Sun Cluster の概念 (Solaris OS 版)

クラスタ内の時間

クラスタ内のすべてのノード間の時刻は同期をとる必要があります。クラスタノードの時刻と外部の時刻ソースの同期をとるかどうかは、クラスタの操作にとって重要ではありません。Sun Cluster ソフトウェアは、Network Time Protocol (NTP) を使用し、ノード間のクロックの同期をとっています。

通常、システムクロックが数分の 1 秒程度変更されても問題は起こりません。しかし、システムクロックと時刻の起点の同期をとるために、daterdatexntpdate を (対話形式または cron スクリプト内で) アクティブクラスタに対して実行すると、これよりも大幅な時刻変更を強制的に行うことが可能です。ただしこの強制的な変更を行った場合、ファイル修正時刻の表示に問題が生じたり、NTP サービスに混乱が生じる可能性があります。

Solaris オペレーティングシステムを各クラスタノードにインストールする場合は、ノードのデフォルトの時刻と日付の設定を変更できます。通常は、工場出荷時のデフォルト値を使用します。

scinstall コマンドを使用して Sun Cluster ソフトウェアをインストールする場合は、インストールプロセスの手順の 1 つとして、クラスタの NTP を構成します。Sun Cluster ソフトウェアは、ntp.cluster というテンプレートファイルを提供しています (インストールされたクラスタノードの /etc/inet/ntp.cluster を参照)。このテンプレートは、すべてのクラスタノード間で対等関係を確立します。1 つのノードは「優先ノード」になります。ノードはプライベートホスト名で識別され、時刻の同期化がクラスタインターコネクト全体で行われます。NTP 用のクラスタの構成方法については、『Sun Cluster ソフトウェアのインストール (Solaris OS 版)』の第 2 章「クラスタへのソフトウェアのインストール」を参照してください。

また、クラスタの外部に 1 つまたは複数の NTP サーバーを設定し、ntp.conf ファイルを変更してその構成を反映させることもできます。

通常の操作では、クラスタの時刻を調整する必要はありません。ただし、Solaris オペレーティングシステムをインストールしたときに設定された誤った時刻を変更する場合の手順については、『Sun Cluster のシステム管理 (Solaris OS 版)』の第 8 章「クラスタの管理」を参照してください。