Sun Cluster のシステム管理 (Solaris OS 版)

Procedure既存のクラスタのプライベートネットワークアドレスまたはアドレス範囲を変更する

プライベートネットワークアドレスまたは使用されるネットワークアドレスの範囲、またはその両方を変更するには、次の手順に従います。

始める前に

スーパーユーザーのリモートシェル (rsh(1M)) または Secure Shell (ssh(1)) アクセスが、すべてのクラスタノードで有効になっていることを確認します。

  1. 各クラスタノード上で次のサブステップを実行することで、すべてのクラスタノードを再起動し、非クラスタモードにします。

    1. 非クラスタモードで起動するクラスタノード上で、スーパーユーザーになるか、RBAC の承認 solaris.cluster.admin を提供する役割になります。

    2. clnode evacuate および cluster shutdown コマンドを使用してノードを停止します。

      clnode evacuate コマンドは、すべてのデバイスグループを、指定のノードから次に優先されるノードに切り替えます。またこのコマンドは、指定のノード上の大域または非大域ゾーンから、ほかのノード上の次に優先される大域または非大域ゾーンへ、すべてのリソースグループを切り替えます。


      # clnode evacuate  node
      # cluster shutdown -g0 -y
      
  2. 1 つのノードから、clsetup ユーティリティーを起動します。

    非クラスタモードで動作している場合、clsetup ユーティリティーは非クラスタモード動作用のメインメニューを表示します。

  3. IP アドレス範囲を変更するためのオプションに対応する番号を入力し、Return キーを押します。

    clsetup ユーティリティーは現在のプライベートネットワーク構成を表示し、この構成を変更するかどうかを尋ねます。

  4. プライベートネットワーク IP アドレスか IP アドレス範囲のいずれかを変更するには、「yes」と入力し、Return キーを押します。

    clsetup ユーティリティーはデフォルトのプライベートネットワーク IP アドレスである 172.16.0.0 を表示し、このデフォルトをそのまま使用してもよいかどうかを尋ねます。

  5. プライベートネットワーク IP アドレスを変更するか、そのまま使用します。

    • デフォルトのプライベートネットワーク IP アドレスをそのまま使用し、IP アドレス範囲の変更に進むには、「yes」と入力し、Return キーを押します。

      clsetup ユーティリティーは、デフォルトのネットマスクをそのまま使用してもよいかどうかを尋ねます。次の手順に進み、応答を入力します。

    • デフォルトのプライベートネットワーク IP アドレスを変更するには、次のサブステップを実行します。

      1. clsetup ユーティリティーの、デフォルトのアドレスをそのまま使用してもよいかどうかに関する質問に対しては「no」と入力し、Return キーを押します。

        clsetup ユーティリティーは、新しいプライベートネットワーク IP アドレスを入力するプロンプトを表示します。

      2. 新しい IP アドレスを入力し、Return キーを押します。

        clsetup ユーティリティーはデフォルトのネットマスクを表示し、デフォルトのネットマスクをそのまま使用してもよいかどうかを尋ねます。

  6. デフォルトのプライベートネットワーク IP アドレス範囲を変更するか、そのまま使用します。

    デフォルトのネットマスクは 255.255.248.0 です。このデフォルトの IP アドレス範囲は、クラスタ内で最大 64 のノードと最大 10 のプライベートネットワークをサポートします。

    • デフォルトの IP アドレス範囲をそのまま使用するには、「yes」と入力して、Return キーを押します。

      続いて、次の手順に進みます。

    • IP アドレス範囲を変更するには、次のサブステップを実行します。

      1. clsetup ユーティリティーの、デフォルトのアドレス範囲をそのまま使用してもよいかどうかに関する質問に対しては「no」と入力し、Return キーを押します。

        デフォルトのネットマスクを使用しない場合、clsetup ユーティリティーは、ユーザーがクラスタで構成する予定のノードとプライベートネットワークの数を入力するプロンプトを出します。

      2. クラスタで構成する予定のノードとプライベートネットワークの数を入力します。

        これらの数から、clsetup ユーティリティーは 2 つの推奨ネットマスクを計算します。

        • 第一のネットマスクは、ユーザーが指定したノードとプライベートネットワークの数をサポートする、最低限のネットマスクです。

        • 第二のネットマスクは、将来ありうる成長に対応するため、ユーザーが指定したノードとプライベートネットワークの数の 2 倍をサポートします。

      3. 計算されたネットマスクのいずれかを指定するか、ノードとプライベートネットワークの予定数をサポートする別のネットマスクを指定します。

  7. 更新の継続に関する clsetup ユーティリティーの質問に対しては、「yes」と入力します。

  8. 完了後 clsetup ユーティリティーを終了します。

  9. 各クラスタノードに対して次のサブステップを実行することで、各クラスタノードを再起動し、クラスタモードに戻します。

    1. ノードを起動します。

      • SPARC ベースのシステム上で、以下のコマンドを実行します。


        ok boot
        
      • x86 ベースのシステムでは、次の操作を実行します。

        GRUB メニューが表示された時点で、適切な Solaris エントリを選択し Enter キーを押します。GRUB メニューは次のようになっています。


        GNU GRUB version 0.95 (631K lower / 2095488K upper memory)
        +-------------------------------------------------------------------------+
        | Solaris 10 /sol_10_x86                                                  |
        | Solaris failsafe                                                        |
        |                                                                         |
        +-------------------------------------------------------------------------+
        Use the ^ and v keys to select which entry is highlighted.
        Press enter to boot the selected OS, 'e' to edit the
        commands before booting, or 'c' for a command-line.
  10. ノードが問題なく起動し、オンラインであることを確認します。


    # cluster status -t node