Sun Cluster のシステム管理 (Solaris OS 版)

Procedureデバイスグループを追加および登録する (Solaris Volume Manager)

metaset コマンドを使用して、Solaris Volume Manager ディスクセットを作成し、このディスクセットを Sun Cluster ディスクデバイスグループとして登録します。デバイスグループには、ディスクセットを登録するときにディスクセットに割り当てた名前が自動的に割り当てられます。

この手順では、長形式の Sun Cluster コマンドを使用して説明します。多くのコマンドには短縮形もあります。コマンド名の形式の長短を除き、コマンドは同一です。コマンドのリストとその短形式については、付録 A 「Sun Cluster オブジェクト指向コマンド」を参照してください。

  1. ディスクセットを作成するディスクに接続されたノードのいずれかで、スーパーユーザーになるか、RBAC の承認 solaris.cluster.modify を提供する役割になります。

  2. SPARC: Solaris 9 のみ: 構成に必要な Solstice DiskSuite メタデバイスや Solaris ボリュームマネージャー ボリュームの名前の数を算出し、各ノード上の/kernel/drv/md.confファイルを変更します。Solaris 10 を実行している場合、この手順は不要です。

    『Sun Cluster ソフトウェアのインストール (Solaris OS 版)』の「メタデバイス名またはボリューム名とディスクセットの数を算出する」を参照してください。

  3. Solaris Volume Manager ディスクセットを追加し、このディスクセットをデバイスグループとして Sun Cluster に登録します。複数所有者のディスクグループを作成するには、–M オプションを使用します。


    # metaset -s diskset -a -M -h nodelist
    
    -s diskset

    作成するディスクセットを指定します。

    -a -h nodelist

    ディスクセットをマスターできるノードの一覧を追加します。

    -M

    ディスクグループを複数所有者として指定します。


    注 –

    metaset コマンドを実行して設定した Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager デバイスグループは、そのデバイスグループに含まれるノード数に関わらず、デフォルトで二次ノードになります。デバイスグループが作成されたあと、clsetup ユーティリティーを使用することで、二次ノードの希望数を変更できます。ディスクのフェイルオーバーの詳細については、「デバイスグループの二次ノードの希望数を設定する」を参照してください。


  4. 複製されたデバイスグループを構成している場合は、そのデバイスグループの複製プロパティーを設定します。


    # cldevicegroup sync devicegroup
    
  5. デバイスグループが追加されたことを確認します。

    デバイスグループ名は metaset に指定したディスクセット名と一致します。


    # cldevicegroup list 
    
  6. DID マッピングの一覧を表示します。


    # cldevice show | grep Device
    
    • ディスクセットをマスターする (またはマスターする可能性がある) クラスタノードによって共有されているドライブを選択します。

    • ディスクセットにドライブを追加する際は、/dev/did/rdsk/dN という形式の完全な DID デバイス名を使用します。

    次の例では、DID デバイス /dev/did/rdsk/d3 のエントリは、ドライブが phys-schost-1 および phys-schost-2 によって共有されていることを示しています。


    === DID Device Instances ===                   
    DID Device Name:                                /dev/did/rdsk/d1
      Full Device Path:                               phys-schost-1:/dev/rdsk/c0t0d0
    DID Device Name:                                /dev/did/rdsk/d2
      Full Device Path:                               phys-schost-1:/dev/rdsk/c0t6d0
    DID Device Name:                                /dev/did/rdsk/d3
      Full Device Path:                               phys-schost-1:/dev/rdsk/c1t1d0
      Full Device Path:                               phys-schost-2:/dev/rdsk/c1t1d0
    …
  7. ディスクセットにドライブを追加します。

    完全な DID パス名を使用します。


    # metaset -s setname -a /dev/did/rdsk/dN
    
    -s setname

    デバイスグループ名と同じである、ディスクセット名を指定します。

    -a

    ディスクセットにドライブを追加します。


    注 –

    ディスクセットにドライブを追加するときは、下位デバイス名 (cNtXdY) は使用しないでください。下位レベルデバイス名はローカル名であり、クラスタ全体で一意ではないため、この名前を使用するとディスクセットがスイッチオーバーできなくなる可能性があります。


  8. 新しいディスクセットとドライブの状態を検査します。


    # metaset -s setname
    

例 5–21 Solaris Volume Manager デバイスグループの追加

次の例は、ディスクドライブ /dev/did/rdsk/d1 および /dev/did/rdsk/d2 を持つディスクセットおよびデバイスグループの作成を示し、またデバイスグループが作成されたことを確認しています。


# metaset -s dg-schost-1 -a -h phys-schost-1

# cldevicegroup list
dg-schost-1 
metaset -s dg-schost-1 -a /dev/did/rdsk/d1 /dev/did/rdsk/d2