Sun Cluster データサービスの計画と管理 (Solaris OS 版)

リソースをリソースグループに追加するためのツール

リソースは、リソースタイプをインスタンス化したものです。リソースは、RGM によって管理される前に、リソースグループに追加する必要があります。この節では、3 種類のリソースタイプについて説明します。

Sun Cluster には、リソースをリソースグループに追加するための次のツールがあります。

Sun Cluster Manager のウィザード、clsetup ユーティリティー、または Sun Cluster の保守コマンドを使用すると、論理ホスト名リソースと共有アドレスリソースをリソースグループに追加することができます。

Sun Cluster Manager および clsetup ユーティリティーを使用すると、対話形式でリソースをリソースグループに追加できます。これらのリソースを対話的に使うことにより、コマンドの構文エラーまたは脱落による設定エラーが起きる可能性が少なくなります。Sun Cluster Manager および clsetup ユーティリティーは、すべての必須リソースが作成され、リソース間のすべての必須依存関係が設定されるようにします。

論理ホスト名リソースと共有アドレスリソースは、常にフェイルオーバーリソースグループに追加してください。フェイルオーバーデータサービス用のデータサービスリソースは、フェイルオーバーリソースグループに追加してください。フェイルオーバーリソースグループは、そのデータサービス用の論理ホスト名リソースとアプリケーションリソースの両方を含みます。スケーラブルリソースグループは、スケーラブルサービス用のアプリケーションリソースだけを含んでいます。スケーラブルサービスが依存する共有アドレスリソースは、別のフェイルオーバーリソースグループに存在する必要があります。データサービスをクラスタノードまたはゾーン全体に渡って提供するには、スケーラブルアプリケーションリソースと共有アドレスリソース間の依存性を指定する必要があります。


注 –

DEPRECATED フラグは、論理ホスト名と共有アドレスリソースを非推奨アドレスにします。これらのアドレスは、アウトバウンド要求には適していません。これは、これらのアドレスがフェイルオーバーまたはスイッチオーバーにより、別のクラスタノードに移行する可能性があるためです。


リソースについては、『Sun Cluster の概念 (Solaris OS 版)』および第 1 章「Sun Cluster データサービスの計画」を参照してください。

Procedureclsetup ユーティリティーを使用して論理ホスト名リソースをリソースグループに追加する

次の手順では、clsetup ユーティリティーを使用することにより、論理ホスト名リソースをリソースグループに追加する方法を説明します。この手順は 1 つのノードからのみ実行します。

この手順では、Sun Cluster の保守コマンドの長い形式を使用します。多くのコマンドには短縮形もあります。コマンド名の形式を除き、コマンドは同じです。コマンドのリストとその短縮形については、 付録 A 「Sun Cluster オブジェクト指向コマンド」を参照してください。

始める前に

次の前提条件を満たしていることを確認します。

次の情報を用意してください。

  1. 任意のクラスタノードでスーパーユーザーになります。

  2. clsetup ユーティリティーを起動します。


    # clsetup
    

    clsetup のメインメニューが表示されます。

  3. データサービスのオプションに対応する番号を入力し、Return キーを押します。

    「データサービス」メニューが表示されます。

  4. 論理ホスト名リソースを構成するためのオプションに対応する番号を入力し、Return キーを押します。

    clsetup ユーティリティーは、この作業を実行するための前提条件のリストを表示します。

  5. 前提条件が満たされていることを確認し、Return キーを押して継続します。

    clsetup ユーティリティーは、論理ホスト名リソースをオンラインにすることができるクラスタノードまたはゾーンのリストを表示します。

  6. 論理ホスト名リソースをオンラインにすることができるノードまたはゾーンを選択します。

    • 任意の順序で並んでいる一覧表示されたすべてのノードのデフォルト選択をそのまま使用するには、a と入力し、Return キーを押します。

    • 一覧表示されたノードまたはゾーンのサブセットを選択するには、ノードに対応する番号のコンマ区切りまたはスペース区切りのリストを入力します。続いて、Return キーを押します。

    • 特定の順序ですべてのノードを選択するには、ノードに対応する番号のコンマ区切りまたはスペース区切りの順序付きリストを入力し、Return キーを押します。

      論理ホスト名リソースグループのノードリストにノードが表示される順序でノードが一覧表示されていることを確認します。リストの最初のノードは、このリソースグループの主ノードです。

  7. ノードの選択を確認するには、d を入力して、Return キーを押します。

    clsetup ユーティリティーは、リソースが使用可能にする論理ホスト名をユーザーが選択できる画面を表示します。

  8. このリソースが使用可能にする論理ホスト名を入力し、Return キーを押します。

    clsetup ユーティリティーは、このユーティリティーが作成する Sun Cluster オブジェクトの名前を表示します。

  9. Sun Cluster オブジェクトに別の名前が必要である場合、次のように名前を変更します。

    1. 変更する名前に対応する番号を入力し、Return キーを押します。

      clsetup ユーティリティーは、新しい名前を指定できる画面を表示します。

    2. 「新しい値」プロンプトで、新しい名前を入力し、Return キーを押します。

    clsetup ユーティリティーは、このユーティリティーが作成する Sun Cluster オブジェクトの名前のリストに戻ります。

  10. Sun Cluster オブジェクト名の選択を確認するには、d を入力して、Return キーを押します。

    clsetup ユーティリティーは、このユーティリティーが作成する Sun Cluster の構成に関する情報を表示します。

  11. 構成を作成するには、c を入力し、Return キーを押します。

    clsetup ユーティリティーは、構成を作成するためにこのユーティリティーがコマンドを実行していることを示す進行状況のメッセージを表示します。構成が完了した時点で、clsetup ユーティリティーは、構成を作成するためにユーティリティーが実行したコマンドを表示します。

  12. (省略可能) clsetup ユーティリティーが終了するまで、繰り返し q を入力し、Return キーを押します。

    必要に応じて、ほかの必要な作業を実行している間、clsetup ユーティリティーを動作させたままにし、そのあとでユーティリティーを再度使用することができます。clsetup を終了する場合、ユーザーがユーティリティーを再起動する際に、ユーティリティーは既存の論理ホスト名リソースグループを認識します。

  13. 論理ホスト名リソースが作成されていることを確認します。

    このためには、clresource(1CL) ユーティリティーを使用します。デフォルトでは、clsetup ユーティリティーは、リソースグループに名前 node_name-rg を割り当てます。


    # clresource show node_name-rg
    

Procedureコマンド行インタフェースを使用して論理ホスト名リソースをリソースグループに追加する


注 –

論理ホスト名リソースをリソースグループに追加すると、リソースの拡張プロパティーはデフォルト値に設定されます。デフォルト以外の値を指定するには、リソースをリソースグループに追加した後、そのリソースを変更する必要があります。詳細については、「論理ホスト名リソースまたは共有アドレスリソースを変更する」を参照してください。



注 –

この手順は、任意のクラスタノードから実行します。


始める前に

次の情報を用意してください。

  1. クラスタメンバーで、スーパーユーザーになるか、solaris.cluster.modify RBAC の承認を提供する役割になります。

  2. 論理ホスト名リソースをリソースグループに追加します。


    # clreslogicalhostname create -g resource-group -h hostnamelist, … [-N netiflist] resource
    
    -g resource-group

    リソースを配置するリソースグループの名前を指定します。

    -h hostnamelist, …

    クライアントがリソースグループでサービスと通信する UNIX ホスト名 (論理ホスト名) をコマンドで区切って指定します。論理ホスト名リソースが、非大域ゾーンで動作するリソースグループに追加される場合、対応する IP アドレスはそのゾーン内で構成されます。これらの IP アドレスは、そのゾーンで動作するアプリケーションのみが使用できます。

    完全修飾ホスト名が必要である場合は、-h オプションを使用して完全修飾名を指定します。

    -N netiflist

    各ノード上の IP ネットワークマルチパス グループをコンマで区切って指定します (省略可能)。netiflist の各要素は、netif@node の形式にする必要があります。netif は IP ネットワークマルチパス グループ名 (sc_ipmp0 など) として指定できます。ノードは、ノード名またはノード ID (sc_ipmp0@1sc_ipmp@phys-schost-1 など) で識別できます。


    注 –

    Sun Cluster では、 netif にアダプタ名を使用できません。


    resource

    リソース名を指定します (省略可能)。リソース名では完全修飾名を使用できません。

  3. 論理ホスト名リソースが追加されていることを確認します。


    # clresource show resource
    

例 2–6 論理ホスト名リソースのリソースグループへの追加

次に、論理ホスト名リソース (resource-1) をリソースグループ (resource-group-1) に追加する例を示します。


# clreslogicalhostname create -g resource-group-1 -h schost-1 resource-1
# clresource show resource-1

=== Resources ===                              

Resource:                                        resource-1
Type:                                            SUNW.LogicalHostname:2
Type_version:                                    2
Group:                                           resource-group-1
R_description:                                   
Resource_project_name:                           default
Enabled{phats1}:                                 True
Enabled{phats2}:                                 True
Monitored{phats1}:                               True
Monitored{phats2}:                               True


例 2–7 IP ネットワークマルチパスグループを識別する論理ホスト名リソースの追加

次に、次の論理ホスト名リソースをリソースグループ nfs-fo-rg に追加する例を示します。


# clreslogicalhostname create -g nfs-fo-rg -h cs23-rs -N sc_ipmp0@1,sc_ipmp0@2 cs23-rs
# clreslogicalhostname create -g nfs-fo-rg -h cs24-rs -N sc_ipmp1@1,sc_ipmp1@2 cs24-rs

次の手順

論理ホスト名リソースを追加したあと、「リソースグループをオンラインにする」を参照してそれらをオンラインにします。

注意事項

リソースを追加すると、Sun Cluster ソフトウェアは、そのリソースの妥当性を検査します。妥当性の検査に失敗すると、clreslogicalhostname コマンドはエラーメッセージを出力して終了します。妥当性の検査に失敗した理由を判別するには、エラーメッセージについて各ノード上の syslog を調べてください。メッセージは、妥当性の検査を実施したノードで表示されます。必ずしも clreslogicalhostname コマンドを実行したノードで表示されるわけではありません。

参照

clreslogicalhostname(1CL) のマニュアルページ。

Procedureclsetup ユーティリティーを使用して共有アドレスリソースをリソースグループに追加する

次の手順では、clsetup ユーティリティーを使用することにより、共有アドレスリソースをリソースグループに追加する方法を説明します。この手順は、任意のクラスタノードから実行します。

この手順では、Sun Cluster の保守コマンドの長い形式を使用します。多くのコマンドには短縮形もあります。コマンド名の形式を除き、コマンドは同じです。コマンドのリストとその短縮形については、 付録 A 「Sun Cluster オブジェクト指向コマンド」を参照してください。

始める前に

次の前提条件を満たしていることを確認します。

次の情報を用意してください。

  1. 任意のクラスタノードでスーパーユーザーになります。

  2. clsetup ユーティリティーを起動します。


    # clsetup
    

    clsetup のメインメニューが表示されます。

  3. データサービスのオプションに対応する番号を入力し、Return キーを押します。

    「データサービス」メニューが表示されます。

  4. 共有アドレスリソースを構成するためのオプションに対応する番号を入力し、Return キーを押します。

    clsetup ユーティリティーは、この作業を実行するための前提条件のリストを表示します。

  5. 前提条件が満たされていることを確認し、Return キーを押して継続します。

    clsetup ユーティリティーは、共有アドレスリソースをオンラインにすることができるクラスタノードまたはゾーンのリストを表示します。

  6. 共有アドレスリソースをオンラインにすることができるノードまたはゾーンを選択します。

    • 任意の順序で並んでいる一覧表示されたすべてのノードのデフォルト選択をそのまま使用するには、a と入力し、Return キーを押します。

    • 一覧表示されたノードまたはゾーンのサブセットを選択するには、ノードに対応する番号のコンマ区切りまたはスペース区切りのリストを入力します。続いて、Return キーを押します。

    • 特定の順序ですべてのノードを選択するには、ノードに対応する番号のコンマ区切りまたはスペース区切りの順序付きリストを入力し、Return キーを押します。

  7. ノードの選択を確認するには、d を入力して、Return キーを押します。

    clsetup ユーティリティーは、リソースが使用可能にする共有アドレスをユーザーが指定できる画面を表示します。

  8. このリソースが使用可能にする共有アドレスを入力し、Return キーを押します。

    clsetup ユーティリティーは、このユーティリティーが作成する Sun Cluster オブジェクトの名前を表示します。

  9. Sun Cluster オブジェクトに別の名前が必要である場合、次のように名前を変更します。

    1. 変更する名前に対応する番号を入力し、Return キーを押します。

      clsetup ユーティリティーは、新しい名前を指定できる画面を表示します。

    2. 「新しい値」プロンプトで、新しい名前を入力し、Return キーを押します。

    clsetup ユーティリティーは、このユーティリティーが作成する Sun Cluster オブジェクトの名前のリストに戻ります。

  10. Sun Cluster オブジェクト名の選択を確認するには、d を入力して、Return キーを押します。

    clsetup ユーティリティーは、このユーティリティーが作成する Sun Cluster の構成に関する情報を表示します。

  11. 構成を作成するには、c を入力し、Return キーを押します。

    clsetup ユーティリティーは、構成を作成するためにこのユーティリティーがコマンドを実行していることを示す進行状況のメッセージを表示します。構成が完了した時点で、clsetup ユーティリティーは、構成を作成するためにユーティリティーが実行したコマンドを表示します。

  12. (省略可能) clsetup ユーティリティーが終了するまで、繰り返し q を入力し、Return キーを押します。

    必要に応じて、ほかの必要な作業を実行している間、clsetup ユーティリティーを動作させたままにし、そのあとでユーティリティーを再度使用することができます。clsetup ユーティリティーを終了する場合、ユーザーがユーティリティーを再起動する際に、ユーティリティーは既存の共有アドレスリソースグループを認識します。

  13. 共有アドレスリソースが作成されていることを確認します。

    このためには、clresource(1CL) ユーティリティーを使用します。デフォルトでは、clsetup ユーティリティーは、リソースグループに名前 node_name-rg を割り当てます。


    # clresource show node_name-rg
    

Procedureコマンド行インタフェースを使用して共有アドレスリソースをリソースグループに追加する


注 –

共有アドレスリソースをリソースグループに追加すると、リソースの拡張プロパティーはデフォルト値に設定されます。デフォルト以外の値を指定するには、リソースをリソースグループに追加した後、そのリソースを変更する必要があります。詳細については、「論理ホスト名リソースまたは共有アドレスリソースを変更する」を参照してください。



注 –

この手順は、任意のクラスタノードから実行します。


始める前に

次の情報を用意してください。

  1. クラスタメンバーで、スーパーユーザーになるか、solaris.cluster.modify RBAC の承認を提供する役割になります。

  2. 共有アドレスリソースをリソースグループに追加します。


    # clressharedaddress create -g resource-group -h hostnamelist, … \
    [-X auxnodelist] [-N netiflist] resource
    
    -g resource-group

    リソースグループの名前を指定します。共有アドレスリソースのノードリストでは、同一ノード上では複数のゾーンを指定しないでください。共有アドレスリソースのノードリストは、同一ノード上で異なるゾーンを指定してはいけません。nodename:zonename のペアの同一リストをスケーラブルリソースグループのノードリストとして指定します。

    -h hostnamelist, …

    共有アドレスホスト名をコンマで区切って指定します。

    -X auxnodelist

    共有アドレスをホストできるクラスタノード (ただし、フェイルオーバー時に主ノードとして使用されない) を識別する物理ノード名または ID またはゾーンをコンマで区切って指定します。これらのノードは、リソースグループのノードリストで潜在的マスターとして識別されるノードと相互に排他的です。補助ノードリストが明示的に指定されていない場合、リストのデフォルトは、共有アドレスリソースを含むリソースグループのノードリストには含まれていない、すべてのクラスタノード名のリストになります。


    注 –

    サービスをマスターするために作成されたすべての非大域ゾーン内でスケーラブルサービスを動作させるには、共有アドレスリソースグループのノードリスト、または共有アドレスリソースの auxnodelist にゾーンの完全なリストを含めます。すべてのゾーンがノードリスト内にある場合は、auxnodelist を省略できます。


    -N netiflist

    各ノード上の IP ネットワークマルチパス グループをコンマで区切って指定します (省略可能)。netiflist の各要素は、netif@node の形式にする必要があります。netif は IP ネットワークマルチパス グループ名 (sc_ipmp0 など) として指定できます。ノードは、ノード名またはノード ID (sc_ipmp0@1sc_ipmp@phys-schost-1 など) で識別できます。


    注 –

    Sun Cluster では、 netif にアダプタ名を使用できません。


    resource

    リソース名を指定します (省略可能)。

  3. 共有アドレスリソースが追加され、妥当性が検査されていることを確認します。


    # clresource show resource
    

例 2–8 共有アドレスリソースのリソースグループへの追加

次に、共有アドレスリソース (resource-1) をリソースグループ (resource-group-1) に追加する例を示します。


# clressharedaddress create -g resource-group-1 -h schost-1 resource-1
# clresource show resource-1

=== Resources ===                              

  Resource:                                        resource-1
  Type:                                            SUNW.SharedAddress:2
  Type_version:                                    2
  Group:                                           resource-group-1
  R_description:                                   
  Resource_project_name:                           default
  Enabled{phats1}:                                 False
  Enabled{phats2}:                                 False
  Monitored{phats1}:                               True
  Monitored{phats2}:                               True

次の手順

共有アドレスリソースを追加したあと、「リソースグループをオンラインにする」の手順を使用してリソースを有効にします。

注意事項

リソースを追加すると、Sun Cluster ソフトウェアは、そのリソースの妥当性を検査します。妥当性の検査に失敗すると、clressharedaddress コマンドはエラーメッセージを出力して終了します。妥当性の検査に失敗した理由を判別するには、エラーメッセージについて各ノード上の syslog を調べてください。メッセージは、妥当性の検査を実施したノードで表示されます。必ずしも clressharedaddress コマンドを実行したノードで表示されるわけではありません。

参照

clressharedaddress(1CL) のマニュアルページ。

Procedureフェイルオーバーアプリケーションリソースをリソースグループに追加する

フェイルオーバーアプリケーションリソースは、以前にフェイルオーバーリソースグループに作成した論理ホスト名を使用するアプリケーションリソースです。


注 –

この手順は、任意のクラスタノードから実行します。


始める前に

次の情報を用意してください。


注 –

この手順はプロキシリソースにも該当します。


  1. クラスタメンバーで、スーパーユーザーになるか、solaris.cluster.modify RBAC の承認を提供する役割になります。

  2. フェイルオーバーアプリケーションリソースをリソースグループに追加します。


    # clresource create -g resource-group -t resource-type \
    [-p "extension-property[{node-specifier}]"=value, …] [-p standard-property=value, …] resource
    
    -g resource-group

    フェイルオーバーリソースグループの名前を指定します。このリソースグループはすでに存在している必要があります。

    -t resource-type

    リソースが属するリソースタイプの名前を指定します。

    -p "extension-property[{node-specifier}]"=value, …

    リソース用に設定する拡張プロパティーのコンマ区切りリストを指定します。設定できる拡張プロパティーはリソースタイプに依存します。どの拡張プロパティーを設定するかを決定するには、リソースタイプのマニュアルを参照してください。

    node-specifier は、-p オプションおよび -x オプションに対する「オプション」の修飾子です。この修飾子は、指定された 1 つまたは複数のノードまたはゾーン上でのみ、1 つまたは複数の拡張プロパティーがリソースの作成時に設定されることを示します。指定した拡張プロパティーは、クラスタ内のほかのノードまたはゾーン上では、設定されません。node-specifier を指定しないと、クラスタ内のすべてのノードおよびゾーン上の指定された拡張プロパティーが設定されます。node-specifier にはノード名またはノード識別子を指定できます。node-specifier の構文例を次に示します。


    -p "myprop{phys-schost-1}"
    

    中括弧 ({}) は、指定した拡張プロパティーをノード phys-schost-1 でのみ設定することを示します。大部分のシェルでは、二重引用符 (") が必要です。

    また次の構文を使用して、2 つの異なるノード上の 2 つの異なるゾーン内で拡張プロパティーを設定することもできます。


    -x "myprop{phys-schost-1:zoneA,phys-schost-2:zoneB}"
    

    注 –

    node-specifier を使用して指定する拡張プロパティーは、ノードごとのプロパティーとして RTR ファイルで宣言します。Per_node リソースプロパティーの属性の詳細は、付録 B 「標準プロパティー」を参照してください。


    -p standard-property=value, …

    リソース用に設定する標準プロパティーのコンマ区切りリストを指定します。設定できる標準プロパティーはリソースタイプに依存します。どの標準プロパティーを設定するかを決定するには、リソースタイプのマニュアルと付録 B 「標準プロパティー」を参照してください。

    resource

    追加するリソースの名前を指定します。

    リソースは有効状態で作成されます。

  3. フェイルオーバーアプリケーションリソースが追加され、妥当性が検査されていることを確認します。


    # clresource show resource
    

例 2–9 フェイルオーバーアプリケーションリソースのリソースグループへの追加

次に、リソース (resource-1) をリソースグループ (resource-group-1) に追加する例を示します。リソースは、以前に定義したフェイルオーバーリソースグループと同じリソースグループに存在している論理ホスト名リソース (schost-1schost-2) に依存しています。


# clresource create -g resource-group-1 -t resource-type-1 \
-p Network_resources_used=schost-1,schost2  resource-1\
# clresource show resource-1

=== Resources ===

  Resource:                                        resource-1
  Type:                                            resource-type-1
  Type_version:                                    
  Group:                                           resource-group-1
  R_description:                                   
  Resource_project_name:                           default
  Enabled{phats1}:                                 False
  Enabled{phats2}:                                 False
  Monitored{phats1}:                               True
  Monitored{phats2}:                               True

次の手順

フェイルオーバーアプリケーションリソースを追加したあと、「リソースグループをオンラインにする」の手順を使用してリソースを有効にします。

注意事項

リソースを追加すると、Sun Cluster ソフトウェアは、そのリソースの妥当性を検査します。妥当性の検査に失敗すると、clresource コマンドはエラーメッセージを出力して終了します。妥当性の検査に失敗した理由を判別するには、エラーメッセージについて各ノード上の syslog を調べてください。メッセージは、妥当性の検査を実施したノードで表示されます。必ずしも clresource コマンドを実行したノードで表示されるわけではありません。

参照

clresource(1CL) のマニュアルページ。

Procedureスケーラブルアプリケーションリソースをリソースグループに追加する

スケーラブルアプリケーションリソースは、共有アドレスリソースを使用するアプリケーションリソースです。共有アドレスリソースはフェイルオーバーリソースグループ内にあります。


注 –

この手順は、任意のクラスタノードから実行します。


始める前に

次の情報を用意してください。


注 –

この手順はプロキシリソースにも該当します。


  1. クラスタメンバーで、スーパーユーザーになるか、solaris.cluster.modify RBAC の承認を提供する役割になります。

  2. スケーラブルアプリケーションリソースをリソースグループに追加します。


    # clresource create -g resource-group -t resource-type \
    -p Network_resources_used=network-resource[,network-resource...] \
    -p Scalable=True
    [-p "extension-property[{node-specifier}]"=value, …] [-p standard-property=value, …] resource
    
    -g resource-group

    以前に作成したスケーラブルサービスリソースグループの名前を指定します。

    -t resource-type

    このリソースが属するリソースタイプの名前を指定します。

    -p Network_resources_used= network-resource[,network-resource...]

    このリソースが依存するネットワークリソース (共有アドレス) のリストを指定します。

    -p Scalable=True

    このリソースがスケーラブルであることを指定します。

    -p "extension-property[{node-specifier}]"=value, …

    リソース用に設定する拡張プロパティーのコンマ区切りリストを指定します。設定できる拡張プロパティーはリソースタイプに依存します。どの拡張プロパティーを設定するかを決定するには、リソースタイプのマニュアルを参照してください。

    node-specifier は、-p オプションおよび -x オプションに対する「オプション」の修飾子です。この修飾子は、指定された 1 つまたは複数のノードまたはゾーン上でのみ、1 つまたは複数の拡張プロパティーがリソースの作成時に設定されることを示します。指定した拡張プロパティーは、クラスタ内のほかのノードまたはゾーン上では、設定されません。node-specifier を指定しないと、クラスタ内のすべてのノードおよびゾーン上の指定された拡張プロパティーが設定されます。node-specifier にはノード名またはノード識別子を指定できます。node-specifier の構文例を次に示します。


    -p "myprop{phys-schost-1}"
    

    中括弧 ({}) は、指定した拡張プロパティーをノード phys-schost-1 でのみ設定することを示します。大部分のシェルでは、二重引用符 (") が必要です。

    また次の構文を使用して、2 つの異なるノード上の 2 つの異なるゾーン内で拡張プロパティーを設定することもできます。


    -x "myprop{phys-schost-1:zoneA,phys-schost-2:zoneB}"
    

    注 –

    node-specifier を使用して指定する拡張プロパティーは、ノードごとのプロパティーとして RTR ファイルで宣言します。Per_node リソースプロパティーの属性の詳細は、付録 B 「標準プロパティー」を参照してください。


    -p standard-property=value, …

    リソース用に設定する標準プロパティーのコンマ区切りリストを指定します。設定できる標準プロパティーはリソースタイプに依存します。スケーラブルサービスの場合、通常は Port_listLoad_balancing_weights、および Load_balancing_policy プロパティーを設定します。どの標準プロパティーを設定するかを決定するには、リソースタイプのマニュアルと付録 B 「標準プロパティー」を参照してください。

    resource

    追加するリソースの名前を指定します。

    リソースは有効状態で作成されます。

  3. スケーラブルアプリケーションリソースが追加され、妥当性が検査されていることを確認します。


    # clresource show resource
    

例 2–10 スケーラブルアプリケーションリソースのリソースグループへの追加

次に、リソース (resource-1) をリソースグループ (resource-group-1) に追加する例を示します。resource-group-1 は、使用されているネットワークアドレス (以下の例の schost-1schost-2) を含むフェイルオーバーリソースグループに依存することに注意してください。リソースは、共有アドレスリソース (schost-1schost-2) に依存し、以前に定義した 1 つまたは複数のフェイルオーバーリソースグループに存在する必要があります。


# clresource create -g resource-group-1 -t resource-type-1 \
-p Network_resources_used=schost-1,schost-2 resource-1 \
-p Scalable=True
# clresource show resource-1

=== Resources ===                              

  Resource:                                        resource-1
  Type:                                            resource-type-1
  Type_version:                                    
  Group:                                           resource-group-1
  R_description:                                   
  Resource_project_name:                           default
  Enabled{phats1}:                                 False
  Enabled{phats2}:                                 False
  Monitored{phats1}:                               True
  Monitored{phats2}:                               True

次の手順

スケーラブルアプリケーションリソースを追加したあと、「リソースグループをオンラインにする」の手順に従ってリソースを有効にします。

注意事項

リソースを追加すると、Sun Cluster ソフトウェアは、そのリソースの妥当性を検査します。妥当性の検査に失敗すると、clresource コマンドはエラーメッセージを出力して終了します。妥当性の検査に失敗した理由を判別するには、エラーメッセージについて各ノード上の syslog を調べてください。メッセージは、妥当性の検査を実施したノードで表示されます。必ずしも clresource コマンドを実行したノードで表示されるわけではありません。

参照

clresource(1CL) のマニュアルページ。