Sun Cluster のシステム管理 (Solaris OS 版)

アプリケーションリソースグループの構成

高可用性を実現するためには、アプリケーションはアプリケーションリソースグループのリソースとして管理される必要があります。アプリケーションリソースグループは、フェイルオーバーアプリケーションまたはスケーラブルアプリケーション向けに構成できます。

主クラスタ上に構成したアプリケーションリソースとアプリケーションリソースグループは、二次クラスタ上でも構成される必要があります。また、アプリケーションリソースがアクセスするデータは、二次クラスタに複製する必要があります。

この節では、次のアプリケーションリソースグループを構成するためのガイドラインを紹介します。

フェイルオーバーアプリケーション向けのリソースグループの構成

フェイルオーバーアプリケーションでは、1 つのアプリケーションが 1 度に 1 ノード上で動作します。ノードで障害が発生すると、アプリケーションは同じクラスタ内の別のノードにフェイルオーバーします。フェイルオーバーアプリケーション向けリソースグループは、以下の特徴を持っていなければなりません。

図 A–4 に、フェイルオーバーアプリケーションでのアプリケーションリソースグループと複製リソースグループの構成を示します。

図 A–4 フェイルオーバーアプリケーションでのリソースグループの構成

フェイルオーバーアプリケーションでのアプリケーションリソースグループと複製リソースグループの構成を示す図

スケーラブルアプリケーション向けのリソースグループの構成

スケーラブルアプリケーションでは、アプリケーションは複数のノードで実行されて、1つの論理サービスを作成します。スケーラブルアプリケーションを実行しているノードで障害が発生しても、フェイルオーバーは起こりません。アプリケーションは別のノードで引き続き実行されます。

スケーラブルアプリケーションをアプリケーションリソースグループのリソースとして管理している場合は、アプリケーションリソースグループをデバイスグループと結び付ける必要はありません。したがって、アプリケーションリソースグループ向けに HAStoragePlus リソースを作成する必要はありません。

スケーラブルアプリケーション向けリソースグループは、以下の特徴を持っていなければなりません。

図 A–5 に、スケーラブルアプリケーションでのリソースグループの構成を示します。

図 A–5 スケーラブルアプリケーションでのリソースグループの構成

スケーラブルアプリケーションでのリソースグループの構成を示す図