ここでは、このマニュアルで使用している具体的なクラスタ構成について説明します。
『Sun Cluster クイックスタートガイド (Solaris OS 版)』で説明している手順では、クラスタが次のハードウェアで構成され、サーバーのインストールがすでに実行されていると仮定しています。
表 1–1 ハードウェアの仕様
ハードウェア製品 |
マシンごとのコンポーネント |
インストール手順 |
---|---|---|
最小 2G バイトのメモリー | ||
2 台の内部ディスク |
||
2 個のオンボードポート、プライベートインターコネクト用に構成 |
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2 枚の Sun Quad GigaSwift Ethernet (QGE) カード、パブリックネットワークおよび管理ネットワークへの接続用 |
||
2 枚のファイバチャネル調停ループ (FC-AL) カード、ストレージへの接続用 |
||
12 台の 73 G バイト物理ドライブ |
『Sun StorEdge 3000 Family Installation, Operation, and Service Manual, Sun StorEdge 3510 FC Array』 |
|
1 枚の QGE カード、パブリックネットワークへの接続用 |
『Sun Ultra 20 Workstation Getting Started Guide』 (819–2148) |
『Sun Cluster クイックスタートガイド (Solaris OS 版)』で説明している手順では、次のバージョンのソフトウェアがインストール用に用意されているものと仮定しています。
表 1–2 ソフトウェアの仕様
製品 |
付属製品 |
製品のサブコンポーネント |
---|---|---|
SPARC プラットフォーム対応 Solaris 10 11/06 ソフトウェア | ||
Solaris ボリュームマネージャー ソフトウェア | ||
Solaris マルチパス機能 | ||
Sun JavaTM Availability Suite ソフトウェア |
Sun Cluster 3.2 コアソフトウェア |
クラスタコントロールパネル (cconsole) |
Sun Cluster Manager |
||
Sun Cluster エージェントソフトウェア |
Sun Cluster HA for Apache |
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Sun Cluster HA for NFS |
||
Sun Cluster HA for Oracle |
||
このマニュアルの手順では、次のデータサービスを構成します。
Sun Cluster HA for Apache (クラスタファイルシステム上)
Sun Cluster HA for NFS (可用性の高いローカルファイルシステム上)
Sun Cluster HA for Oracle (可用性の高いローカルファイルシステム上)
『Sun Cluster クイックスタートガイド (Solaris OS 版)』で説明している手順では、パブリックネットワークの IP アドレスが次のコンポーネントに対して作成されていると仮定しています。
次の表の IP アドレスは単なる例であり、実際のパブリックネットワークで使用できる有効なものではありません。
次のアドレスは、パブリックネットワークのサブネット 192.168.10 との通信に使用されます。
表 1–3 パブリックネットワークの IP アドレスの例
コンポーネント |
IP アドレス |
名前 |
---|---|---|
クラスタノード |
192.168.10.1 |
phys-sun |
192.168.10.2 |
phys-moon |
|
Sun Cluster HA for Apache の論理ホスト名 |
192.168.10.3 |
apache-lh |
Sun Cluster HA for NFS の論理ホスト名 |
192.168.10.4 |
nfs-lh |
Sun Cluster HA for Oracle の論理ホスト名 |
192.168.10.5 |
oracle-lh |
管理コンソール |
192.168.10.6 |
admincon |
次のアドレスは、管理ネットワークのサブネット 192.168.11 との通信に使用されます。
表 1–4 管理ネットワークの IP アドレスの例
コンポーネント |
IP アドレス |
名前 |
---|---|---|
クラスタノード |
192.168.11.1 |
phys-sun-11 |
192.168.11.2 |
phys-moon-11 |
|
Sun StorEdge 3510 FC RAID アレイ |
192.168.11.3 |
se3510fc |
管理コンソール |
192.168.11.4 |
admincon-11 |
このマニュアルで説明している手順は、次の事項を前提として作成されました。
ネームサービス - クラスタはネームサービスを使用します。
シェル環境 - このマニュアルに記載されているコマンドと環境設定はすべて C シェル環境用です。別のシェルを使用する場合は、C シェル固有の情報や指示手順を、使用するシェル環境の該当する情報に置き換えてください。
ユーザーログイン - 特に明記しないかぎり、すべての手順をスーパーユーザーとして実行します。
cconsole - これらの手順では、 cconsole ユーティリティーを使用していると仮定しています。このユーティリティーを使って個々のノードにアクセスしたり、cconsole のマスターウィンドウを使ってすべてのノードに同時にコマンドを実行したりします。
コマンドプロンプト - phys-schost-N# というプロンプトは、コマンドを cconsole のマスターコンソールウィンドウに入力することを示しています。このアクションによって、両方のクラスタノードで同時にコマンドが発行されます。
phys-sun#、phys-moon#、および admincon# というプロンプトは、指定されたマシンのコンソールウィンドウにのみ、コマンドを入力することを示しています。