『Sun Cluster データサービス開発ガイド (Solaris OS 版)』では、SunTM Cluster データサービスを開発するための リソース管理 API の使用に関する情報が記載されていますSPARC® と x86 ベース両方のシステムの Sun Cluster 製品に関する概念的情報と参照情報が記載されています。
この Sun Cluster リリースでは、SPARC および x86 系列のプロセッサアーキテクチャー (UltraSPARC、SPARC64、AMD64、および Intel 64) を使用するシステムをサポートします。このドキュメントでは、x86 とは 64 ビット x86 互換製品の広範囲なファミリーを指します。このドキュメントの情報では、特に明示されている場合以外はすべてのプラットフォームに関係します。
このマニュアルは、Sun のソフトウェアとハードウェアについて豊富な知識を持っている経験のある開発者を対象にしています。このマニュアルの情報は、Solaris オペレーティングシステムの知識を前提としています。
『Sun Cluster データサービス開発ガイド (Solaris OS 版)』は、次の章と付録で構成されています。
第 1 章リソース管理の概要では、データサービスを開発するのに必要な概念について説明します。
第 2 章データサービスの開発では、データサービスの開発に関する詳細な情報を説明します。
第 3 章リソース管理 API リファレンスでは、リソース管理 API (Resource Management API、RMAPI) を構成するアクセス関数とコールバックメソッドに関する情報を説明します。
第 4 章リソースタイプの変更では、リソースタイプを変更するために理解しておく必要がある問題点を説明します。また、クラスタ管理者がリソースを更新できるようにする手段についても説明します。
第 5 章サンプルデータサービスでは、in.named アプリケーション用の Sun Cluster データサービスの例を紹介します。
第 6 章データサービス開発ライブラリでは、データサービス開発ライブラリ (Data Service Development Library、DSDL) を形成するアプリケーションプログラミングインタフェースの概要を説明します。
第 7 章リソースタイプの設計では、リソースタイプの設計と実装における DSDL の代表的な使用例について説明します。
第 8 章サンプル DSDL リソースタイプの実装では、DSDL により実装されるリソースタイプの例を説明します。
第 9 章Sun Cluster Agent Builderでは、Sun Cluster Agent Builder について説明します。
第 10 章汎用データサービスでは、一般的なデータサービスの作成方法について説明します。
第 11 章DSDL API 関数では、DSDL API 関数について説明します。
第 12 章クラスタ再構成通知プロトコルでは、Cluster Reconfiguration Notification Protocol (CRNP) について説明します。CRNP を使用することで、フェイルオーバー用のアプリケーションやスケーラブルアプリケーションを「クラスタ対応」として設定できます。
付録 A 標準プロパティーでは、標準リソースタイプ、リソース、およびリソースグループのプロパティーについて説明します。
付録 B データサービスのコード例では、データサービスの例について、それぞれのメソッドの完全なコードを示します。
付録 C サンプル DSDL リソースタイプのコード例では、SUNW.xfnts リソースタイプにおける各メソッドの完全なコードを示します。
付録 D 有効な RGM 名と値では、リソースグループマネージャー (Resource Group Manager、RGM) の名前と値についての文字の要件を説明します。
付録 E 非クラスタ対応のアプリケーションの要件では、クラスタに対応していない、通常のアプリケーションを高可用性に適用させる要件を説明します。
付録 F CRNP のドキュメントタイプ定義では、CRNP のドキュメントタイプ定義を説明します。
付録 G CrnpClient.java アプリケーションでは、第 12 章クラスタ再構成通知プロトコルで説明されている CrnpClient.java の完全なアプリケーションを示します。
関連のある Sun Cluster のトピックについては、次の表に示したマニュアルを参照してください。Sun Cluster に関するマニュアルはすべて、http://docs.sun.com で参照できます。
項目 |
マニュアル |
---|---|
概要 | |
概念 | |
ハードウェアの設計と管理 |
『Sun Cluster 3.1 - 3.2 Hardware Administration Manual for Solaris OS 』 各ハードウェア管理ガイド |
ソフトウェアのインストール | |
データサービスのインストールと管理 |
『Sun Cluster データサービスの計画と管理 (Solaris OS 版)』 各データサービスガイド |
データサービスの開発 | |
システム管理 | |
ソフトウェアアップグレード | |
エラーメッセージ | |
コマンドと関数のリファレンス |
『Sun Cluster Reference Manual for Solaris OS 』 『Sun Cluster Data Services Reference Manual for Solaris OS 』 『Sun Cluster Quorum Server Reference Manual for Solaris OS 』 |
Sun Cluster ドキュメントの完全なリストについては、http://wikis.sun.com/display/SunCluster/Home/ で Sun Cluster ソフトウェアの使用しているリリースのリリースノートを参照してください。
Sun Cluster ソフトウェアのインストールや使用に関して問題がある場合は、以下の情報をご用意の上、担当のサービスプロバイダにお問い合わせください。
名前と電子メールアドレス
会社名、住所、および電話番号
システムのモデル番号とシリアル番号
オペレーティングシステムのバージョン番号 (例: Solaris 10 OS)
Sun Cluster ソフトウェアのバージョン番号 (例: 3.2 1/09)
次のコマンドを使用し、システムに関して、サービスプロバイダに必要な情報を収集してください。
コマンド |
機能 |
---|---|
prtconf -v |
システムメモリのサイズと周辺デバイス情報を表示します |
psrinfo -v |
プロセッサの情報を表示する |
showrev -p |
インストールされているパッチを報告する |
SPARC:prtdiag -v |
システム診断情報を表示する |
/usr/cluster/bin/clnode show-rev |
Sun Cluster のリリースとパッケージバージョン情報を表示する |
上記の情報にあわせて、/var/adm/messages ファイルの内容もご購入先にお知らせください。
Sun の Web サイトでは、次のサービスに関する情報も提供しています。
このマニュアルでは、次のような字体や記号を特別な意味を持つものとして使用します。
表 P–1 表記上の規則
字体または記号 |
意味 |
例 |
|
---|---|---|---|
AaBbCc123 |
コマンド名、ファイル名、ディレクトリ名、画面上のコンピュータ出力、コード例を示します。 |
.login ファイルを編集します。 ls -a を使用してすべてのファイルを表示します。 system% |
|
AaBbCc123 |
ユーザーが入力する文字を、画面上のコンピュータ出力と区別して示します。 |
system% su password: |
|
AaBbCc123 |
変数を示します。実際に使用する特定の名前または値で置き換えます。 |
ファイルを削除するには、rm filename と入力します。 |
|
『 』 |
参照する書名を示します。 |
『コードマネージャ・ユーザーズガイド』を参照してください。 |
|
「 」 |
参照する章、節、ボタンやメニュー名、強調する単語を示します。 |
第 5 章「衝突の回避」を参照してください。 この操作ができるのは、「スーパーユーザー」だけです。 |
|
\ |
枠で囲まれたコード例で、テキストがページ行幅を超える場合に、継続を示します。 |
|
コード例は次のように表示されます。
C シェル
machine_name% command y|n [filename] |
C シェルのスーパーユーザー
machine_name# command y|n [filename] |
Bourne シェルおよび Korn シェル
$ command y|n [filename] |
Bourne シェルおよび Korn シェルのスーパーユーザー
# command y|n [filename] |
[ ] は省略可能な項目を示します。上記の例は、filename は省略してもよいことを示しています。
| は区切り文字 (セパレータ) です。この文字で分割されている引数のうち 1 つだけを指定します。
キーボードのキー名は英文で、頭文字を大文字で示します (例: Shift キーを押します)。ただし、キーボードによっては Enter キーが Return キーの動作をします。
ダッシュ (-) は 2 つのキーを同時に押すことを示します。たとえば、Ctrl-D は Control キーを押したまま D キーを押すことを意味します。