild で指定されたクライアントの IP アドレスは、IP アドレスが到着するポート番号とは無関係に、常に同じクラスタノードに送られます。

カテゴリ:

条件付きまたは任意

デフォルト:

Lb_weighted

調整:

AT_CREATION

Load_balancing_weights (string_array)

このプロパティーは、スケーラブルサービス専用です。RTR ファイルに Scalable プロパティーが宣言されている場合、RGM は自動的にこのプロパティーを作成します。形式は weight@node, weight@node になります。ここで weight は、指定したノード node に対する負荷分散の相対的な割り当てを示す整数になります。ノードに分散される負荷の割合は、すべてのウエイトの合計でこのノードのウエイトを割った値になります。たとえば、 1@1,3@2 は、ノード 1 が負荷の 4 分の 1 を受け持ち、ノード 2 が負荷の 4 分の 3 を受け持つことを指定します。デフォルトの空の文字列 ("") は、一定の分散を指定します。明示的にウエイトを割り当てられていないノードのウエイトは、デフォルトで 1 になります。

Tunable 属性が RTR ファイルに指定されていない場合は、このプロパティーの Tunable 値は ANYTIME になります。このプロパティーを変更すると、新しい接続時にのみ分散が変更されます。

カテゴリ:

条件付きまたは任意

デフォルト:

空の文字列 (“”)

調整:

ANYTIME

Monitor_check_timeout (Type 内の各コールバックメソッドに対して) (integer)

RGM が当該メソッドの呼び出しに失敗したと判断するまでの時間 (秒)。各リソースタイプのタイムアウトプロパティーは、RTR ファイルで宣言されているメソッドについてのみ定義されます。

カテゴリ:

条件付きまたは任意

デフォルト:

RTR ファイルにメソッド自体が宣言されている場合は 3600 (1 時間)

調整:

ANYTIME

Monitor_start_timeout (Type 内の各コールバックメソッドに対して) (integer)

RGM が当該メソッドの呼び出しに失敗したと判断するまでの時間 (秒)。各リソースタイプのタイムアウトプロパティーは、RTR ファイルで宣言されているメソッドについてのみ定義されます。

カテゴリ:

条件付きまたは任意

デフォルト:

RTR ファイルにメソッド自体が宣言されている場合は 3600 (1 時間)

調整:

ANYTIME

Monitor_stop_timeout (Type 内の各コールバックメソッドに対して) (integer)

RGM が当該メソッドの呼び出しに失敗したと判断するまでの時間 (秒)。各リソースタイプのタイムアウトプロパティーは、RTR ファイルで宣言されているメソッドについてのみ定義されます。

カテゴリ:

条件付きまたは任意

デフォルト:

RTR ファイルにメソッド自体が宣言されている場合は 3600 (1 時間)

調整:

ANYTIME

Monitored_switch (enum)

クラスタ管理者が管理ユーティリィティーを使ってモニターを有効または無効にすると、RGM によって Enabled または Disabled に設定されます。Disabled に設定すると、リソース自体はオンライン状態のままリソースの監視は停止します。監視が再び有効に設定されるまで、Monitor_start メソッドは呼び出されません。リソースが、モニターのコールバックメソッドを持っていない場合は、このプロパティーは存在しません。

カテゴリ:

照会のみ

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

Network_resources_used (string_array)

リソースが依存関係を持っている論理ホスト名または共有アドレスネットワークリソースのリスト。このリストには、プロパティー Resource_dependenciesResource_dependencies_weakResource_dependencies_restart、または Resource_dependencies_offline_restart に現れるすべてのネットワークアドレスリソースが含まれます。

RTR ファイルに Scalable プロパティーが宣言されている場合、RGM は自動的にこのプロパティーを作成します。Scalable が RTR ファイルで宣言されていない場合、Network_resources_used は RTR ファイルで明示的に宣言されていない限り使用できません。

このプロパティーは、リソース依存関係プロパティーの設定に基づいて、RGM により自動的に更新されます。このプロパティーを直接設定する必要はありません。しかし、このプロパティーにリソース名を追加する場合、そのリソース名は自動的に Resource_dependencies プロパティーに追加されます。このプロパティーからリソース名を削除する場合、そのリソース名は自動的に、そのリソースが現れるすべてのリソース依存関係プロパティーから削除されます。

カテゴリ:

条件付きまたは任意

デフォルト:

空のリスト

調整:

ANYTIME

Num_resource_restarts (各クラスタノードまたはゾーン上) (integer)

過去 n 秒以内にこのリソースで発生した再起動要求の数。n は、Retry_interval プロパティーの値です。

再起動要求は、次に示す呼び出しのいずれかです。

  • RESOURCE_RESTART 引数を持つ scha_control(1HA) コマンド。

  • RESOURCE_RESTART 引数を持つ scha_control(3HA) 関数。

  • RESOURCE_IS_RESTARTED 引数を持つ scha_control コマンド。

  • SCHA_RESOURCE_IS_RESTARTED 引数を持つ scha_control 関数。

リソースが次に示す処理のいずれかを実行した場合、RGM は、ある特定のノードまたはゾーン上にある特定のリソースに対して再起動カウンタを必ず 0 にリセットします。

  • GIVEOVER 引数を持つ scha_control コマンド。

  • SCHA_GIVEOVER 引数を持つ scha_control 関数。

カウンタは、ギブオーバーの試行が成功した場合でも失敗した場合でもリセットされます。

リソース型が Retry_interval プロパティーを宣言していない場合、この型のリソースに Num_resource_restarts プロパティーを使用できません。

カテゴリ:

照会のみ

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

説明を参照

Num_rg_restarts (各クラスタノードまたはゾーン上) (integer)

過去 n 秒以内にこのリソースに対して発生したリソースグループ再起動要求の数。n は、Retry_interval プロパティーの値です。

リソースグループ再起動要求は、次に示す呼び出しのいずれかです。

  • RESTART 引数を持つ scha_control(1HA) コマンド。

  • SCHA_RESTART 引数を持つ scha_control(3HA) 関数。

リソース型が Retry_interval プロパティーを宣言していない場合、この型のリソースに Num_resource_restarts プロパティーを使用できません。

カテゴリ:

照会のみ

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

説明を参照

On_off_switch (enum)

クラスタ管理者が管理ユーティリィティーを使ってリソースを有効または無効にすると、RGM によって Enabled または Disabled に設定されます。無効に設定すると、リソースはオフラインになり、再び有効にされるまでコールバックが行われることはありません。

カテゴリ:

照会のみ

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

Port_list (string_array)

サーバーが待機するポートの番号リストです。各ポート番号には、スラッシュ (/) と、そのポートで使用されるプロトコルが付加されます (たとえば、Port_list=80/tcp Port_list=80/tcp6,40/udp6 など)

プロトコルには、次のものを指定できます。

  • tcp (TCP IPv4)

  • tcp6 (TCP IPv6)

  • udp (UDP IPv4)

  • udp6 (UDP IPv6)

Scalable プロパティーが RTR ファイルで宣言されている場合、RGM は自動的に Port_list を作成します。それ以外の場合、このプロパティーは RTR ファイルで明示的に宣言されていないかぎり使用できません。

Apache 用にこのプロパティーを設定する方法は、『Sun Cluster Data Service for Apache Guide for Solaris OS』を参照してください。

カテゴリ:

条件付きまたは必須

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

ANYTIME

Postnet_stop_timeout (Type 内の各コールバックメソッドに対して) (integer)

RGM が当該メソッドの呼び出しに失敗したと判断するまでの時間 (秒)。各リソースタイプのタイムアウトプロパティーは、RTR ファイルで宣言されているメソッドについてのみ定義されます。

カテゴリ:

条件付きまたは任意

デフォルト:

RTR ファイルにメソッド自体が宣言されている場合は 3600 (1 時間)

調整:

ANYTIME

Prenet_start_timeout (Type 内の各コールバックメソッドに対して) (integer)

RGM が当該メソッドの呼び出しに失敗したと判断するまでの時間 (秒)。各リソースタイプのタイムアウトプロパティーは、RTR ファイルで宣言されているメソッドについてのみ定義されます。

カテゴリ:

条件付きまたは任意

デフォルト:

RTR ファイルにメソッド自体が宣言されている場合は 3600 (1 時間)

調整:

ANYTIME

Proxied_service_instances

リソースによってプロキシされる SMF サービスに関する情報を含みます。値はプロキシされるすべての SMF サービスを含むファイルのパスです。ファイル内の各行は 1 つのSMF サービス専用で、svc fmri および対応するサービスマニフェストファイルのパスを指定します。

たとえば、リソースが 2 つのサービス、 restarter_svc_test_1:defaultrestarter_svc_test_2:default を管理する必要がある場合、ファイルには次に示す 2 行が含まれているはずです。

<svc:/system/cluster/restarter_svc_test_1:default>,svc:/system/cluster/\
restarter_svc_test_1:default>,</var/svc/manifest/system/cluster/\
restarter_svc_test_1.xml>

<svc:/system/cluster/restarter_svc_test_2:default>,</var/svc/manifest/\
system/cluster/restarter_svc_test_2.xml>

デフォルト: ""

調整: When_disabled

R_description (string)

リソースの簡単な説明。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

空の文字列

調整:

ANYTIME

Resource_dependencies (string_array)

対象のリソースが強い依存性を持っている、依存先リソースのリストです。強い依存性によってメソッドの呼び出し順序が決まります。

リソースへの依存性を持つリソース (「依存するリソース」と呼ぶ) は、リスト内のリソース (「依存されるリソース」と呼ぶ) のどれか 1 つでもオンラインでない場合、起動することができません。依存するリソースと、リスト内のいずれかの依存されるリソースが、同時に起動した場合、RGM はリスト内の依存されるリソースが起動するまで、依存するリソースの起動を待ちます。依存されるリソースが起動しなければ、依存するリソースはオフラインのままになります。依存されるリソースは、リスト内の依存対象リソースが属するリソースグループがオフラインのままになっているか、または Start_failed 状態になっているために、起動しないことがあります。別のリソースグループにある依存されるリソースが起動に失敗しているか、無効またはオフラインであるために、依存するリソースがオフラインのままになっている場合、依存するリソースのグループは Pending_online_blocked 状態に入ります。依存するリソースと依存されるリソースが同じリソースグループにあり、依存されるリソースが起動に失敗したか、無効になっているか、またはオフラインになっている場合には、リソースグループは Pending_online_blocked 状態に入りません。

同じリソースグループ内では、デフォルトとして、アプリケーションリソースがネットワークアドレスリソースに対して暗黙的に強いリソース依存性を持っています。詳細は、「リソースグループのプロパティー」Implicit_network_dependencies を参照してください。

同じリソースグループ内では、依存性の順序に従って Prenet_start メソッドが Start メソッドより先に実行されます。同様に、Postnet_stop メソッドは Stop メソッドよりあとに実行されます。異なるリソースグループ内では、依存されるリソースが Prenet_startStart を終了してから、依存するリソースが Prenet_start を実行します。同様に、依存するリソースが StopPostnet_stop を終了してから、依存されるリソースが Stop を実行します。

依存関係の範囲を指定するには、このプロパティーを指定するときに、次の修飾子を中括弧 {} を含めてリソース名に付加します。

{LOCAL_NODE}

指定される依存関係をノード単位またはゾーン単位に限定します。依存関係の動作は、同じノード上またはゾーン上でのみ依存されるリソースに影響されます。依存するリソースは、依存されるリソースが同じノードまたはゾーンで起動されるまで待機します。終了と再起動、および有効化と無効化の場合も同様です。

{ANY_NODE}

指定された依存関係を任意のノードまたはゾーンに拡張します。依存関係の動作は、どのノードまたはゾーンでも依存されるリソースに影響されます。依存するリソースは、自分が起動する前に依存されるリソースが少なくとも 1 つの主ノードまたは主ゾーンで起動するまで待機します。終了と再起動、および有効化と無効化の場合も同様です。

依存するリソースのリソースグループが依存されるリソースのリソースグループに対してポジティブアフィニティーを持っている場合でも、依存性は ANY_NODE のままになります。

{FROM_RG_AFFINITIES}

リソースのリソースグループの RG_affinities 関係に基づいて、依存関係が LOCAL_NODEANY_NODE かを指定します。

依存するリソースのグループが依存されるリソースのグループに対してポジティブアフィニティーを持っていて、それらが同じノード上で起動または終了する場合、依存関係は LOCAL_NODE とみなされます。そのようなポジティブアフィニティーが存在しない場合、または各グループが別々のノード上で起動している場合には、依存関係は ANY_NODE とみなされます。

修飾子を指定しない場合は、FROM_RG_AFFINITIES 修飾子がデフォルトで使用されます。

同じリソースグループにある 2 つのリソース間のリソース依存関係は常に LOCAL_NODE になります。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

空のリスト

調整:

ANYTIME

Resource_dependencies_offline_restart (string_array)

対象のリソースがオフライン再起動の依存性を持っている、依存先リソースのリストです。オフライン再起動の依存性によってメソッドの呼び出し順序が決まります。

このプロパティーの機能は Resource_dependencies と同じであり、さらに次の機能を持ちます。オフライン再起動の依存対象のリストにあるいずれかのリソース (「依存されるリソース」と呼ぶ) がオフラインになった場合、RGM は、リソースの依存性を持つリソース (「依存するリソース」と呼ぶ) の再起動を実行します。依存するリソースは直ちに終了し、依存されるリソースが再起動されるまでオフラインのままになります。リスト内の依存されるリソースがオンラインに戻ると、RGM は依存するリソースを再起動します。この再起動の動作は、依存するリソースと依存されるリソースのあるリソースグループがオンラインのままであるときに発生します。

依存されるリソースがいずれか 1 つでもオンラインでない場合には、依存するリソースを起動することはできません。依存するリソースと、リスト内のいずれかの依存されるリソースが、同時に起動した場合、RGM はリスト内の依存されるリソースが起動するまで、依存するリソースの起動を待ちます。依存されるリソースが起動しなければ、依存するリソースはオフラインのままになります。依存されるリソースは、リスト内の依存対象リソースが属するリソースグループがオフラインのままになっているか、または Start_failed 状態になっているために、起動しないことがあります。別のリソースグループにある依存されるリソースが起動に失敗しているか、無効またはオフラインであるために、依存するリソースがオフラインのままになっている場合、依存するリソースのグループは Pending_online_blocked 状態に入ります。同じリソースグループにある依存されるリソースが、起動に失敗したか、無効になっているか、またはオフラインである場合、リソースグループは Pending_online_blocked 状態に入りません。

依存関係の範囲を指定するには、このプロパティーを指定するときに、次の修飾子を中括弧 {} を含めてリソース名に付加します。

{LOCAL_NODE}

指定される依存関係をノード単位またはゾーン単位に限定します。依存関係の動作は、同じノード上またはゾーン上でのみ依存されるリソースに影響されます。依存するリソースは、依存されるリソースが同じノードまたはゾーンで起動されるまで待機します。終了と再起動、および有効化と無効化の場合も同様です。

{ANY_NODE}

指定された依存関係を任意のノードまたはゾーンに拡張します。依存関係の動作は、どのノードまたはゾーンでも依存されるリソースに影響されます。依存するリソースは、自分が起動する前に依存されるリソースが少なくとも 1 つの主ノードまたは主ゾーンで起動するまで待機します。終了と再起動、および有効化と無効化の場合も同様です。

依存するリソースのリソースグループが依存されるリソースのリソースグループに対してポジティブアフィニティーを持っている場合でも、依存性は ANY_NODE のままになります。

{FROM_RG_AFFINITIES}

リソースのリソースグループの RG_affinities 関係に基づいて、依存関係が LOCAL_NODEANY_NODE かを指定します。

依存するリソースのグループが依存されるリソースのグループに対してポジティブアフィニティーを持っていて、それらが同じノード上で起動または終了する場合、依存関係は LOCAL_NODE とみなされます。そのようなポジティブアフィニティーが存在しない場合、または各グループが別々のノード上で起動している場合には、依存関係は ANY_NODE とみなされます。

修飾子を指定しない場合は、FROM_RG_AFFINITIES 修飾子がデフォルトで使用されます。

同じリソースグループにある 2 つのリソース間のリソース依存関係は常に LOCAL_NODE になります。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

空のリスト

調整:

ANYTIME

Resource_dependencies_restart (string_array)

対象のリソースが再起動の依存性を持っているリソースのリストです。再起動の依存性によってメソッドの呼び出し順序が決まります。

このプロパティーの機能は Resource_dependencies と同じであり、さらに次の機能を持ちます。再起動の依存対象のリストにあるいずれかのリソース (「依存されるリソース」と呼ぶ) が再起動された場合、リソースの依存性を持つリソース (「依存するリソース」と呼ぶ) が再起動されます。リスト内の依存されるリソースがオンラインに戻ると、RGM は依存するリソースを終了して再起動します。この再起動の動作は、依存するリソースと依存されるリソースのあるリソースグループがオンラインのままであるときに発生します。

リソースへの依存性を持つリソース (「依存するリソース」と呼ぶ) は、リスト内のリソース (「依存されるリソース」と呼ぶ) のどれか 1 つでもオンラインでない場合、起動することができません。依存するリソースと、リスト内のいずれかの依存されるリソースが、同時に起動した場合、RGM はリスト内の依存されるリソースが起動するまで、依存するリソースの起動を待ちます。依存されるリソースが起動しなければ、依存するリソースはオフラインのままになります。依存されるリソースは、リスト内の依存対象リソースが属するリソースグループがオフラインのままになっているか、または Start_failed 状態になっているために、起動しないことがあります。別のリソースグループにある依存されるリソースが起動に失敗しているか、無効またはオフラインであるために、依存するリソースがオフラインのままになっている場合、依存するリソースのグループは Pending_online_blocked 状態に入ります。依存するリソースと依存されるリソースが同じリソースグループにあり、依存されるリソースが起動に失敗したか、無効になっているか、またはオフラインになっている場合には、リソースグループは Pending_online_blocked 状態に入りません。

依存関係の範囲を指定するには、このプロパティーを指定するときに、次の修飾子を中括弧 {} を含めてリソース名に付加します。

{LOCAL_NODE}

指定される依存関係をノード単位またはゾーン単位に限定します。依存関係の動作は、同じノード上またはゾーン上でのみ依存されるリソースに影響されます。依存するリソースは、依存されるリソースが同じノードまたはゾーンで起動されるまで待機します。終了と再起動、および有効化と無効化の場合も同様です。

{ANY_NODE}

指定された依存関係を任意のノードまたはゾーンに拡張します。依存関係の動作は、どのノードまたはゾーンでも依存されるリソースに影響されます。依存するリソースは、自分が起動する前に依存されるリソースが少なくとも 1 つの主ノードまたは主ゾーンで起動するまで待機します。終了と再起動、および有効化と無効化の場合も同様です。

依存するリソースのリソースグループが依存されるリソースのリソースグループに対してポジティブアフィニティーを持っている場合でも、依存性は ANY_NODE のままになります。

{FROM_RG_AFFINITIES}

リソースのリソースグループの RG_affinities 関係に基づいて、依存関係が LOCAL_NODEANY_NODE かを指定します。

依存するリソースのグループが依存されるリソースのグループに対してポジティブアフィニティーを持っていて、それらが同じノード上で起動または終了する場合、依存関係は LOCAL_NODE とみなされます。そのようなポジティブアフィニティーが存在しない場合、または各グループが別々のノード上で起動している場合には、依存関係は ANY_NODE とみなされます。

修飾子を指定しない場合は、FROM_RG_AFFINITIES 修飾子がデフォルトで使用されます。

同じリソースグループにある 2 つのリソース間のリソース依存関係は常に LOCAL_NODE になります。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

空のリスト

調整:

ANYTIME

Resource_dependencies_weak (string_array)

対象のリソースが低い依存性を持っている、依存先リソースのリストです。低い依存性によってメソッドの呼び出し順序が決まります。

RGM は、このリストにあるリソース (「依存されるリソース」と呼ぶ) の Start メソッドを呼び出した後に、リソースの依存性を持つリソース (「依存するリソース」と呼ぶ) の Start メソッドを呼び出します。RGM は、依存するリソースの Stop メソッドを呼び出した後に、依存されるリソースの Stop メソッドを呼び出します。依存するリソースは、依存されるリソースが起動に失敗した場合やオフラインのままになっている場合でも、起動することができます。

依存するリソースと、その Resource_dependencies_weak リストにある依存されるリソースが同時に起動した場合、RGM は、リストにある依存されるリソースが起動するまで、依存するリソースの起動を待ちます。リスト内の依存されるリソースが起動しない場合でも (たとえば、リスト内の依存されるリソースのリソースグループがオフラインのままであったり、リスト内の依存されるリソースが Start_failed 状態である場合)、このリソースは起動します。依存するリソースの Resource_dependencies_weak リストにあるリソースが起動する際に、依存するリソースのリソースグループが一時的に Pending_online_blocked 状態に入ることがあります。リストのすべての依存されるリソースが起動するか起動に失敗すると、依存するリソースが起動され、そのグループが再び PENDING_ONLINE 状態に入ります。

同じリソースグループ内では、依存性の順序に従って Prenet_start メソッドが Start メソッドより先に実行されます。同様に、Postnet_stop メソッドは Stop メソッドよりあとに実行されます。異なるリソースグループ内では、依存されるリソースが Prenet_startStart を終了してから、依存するリソースが Prenet_start を実行します。同様に、依存するリソースが StopPostnet_stop を終了してから、依存されるリソースが Stop を実行します。

依存関係の範囲を指定するには、このプロパティーを指定するときに、次の修飾子を中括弧 {} を含めてリソース名に付加します。

{LOCAL_NODE}

指定される依存関係をノード単位またはゾーン単位に限定します。依存関係の動作は、同じノード上またはゾーン上でのみ依存されるリソースに影響されます。依存するリソースは、依存されるリソースが同じノードまたはゾーンで起動されるまで待機します。終了と再起動、および有効化と無効化の場合も同様です。

{ANY_NODE}

指定された依存関係を任意のノードまたはゾーンに拡張します。依存関係の動作は、どのノードまたはゾーンでも依存されるリソースに影響されます。依存するリソースは、自分が起動する前に依存されるリソースが少なくとも 1 つの主ノードまたは主ゾーンで起動するまで待機します。終了と再起動、および有効化と無効化の場合も同様です。

依存するリソースのリソースグループが依存されるリソースのリソースグループに対してポジティブアフィニティーを持っている場合でも、依存性は ANY_NODE のままになります。

{FROM_RG_AFFINITIES}

リソースのリソースグループの RG_affinities 関係に基づいて、依存関係が LOCAL_NODEANY_NODE かを指定します。

依存するリソースのグループが依存されるリソースのグループに対してポジティブアフィニティーを持っていて、それらが同じノード上で起動または終了する場合、依存関係は LOCAL_NODE とみなされます。そのようなポジティブアフィニティーが存在しない場合、または各グループが別々のノード上で起動している場合には、依存関係は ANY_NODE とみなされます。

修飾子を指定しない場合は、FROM_RG_AFFINITIES 修飾子がデフォルトで使用されます。

同じリソースグループにある 2 つのリソース間のリソース依存関係は常に LOCAL_NODE になります。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

空のリスト

調整:

ANYTIME

Resource_name (string)

リソースインスタンスの名前です。この名前はクラスタ構成内で一意にする必要があります。リソースが作成されたあとで変更はできません。

カテゴリ:

必須

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

Resource_project_name (string)

リソースに関連付けられた Solaris プロジェクト名。このプロパティーは、CPU の共有、クラスタデータサービスのリソースプールといった Solaris のリソース管理機能に適用できます。RGM は、リソースをオンラインにすると、このプロジェクト名を持つ関連プロセスを起動します。このプロパティーが指定されなかった場合は、リソースのあるリソースグループの RG_project_name プロパティーからプロジェクト名が取得されます (rg_properties(5) のマニュアルページを参照)。どちらのプロパティーも指定されなかった場合、RGM は事前定義済みのプロジェクト名 default を使用します。プロジェクトデータベース内に存在するプロジェクト名を指定する必要があります (projects(1) のマニュアルページと 『Solaris のシステム管理 (Solaris コンテナ : 資源管理と Solaris ゾーン)』を参照)。

このプロパティーは Solaris 9 OS からサポートされるようになりました。


注 –

このプロパティーへの変更を有効にするためには、リソースを起動し直す必要があります。


カテゴリ:

任意

デフォルト:

Null

調整:

ANYTIME

Resource_state (各クラスタノードまたはゾーン上) (enum)

RGM が判断した各クラスタノード上またはゾーン上のリソースの状態。この状態には、OnlineOfflineStart_failedStop_failedMonitor_failedOnline_not_monitoredStartingStopping があります。

ユーザーはこのプロパティーを構成できません。

カテゴリ:

照会のみ

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

Retry_count (integer)

起動に失敗したリソースをモニターが再起動する回数です。

Retry_count を超えると、データサービスと、Failover_mode プロパティーの設定に応じ、次に示す処理のどれかをモニターが行う可能性があります。

  • リソースがエラー状態であっても現在の主ノードまたは主ゾーンにリソースグループが留まることができるようにする

  • ほかのノードまたはゾーンへのリソースグループのフェイルオーバーを要求する

このプロパティーは RGM によって作成されます。このプロパティーが RTR ファイルに宣言されている場合にかぎり、クラスタ管理者は使用を許可されます。RTR ファイル内でデフォルト値が指定されている場合、このプロパティーは任意です。

RTR ファイル内に Tunable 属性が指定されていない場合、このプロパティーの Tunable 値は WHEN_DISABLED になります。


注 –

このプロパティーにマイナスの値を指定すると、モニターは無限回リソースの再起動を試みます。

ただし、一部のリソースタイプでは、Retry_count に負の値を設定できません。より確実に無制限の再起動を指定するには、次の手順を実行します。

  • Retry_interval に 1 や 0 などの小さい値を指定します。

  • Retry_count に 1000 などの大きい値を指定します。


カテゴリ:

条件付き

デフォルト:

上記を参照

調整:

WHEN_DISABLED

Retry_interval (integer)

失敗したリソースを再起動するまでの秒数。リソースモニターは、このプロパティーと Retry_count を組み合わせて使用します。このプロパティーは RGM によって作成されます。RTR ファイルに宣言されている場合にかぎり、クラスタ管理者は使用を許可されます。RTR ファイル内でデフォルト値が指定されている場合、このプロパティーは任意です。

RTR ファイル内に Tunable 属性が指定されていない場合、このプロパティーの Tunable 値は WHEN_DISABLED になります。

カテゴリ:

条件付き

デフォルト:

デフォルトなし (上記を参照)

調整:

WHEN_DISABLED

Scalable (boolean)

リソースがスケーラブルであるかどうか、つまり、リソースが Sun Cluster ソフトウェアのネットワーキング負荷分散機能を使用するかどうかを表します。


注 –

スケーラブルなリソースグループ (ネットワーク負荷分散を使用) を、非大域ゾーンで動作するよう構成することができます。ただし、そのようなスケーラブルなリソースグループを実行できるのは、物理ノードごとに 1 つのゾーン内だけです。


このプロパティーが RTR ファイルで宣言されている場合は、そのタイプのリソースに対して、RGM は、次のスケーラブルサービスプロパティーを自動的に作成します。Affinity_timeoutLoad_balancing_policyLoad_balancing_weightsNetwork_resources_usedPort_listUDP_affinityWeak_affinity。これらのプロパティーは、RTR ファイル内で明示的に宣言されない限り、デフォルト値を持ちます。RTR ファイルで宣言されている場合、Scalable のデフォルトは TRUE です。

RTR ファイルでこのプロパティーが宣言されている場合、AT_CREATION 以外の Tunable 属性の割り当ては許可されません。

RTR ファイルにこのプロパティーが宣言されていない場合、このリソースはスケーラブルではないため、このプロパティーを調整することはできません。RGM は、スケーラビブルサービスプロパティーをいっさい設定しません。しかし、RTR ファイルで Network_resources_used プロパティーと Port_list プロパティーを明示的に宣言することができます。これらのプロパティーは、スケーラブルサービスだけでなく、非スケーラブルサービスでも有用です。

このリソースプロパティーと Failover リソースタイププロパティーの併用については、r_properties(5) のマニュアルページで詳しく説明されています。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

AT_CREATION

Start_timeout (Type 内の各コールバックメソッドに対して) (integer)

RGM が当該メソッドの呼び出しに失敗したと判断するまでの時間 (秒)。各リソースタイプのタイムアウトプロパティーは、RTR ファイルで宣言されているメソッドについてのみ定義されます。

カテゴリ:

条件付きまたは任意

デフォルト:

RTR ファイルにメソッド自体が宣言されている場合は 3600 (1 時間)

調整:

ANYTIME

Status (各クラスタノードまたはゾーン上) (enum)

scha_resource_setstatus コマンド、scha_resource_setstatus() 関数、または scha_resource_setstatus_zone() 関数で、リソースモニターにより設定されます。取り得る値は、OKDEGRADED FAULTEDUNKNOWN、および OFFLINE です。リソースがオンラインまたはオフラインにされると、RGM は Status 値を自動的に設定します。ただし、Status 値がリソースのモニターやメソッドによって設定される場合を除きます。

カテゴリ:

照会のみ

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

Status_msg (各クラスタノードまたはゾーン上) (string)

リソースモニターによって、Status プロパティーと同時に設定されます。リソースがオンラインまたはオフラインにされると、RGM は自動的にこのプロパティーを空文字列でリセットします。ただし、このプロパティーがリソースのメソッドによって設定される場合を除きます。

カテゴリ:

照会のみ

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

Stop_timeout (Type 内の各コールバックメソッドに対して) (integer)

RGM が当該メソッドの呼び出しに失敗したと判断するまでの時間 (秒)。各リソースタイプのタイムアウトプロパティーは、RTR ファイルで宣言されているメソッドについてのみ定義されます。

カテゴリ:

条件付きまたは任意

デフォルト:

RTR ファイルにメソッド自体が宣言されている場合は 3600 (1 時間)

調整:

ANYTIME

Thorough_probe_interval (integer)

高オーバーヘッドのリソース障害検証の呼び出し間隔 (秒)。このプロパティーは RGM によって作成されます。RTR ファイルに宣言されている場合にかぎり、クラスタ管理者は使用を許可されます。RTR ファイル内でデフォルト値が指定されている場合、このプロパティーは任意です。

RTR ファイル内に Tunable 属性が指定されていない場合、このプロパティーの Tunable 値は WHEN_DISABLED になります。

カテゴリ:

条件付き

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

WHEN_DISABLED

Type (string)

このリソースがインスタントであるリソースタイプ。

カテゴリ:

必須

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

Type_version (string)

現在このリソースに関連付けられているリソース型のバージョンを指定します。このプロパティーは RTR ファイル内に宣言できません。したがって、RGM によって自動的に作成されます。このプロパティーの値は、リソースタイプの RT_version プロパティーと等しくなります。リソースの作成時、Type_version プロパティーはリソースタイプ名の接尾辞として表示されるだけで、明示的には指定されません。リソースを編集する際に、Type_version プロパティーを新しい値に変更できます。

このプロパティーの調整については、次の情報から判断されます。

  • 現在のリソース型のバージョン

  • RTR ファイル内の #$upgrade_from ディレクティブ

カテゴリ:

説明を参照

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

説明を参照

UDP_affinity (boolean)

このプロパティーを TRUE に設定すると、指定のクライアントからの UDP トラフィックはすべて、現在クライアントのすべての TCP トラフィックを処理している同じサーバーノードに送信されます。

このプロパティーは、Load_balancing_policyLb_sticky または Lb_sticky_wild の場合にかぎり有効です。さらに、Weak_affinityFALSE に設定されている必要があります。

このプロパティーは、スケーラブルサービス専用です。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

WHEN_DISABLED

Update_timeout (Type 内の各コールバックメソッドに対して) (integer)

RGM が当該メソッドの呼び出しに失敗したと判断するまでの時間 (秒)。各リソースタイプのタイムアウトプロパティーは、RTR ファイルで宣言されているメソッドについてのみ定義されます。

カテゴリ:

条件付きまたは任意

デフォルト:

RTR ファイルにメソッド自体が宣言されている場合は 3600 (1 時間)

調整:

ANYTIME

Validate_timeout (Type 内の各コールバックメソッドに対して) (integer)

RGM が当該メソッドの呼び出しに失敗したと判断するまでの時間 (秒)。各リソースタイプのタイムアウトプロパティーは、RTR ファイルで宣言されているメソッドについてのみ定義されます。

カテゴリ:

条件付きまたは任意

デフォルト:

RTR ファイルにメソッド自体が宣言されている場合は 3600 (1 時間)

調整:

ANYTIME

Weak_affinity (boolean)

このプロパティーを TRUE に設定すると、弱い形式のクライアントアフィニティーが有効になります。

弱い形式のクライアントアフィニティーが有効になっている場合、特定のクライアントからの接続は、次の場合を除き、同じサーバーノードに送信されます。

  • 障害モニターの再起動や、リソースのフェイルオーバーまたはスイッチオーバー、障害後のノードとクラスタの再結合などが行われたことに対応してサーバーリスナーが起動する。

  • クラスタ管理者が管理作業を行なったために、スケーラブルリソースの Load_balancing_weights が変更される。

弱いアフィニティーはメモリーの消費とプロセッササイクルの点で、デフォルトの形式よりもオーバーヘッドを低く抑えられます。

このプロパティーは、Load_balancing_policyLb_sticky または Lb_sticky_wild の場合にかぎり有効です。

このプロパティーは、スケーラブルサービス専用です。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

WHEN_DISABLED

リソースグループのプロパティー

以下に、Sun Cluster ソフトウェアによって定義されるリソースグループプロパティーについて説明します。

プロパティー値は以下のように分類されます。

以下にプロパティー名とその説明を示します。

Auto_start_on_new_cluster (boolean)

このプロパティーは、新しいクラスタの形成時に Resource Group Manager (RGM) が自動的にリソースグループを起動するかどうかを制御します。デフォルトは TRUE です。

TRUE に設定した場合、クラスタの全てのノードが同時に再起動すると、RGM はリソースグループを自動的に起動して Desired_primaries を取得しようとします。

FALSE に設定されている場合、クラスタのすべてのノードが同時に再起動したとき、RGM はリソースグループを自動的に起動しません。clresourcegroup online コマンドまたは同等の GUI 操作によってリソースグループが手動で初めてオンラインに切り替えられるまで、リソースグループはオフラインのままとなります。その後、このリソースグループは通常のフェイルオーバー動作を再開します。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

TRUE

調整:

ANYTIME

Desired_primaries (integer)

グループが同時に実行できるノード数またはゾーン数として希望する値。

デフォルトは 1 です。Desired_primaries プロパティーの値は、Maximum_primaries プロパティーの値以下にしてください。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

1

調整:

ANYTIME

Failback (boolean)

ノードまたはゾーンがクラスタに結合されるときに、グループがオンラインになっているノードまたはゾーンの組を再計算するかどうかを示すブール値。再計算により、RGM は優先度の低いノードまたはゾーンをオフラインにし、優先度の高いノードまたはゾーンをオンラインにすることができます。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

FALSE

調整:

ANYTIME

Global_resources_used (string_array)

クラスタファイルシステムがこのリソースグループ内のリソースによって使用されるかどうかを指定します。クラスタ管理者は、アスタリスク (*) か空文字列 (“”) を指定できます。すべてのグローバルリソースを指定するときはアスタリスク、グローバルリソースを一切指定しない場合は空文字列を指定します。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

すべてのグローバルリソース

調整:

ANYTIME

Implicit_network_dependencies (boolean)

TRUE の場合、 RGM は、グループ内のネットワークアドレスリソースで非ネットワークアドレスリソースに対する強い依存を強制します。このとき、RGM は、すべてのネットワークアドレスリソースを起動してからその他のリソースを起動します。また、グループ内のその他のすべてのリソースを停止してからネットワークアドレスリソースを停止します。ネットワークアドレスリソースには、論理ホスト名と共有アドレスリソース型があります。

スケーラブルリソースグループの場合、ネットワークアドレスリソースを含んでいないため、このプロパティーの影響はありません。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

TRUE

調整:

ANYTIME

Maximum_primaries (integer)

グループを同時にオンラインにできるノードまたはゾーンの最大数です。

RG_mode プロパティーが Failover である場合、このプロパティーの値は 1 以下である必要があります。RG_mode プロパティーが Scalable である場合、1 より大きな値に設定できます。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

1

調整:

ANYTIME

Nodelist (string_array)

優先順位に従ってリソースグループをオンラインにできるクラスタノードまたはゾーンのリスト。これらのノードまたはゾーンは、リソースグループの潜在的主ノードまたはマスターです。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

すべてのクラスタノードの順不同のリスト

調整:

ANYTIME

Pathprefix (string)

リソースグループ内のリソースが重要な管理ファイルを書き込むことができるクラスタファイルシステム内のディレクトリ。一部のリソースの必須プロパティーです。各リソースグループの Pathprefix は、一意にする必要があります。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

空の文字列

調整:

ANYTIME

Pingpong_interval (integer)

負数ではない整数値 (秒)。次のような状況において RGM は、この値を使って、リソースグループをどこでオンラインにするかを決めます。

  • 再構成が行われる場合。

  • GIVEOVER 引数を指定した scha_control コマンドまたは SCHA_GIVEOVER 引数を指定した scha_control() 関数の、実行の結果。

再構成が行われる場合、リソースグループは特定のノードまたはゾーンにおいて Pingpong_interval に指定された秒数内に 2 回以上オンラインにならない可能性があります。このエラーが発生するのは、リソースの Start または Prenet_start メソッドがゼロ以外のステータスで終了したかタイムアウトになったためです。この結果、そのノードまたはゾーンはリソースグループのホストとしての資格がないものと見なされ、RGM は別のマスターを探します。

ノードまたはゾーン上で、リソースによって scha_control コマンドまたは scha_control -O GIVEOVER コマンドが実行され、その結果そのリソースグループが別のノードまたはゾーンにフェイルオーバーした場合、Pingpong_interval 秒が経過するまでは、(scha_control が実行された) 最初のノードまたはゾーンを同じリソースによる別の scha_control -O GIVEOVER の実行対象にすることはできません。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

3600 (1 時間)

調整:

ANYTIME

Resource_list (string_array)

グループ内に含まれるリソースのリストです。クラスタ管理者はこのプロパティーを直接設定しません。このプロパティーは、クラスタ管理者がリソースグループにリソースを追加したりリソースグループからリソースを削除したりすると、RGM によって更新されます。

カテゴリ:

照会のみ

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

RG_affinities (string)

RGM は、リソースグループを、別のあるリソースグループの現行マスターであるノードまたはゾーンに求める (ポジティブアフィニティー) か、リソースグループを、あるリソースグループの現行マスターではないノードに求めようとします (ネガティブアフィニティー)。

RG_affinities には次の文字列を設定できます。

  • ++ (強いポジティブアフィニティー)

  • + (弱いポジティブアフィニティー)

  • - (弱いネガティブアフィニティー)

  • -- (強いネガティブアフィニティー)

  • +++ (フェイルオーバーの権限を委譲された強いポジティブアフィニティー)

たとえば、RG_affinities=+RG2,--RG3 は、このリソースグループが RG2 に対して弱いポジティブアフィニティーを、RG3 に対して強いネガティブアフィニティーをもつことを表しています。

RG_affinities プロパティーの使い方については、『Sun Cluster データサービスの計画と管理 (Solaris OS 版)』の第 2 章「データサービスリソースの管理」 で説明しています。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

空の文字列

調整:

ANYTIME

RG_dependencies (string_array)

リソースグループのリスト (任意)。このリストは、同じノードまたはゾーンでほかのグループをどのような順序でオンラインまたはオフラインにするかを表しています。すべての強い RG_affinities (ポジティブおよびネガティブ) と RG_dependencies の関係図式の中に循環が含まれていてはなりません。

たとえば、リソースグループ RG2 がリソースグループ RG1 の RG_dependencies リストに列挙されている、つまり、RG1 が RG2 に対してリソースグループの依存性を持っていると仮定します。

次のリストに、リソースグループ依存関係の影響を要約します。

  • ノードまたはゾーンがクラスタに結合されると、そのノードまたはゾーンでは、RG2 のすべてのリソースに対する Boot メソッドが終わってから、 RG1 のリソースに対する Boot メソッドが実行されます。

  • RG1 と RG2 の両方が同じノードまたはゾーン上で同時に PENDING_ONLINE 状態になっている場合、RG2 内のすべてのリソースがそれらの起動メソッドを完了するまで、起動メソッド (Prenet_start または Start) は RG1 内のどのリソースに対しても実行されません。

  • RG1 と RG2 の両方が同じノードまたはゾーン上で同時に PENDING_OFFLINE 状態になっている場合、RG1 内のすべてのリソースがそれらの停止メソッドを完了するまで、停止メソッド (Stop または Postnet_stop) は RG2 内のどのリソースに対しても実行されません。

  • RG1 または RG2 の主ノードまたは主ゾーンをスイッチする場合、それによって RG1 がいずれかのノードまたはゾーンでオンラインに、RG2 がすべてのノードまたはゾーンでオフラインになる場合は、このスイッチは失敗します。詳細については、clresourcegroup(1CL) および clsetup(1CL) のマニュアルページを参照してください。

  • RG2 に対する Desired_primaries がゼロに設定されている場合は、RG1 に対する Desired_primaries プロパティーをゼロより大きい値に設定することはできません。

  • RG2 に対する Auto_start_on_new_clusterFALSE に設定されている場合は、RG1 に対する Auto_start_on_new_cluster プロパティーを TRUE に設定することはできません。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

空のリスト

調整:

ANYTIME

RG_description (string)

リソースグループの簡単な説明です。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

空の文字列

調整:

ANYTIME

RG_is_frozen (boolean)

あるリソースグループが依存している広域デバイスをスイッチオーバーするかどうかを表します。このプロパティーが TRUE に設定されている場合、広域デバイスはスイッチオーバーされます。このプロパティーが FALSE に設定されている場合、広域デバイスはスイッチオーバーされません。リソースグループが広域デバイスに依存するかどうかは、Global_resources_used プロパティーの設定によります。

RG_is_frozen プロパティーをユーザーが直接設定することはありません。RG_is_frozen プロパティーは、広域デバイスのステータスが変わったときに、RGM によって更新されます。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

RG_mode (enum)

リソースグループがフェイルオーバーグループなのか、スケーラブルグループなのかを指定します。この値が Failover の場合、 RGM はグループの Maximum_primaries プロパティーの値を 1 に設定し、リソースグループのマスターを単一のノードまたはゾーンに制限します。

このプロパティーの値が Scalable の場合、RGM は Maximum_primaries プロパティーに 1 より大きな値を設定することを許可します。その結果、グループを複数のノードまたはゾーンで同時にマスターできます。Failover プロパティーが TRUE のリソースを、RG_modeScalable であるリソースグループに追加することはできません。

Maximum_primaries が 1 の場合、デフォルトは Failover です。Maximum_primaries が 1 より大きい場合、デフォルトは Scalable です。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

Maximum_primaries の値によります。

調整:

NONE

RG_name (string)

リソースグループの名前。これは必須プロパティーです。この値は、クラスタ内で一意でなければなりません。

カテゴリ:

必須

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

RG_project_name (string)

リソースグループに関連付けられた Solaris プロジェクト名 (projects(1) のマニュアルページを参照)。このプロパティーは、CPU の共有、クラスタデータサービスのリソースプールといった Solaris のリソース管理機能に適用できます。RGM は、リソースグループをオンラインにするときに、Resource_project_name プロパティーが設定されていないリソースに対して、このプロジェクト名のもとで、関連するプロセスを起動します (r_properties(5) のマニュアルページを参照)。プロジェクトデータベース内に存在するプロジェクト名を指定する必要があります (projects(1) のマニュアルページと 『Solaris のシステム管理 (Solaris コンテナ : 資源管理と Solaris ゾーン)』を参照)。

このプロパティーは Solaris 9 OS からサポートされるようになりました。


注 –

このプロパティーへの変更は、リソースの次回起動時に有効になります。


カテゴリ:

任意

デフォルト:

文字列 “default

調整:

ANYTIME

RG_slm_cpu (decimal number)

RG_slm_type プロパティーが AUTOMATED に設定されている場合は、この値が、CPU の共有数とプロセッサセットのサイズの計算の基準になります。


注 –

RG_slm_typeAUTOMATED に設定されている場合にのみ、RG_slm_cpu プロパティーを使用することができます。詳細は、「RG_slm_type プロパティー」を参照してください。


RG_slm_cpu プロパティーの最大値は 655 です。小数点以下に 2 桁を含めることができます。RG_slm_cpu プロパティーには 0 を指定しないでください。共有値を 0 に設定した場合、CPU が過負荷状態のときにリソースが Fair Share Scheduler (FFS) によってスケジュールされないことがあります。

リソースグループがオンラインである間に RG_slm_cpu プロパティーに加えた変更は、動的に反映されます。

RG_slm_type プロパティーが AUTOMATED に設定されているため、Sun Cluster によって SCSLM_resourcegroupname という名前のプロジェクトが作成されます。resourcegroupname は、リソースグループに割り当てた実際の名前を表します。リソースグループに属するリソースの各メソッドは、このプロジェクトで実行されます。Solaris 10 以降では、これらのプロジェクトは、リソースグループのゾーンが大域ゾーンであれ非大域ゾーンであれ、リソースグループのゾーン内に作成されます。詳細は、project のマニュアルページを参照してください。

プロジェクト SCSLM_resourcegroupnameproject.cpu-shares は、RG_slm_cpu プロパティー値の 100 倍の値になります。RG_slm_cpu プロパティーを設定しない場合、このプロジェクトは project.cpu-shares の値を 1 として作成されます。RG_slm_cpu プロパティーのデフォルト値は 0.01 です。

Solaris 10 以降では、RG_slm_pset_type プロパティーが DEDICATED_STRONG または DEDICATED_WEAK に設定された場合、RG_slm_cpu プロパティーを使用してプロセッサセットのサイズが計算されます。また、RG_slm_cpu プロパティーも zone.cpu-shares の値の計算に使用されます。

プロセッサセットについては、『Solaris のシステム管理 (Solaris コンテナ : 資源管理と Solaris ゾーン)』 を参照してください。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

0.01

調整:

ANYTIME

RG_slm_cpu_min (decimal number)

アプリケーションが動作できるプロセッサの最小数を決定します。

このプロパティーは、次に示す条件がすべて真の場合だけ使用できます。

  • RG_slm_type プロパティーが AUTOMATED に設定されている

  • RG_slm_pset_type プロパティーが DEDICATED_STRONG または DEDICATED_WEAK に設定されている

  • RG_slm_cpu プロパティーが、RG_slm_cpu_min プロパティーに設定された値以上の値に設定されている

  • Solaris 10 を使用している

RG_slm_cpu_min プロパティーの最大値は 655 です。小数点以下に 2 桁を含めることができます。RG_slm_cpu_min プロパティーには 0 を指定しないでください。RG_slm_cpu_min および RG_slm_cpu プロパティーによって、Sun Cluster が生成するプロセッサセットの pset.min および pset.max がそれぞれ決まります。

リソースグループがオンラインである間に RG_slm_cpu および RG_slm_cpu_min プロパティーに加えた変更は、動的に反映されます。RG_slm_pset_type プロパティーが DEDICATED_STRONG に設定されていて、十分な数の CPU が使用できない場合、RG_slm_cpu_min プロパティーに対して要求した変更は無視されます。この場合は、警告メッセージが表示されます。次のスイッチオーバーで、RG_slm_cpu_min プロパティーに対応する十分な数の CPU が使用できない場合には、CPU 不足を原因とするエラーが発生する可能性があります。

プロセッサセットについては、『Solaris のシステム管理 (Solaris コンテナ : 資源管理と Solaris ゾーン)』 を参照してください。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

0.01

調整:

ANYTIME

RG_slm_type (string)

システム資源の使用状況を管理し、システム資源管理用に Solaris OS を設定する手順の一部を自動化できるようにします。RG_SLM_type の取り得る値は、AUTOMATED および MANUAL です。

RG_slm_type プロパティーを AUTOMATED に設定した場合は、CPU 使用率が制御された状態でリソースグループが起動されます。

その結果、Sun Cluster は次を実行します。

  • SCSLM_resourcegroupname という名前のプロジェクトを作成します。このリソースグループ内のリソースのすべてのメソッドは、このプロジェクト内で実行されます。このプロジェクトは、このリソースグループ内のリソースのメソッドがノードまたはゾーンで初めて実行されるときに作成されます。

  • プロジェクトに関連付けられた project.cpu_shares の値を、RG_slm_cpu プロパティーの 100 倍の値に設定します。デフォルトでは、project.cpu_shares の値は 1 です。

  • Solaris 10 以降では、zone.cpu_shares を、オンラインであるすべてのリソースグループの RG_slm_cpu プロパティーの和の 100 倍に設定します。また、このプロパティによって、このゾーンで RG_slm_type AUTOMATED に設定されます。ゾーンは大域または非大域の場合があります。非大域ゾーンは、Sun Cluster が生成するプールにバインドされます。または、 RG_slm_pset_type プロパティーが DEDICATED_WEAK または DEDICATED_STRONG に設定された場合には、Sun Cluster が生成するこのプールが、Sun Cluster が生成するプロセッサセットに関連付けられます。専用のプロセッサセットについては、「RG_slm_pset_type プロパティー」の説明を参照してください。RG_slm_type プロパティーを AUTOMATED に設定した場合は、実行されるすべての処理がログに記録されます。

RG_slm_type プロパティーを MANUAL に設定した場合は、RG_project_name プロパティによって指定されたプロジェクトの中でリソースグループが実行されます。

リソースプールとプロセッサセットについては、『Solaris のシステム管理 (Solaris コンテナ : 資源管理と Solaris ゾーン)』 を参照してください。


注 –
  • 58 文字を超えるリソースグループ名は指定しないでください。リソースグループ名が 58 文字を超える場合、CPU 制御を構成できなくなります。つまり、RG_slm_type プロパティーに AUTOMATED を設定できなくなります。

  • リソースグループ名にはダッシュ (-) を含めないでください。Sun Cluster ソフトウェアは、プロジェクトの作成時に、リソースグループ名にあるすべてのダッシュを下線 (_) に置き換えます。たとえば、Sun Cluster が rg-dev というリソースグループに対して SCSLM_rg_dev というプロジェクトを作成する場合です。Sun Cluster がリソースグループ rg-dev に対してプロジェクトを作成しようとするとき、rg_dev という名前のリソースグループがすでに存在する場合、衝突が発生します。


カテゴリ:

任意

デフォルト:

manual

調整:

ANYTIME

RG_slm_pset_type (string)

専用のプロセッサセットの作成を可能にします。

このプロパティーは、次に示す条件がすべて真の場合だけ使用できます。

  • RG_slm_type プロパティーが AUTOMATED に設定されている

  • Solaris 10 を使用している

  • リソースグループが非大域ゾーンで実行される

RG_slm_pset_type の取り得る値は、DEFAULTDEDICATED_STRONG、および DEDICATED_WEAK です。

リソースグループが DEDICATED_STRONG または DEDICATED_WEAK として実行される場合は、そのリソースグループのノードリストには非大域ゾーンだけが存在するようにリソースグループを設定してください。

非大域ゾーンは、デフォルトプールである POOL_DEFAULT 以外のプールに対して設定しないでください。ゾーンの構成については、zonecfg(1M) のマニュアルページを参照してください。非大域ゾーンは、デフォルトプール以外のプールに動的にバインドしないでください。プールのバインドについては、poolbind(1M) のマニュアルページを参照してください。バインドされた 2 つのプールの状態は、リソースグループ内のリソースのメソッドが起動されている場合だけ、確認されます。

DEDICATED_STRONGDEDICATED_WEAK の値は、ノードリストに同じゾーンを持つリソースグループについて、相互に排他的です。同一ゾーン内のリソースグループは、RG_slm_pset_typeDEDICATED_STRONG に設定されたものと DEDICATED_WEAK に設定されたものとが混在するようには構成できません。

RG_slm_pset_type プロパティーを DEDICATED_STRONG に設定した場合は、 RG_slm_type プロパティーが AUTOMATED に設定されたことにより実行されるアクションに加えて、Sun Cluster が次を実行します。

  • プールを作成して非大域ゾーンに動的にバインドします。この中では、PRENET_START メソッドか START メソッドの一方または両方について、リソースグループが起動します。

  • サイズが次の 2 つの値の間の値となるプロセッサセットを作成します。

    • このリソースグループが起動しているゾーン内でオンラインになっているすべてのリソースグループについて、それらの RG_slm_cpu_min プロパティーの和。

    • そのゾーン内で実行されているリソースグループの RG_slm_cpu プロパティーの和。

    STOP または POSTNET_STOP のいずれかのメソッドが実行されると、Sun Cluster が生成したプロセッサセットは破棄されます。リソースグループがゾーン内でオンラインでなくなった場合は、プールが破棄され、非大域ゾーンがデフォルトプール (POOL_DEFAULT) にバインドされます。

  • プロセッサセットをプールに関連付けます。

  • zone.cpu_shares を、ゾーン内で実行されているすべての RG_slm_cpu プロパティーの和の 100 倍に設定します。

RG_slm_pset_type プロパティーを DEDICATED_WEAK に設定した場合、リソースグループの動作は RG_slm_pset_typeDEDICATED_STRONG に設定した場合と同じになります。しかし、プロセッサセットの作成に十分なプロセッサを使用できない場合、プールはデフォルトのプロセッサセットに関連付けられます。

RG_slm_pset_typeプロパティーを DEDICATED_STRONG に設定し、プロセッサセットの作成に十分なプロセッサを使用できない場合は、エラーが生成されます。その結果、リソースグループはそのノードまたはゾーンで起動されません。

CPU が割り当てられるときは、DEFAULTPSETMIN の最小サイズが DEDICATED_STRONG よりも優先されます。 DEDICATED_STRONGDEDICATED_WEAK よりも優先されます。しかし、clnode コマンドを使用してデフォルトプロセッサの数を増やしても十分なプロセッサを使用できなかった場合には、このプロパティーは無視されます。DEFAULTPSETMIN プロパティーについては、clnode(1CL) のマニュアルページを参照してください。

clnode コマンドは、CPU の最小数をデフォルトのプロセッサセットに動的に割り当てます。指定した数の CPU を使用できない場合、Sun Cluster はこの数の CPU の割り当てを定期的に再試行します。これに失敗した場合には、Sun Cluster は最小数の CPU が割り当てられるまで、より少ない数の CPU をデフォルトのプロセッサセットに割り当てることを試みます。このアクションによって、一部の DEDICATED_WEAK のプロセッサセットが破棄されることがありますが、DEDICATED_STRONG のプロセッサセットが破棄されることはありません。

RG_slm_pset_type プロパティーを DEDICATED_STRONG に設定したリソースグループを起動すると、DEDICATED_WEAK プロセッサセットに関連付けられているプロセッサセットが破棄されることがあります。リソースグループのこういった動作は、両方のプロセッサセットが使用するのに十分な数の CPU がノードまたはゾーンにない場合に起こります。その場合、 DEDICATED_WEAK プロセッサセットで動作しているリソースグループのプロセスは、デフォルトのプロセッサセットに関連付けられます。

RG_slm_pset_type プロパティーの値を DEDICATED_STRONG または DEDICATED_WEAK の間で入れ替えるためには、先にプロパティーをデフォルトに設定する必要があります。

CPU を制御するように構成されたリソースグループが非大域ゾーン内でオンラインでない場合、CPU 共有値はそのゾーンに対して zone.cpu-shares に設定されます。デフォルトでは zone.cpu-shares は 1 に設定されています。ゾーン構成については、zonecfg(1M) のマニュアルページを参照してください。

RG_slm_pset_type プロパティーを DEFAULT に設定した場合は、Sun Cluster によって SCSLM_pool_zonename という名前のプールが作成されますが、プロセッサセットは作成されません。この場合は、 SCSLM_pool_zonename がデフォルトのプロセッサセットに関連付けられます。ゾーンに割り当てられる共有数は、ゾーンにあるすべてのリソースグループの RG_slm_cpu の値の和に等しくなります。

リソースプールとプロセッサセットについては、『Solaris のシステム管理 (Solaris コンテナ : 資源管理と Solaris ゾーン)』 を参照してください。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

default

調整:

ANYTIME

RG_state (各クラスタノードまたはゾーン上) (enum)

RGM によって UNMANAGEDONLINEOFFLINEPENDING_ONLINEPENDING_OFFLINEERROR_STOP_FAILEDONLINE_FAULTED、または PENDING_ONLINE_BLOCKED に設定されます。これは、そのグループが各クラスタノードまたはゾーンでどのような状態にあるかを表します。

ユーザーはこのプロパティーを構成できません。ただし、clresourcegroup コマンドを実行するか、同等の clsetup または Sun Cluster Manager コマンドを使用すれば、このプロパティーを間接的に設定することができます。RGM の制御下にないときは、グループは管理されていない状態で存在することができます。

各状態の説明は次のとおりです。


注 –

各状態は、すべてのノードまたはゾーンについて該当する UNMANAGED 状態を除き、個々のノードまたはゾーンについて該当します。たとえば、リソースグループはゾーン 1 内のノード A では OFFLINE でありながらゾーン 2 内のノード B では PENDING_ONLINE である可能性があります。


UNMANAGED

新しく作成されたリソースグループの最初の状態や、前に管理されていたリソースグループの状態。そのグループのリソースに対して Init メソッドがまだ実行されていないか、そのグループのリソースに対して Fini メソッドがすでに実行されています。

このグループは RGM によって管理されていません。

ONLINE

リソースグループはノードまたはゾーンですでに起動されています。つまり、グループ内の有効なリソースすべてに対して、起動メソッド Prenet_startStart、および Monitor_start が (各リソースに合わせて) 正常に実行されました。

OFFLINE

リソースグループはノードまたはゾーンですでに停止されています。つまり、グループ内の有効なリソースすべてに対して、停止メソッド Monitor_stopStop、および Postnet_stop が (各リソースに合わせて) 正常に実行されました。さらに、リソースグループがノードまたはゾーンで最初に起動されるまでは、グループにこの状態が適用されます。

PENDING_ONLINE

リソースグループはノードまたはゾーン上で起動中です。グループ内の有効なリソースに対して、起動メソッド Prenet_startStart、および Monitor_start が (各リソースに合わせて) 実行されようとしています。

PENDING_OFFLINE

リソースグループはノードまたはゾーン上で停止中です。グループ内の有効なリソースに対して、停止メソッド Monitor_stopStop、および Postnet_stop が (各リソースに合わせて) 実行されようとしています。

ERROR_STOP_FAILED

リソースグループ内の 1 つ以上のリソースが正常に停止できず、Stop_failed 状態にあります。グループのほかのリソースがオンラインまたはオフラインである可能性があります。ERROR_STOP_FAILED 状態がクリアされるまで、このリソースグループはノードまたはゾーン上での起動が許可されません。

管理コマンド ( clresource clear など) を使用して Stop_failed リソースを手動で停止し、その状態を OFFLINE にリセットする必要があります。

ONLINE_FAULTED

リソースグループは PENDING_ONLINE で、このノードまたはゾーン上での起動が完了しています。しかし、1 つ以上のリソースが START_FAILED 状態または FAULTED 状態になりました。

PENDING_ONLINE_BLOCKED

リソースグループは、完全な起動を行うことに失敗しました。これは、リソースグループの 1 つまたは複数のリソースが、ほかのリソースグループのリソースに対して強いリソース依存性があり、それが満たされていないためです。このようなリソースは OFFLINE のままとなります。リソースの依存性が満たされると、リソースグループは自動的に PENDING_ONLINE 状態に戻ります。

カテゴリ:

照会のみ

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

Suspend_automatic_recovery (boolean)

リソースグループの自動復旧が中断されるかどうかを指定するブール値です。クラスタ管理者が自動復旧を再開するコマンドを明示的に実行するまで、中断されたリソースグループが自動的に再開またはフェイルオーバーされることはありません。中断されたデータサービスは、オンラインかオフラインかにかかわらず、現在の状態のままとなります。指定したノードまたはゾーン上でリソースグループの状態を手作業で切り替えることもできます。また、リソースグループ内の個々のリソースも有効または無効にできます。

Suspend_automatic_recovery プロパティーに TRUE が設定されると、リソースグループの自動復旧は中断されます。このプロパティーが FALSE に設定されると、リソースグループの自動復旧が再開され、アクティブになります。

このプロパティーを直接設定することはありません。RGM は、クラスタ管理者がリソースグループの自動復旧を中断または再開したときに Suspend_automatic_recovery プロパティーの値を変更します。クラスタ管理者は、clresourcegroup suspend コマンドで自動復旧を中断します。クラスタ管理者は、clresourcegroup resume コマンドで自動復旧を再開します。RG_system プロパティーの設定にかかわらず、リソースグループは中断または再開できます。

カテゴリ:

照会のみ

デフォルト:

FALSE

調整:

NONE

RG_system (boolean)

リソースグループの RG_system プロパティーの値が TRUE の場合、そのリソースグループとそのリソースグループ内のリソースに関する特定の操作が制限されます。この制限は、重要なリソースグループやリソースを間違って変更または削除してしまうことを防ぐためにあります。このプロパティーの影響を受けるのは clresourcegroup コマンドだけです。scha_control(1HA) および scha_control(3HA) の操作は影響を受けません。

リソースグループ (またはリソースグループ内のリソース) の制限操作を実行する前には、まず、リソースグループの RG_system プロパティーをFALSE に設定する必要があります。クラスタサービスをサポートするリソースグループ (または、リソースグループ内のリソース) を変更または削除するときには注意してください。

操作 

サンプル 

リソースグループを削除する 

clresourcegroup delete RG1

リソースグループプロパティーを編集する (RG_system を除く)

clresourcegroup set -p RG_desription=... +

リソースグループへソースを追加する 

clresource create -g RG1 -t SUNW.nfs R1

リソースは作成後に有効な状態になり、リソース監視も有効になります。 

リソースグループからリソースを削除する 

clresource delete R1

リソースグループに属するリソースのプロパティーを編集する 

clresource set -g RG1 -t SUNW.nfs -p r_description="HA-NFS res" R1

リソースグループをオフラインに切り替える 

clresourcegroup offline RG1

リソースグループを管理する 

clresourcegroup manage RG1

リソースグループを管理しない 

clresourcegroup unmanage RG1

リソースグループ内のリソースを有効にする 

clresource enable R1

リソースグループ内のリソースの監視を有効にする 

clresource monitor R1

リソースグループ内のリソースを無効にする 

clresource disable R1

リソースの監視を無効にする 

clresource unmonitor R1

リソースグループの RG_system プロパティーの値が TRUE の場合、そのリソースグループで編集できるプロパティーは RG_system プロパティー自体だけです。つまり、RG_system プロパティーの編集は無制限です。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

FALSE

調整:

ANYTIME

リソースプロパティーの属性

この節では、システム定義のプロパティーの変更または拡張プロパティーの作成に使用できるリソースプロパティー属性について説明します。


注意 – 注意 –

booleanenumint タイプのデフォルト値に、Null または空の文字列 ("") は指定できません。


以下にプロパティー名とその説明を示します。

Array_maxsize

stringarray タイプの場合、設定できる配列要素の最大数。

Array_minsize

stringarray タイプの場合、設定できる配列要素の最小数。

Default

プロパティーのデフォルト値を示します。

Description

プロパティーを簡潔に記述した注記 (文字列)。RTR ファイル内でシステム定義プロパティーに対する Description 属性を設定することはできません。

Enumlist

enum タイプの場合、プロパティーに設定できる文字列値のセット。

Extension

リソースタイプの実装によって定義された拡張プロパティーが RTR ファイルのエントリで宣言されていることを示します。拡張プロパティーが使用されていない場合、そのエントリはシステム定義プロパティーです。

Max

int タイプの場合、プロパティーに設定できる最大値。

Maxlength

string および stringarray タイプの場合、設定できる文字列の長さの最大値。

Min

int タイプの場合、プロパティーに設定できる最小値。

Minlength

string および stringarray タイプの場合、設定できる文字列の長さの最小値。

Per_node

使用された場合、拡張プロパティーがノード単位またはゾーン単位で設定できることを示します。

Per_node プロパティー属性をタイプ定義に指定する場合は、Default プロパティー属性でデフォルト値も指定してください。デフォルト値を指定すると、明示的な値が割り当てられていないノードまたはゾーン上でノード単位またはゾーン単位のプロパティーをユーザーが要求した場合に、値が返されることが保証されます。

stringarray タイプのプロパティーに対して Per_node プロパティー属性を指定することはできません。

Property

リソースプロパティーの名前。

Tunable

クラスタ管理者がリソースのプロパティー値をいつ設定できるかを示します。管理者にプロパティーの設定を許可しない場合は、NONE または FALSE に設定します。管理者にプロパティーの調整を許可する属性値は、TRUE または ANYTIME (任意の時点)、AT_CREATION (リソースの作成時のみ)、WHEN_DISABLED (リソースが無効になっているとき) です。ほかの条件 (「監視をいつ無効にするか」や「いつオフラインにするか」など) を設定する場合は、この値を ANYTIME に設定し、Validate メソッドを使ってリソースの状態を検証します。

次のエントリに示すように、デフォルトは個々の標準的なリソースプロパティーによって異なります拡張プロパティーの調整に関するデフォルト設定は、RTR ファイルに別の指定がある場合を除き、TRUE (ANYTIME) です。

プロパティーのタイプ

指定可能な型は、stringbooleanintegerenumstringarray です。RTR ファイル内で、システム定義プロパティーの型の属性を設定することはできません。タイプは、RTR ファイルのエントリに登録できる、指定可能なプロパティー値とタイプ固有の属性を決定します。enum タイプは、文字列値のセットです。